複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- マジカルスイーツショップ【完結!】
- 日時: 2014/08/06 15:45
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=8190
ある都会の一角に小さなお菓子屋さんがありました。
そのお店の主人の名はヘンリー、孫の名はマーラー。
このふたりはどこにでもいるごく普通のおじいちゃんと孫に見えますが、彼らの正体は様々な願いを叶えるお菓子を作る魔法使いだったのです。
☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆—☆
今回は明るく楽しいマジカルコメディを書きたいと思います。
駄文だと思いますが、みなさん応援よろしくお願いします。
※この作品はとある有名作品のパロディを多く含みます。
奇想天外プロレス物語の最終シリーズです。
ありがたいお客様
HIROさん クレスさん
イノウエくん ベルトーニさん
楔さん 風死さん
レイRさん
みららさん
金平糖さん
倉さん
コッコさん
suirenさん
陽乃悠飛さん
はまさん
彼方さん
煌四季さん
フスマさん
カレルさん
愛欄さん
夜幽さん
ヒナさん
紫蓮さん
ありがたいオリキャラ
>>8>>14>>25>>61>>74>>77>>87>>121>>127>>141>>156>>166>>185>>203
登場人物紹介>>1 オリキャラ応募用紙>>2>>60>>114
ほのぼの(日常編 )
第1話>>3>>4
第2話>>5>>6
第3話>>7>>11>>12
第4話>>13
第5話>>16
第6話>>19>>20
第7話>>21>>22
第8話>>23>>24
第9話>>27>>28>>29>>30
第10話>>31>>34>>37
第11話>>38>>39>>42
第12話>>43>>48>>49
第13話>>50>>51>>52
第14話>>53>>58>>59
シリアス(妖怪大襲撃編)
熱血プロレス(銀河8神編)
第15話>>115 第37話>>163 第59話>>199 第81話>>245
第16話>>116 第38話>>164 第60話>>202 第82話>>246
第17話>>117 第39話>>165 第61話>>205 第83話>>248
第18話>>118 第40話>>168 第62話>>206 第84話>>249
第19話>>123 第41話>>171 第63話>>209 第85話>>250
第20話>>124 第42話>>174 第64話>>212 最終話>>251
第21話>>125 第43話>>177 第65話>>213
第22話>>129 第44話>>178 第66話>>214
第23話>>130 第45話>>179 第67話>>215
第24話>>131 第46話>>180 第68話>>218
第25話>>132 第47話>>183 第69話>>221
第26話>>133 第48話>>184 第70話>>222
第27話>>138 第49話>>187 第71話>>223
第28話>>139 第50話>>188 第72話>>228
第29話>>148 第51話>>189 第73話>>229
第30話>>150 第52話>>190 第74話>>230
第31話>>152 第53話>>191 第75話>>237
第32話>>158 第54話>>194 第76話>>238
第33話>>159 第55話>>195 第77話>>239
第34話>>160 第56話>>196 第78話>>240
第35話>>161 第57話>>197 第79話>>241
第36話>>162 第58話>>198 第80話>>244
- Re: マジカルスイーツショップ【参照280突破!】 ( No.48 )
- 日時: 2014/06/11 19:29
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
「秘儀『華麗米斬り』!」
あたしたちが話をしている間もチェイダーさんと川村くんの激闘は続く。
川村くんは必殺技を出したけど、模造のサーベルで防がれてあっさりと弾き返されてしまう。
「うぬ…これならどうでござるか!『風車斬り』!」
彼は上空へ飛び上がり回転しながら落下、そのまま斬心刀を一直線に振り下ろすけど、なんとその攻撃は真剣白羽どりで受け止められてしまった。
模造刀とはいえ、強すぎます、チェイダーさん。
「小僧、お前の実力はこんなものか!」
彼に蹴り飛ばされ、地面を転がる川村くん。
立ち上がってきたときにはかなりボロボロになっていて立ち上がるのだけで精一杯の状態だ。
「川村くん、もうやめて!あたしのために戦わないで!」
すると彼は、微笑みを浮かべ、
「そうはいかないでござる。拙者、命に代えてもお主らの命守って見せるでござる」
そんな…
あたしは戸惑いを隠せなかった。
どうして彼は何にも関係ないのにここまで尽くしてくれるのだろう?
「拙者は正義の味方、川村猫衛門。通称ネコザムライでござる。
困っている人を助けるのは正義の味方として当然のことでござる。
ところで、チェイダーとやら、お主、拙者の最終奥義を受けてみるでござるか?」
「フン、どんな攻撃だろうと受けて立ってやる。お前の最後のあがきとやらをしてみるがいい、小僧」
その刹那、あたしの隣に座っていたうどん大好きの男の子がどこから持ってきたのか、プレイヤーのスイッチを入れると音楽のイントロが流れてきた。
「いくでござる。最終奥義…『サムライ戦隊』!」
- Re: マジカルスイーツショップ【参照280突破!】 ( No.49 )
- 日時: 2014/06/11 20:56
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
音楽のイントロが流れると同時に川村くんの動きに変化が見られた。
なんだか先ほどよりも早くなっている気がする。
それにしても、この曲なんの曲なんだろう?
すると隣の子が口を開いた。
「…これはサムライ戦隊のオープニング曲」
ああ、戦隊ヒーローものかあ。
同じクラスの星野くんっていう子が戦隊モノの大ファンだっけ。
彼がいたら色々解説してくれそうだけど、まあいいか。
《四六時中〜未来へ走り出す〜》
《1から10まで真剣だ〜》
曲が進むに連れて彼のスピードはどんどん上昇していき、サビの部分で目に見えないほどの速さで剣裁きを披露し、敵を圧倒する。
すごい。すごいよ、川村くん!
「だが、ここまでのようだな」
「すまぬ、お主ら…」
急に川村くんが失速する。肩で息をし、疲労困憊している。
「最終奥義は、普段の倍体力を消耗するのでござるよ…」
「ぬうん!!」
彼はチェイダーさんの斬撃を食らい吹き飛ばされ、地面に倒れ伏すと、そのまま動かなくなった。
「川村くん!」
あたしが駆け寄ろうとすると、例のうどん好きの子がサッと手で制した。
「……心配いらない。彼は気絶しただけ。さっき言った通り、次は僕が彼と戦う」
彼は長い棒を持ってくると、華麗な動作でクルクルと回転させながらつぶやいた。
「…ウン。悪くない棒だね。これなら十分に戦えるよ」
- Re: マジカルスイーツショップ【参照290突破!】 ( No.50 )
- 日時: 2014/06/11 21:28
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
彼が指を鳴らすと、また別の曲が流れてきた。
「…これは爆竜戦隊のオープニング曲」
言うが早いが彼はフルスロットルで敵に向かっていった。
「うおおおおおおお!」
さっきとは本当に同一人物なのかと疑うほど素早く、そして容赦ない豪快な殴打の連続攻撃を炸裂させる。
斬撃も棒を回転することによりガードしているし、思ったより強い。
というか、かなり強い。
「フン。だが俺の攻撃をその程度で止めたと過信してもらっては困る!」
またしても曲が終わる隙をついて、彼を撃破してしまった。
どうしよう…頼みの綱のふたりが負けちゃった…
このままじゃ、大好きなクロワッサンくんが彼に奪われてしまう!
このまま、離れ離れになるなんて絶対に嫌っ!
「待ちたまえ!」
「ガキ共を大人がいじめるとはらしくない」
「この戦い、我々も参戦しよう」
突如、上空からそんな声がしたかと思うと、3人の男の人が降りてきた。
「な、何者だ!お前たちは?」
あたしたちの前に突然、心強い味方が3人も現れた。
もしかすると、この3人がチェイダーさんを倒してくれるかもしれない。
「魑魅魍魎をブッた斬る!天国の闘犬、マスター=フドー!」
「最強剣が今こそ震える!閃光の剣士、マスター=トリニティ!」
「悪は全て焼き尽くす!愛と正義の太陽の騎士、マスター=カイザー!」
それぞれが名乗りを上げた後、剣を引き抜き、決めポーズを決め、口を合わせる。
「「「弱気を助け強気をくじく、仲良し3人組、グランドマスターズ!」」」
- Re: マジカルスイーツショップ【参照290突破!】 ( No.51 )
- 日時: 2014/06/12 07:36
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
突然現れた謎の3人組、グランドマスターズ。
ひとりは目つきが鋭い男の人、マスター=フドー。
ひとりは金色の甲冑に青のマントを着た、マスター=トリニティ。
最後は赤の鎧身を包んだ戦士、マスター=カイザー。
3人ともそろいも揃って変な恰好したおじさんにしか見えないけど、今はただ彼らに頼るしかない!
「まずは俺が行かせてもらおう」
最初にフドーさんが彼と戦うことになった。
いつの間にか観客席が増え、負傷した川村くんや男の子、残りのふたりが座ってフドーさんと彼の戦いを観戦している。
「お前がフドーか。名前は聞いている」
「だろうな。俺たちは今回、ある目的のために彼らに加勢している」
「その目的が何であろうと、俺はお前たちを潰し、クロワッサンを我が物にするのだよ!」
ガキィン!キン、キン!
ふたりの模造刀が打ち合う。
今のところふたりの力は互角。
「なかなかやるではないか、フドーとやら」
「当たり前だ。異名は伊達じゃない」
「そうか。他のふたりの実力も楽しみだな」
「随分舐められたものだ。仕方がない。こうなれば、一気にケリをつけてやろう。奥義『特捜戦隊』!」
するとまた新しい曲が流れてきた。多分今までの流れからすると、これも戦隊ヒーロー物の曲なんだろうと、あたしは予想を立てる。
「大正解だ、お嬢さん。これは『特捜戦隊』の曲だ」
フドーさんは答え、敵に攻撃を再開する。
と、彼の剣が以前に増して輝きが増している。
《…銀河の果てまで追いかけてゆく〜》
《…静かな星を取り戻すためにさあ〜》
サビの部分に入り、フドーさんの強面の顔がますます怖くなり、剣裁きも威力を増大させていく。
「ぐっ…!この威力…今までの小僧たちとは一味もふた味も違う…!」
「くだらないことを言うな。今までの相手はガキで俺は大人なんだから、当然だろう!」
「ぐああああああああっ!」
チェイダーさんはその威力に吹き飛ばされる。
「よし、後退だ、カイザー」
ここでフドーさんはカイザーさんに交代する。
「よかろう、フドー。あとは私に任せろ」
重い声と体でゆっくりと剣を引き抜くカイザーさん。
それと同時にまた違う曲が流れてくる。
解説をしている、うどん好きの男の子が言うには、『魔法戦隊』のオープニング曲なんだそうだ。
《…勇気という名の魔法を持ってる〜》
「サン=ミシェル!」
サビの部分で放たれた、世界遺産に似た名前の必殺の炎をまとった斬撃はチェイダーさんに大ダメージを与える。
「代わろう、トリニティ」
今度はトリニティさんと代わる。
「勇敢に決めてやろう!」
今度はかなり熱い曲だ。この曲は『獣電戦隊』の曲らしい。
《…ほんとの強さは一体どこにあるというのだろう〜》
《地球儀を回すよりも心の中をさ〜がせ〜》
「ずああ!」
サビで炸裂した青い剣の連続斬りを受け、チェイダーさんは膝をついたが、まだ立ち上がってくる。
「なんて体力なの、この人!」
「俺はまだまだ戦える。さあ、次は誰が相手だ!」
「クロワッサンくん、次はきみが闘いたまえ。
長い因縁に決着をつけるいい機会だ」
トリニティさんの言葉を聞いたクロワッサンくんは、コクリと頷き、立ち上がって彼と交代した。
あたしはそんな彼の背中に声をかける。
「がんばって、クロワッサンくん!」
こうして因縁の対決が幕を開けた。
- Re: マジカルスイーツショップ【参照290突破!】 ( No.52 )
- 日時: 2014/06/12 11:14
- 名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)
「……」
「義息子よ、俺はお前と戦えて嬉しいぞ」
「……」
彼は何も言わない。ただ黒い大きな瞳で彼を見つめるだけだ。
「俺はお前がいなくなってからというもの、世界中を探し回った。せっかくの奴隷…いや、義息子を失ってしまったからな」
この人、クロワッサンくんを奴隷のようにこき使っていただなんて、許せないよ。
「クロワッサン、お前は俺の奴隷であるべき存在であり、それ以外の何者でもないのだ!」
彼は剣を放り投げ、拳を放つ。
その刹那、曲が流れだした。
「…この曲は轟轟戦隊の曲だよ」
うどん好きの子が解説する。
その曲に乗ってクロワッサンくんが敵に猛攻を加える。
「あなたは全てをぼくから奪った。
それでもなお、これ以上ぼくから大切なものを奪おうというのか!最愛の人までも!」
…クロワッサンくんが、初めて、しゃべった…
少し高くて凛と響く声で、彼は続ける。
「ぼくはもう、あなたの言いなりにはならない。なぜならぼくは、この場所で、最愛の人を見つけたのだから!」
「ほざけ!男の娘は全部俺のもんだ!お前の恋愛などたかが知れている!そんな恋愛感情ごとブチ砕いてくれる!」
彼の拳はうなりを上げ、向かってくる。
と、そのとき曲のサビに差し掛かった。
《奇跡の子ども無限の夢を追いかけてみよう〜!》
「ぼくは愛する真帆さんのために、この戦い、負けるわけにはいかない!彼女の応援に声耐えるためにも、ぼくは勝つ!」
彼の拳を避け、連続のパンチを顔面に浴びせる。
続いて飛び上がり蹴りを数発浴びせ、
曲の最後で全身全霊をかけたアッパーをお見舞いした。
「この俺が……まさか負けるとは…!」
拳の威力に彼は盛大に吹き飛び、チェイダーさんはダウン。
そのまま立ち上がらず、クロワッサンくんの勝利が確定した。
そして彼は私の前に歩み寄り、口を開いた。
「真帆さん、ぼくはあなたのことが、大好きです」
真実だけを伝えた飾り気のない真っ直ぐな言葉。この言葉が本当に、本当に嬉しかった。
「あたしもあなたの事が好きです!もし、こんなあたしでよければ、付き合ってください!」
彼は最高の笑顔でコクリと頷いた。
「ありがとう、クロワッサンくん!」
あたしは思わず、彼に抱きつき、その唇にキスをした。
☆
「ほっほっほ、どうやら、わしらの作戦、うまくいったようじゃな」
清水くんの水晶玉を見て、満面の笑みを浮かべるおじいちゃん。
実はすべてはおじいちゃんが、ふたりの愛の強さを確かめあうために用意した作戦だったのだ。
「そうだね、おじいちゃん。ぼく、クロワッサンくんに恋人ができて本当に幸せ!」
ぼくは頷き、おじいちゃんと清水くんと一緒に恋人になったふたりを祝福しに、お店へ向かう。
「おめでとう、ふたりとも!」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45