複雑・ファジー小説

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しりとりシリーズの『その後』
日時: 2016/05/07 17:13
名前: 彩都 (ID: YohzdPX5)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=18457

始めましての方も知っている方も始めまして。

彩都(サイト)と申します、七作目です。

この作品は『しりとりシリーズ』の続編となっております。

URLは前作『しりとりシリーズ』となっております。

感想等は、この作品の終了後か、前作『しりとりシリーズ』のスレッドにて、お書き下さい。

それではどうぞ。

 NEXT 『愛』、『言う』、『上』、『笑顔』、『謳歌』

Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.39 )
日時: 2016/09/17 20:28
名前: 彩都 (ID: ACwaVmRz)  

 しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 3 帝都戦争 開始

「ふむ、結構書類の処理は終わった、さて次は志摩が帰ってくるのを待つだけか」
 そう言いながら椅子から立ち上がって、体を動かす、完全に体が鈍ってしまった、こうも平和だと平和ボケしてしまいそうで怖いな──そう思っていると、不意に戦車のキャタピラの動く音がする、何だ、と思いながら外を見る、何だ、予行演習か、そう思っていると急に戦車の砲台から弾を発射する、えっ? 何をしているんだ、戦車は?
 そう思っているとその砲弾は何処へ行くのかと思えば皇居のど真ん中、天皇様が住んでいる場所に向かって砲弾を撃っていた、おい! 何をしているんだ!? 一応警邏なのでその戦車に向かって走って近付く、すると戦車から髭面のおっさんが現れて叫ぶ。
「俺は反乱軍だ! 今から天皇を殺す! そして新たな天皇にさせる! 死にたくなかったら逃げやがれ!」
 何とも優しい反乱軍だな、心の中でそう思いながら俺は皇居に来ているお客さんを逃がしていく、すると反乱軍は俺に気づいたようで。
「お前、何もんだ?」
 と、髭面の男がそう言うので、俺は丁寧に答える。
「俺は警邏の、久比里色也(くびり しきや)だ、お前は何者だ? 場合によっては殺す」
 俺はそう忠告すると髭面の男は答える。
「俺はただの反乱軍、まぁ、反乱軍幹部だがな──俺の名前は枝垂裂木(しだれ ざき)だ! よく覚えておきやがれ!」
「いや、覚えないよ、何故ならお前が現在の天皇様を殺すって言っているのだからな」
 そう言いながら俺は腰にかけてある短刀を枝垂に向かって投げる、だが戦車に潜って短刀の攻撃を回避する。
「おいおいおいおい、危ないなぁ、死ぬかと思ったぜ」
「殺す気で投げたのだが──」
 そう言いながら俺は一気に枝垂との間合いを詰めて、枝垂の額に拳銃を突きつける、そして冷酷な目で言う。
「はい、これで逃げられないだろう? さっさと降参したらどうだ?」
 そう言うと涙目で枝垂は言う、流石に今此処で殺したくは無いが、辞世の言葉位は聞いてやるか──そう思いながら拳銃を離す。
「わ、分かった、今から帰るから離してくれ、なっ?」
 枝垂はそう言いながら懐からピンを外した手榴弾を投げる、そして枝垂は悪どい顔をしながら言う。
「『今から帰る』のは、お前だ! 今から『冥土』に帰りやがれ! 国家の狗共!」
 ほう、手榴弾か、中々良いタイプのを持っているな、あまり傷つけたくないが、仕方無い、どう対処するか少しだけ考えるか──そう思いながら、枝垂を見る、枝垂は戦車の中に隠れて、扉も閉じている、完全に俺だけが攻撃を受ける破目になっている、全く──何て面倒な事をしてくれた──さて、今二つ三つの案が浮かんでいる、まず一つ目は、『そのままぶった切る』だ、生憎俺に短刀は無い、投げてしまったからな、だったら二つ目の案も使用不可となる、その案とは、『刀の峰で遠くへ飛ばす』だ、今は短刀を持って居ないので不可能となってしまった、だから今残っている選択肢は、ただ一つ、『拳銃の銃身で遠くに飛ばす』!! 拳銃を野球のバッドの様に持ち、思いっきり、前へ飛ばす──ぐっ、案外重いな、手榴弾って……昔触った事があるが、ここ迄重かったか? いや、簡単に言えば火薬がそれ程詰まっているのか、それなら納得するな、そう思いながら、思いっきり、拳銃を振った、すると綺麗に手榴弾は前へ吹き飛び、空中で爆発する、ちゃんと周りを確認して前へ吹き飛ばしたので安心だ。
 爆発して喜びながら戦車の出入り口を開ける枝垂、だが生きている俺を見て、扉を閉めようとする、だがそれはダメだ、もうお前を生かしてはおけない、法律で、『国家反逆罪』を犯したからな──そう思いながら拳銃で枝垂の頭を撃つ、綺麗に血が出て、少しスッキリする、俺は法律に遵守したから極楽で過ごさせてくれよ? そう思いながら戦車が来た道を見る、すると何台も戦車が向かってくる、はぁ、今日は反乱日和かよ、そう思いながら短刀を回収して、枝垂の戦車前に立って、何台ものの戦車に向かって俺は短刀を突きつける、さぁ、掛かって来い、俺が天皇様を守ってやる──

「うーん、中々見付からないなぁ……」
 そう呟きながら各務志摩(かがみ しま)は迷子の少年にジュースを奢って、二人でジュースを飲んでいた。
「ジュース、美味しい?」
 と、志摩が聞くと少年は可愛い笑顔で言った。
「うん! 美味しい! 後はお母さんが早く見付かればなぁ……」
 ……それは確かにそうかも──志摩はそう思いながら周りを見る、何も無いこの皇居、本当に楽しむ場所が無い、本当に天皇様は此処が楽しいだろうか? 志摩はそう思いながら溜息を吐く、すると少年が『お母さん!』と大声で叫ぶ、すると息子に気付いた母親が少年に近付く。
「お母さんだ! もう、探したんだよ?」
「ゴメンねぇ、お母さん、方向音痴で……」
 まさかの母親が方向音痴か、息子大変だな、そう思っていると、自分の自己紹介を忘れている事に気付く志摩。
「あの、私、警邏の各務志摩と申します、お宅の息子さんを預かっていました、見付かって良かったね?」
「うん! 有難うお姉さん!」
 少年はそう言いながら母と一緒に行動する、その瞬間だった、ドガン、と皇居に大きな砲弾が突っ込まれる音がする、えっ? 何なんだ? そう思いながら志摩は砲弾の音が起きた場所へ向かう──急がないと、何かが危ない! そう思いながら全速力で走る、色也の近くに志摩が向かっている事は色也は知らなかった──

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Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.40 )
日時: 2016/09/24 21:30
名前: 彩都 (ID: AQILp0xC)

 しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 4 帝都戦争 戦車乱軍

「はぁ、面倒だなぁ、何で今日に限って戦車が……」
 警邏の各務志摩はそう呟きながら双眼鏡で周りを確認する、今志摩が立っているのは細い木の頂上、20メートルの高さの場所だった。
 すると色也が双眼鏡に入る、『おやおや、先輩が一人で頑張っている、手伝いましょうか』、と言いながら志摩は高さ20メートルの木の上から飛び降りる、今志摩を確認出来る者は誰もいない──

「うぅっ! 中々強いな、戦車の中の人間も──」
 そう言いながら警邏の俺、久比里色也は額の汗を拭いながら短刀を持ちながら戦車の中の人間と戦っている。
「お前、何もん何だよ? 俺はただ単に天皇様を殺して新天皇様を作ろうとしているだけなのにさぁ……?」
 そう言いながら戦車の中の人間、小玉嘉慶(こだま かけい)という人物は言う。
「早くそこをどいてくれない? 俺は早く進まないといけないんだからよう……?」
 そう言う嘉慶に俺は言う。
「厭ですよ、俺は今の天皇が良いんだ、だから死んでも此処を守る!!」
 そう言いながら戦車から覗いている嘉慶を自分の短刀で突き刺す、そして血を出しながら死ぬ、よし、残りは幾らだ!?
 そう思っていると、一回り、いや、二回り以上も巨大な戦車が現れる。
 おいおいおいおい……まさか、コイツも天皇様殺しか? だったら、少しは腕が鳴るな、もっと、ぶっ倒してやるよ!
 そう思いながら俺はその戦車に突き進んでいく──

「ふむ、ふむふむ、中々巨大な戦車だこと、まだまだ先輩は大丈夫でしょう」
 そう呟きながら志摩は天皇が存在している皇居内に向かう、そして天皇と出会う。
「おや、君は?」
 天皇の言葉に対し、志摩は自己紹介をする。
「私は警邏の各務志摩と申します、天皇様、貴方様を逃がしに来ました、さぁ、逃げましょう?」
 そういう志摩に天皇は言う。
「それは要りません、どうせ私はこの場で死ぬ運命なのでしょう──だから私はここで待機して殺される、それが良いと思います、新たな天皇を祝福して下さいね?」
「…………」
 無言になる志摩、だが歯軋りをして天皇様に向かって鳩尾に拳をぶつける、その光景に他の警邏は驚く。
「おい、各務! お前一体何をしているんだ!?」
 他の警邏がそう言うと志摩は言う。
「バカ言うなよ、天皇様よう……それは私達に対する侮辱か? 今はそんな事はどうでもいいんだよ、私達は『天皇様を守る』仕事なんだよ、そんな簡単に天皇様が命を捨てて良いってモノじゃないんだよ、だから私は天皇様を死なない様に逃がす、たったそれだけだ、分かったか天皇様よう?」
 そういう志摩、だが天皇様は気絶している、それに対し、志摩は他の警邏に天皇様を投げる、そして志摩は言う。
「それじゃあ、その天皇様を逃がしな? 早くしろ」
「はっ……はい……」
 切れ長の視線の冷たさに他の警邏は冷める、そして急いで警邏は天皇様を運んで皇居から出る──欠伸をしながら志摩は呟く。
「全く、面倒な爺だなぁ……さぁて、先輩のお手伝いでもしますかね?」
 志摩はそう言いながら結んでいた髪を解き、ふぁさぁ、と風に靡かせる、志摩は目の色を変えて歩く、髪を解いた志摩、この姿は死魔の時の姿であった──

「ハァハァ……」
 俺は息を切らしていた、固い、それだけが今の感想だ。
 何故硬いのか、それは簡単だ、『相手の戦車の装甲が固過ぎる』からだ──
「おいおい、中々潰れないハエだな──流石生きているだけある」
 そう言いながら戦車の中の人間、轟豪落(とどろき ごうらく)は言う、全く、元日本柔道優勝者は色々と固いなぁ、そう思いながら短刀を持ちながら相手に向かって飛び込む、そして短刀を振り翳し、下に振る、だがそんな刀での攻撃を簡単に右手で握り締めて止める、血も出ずにどうやって握っているか分からないが、そのまま俺の短刀を折る、いとも簡単に折った──いとも簡単に折られて自分は言葉を失った、いや、何も声が出せない!
「おいおい、日本男子の魂である刀が折れたなぁ! あははははは! 中々愉快だ! そしてさっさと死ね、警邏の屑共がぁ!」
 そう言いながら俺の頭部上空に自分の折られた刃が振り翳される──あぁ、何て簡単に殺されるんだろう? 色々な走馬灯が蘇る、さようなら自分、さようなら本羅──さようなら志摩──
「誰が死んで良いって言いました?」
 そう言いながら手の握力だけで豪落の腕を掴んで、自分の腕の力だけで豪楽の腕を引き千切る志摩、引き千切ったのは、刃を持っている手だ。
「えっ? 志摩?」
「何ですか? 今は『死魔』、ですがね──」
 そう言いながら豪落を見る、豪落は驚いている。
「えっ? 何が起きた? って、俺の腕ぇ!?」
「あぁ、先輩に仇なす存在なので『手をもがせて頂き』ました、さぁ、片手で二人に勝てますかね?」
 ニヤニヤと笑う志摩、いや死魔──そして死魔の攻撃、次は豪落の空いている手を自分の手の力だけでもう一度もいだ、いとも簡単に自分の腕二本がもがれて豪楽は血の気が引く。
「もう、許してくれ……なっ?」
 呆気ない元日本柔道優勝者──だが死魔は笑いながら言う。
「無理ですよ、先輩の魂である刀を折ったんですから──」
 そう言うと俺は言う。
「い、いや、死魔? 刀なんかまた買えば良いだろ──」
 俺がそう言うと死魔は言う。
「大丈夫ですよ? 先輩は見てるだけで充分ですから」
 そう言いながら死魔は豪落に向かって俺の刀の刃で、豪落の首を刺した、そして引き抜く、綺麗に血が噴射する、それを見て死魔は笑う。
「アハハハハハ……人間ってあっさり死にますねぇ──さて、先輩、まだまだ戦車は来ています、早く中心となる人を殺して、戦車を止めましょう、更に天皇様殺しも?」
「あ、あぁ……そうだな──」
 そう言いながら俺は仕事場から換えの短刀を取りに行き、死魔の居る場所に向かう、そこには戦車が続々と現れている、はぁ、中々倒すのが大変だな、そう思いながら死魔と俺は構えを作る、かかって来い、天皇殺し共!

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Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.41 )
日時: 2016/09/24 21:25
名前: 彩都 (ID: AQILp0xC)  

 しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 5 帝都戦争 死魔と志摩

 その昔、二人の可愛い双子の兄妹が居ました、名前は兄が死魔、妹が志摩でした、その双子はとても仲が良く、時にお互いの食べ物が別々だった時、何時も分け合って、食べていました。
 そしてそんな仲睦まじい兄妹にとんでもない事件が起きました、それは兄、死魔の死、でした──兄の死魔は誰かによって殺された、と言うものではなく、『不慮の事故』だったのです──兄の死に対して、妹の志摩は涙も出せませんでした、何故なら毎日あまり離れる事の無い兄妹だったのですから……『居なくなった』、という感覚が無いのでした、だから彼女は涙が出なかったのです、逆に言えば、『離れた事が無い』ので、『離れた悲しみ』、と言うものが自分の中で確認出来なかったのです──そして彼女はまだまだ力を隠していた、そう、志摩は霊を見る事が出来る人間だったのです、やがてその能力は大人になるにつれて無くなっていますが、完全に消えた訳ではなく、『たまに幽霊の声が聞こえる』程度のものでした、、小さい時からその能力を自覚していた志摩は兄を探しました、そしてあっさりと見付かりました、そんな兄と少し会話して、少しの間だけ過ごして、そして成仏しました──ですが、志摩の中にはもう一つの人格、『死魔』が現れようとしました──そして死魔は喧嘩っ早い少年でした、何時も怪我を作ったり作られたりで、何時も生傷が絶えない少年でした、でも、そんな人格がか弱い少女の肉体に宿ったら? そんなのは簡単だ、『少女の肉体が壊れる』、と言う結論が早いだろう、だが双子である、か弱くても死魔と同等、もしくはそれよりも少し下程度の力を持っているのだ、体はある程度頑丈だった、そしてある時、不思議な傷がある事に気付いた志摩は『もう一つの人格』がある、と自覚する、そしてその人格に合う様に自分の体を改造し続けた──そして手に入れたのが今の体である、そして中学校卒業の時、心の中の人格、『死魔』は思いました、『今迄自由にしていたけど、もう俺は要らないな』、と──そして志摩が寝ている間に志摩の人格を呼んで、話し合いをしました、自分が消える事、お前一人でもやっていける、だって俺の妹だから、そして我侭に付き合っててくれて有難う、この体はお前の物、そしてこの人格はお前が作り出した者、だから本当の俺じゃない事──それを全て伝えて死魔は消えました、志摩は泣きました、分かってた、そんな事、だけど、だけど、『心を埋めてくれた』のはお兄ちゃん以外居なかった、だからもっと居て欲しかった──それは中学校を卒業をした思春期の少女には耐えられなかった、そして数日は自分の部屋に引き篭もって、泣き喚いた、だけどもお兄ちゃんは帰ってこないんだ、天国のお兄ちゃんが笑ってくれる様な妹になるんだ! 志摩はそう思いながら自分の力──死魔と融合した力を何か守れる様な仕事──警邏に入ったのです──

「だから……私は兄が誇れる様な妹になりたい、だから警邏を選んだんです」
「へぇ、そうなんだ、兄が死んだのか、大変だったなぁ」
 志摩は色也に言った事がある、だけれど、無関心だった、それでも良いのだ、伝える事はとても大切な事だからだ──
「お兄ちゃん、見ててね、私は守るんだ……皇居を、平和な日本を!」
 志摩はそう言いながら戦車に向かって特攻を開始した──

「中々、硬い装甲だなぁ……骨が折れそうだ」
 そう言いながら色也こと、俺は戦車に乗って、戸を開けて、中に入って、中の人物を殺す、そして戦車の中の人物を外に出して、戦車を操る事にした、完全に初心者なので、操縦は下手糞だが、頑張って動かすしかない。
 そして俺はボタンを一杯押したりして、弾を発射する、だがもう弾が切れてしまった。
 仕方無い、前に倒した奴らの戦車を使用するか! そう思いながら俺は急いで後退する、そして戦車の中の人間を戦車から退かして、戦車に乗り込む、後方に後退したので、弾の発射距離の事も考えなくちゃいけない、万が一、死魔に当てたら死んでしまうだろう──それはしてはならない、そう思いながら俺は適当に乱発する、すると死魔はそれに気付いて、発射した弾を足で蹴って、遠くへ飛ばす、そのまま遠くの戦車は爆発する、よし、何とか当たりかけたけど、まぁ、良いか。

「アイツ、何考えてんだよ!?」
 そう言いながら死魔は冷や汗を掻く、自分が蹴っていなかったら自分ごと自滅しかけていた、危ない危ない、そう思いながら後ろの先輩を見る、前も後ろも敵だらけじゃねぇか! 殺す気か!? そう思いながら前と後ろの戦車共に腹が立つ死魔、何で私が先輩に殺されるんだよ!? 理不尽だろ!
 死魔はそう思いながら心の中で泣く……今の所、戦車は30台程度、精々私と先輩を含めても10〜13台程度──中々楽しい侵略遊戯だなぁ! どっちがぶっ倒れるか、勝負だな!
 にやり、と死魔は笑いながら自分の体で戦車を破壊していく──完全にどっちかが諦めるかの耐久勝負になっていた──

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Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.42 )
日時: 2016/09/25 21:03
名前: 彩都 (ID: OZDnPV/M)  

 しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 6 帝都戦争 破壊の限り、破壊する

 ちきしょう! どれだけ居るんだよ!? そう思いながら俺こと、久比里色也は思慮をする、目の前には、俺の後輩、志摩が居る、そしてたまたま撃った砲弾の弾を志摩の方へ向かったが、志摩が蹴って、他の戦車の方へ蹴ってくれたお陰で志摩は怪我一つ無くて、俺は安心する、絶対この戦いが終わったらキレられるなぁ……とそう思いながら戦車のメーターとかを見る、少しずつだが理解してきた、安心しろ、俺は出来る子なんだからな、頑張って、目の前の志摩に当たらない様に砲弾を撃ってやる──

 本当に焦ったぜ! まさか先輩が私に対しての戦犯になるなんてなぁ! そう思いながら目の前の戦車を殴っては壊し、殴っては壊しを繰り返す志摩こと、死魔、だが段々と戦車の装甲が硬くなってきた、それに対しては驚きしかないが──まぁ、ワンパンがツーパン、スリーパンになっただけだが──それにしてもどうして急に装甲が硬くなった? 急に硬くなる、もしかしてもうすぐボスの登場か? いや、それは有り得ない、まだまだ戦車は続いているんだ、いきなりボスが現れるなんて時期尚早では無いだろうか? そう考えながら死魔は戦車の中の人間を一人一人殺して、他の戦車へ特攻する、まぁ、そんな事は全て終わって、ボコボコにした後でもボスは聞けるか、そう思いながら先輩の事を思う、この戦いが終わったら、先輩も殴ろう、そう思いながら前へ前へと進む──

「…………」
 茂みの奥で、一人の男性が、死魔と色也を見ていた──本羅だ──本羅はラジオ放送を聞いて、二人の手助けをしようと思ったのだが──何て事だ……あの機械音痴の色也が戦車の運転をしているではないか! これは驚きだ、そう思いながら見続けている、いや、早く手助けをしなければならないのだが──そう思いながら拳銃を右手に持つ、そして深呼吸をして、戦車に特攻する。
「俺だって、俺だって、警邏なんだよ! 皇居一つ守れないで、何が警邏だよ!」
 そう言いながら戦車の前に現れる本羅、さぁ、戦車相手に喧嘩を売った、これでも俺は警邏の中でも、優秀な方なんだよ! 鬼気迫る顔で、本羅は戦車に向かって戦いを挑む──

「……さぁ、発射するか──って、本羅!? 何で急に来たんだ!? 死ぬかもしれないのに!」
 俺はそう言いながら本羅に向かって、戦車で近付く、そして扉を開けて、本羅に話しかける。
「おいおい、どうしたんだよ、お前、今日はもう休みじゃなかったっけ?」
 俺がそう言うと、本羅が言う。
「いやぁ、それがさぁ、緊急収集がかかってさ、急遽こっちに来たんだよ、全く、疲れているのに、政府も大変だなぁ……」
 そう言いながら本羅は欠伸をする、完全に眠たそうだ、全く、政府は眠たい人でさえ、戦力にしたいのかよ──

「えっ!? 本羅さん!? どうして急に……?」
 死魔は志摩に戻って、元の常態に戻る、志摩はたまに、死魔を呼んで、自分に憑依させて、強さを死魔の状態にしたりして、戦ったりする、そして志摩は本羅達の方を向きながら戦車を殴っていく、彼女のパンチ力は死魔と同レベルだった。
「今はそんな事に集中してい場合じゃない! 早くボスを倒さないと……!」
 目に闘志を燃やしながら、前へと進んで行く志摩、早く死魔になって、先輩よりも先にボスを叩く!

「という事で、俺も手伝いに来たって訳さ」
 そう言いながら戦車を叩く本羅、そして笑いながら色也に言う。
「何でお前が戦車を操縦しているんだか……逆に驚きだよ」
「それは俺もだよ、戦う道具がそれしか無かったらから、仕方なく、さ」
 色也がそう言うと、けらけらと本羅は笑う。
「お前らしいや、『自分に武器が無かったら、奪ってでも使え』ってな……」
「確かに、それは俺の格言だと感じるな」
「そうだな……さて、そんな無駄話も置いといて──」
「そうだなぁ……さて、俺も戦車に乗って、行動しますか──」
 そう言いながら二人は息を合わせて言う。
「さっさとぶっ壊すぞ、この野郎!」
「おう!」
 二人はそう言って、一気に特攻する。

「へぇ、二人で特攻しに来るのか……やっと、私が楽になる番かなぁ?」
 志摩はそう言いながら、戦車を壊していく、すると目の前に今迄の戦車よりも巨大、いや、巨大過ぎる戦車が現れる、簡単に殴ってしまっては自分の手が壊れてしまうだろう、何なんだ、まさかこんな所でボス登場なのかよ? どんなボスか気になるな、だったら扉でも壊して突入してやるか! そう思いながら志摩は死魔になって、戦車の扉を壊して、入ろうとした、だが扉に手を掴んだ所で、扉が勝手に開いてしまった、そして中から人が現れる、その人物に死魔基志摩は驚いてしまった。
「え……?」
 落ち着け、落ち着け、落ち着け! 何に驚いているんだ!? いや、何で……何で貴方が皇居に!?
 そう思いながら相手の顔を見る、そして恐怖する──
「……何故、貴方様が此処に居るんですか、皇太子様……!!」
 そう言いながら皇太子様はニコリと笑って、死魔に言う。
「そんなのは簡単ですよ、父を殺しに来ました、たったそれだけですよ」
 そう言って、志摩の顔面を踏んでから、蹴り飛ばす、そのまま志摩は林の方へ吹っ飛んで行く、そして皇太子は言う。
「さぁ、戦車の運転手共、早く皇居へ進むのだ、そして父の首を取ろう」
 皇太子がそう言うと、戦車は一気に前へ進む──この移動は誰にも止められない──

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Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.43 )
日時: 2016/10/01 21:49
名前: 彩都 (ID: DMJX5uWW)  

 しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 7 帝都戦争 皇太子、暴走

 …………嘘だろ? あんな蹴り一発でどこ迄吹き飛んだ? そう思いながら死魔は考える、今は死魔になっている場合ではない、そう思いながら志摩に戻る死魔、早くこの事を先輩に伝えないと……そう思いながらゆっくりと林の中を歩く、バレない様にこっそりと移動してやろうか、志摩はそう思いながら血が付いた脚を引き摺りながら歩む──

「おい、志摩が林の方へ!」
 俺こと、久比里色也はそう言いながら本羅に言う。
「大丈夫なんかねぇ」
 本羅はそう言いながら林の方を見る、俺は仕方なく、戦線離脱を考える。
「おい、ここは俺に任せろ、本羅は志摩を探してくれ!」
「無理だぜ、俺はお前と一緒に戦うって決めたんだよ、だから離れられない」
「うるせぇ! そんな事より志摩の事が!」
 俺はそう言いながら戦車を出て、本羅の首元を掴む。
「志摩は俺の後輩なんだよ! 後輩を心配しない先輩が何処に居るんだよ!? だから……だから、本羅は志摩の事を頼む、ここは俺が努力して守ってやるからさ?」
 俺はそう言いながら、本羅を蹴って、林の中へ送る、そして俺は本羅に言う。
「じゃあな、生きてたら、一緒に酒を飲もうぜ?」
 そう言って俺は戦車に乗り込んで、前へ前へと進んだ……後ろから本羅が俺を叫ぶ声が聞こえたが、空耳だと考えて聞かなかった事にした、頼むぞ、本羅……!!

「……いってぇ、こりゃ完全に歯が折れてる──」
 志摩はそう言いながら自分の口に腰に下げていた水筒の水を入れて、口の中を濯ぐ、そして一気に吐き出す、中の水から血で濁った水と欠けた歯が数本出てきた──こりゃ、弁償して頂きたいものだ……そう思いながら志摩はその場で座り込んで休憩をする。
「全く、完全に戦いに支障が出る、これは参ったよ……」
 志摩はそう言いながら欠伸をする、まだまだ戦える、だが顔面を蹴られた痛みが強い、だからこの痛みを消さないと勝てない。
 そう思いながら深呼吸をした、その瞬間、ガサガサッと草木が揺れる音がした、その音の後、現れたのは本羅だった。
「あっ、先輩、どうしたんですか?」
 志摩がそう言うと、本羅は喜んでいた。
「よかったぁ……生きていて、いや、実はさ、俺、色也から『志摩を探してこい』って命令されてさぁ……」
「そうだったんですか……この通り、志摩は生きていますよ!」
 そう言いながら志摩は立ち上がって、元気な証拠を見せる。
「そうか、それは良かった──でも、もう動くのが辛いんだろう?」
 そう言いながら志摩の頬を触る、その瞬間、強烈な刺激が自分の頬に走った志摩は触れた本羅の手を払いのける。
「いたっ! あっ……すいません──」
「良いんだよ、それ程お前の体は消耗しているって事だ、生きている証拠だな」
 本羅はそう言いながら志摩の隣に座る、志摩も座る事にした。
「今さ、色也一人で戦車を使って戦ってるよ」
 そう言った瞬間、志摩は立ち上がる。
「だったら、だったらこんな所で休憩している場合では無いでしょう! 早く先輩の手助けを……」
 志摩はそう言いながら色也の方向へと向かう、だが本羅が止める。
「まぁまぁ、少しは休憩して手伝いに行こうや? 志摩ちゃんだって休憩しないと体が辛いでしょう?」
 本羅がそう言うと、志摩はプルプルと震えながら小さな声で言う。
「……この戦車を操っている人、その人の正体を先輩にも伝えないといけません……! だから、少しでも早く行動しないと!」
 そう言いながら引き摺られる本羅、本羅はその正体について聞いた。
「ねぇ、志摩ちゃん、自分だって君の先輩だ、だから自分にも言う権利はあるんだ、だから聞くよ? その『正体』は誰なんだい?」
 本羅が言うと、少し黙ってから、志摩は言い出した──
「その『正体』ですか……? その『正体』は──」

 ハァハァ、ハァハァ、戦車に乗り換えるのは中々キツいものだ……そう思いながら俺は志摩と俺が倒した戦車を乗り換えながら相手の戦車を壊していく、前よりも戦車の量は少なくなっている、だからもうすぐ相手の戦車も尽きるだろう──そう思いながら戦車の砲弾を乱発、すると二台の戦車が壊れる、一気に楽になった、そう思いながら砲弾が切れたので、戦車を乗り換えようとする、だが戦車の乗り換えはもう出来ない様だ、何と、俺と志摩が倒した戦車の在庫はもう切れてしまい、残っているのは壊れた戦車の残骸のみ──そして目の前に存在するのは五台程度の戦車と一番奥に見える今迄よりも巨大な戦車の計六台、程度か? そう思いながら俺は頭を掻く、さぁ、此処からは俺だけ肉弾戦かなぁ? そう思いながら深呼吸をする、さぁ、ここから本気で戦うかぁ……そう思っていると林から志摩と本羅が現れる。
「おぉ、二人共、生きていたか」
「まぁ、な──」
 そう言いながら本羅が下を向く、どうしたのだろう? すると死魔が言う、いや、今は志摩になっているのか。
「あの……先輩、あの巨大な戦車がありますよね? 一番遠くにあるあの巨大な戦車の事なんですが……あの戦車に乗っている人がこの戦車を動かす黒幕なんですよ──」
 志摩がそう言うと俺は驚いた、遂に黒幕の登場か、それは誰だろう? 俺は『黒幕は誰なんだ?』と聞くと、志摩は少し悲しそうに言う──
「それは──皇太子様です──!!」
 志摩の言葉を聞いた瞬間、俺は驚いた、えっ? 皇太子様? 次の天皇候補のあの皇太子様か?
 驚く俺に対して、志摩は言う。
「はい、その皇太子様です、その皇太子様が今の天皇様を殺す為に皇居に攻撃をしているんです」
 そう言いながら悔しそうな顔をしている、『何で皇太子様が……!』という様な感情だろうか? それは俺には分からないが、あの巨大な戦車を操っているのが皇太子様──そして俺は巨大な戦車を見つめる──あの中に皇太子様が居るのか──俺は深呼吸をしてもう一度見つめる、皇太子様だろうが何だろうが、悪い事をしたらダメなのだ、それを叱るのが俺達警邏の仕事である、さぁ、少し皇太子様を叱ろうか、そう思いながら俺は前へ進む──この戦い、俺は死ぬか生きるか、まだ分からない──

 NEXT しりとりシリーズ 『帝都』の『その後』 8


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