複雑・ファジー小説
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- しりとりシリーズの『その後』
- 日時: 2016/05/07 17:13
- 名前: 彩都 (ID: YohzdPX5)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=18457
始めましての方も知っている方も始めまして。
彩都(サイト)と申します、七作目です。
この作品は『しりとりシリーズ』の続編となっております。
URLは前作『しりとりシリーズ』となっております。
感想等は、この作品の終了後か、前作『しりとりシリーズ』のスレッドにて、お書き下さい。
それではどうぞ。
NEXT 『愛』、『言う』、『上』、『笑顔』、『謳歌』
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.29 )
- 日時: 2016/08/13 22:22
- 名前: 彩都 (ID: 4V2YWQBF)
しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 5 骨折入院の光輝君
やらかした……ッ! まぁ、大丈夫だろうと思って、他の小学生が見ている中、3mの所から飛び降りたら、簡単に着地失敗で足首挫いて、そのまま家に帰ったら、凄く挫いた所が腫れていたから、病院へ行ったら、『骨折してますね、酷い状態なので、入院して下さい』とか言われるし! 全く、年上で見栄を張ったらダメだ、って事が良く分かった。
まぁ、結構酷い状態の骨折なので、入院する期間は長いと思われる、その間が暇だなぁ、そう思いながら僕は布の筒に自分の左足を入れて、ゴロゴロする、ていうか、久し振りに骨折したから少し懐かしい、だがやる事が無いので、意味が無いのだが──すると僕の病室のドアをノックする音がする、僕は『入って良いですよ』と言うと、扉が横にスライドされた、そこに現れたのは、学校の先生だった、若い女性の先生で、少しおっとりしている優しいメガネの先生だ、おっとりしている先生といえば巨乳が多いが、この先生は貧乳である、絶賛婚活中である。
そしてその先生の手に持っている物を見る、その手に持っているのは綺麗な籠に入ったフルーツバスケットだった、林檎、蜜柑、バナナ等、多種多様な物が入っている、そういえば最近は果物自体食べて無いなぁ、少しはこのフルーツバスケットの果物を食べよう、そう思いながら僕は声を出した。
「あっ、先生、今日は、今日はお見舞い有難う御座います、フルーツバスケットはそこら辺に置いて頂いても構いません」
「えっ? 良いの? だったら椅子の上にでも置かせて頂きます……キャッ!?」
先生は椅子に置こうとして、一番端の椅子に移動した、だが移動している途中で他の椅子の脚に自分の足を引っ掛けてすっ転んでしまう、するとメガネを落としてしまい、『メガネは何処何処〜?』と言って、何処かのギャグ漫画を見ている様だった。
「……大丈夫ですか、先生?」
「うーん、大丈夫だとは思うんだけどねぇ……って、パンスト伝染してる!? うーわ、これ最後の一枚なのに……買いに行かないとね」
「大変ですねぇ、女性って」
「まぁね、どうやって男を落とすかとかねぇ、まぁ、女って大変なんです、それじゃあ、光輝君、足をお大事に」
「はい、急いで先生の授業に戻りたいです」
僕はそう言って、頭を下げる、先生も頭を下げながら手を横に振って病室を出た、さて、早く足を治さないとな──
「さて、先生が来て三時間、面会時間ももう無いだろう、早く寝るか……」
そう思いながら僕は布団をお腹に掛けて、寝ようとした、すると僕の病室をノックする音が聞こえる、誰だろう? そう思いながら僕はベッドのボタンを押して、起き上がる、『入って良いですよ』と言うと、入ってきたのはアリスと黒のマントのボスだった。
「やぁ、光輝、大変だね……」
「光輝!? 大丈夫なの!? 全く、足を骨折するなんて殺し屋として間抜けよ! 本当に心配させないでよ!」
「あはは……そうだね、普通に油断していたよ」
「全く──『今日から三日間は殺し屋の仕事がアリスのみになってしまう』ではないか──」
はっ? いやいや、ボスよ、何を言っているんだ? 僕の骨折は結構重傷で、治るのに最低でも二ヶ月は掛かる、と言うのにこの人は何を言っているのだろう? いや、まず、ボスの言葉を頭の中で復唱してみよう、『全く──『今日から三日間は殺し屋の仕事がアリスのみになってしまう』ではないか──』だ、そしてその中の言葉、『『今日から三日間は殺し屋の仕事がアリスのみになってしまう』』に注目してみる、『今日から三日間は殺し屋の仕事がアリスのみになってしまう』、つまり、ボスの言い方だと、『今日から三日間は殺し屋の仕事はアリスになる』と言っている、では『四日目以降は誰が殺し屋家業をする』のだ? ボスは昔、有名な殺し屋であったが、『人を殺すのに飽きた』と言ってその後は僕やアリスを育てている、だから四日目以降はボスが出る訳が無い……というと、まさか『僕が出る』、という事か? いや、流石にそんな酷い事はしないだろう……
「あぁそうだ、今日はお前に会わせたい女医が居るんだが──こっちだ」
そう言いながら病室の扉を開けるボス、するとカッコいいポーズのレオタードの魔女みたいな格好の女性が立っていた、そして右手にはアタッシュケースを持っていた、そしてレオタードの魔女みたいな格好の女性は口を開けた。
「やぁ少年、いや光輝君、だったかな? 私は医者のローンバス、これは裏の名前だ、そしてこの黒ずくめのアホに呼ばれて来た、足を見せろ」
そう言って、僕の左足のギブスを外す、そして触診をする、僕が痛がると、その部分を的確に痛い場所と痛くない場所を見極める、そしてローンバスは言う。
「何だ、ただの骨折と罅(ひび)がいっただけじゃないか、見た目は酷いが、私の開発した『超速回復薬』を服用すれば一日で罅は治る」
「その前に危険な匂いがするんだが?」
「大丈夫だ光輝、この人の薬は相当使える、だから安心しろ」
そう言ってボスは褒める、そしてローンバスはコップの中に入った『超速回復薬』を僕に飲ませようとする、入れ物に書かれているのは、『爆発注意!』だった、絶対危険だろ! 僕は飲みたくないぞ!
「いや、あのね? 僕は飲みたくないんですけど……? えっ? ちょっ? マジで? 止めて! 止めて下さい! 本当に! 止め……おごぉぉ……」
結局飲まされた、とても苦かった、そしてその後、睡眠薬を投与されて、寝かされた──
翌日──
「嘘でしょ……? 完全に足の痛みが無い、更に骨折した部分が九割完治している──」
僕はそう言って、見舞いに来たローンバスは笑う。
「だろう? だから私を信じて欲しかったのに……」
そう言って、お茶を飲むローンバス、本当に凄いぞこの医者は──
「さて、今日の夜、昨日飲んだ薬をもう一回飲めばもう完治するだろう、夜にまた来るよ」
「有難う御座います……」
またあの昨日飲んだ苦い薬を飲むのか──そう思うと吐き気がする、まぁ、治るだけまだマシか──そう思いながら僕は病室で欠伸をした、さぁ、早く左足を治さないとな……
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.30 )
- 日時: 2016/08/14 20:20
- 名前: 彩都 (ID: zh8UTKy1)
しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 6 風凪光輝の密室殺人
さぁ、面倒な事になったぞ……、そう思いながら僕こと風凪光輝(かぜなぎこうき)は一人、頭を掻きながら社長室の扉を開く、やはり、事実は変わらないのだろうか? そう思いながら溜息を吐いた、そう、何故なら僕が殺し屋としての業務を果たそうと社長室に向かうと、その社長室に居る社長が死んでいたのだ、一応、扉は頑丈なロックを施していたので、態々ぶち壊して中に入ったのだが──そして社長が死んでいる、扉もロックされている、この事からこの社長室は『密室だった』と言う事だ。
さて、密室と、なった訳だが、では誰が社長を殺したのだろうか? それだけが不可解、何故なら今、社長室には社長、僕の二人しか居ないし、従業員や正社員の方々はそもそも労働時間外だし……だから殺される可能性は自殺、か僕以外の殺し屋の仕業、特に密室が得意な殺し屋のみ!
だが、聞いた事があるか? いや、普通は無いだろう、何故なら、『密室が得意な殺し屋』なんて、そもそも聞いた事が無いだろう、逆に存在しても漫画だったら、一話限りの使い捨てキャラになるだろう、だが、これは漫画か? いや、違う、これは現実だ、現実ならまだしも二次元で出てきそうなキャラを出されても僕はスルーしてしまうだろう。
まぁ、社長が殺されている事位仕方無いのだが、密室で殺されているのが嫌いなのだ、何故なら『犯人が分からない』からだ、普通の殺人事件は殺した道具があるが、密室は見た所では分からない物もある、殺人事件は人の持ち物を探せば見付かる事もあるが、これは密室で、道具が無いかもしれないし、更に今は僕と社長以外この場所には誰も居ない──そしてこの敷地内にも誰も居ないのだ──そう、今警察が来れば僕が殺した、としかならないのだ! だから何としても報酬が欲しいのに手に入れられないこのもどかしさ、どうにかして晴らさないとな──
さて、まずはこの部屋──社長室だ──を調べないとね、さて、社長の机の周りを探さないとな、すると零れたコーヒーを見つける、ふむ、まさかこの中に毒が入っているかもしれない、なので触らず、匂わない、そして机の引き出しに手をかける、そして引く、中には重要そうな書類が一杯ある、そしてその中で一枚、面白いモノを見つける、『世界統一作戦』という名目だった、まぁ、結局は無理そうな書類で、『廃案』という文字の判子で押されている、うーん、自分的には面白そうな内容だったが、いまいち実現性は低い内容だった、そして他の引き出しに手をやる、他の引き出しにはお菓子や飴が入っており、小さな子用にあげる物だろう、そう解釈しながらお菓子に手をやる、お菓子の食べかすがバレ無い様に少しは静かに食べないとね──そして少し胃が膨れた所で机から離れてみる、他の書類に何か書いているかもしれない、少しは調べないとね、と自分の中で都合よく言い訳しながらロックしていた鍵を壊して、中の書類に手をやる、そして特に重要そうな書類を見つける、これは見ても良いだろうか? いや、自分の良心が許さない、流石にこの重そうな書類は止めておこう。
そう思いながら僕は一回部屋に出る事にする、もう少し考えなければ、そう考えた時、逆の発想が出来た、そうだ、『何で出入り口の扉がロックされていた』んだよ! 逆に殺した後、此処の鍵を使ってロックする事は可能じゃないか! 何故、今の今迄気付かなかったんだ!? 全く、僕は馬鹿だぜ──そう思いながらもう一個思いつく、だったら『労働時間の中で殺せる』んじゃないか? だが、社長室の鍵だぞ? 普通の一般社員では手に入れられない筈だ、だからこの線は薄いかもしれない、では、『一体誰が社長を殺した』のだろうか? それは探偵を目指した事の無い僕ではこの謎を解く事さえ出来ない、ていうか、ただの殺し屋の末端であるこの僕がこの密室トリックなんて解ける筈も無いし、解けた所で犯人探しをすれば良いのか? いや、違うだろ、そもそも『殺し屋だから密室の謎を解く理由が無い』のである、その前に僕はただの殺し屋、逆に言ってみれば、自分はこの社長に依頼を受けた身なのである、たったそれだけなのである、そう考えると、報酬も『貰えなかった』とか、適当に誤魔化せば良いだろう、あーぁ、必死に考えてアホらしく感じてきた、もう帰るか──
「昨日夜過ぎに倉井倉庫の社長、倉井倉誤(くらいそうご)社長が毒死されているのを会社の副社長が発見しました、その社長室は少しだけ荒らされており……」
昨日、自分が入った社長室の話をテレビがしていた、自分はトーストにイチゴジャムを付けながらトーストの耳を食す、するとボスが言った。
「そういえば昨日入ったけれど、何もしなかったなぁ、こういう事件があったのか、まさか、光輝、お前、密室殺人事件かと思ったのか?」
ドキィッ! 結構的確に当てられて僕は驚く。
「そ、そ、そ、そんな訳無いじゃないか! 僕だって毒殺とは知らなかったよ」
そう言いながらのんびりとコーヒー(無糖ブラックである)を飲む、アリスも同じくコーヒー(無糖ブラックである)を飲む、普通小学三年生位の身長の人間が無糖ブラックのコーヒーを飲むなんて、誰もが驚くだろう、だが僕とアリスは『中身の年齢』が小学生では無いので、無糖ブラックのコーヒーなんて慣れっこなのだ、ただ、肉体年齢は小学三年生だが──
今はそんな事はどうでもいいのだ、その前にこの密室事件みたいだった毒殺事件の犯人が見付かれば良いと思った。
今思うのはそれだけだった、そして僕は欠伸をしながら壁掛け時計を見る、するともう登校時間だった、急がないとなぁ、そう思いながら僕はランドセルを背負う、小学生の殺し屋、僕の正体が何時バレるか、それは誰にも分からなくて、自分でも分からない──
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.31 )
- 日時: 2016/08/20 20:34
- 名前: 彩都 (ID: Dbh764Xm)
しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 7 四季識彩の殺人記録
やぁ、俺の名前は四季識彩(しき しきさい)って名前だ、まるで昔の人間みたいだろう? 『ほにゃらら斎』的な? 今回は俺が話を紡いで行こうと思う、さぁ、物語の始まりだぜ!
ってその前に俺の自己紹介がまだだったな、名前は言ったから、他は年齢とかか、俺の年齢は13歳だ、身長156cm、体重42kg、好きな物は林檎、バナナ、フランクフルト、嫌いな物は生意気なガキ、嫌いな物というより嫌いな『者』だな、よし、ではちゃんとした嫌いな物でも言おうか、俺の嫌いな物は山芋、牛丼、魚、だ。
菜食主義(ベジタリアン)では無いな、基本米と野菜と魚は食べないだけだ、たまに肉は食うが、フランクフルトやウインナーみたいな肉が混ざっているのが好きだな、ステーキやしゃぶしゃぶは嫌いだな、まぁ、『食え』と言われたら厭々食うけれど──
そして俺は殺人鬼だ、それも『四季家』の末端の人間だ、俺は人を殺すのが好きだ、大好きだ、大大大好きだ、まぁ、そんな事はどうでもいい、俺は人を殺すのが趣味、とか言いたい、いや言うさ、そしてたまに依頼を受けて人を殺したりしている。
依頼の仕事よりも無意識の人間を殺す方が俺は好きだが──俺の基本使用武器はナイフや小さな刃物だな、小さい方が持ち運びが楽だからな、まぁ、そんなこんなで俺の自己紹介はこれで良いだろう、うん、それが良い。
生憎自己紹介って言うのは面倒だからな、多くは語らない男ってみたいな感じか? まぁ、俺はそんな男になりたいが。
そして今日俺は依頼者の美術館に向かった、そして小学三年生程度のガキ──俺より年上とか言う謎のガキの事だ──と依頼者の話し合いが終わる迄待った──
何とか話が終わり、ガキが美術館の中に入った、そして俺が木陰から現れる。
「もう終わったか?」
俺は格好付けて、胸ポケットから小型のナイフを取り出して、峰を舐める、結構有名だよな、峰を舐めるのって──殺し屋とか殺人鬼とかでもやっているイメージがある、だから俺は相手を畏怖する為に何時もしている。
「あぁ、来ましたか、『四季』家の人──お待ちしておりました、私は久喜沫姫(くき まつき)と言います、この美術館の館長をしています、今日は『怪盗ミラクル』討伐、宜しく御願いしますね?」
そう言いながら依頼者『久喜沫姫』は俺に向かって、頭を下げた、何とも礼儀正しい女性なんだ、俺は少しだけ関心する、そして俺も礼儀正しく仕事時の常套句を述べる。
「あぁ、今日もナイフが美味いぜ──んで、今日の依頼は何でしょう? 殺人鬼一家、『四季』家に何でもお任せあれ」
俺は体を屈ませ、手を折り曲げて礼をしてやる、俺はホストの接客の様に体を曲げる、案外受けが良いんだこのポーズ──さぁ、今日はどんな奴を殺せるのだろうか? それだけを思いながら俺は体を元に戻す、そして俺もガキと同じ様に美術館の中へと入っていく──『怪盗ミラクル』、最近巷に聞く名前、どんな奴か少しワクワクした──
「ほう、私を殺しに? まぁ良いけれど──では、『殺し合い』ましょう?」
「ん? 誰だろう? 女の声がする……?」
適当に歩いていた俺は何処かから聞こえた女の声に反応した、声のする方向へ俺は適当にナイフを投げた、すると『えっ?』と声が聞こえた、これは男の声だ、そしてその瞬間『プシュウゥ』と煙が出そうな音が出た、何とかヒットした様だ、そしてその後『あ……やっべ』、と女の困った声が聞こえる。
「えっ? お前は誰だ?」
そう言われると俺は誰だろう? と周りを確認した、すると最初に入ったガキだった、仕方無いので少し自己紹介する事にした。
「俺? 俺は殺人気一族、『四季』家の人間だ、俺も依頼されて、『怪盗ミラクル』を殺しに来た、つまり俺とお前の目的は一緒だ」
そう言うとガキが俺と言い合いを始める、全く我侭なガキだぜ──そう言い合いをしていると、女がその言い合いに割って入る、だがガキが言う。
「煩いなぁ、君を倒すのは誰か決めているんだから」
「俺は一緒に倒そうぜって言っているんだがな、まぁいい、お前、さっさと倒せよ?」
俺は話し合いが面倒になってきたので、ガキにナイフを渡す、これで倒せるだろう? そう思いながら倒す事を望んだ──そして巧い事、ガキが女に向かってナイフを投げる、投げるとそのナイフは女の目に刺さって、女は逃げた──まぁ、美術館の目玉である美術品が守れたから良いか、そう思いながら久喜沫姫の所へ向かった──
その後ガキと少しだけ話をして、ナイフを返してもらった、何時の間にナイフを抜いていたんだ? そう考えながら軽く血を拭う、まぁ、ガキが俺より年上でガキみたいなガキだった事には変わりは無いがな──そしてテレビで確認したが、あの女が『怪盗ミラクル』だったんだな、そもそもテレビとか見ないから名前しか知らなかったぜ──そう思っていると兄の四季識側(しき しきそく)が俺に声を掛ける。
「どうしたんだい、識彩? ん? それは『怪盗ミラクル』の……この前の依頼者の物か、それがどうしたんだい?」
「んあ? てめぇか、いや実はな、この新聞を見る迄俺は『怪盗ミラクル』を知らなかったんだ、依頼者も『怪盗ミラクル』の姿形は言っていなかったからな──」
「そうなのか、そういえば今日は家族揃って焼肉パーティーをする様だよ? 識彩はフランクフルトが好きだろう? それも用意しているからね? 今日は早く家に帰ってきてくれ」
「へいへーい、分かりやしたよー」
そう言いながら俺は玄関で立ち上がる──今日は部活を早く切り上げよう、そう思いながら俺は外に出た──今日はどんな殺人が起きるかなっ?
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.32 )
- 日時: 2016/08/21 20:27
- 名前: 彩都 (ID: AdHCgzqg)
別れという物は、時に偶然で、時に必然で、誰も、防げない──そんな事は分かってた、絶対に捨てられる時が来る、その時を──僕はただ、見守る事しか出来ないのか? 僕は……僕は……この『別れ』は見たくなかった、見る機会が与えられていようとも、僕はただ目を逸らすだろう──この『別れ』は……絶対にしたくなかった──だから神様、僕の代わりにこの『別れ』を無かった事にして下さい……僕はもう悲しみたくも無い、『拾ってくれた親』の『別れ』なんて……僕は、僕は……どうして避けられなかったのか、後悔するのみだ──
しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 8 最終章 風凪光輝の復讐記録 (前篇)
数時間前、学校──
「あぁ、疲れたなぁ、先生の授業の扱きはキツいよ……」
僕は一人欠伸をしながら靴箱で運動靴に履き替え、校門へ向かった、するとアリスが校門前で待っていた、そういえば今日はアリスの二十歳の誕生日だったな、そう思いながら僕はアリスに声をかける。
「おぅい、アリス? ゴメン、待ったかな?」
僕がそう言うと、少し涙目のアリスが僕の胸に飛び込んで泣き始める、はて?僕は悪い事をしたかな? 入院していたから勉強を皆に追い付く様に教えられていただけなのに──
「バカ! 遅いわよ! 今日は私の誕生日よ!? 忘れたのかと思ったじゃない!」
「流石に忘れる訳無いだろう? 僕は入院していたから、先生に勉強を教えられていただけさ」
僕が何とか機嫌を直そうと慌てながら今迄の説明する、すると何とか泣き止んでくれた様だ、ふぅ危ない危ない……
「じゃぁ一緒に帰りましょう? ……てっ、手を繋がない!? 今日は特別に私の手を繋いでも良いわよ!?」
僕は思う、完全に照れてるなぁ、と、人前で滅多に泣かないから僕に対して泣いたのも恥ずかしかったのだろう、そう思いながら僕は仕方なく手を繋ぐ、まるでカップルみたいだった、って僕結構生きているけど、こんな事は初めてでドキドキしていたのは誰にも言えない──
そしてボスの基地の中に入って、靴を脱ぎ、靴を綺麗に直してから、室内に入る、さぁ、今日はどんな仕事があるのだろうか? そう思いながら僕は何時でも暗殺が出来る様服を着替え、方に太刀を背負う。
さぁ、今日に仕事は何だろうなぁ……、その瞬間だった、ドガン、気持ち良い爆発音が聞こえ、僕は爆風の衝撃で少しだけ浮いてしまった、えっ? 誰かが爆薬の配合を失敗したのかな? いや、流石に爆薬を扱うのは僕の暗殺家業でも相当な手練な筈の口舌味先(くぜつ みさき)だけだろう、流石に彼女が失敗する筈は無いのだが──すると何だか外が騒がしい、一体何だろう? そう思いながら僕は今居る部屋から扉を開けて廊下に出る、すると爆発していたのはボスの部屋だった。
「!?」
僕は急いでボスの部屋に入る、すると左半身を火傷したボスがいた、少しだけ呻いていて居たそうだ、僕はローンバスに電話しようとしたが、右手でボスが止める。
「光輝か……? こんなざまだ、もう死ぬだろう、どうせ私は殺し屋だった、長く生きられないと思っていたが、今此処で死ぬとは少し苛付いてしまうが、それは仕方が無い事だろう……お前に言っておく事がある、敵襲だ、敵が私の部屋に爆弾を設置して私に爆撃を──そして、私が死んだら自由になれ、このまま暗殺業を続けても良いし、もう普通の人間として生きても良いんだ、今の今迄人を殺す道具として扱ってきてすまんな、もう自由なんだ……」
「僕はもっと人を殺しても良いし、アンタの言う通りに生きたいんだよ! もっと指図して欲しい!」
僕が涙ぐみながら言うと、ボスは言った。
「そうか……だったら、自由に生きて、暗殺業を辞めなさい……もうこれ以上人を殺さなくても良い様に生きるんだ……」
そしてボスはベッドの近くの机に指を刺して、息が切れ切れの状態で言う、もう痛みと寿命が……
「あの……机に、私の……遺書がある、それを最後に読んでくれ……」
そう言いながら机に指を刺した手は急にガクンッと下がって、ボドンッと床に落ちる、僕は流石に死ぬ訳無いと思いながら心臓部分に耳を当てる、少し熱いが、それはどうでもいい──そして心臓の鼓動を確認する──止まっている、心臓は停止した──嘘だろ! 起きてくれよ! もっと僕に指図を! ……そんな事を言ってももう無駄なんだ、そう思いながら俯きながら目頭が熱くなる、どうしてだろう? 肉体を若返らせたから涙腺が弱くなっているのかな? そう思いながら僕はわんわんと泣き始めた──その姿が発見されるのは案外早かった──
「これはどういう事? 貴方がやったの?」
そう言いながらアリスは泣いている僕に向かって言う、僕は答えない、『これは何なのか?』アリスが言う、僕は答えられない、『何でボスが死んでいるの?』、僕は答える事が出来ない、泣くしかない、泣くしか──
「殺された、という事ですよ、アリスさん?」
そう言いながら白衣のメガネの長身の女性──口舌味先(くぜつ みさき)だ──が言う、そして味先は言う。
「結構大量の火薬だ──完全に殺す気で敵はボスに投げたんだろうねぇ、さぁこの仕事はどうする? 私はお前ら二人に依頼したいんだ」
「それは……何よ?」
アリスが言う、すると味先は言う。
「ボスの仇を取ってくれ、それが今の私の依頼さ」
それを聞いた瞬間、僕はいきなり立ち上がる、いきなり立ち上がってアリスは驚く。
「い、い、い、いきなり何よ!?」
「味先、敵は何処に居るんだ?」
そう言う僕にニヤニヤしながら味先は言う。
「ハッ! 実際分かってんじゃないの? ボスが探知機つけた事位?」
「だろうね、あの人はただで転ばない人だったからなぁ──アリス、行こうか」
僕がそう言うとアリスは不思議がる。
「い、一体何処よ?」
「そんなのは簡単さ、爆弾を使ってボスを殺した奴らに」
僕は今復讐心で動いている、この復讐心はアリスを傷つけてしまうかもしれない、それでも僕は動かないといけない、これが最後の僕の依頼であっても、ボスを殺した奴らには報復を受けさせないとね……僕はそのまま地下の基地へ行って探知機を確認する──此処か、そう思いながら僕は外へ出た、さぁ、殺し返そうか。
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.33 )
- 日時: 2016/08/27 22:44
- 名前: 彩都 (ID: npB6/xR8)
しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 9 最終章 風凪光輝の復讐記録 (中編)
前回迄のあらすじ、主人公風凪光輝は宇宙戦争に巻き込まれて、前全宇宙の覇王を倒してしまい、光輝は全宇宙の覇王となってしまった、そして全宇宙の覇王になった光輝は他の宇宙(別名パラレルワールドという)は侵略する事になるのだが……
「ないよ! そんなあらすじではないよ! ていうか、前回のあらすじ、ボスを殺されて復讐しようとする僕だよ!?」
さて、此処だったか、そう思いながら僕こと風凪光輝は一つの家を見上げる──その家は『四季』家──、そう、『怪盗ミラクル』の時の共闘した仲間、『四季』の家かもしれない場所だ──僕はそのまま家のドアを壊して中に入る、今は完全に復讐心しかないのだ、周りの事なんか気にしていられない、後ろにもアリスは居るが僕は気にしている場合では無い、僕を守ってくれると有難いが──
「おや、誰ですかね? 不法侵入?」
そう言いながらメガネのお兄さんはコーヒーを飲みながら言う。
「この『四季』家に喧嘩ですかね?」
「それに近いね、僕の家に爆弾持ち込んだ奴がこの家に帰って来た筈なんですがね──お前等、殺人鬼の癖に爆弾使うんだな」
そう言いながら背中の太刀を取り出す、そしてメガネのお兄さんは言う。
「爆弾……? あぁ、識描の事か、まぁね、我等『殺人鬼は人を殺せたら良い』、からね、色々な武器で人を殺す、に徹するよ」
「そうか、僕はその爆弾野郎を殺せたらそれで良いんだ、僕の復讐心に火が点きそうだよ」
「心に火が点いたら消火しないとね」
そう言いながらメガネのお兄さんは服の裾から鋸を取り出す、細い鋸──金切り鋸──を取り出してお兄さんは言った。
「四季識側(しき しきそく)、それが私の名前だ、識描は私が守るよ、小学生だしね」
小学生の殺人鬼……? 何て怖い存在なんだ、って自分も人を殺してるからどっちもどっちか、そう思いながら僕は太刀で識側さんと戦った──
勝敗は簡単だった、識側さんの腕を太刀で切断してやって、逃げる識側さんの背中に向かって、心臓を狙い、心臓を太刀で刺して、殺した、すると動かなくなった、あっさりしたなぁ、そう思いながら識描と呼ばれた小学生を探す──すると目の前に増えるワカメが髪の毛に生えた男が現れた──そしてぼそぼそと声を出した。
「君は、何で、僕らの、家の、扉を、壊したの、かな? 僕は、凄く、困る、んだけど?」
「僕は大事な人をこの家の人間に殺されたんだ、やり返しに来たんだ、識描って奴を探しているんだが?」
「識描? 何でさ? 僕が、君を、殺せば、良いんだからね? 足止め、必須!」
そう言いながら増えるワカメは服の裾からクナイを出した、忍者かよ、そう思いながら僕はワカメと戦った──
勝者は僕である、簡単に殺した、どうやって殺したかと言うと、遠投、太刀の遠投──遠投ではないが、簡単に書けば思いっきりワカメの頭に太刀を投げただけだ──ってそういえばワカメの人の名前を聞いていなかったなぁ、名前は何だろう? 態々服の中を探して、名前を探すのも何だか失礼に感じたので、他の人に容姿だけ伝えて聞いてみるか、そう思いながら識描を探す、だがこの家は思ったより広かった、まるで『僕の家みたい』な……『僕の家みたい』な? 待てよ、『四季』家って、殺人鬼の一族だったな? だったら僕の家みたいに『地下』もあっても可笑しくは無いよな? んでもって、普通、僕みたいな侵入者が居れば一杯人が現れる筈なのに、現れない、つまりこれは僕を一網打尽にしようって魂胆かもしれない、それでも『全員殺せば良い』のだから、識描が居なくても良いだろう──
すると目の前に『四季』家の人間が現れる、名前は──
「俺の名前は、『四季識彩(しき しきさい)』、懐かしいなぁ、ガキンチョ」
「……僕はガキンチョじゃない──」
すると後ろにいたアリスが前に出る、そして声を出す。
「そう、私もガキンチョでは無いわ、私と光輝は19歳の未成年よ?」
「そうだね、僕は19歳だ」
年齢の事を言うと、四季は言った。
「はぁ? お前等何を言って──」
「肉体若返薬(ミニマム)、と言えば分かるかしら?」
そう言うと、四季は驚いていた。
「何だ、『お前らも服用していた』のか……そうかそうか、だからお前は俺に『年上だ』って言ったのか……そうかそうか……」
腕を組んで四季はそう言いながら頷く、だが組んだ腕からナイフを取り出す。
「だったら、俺も『四季』家の一族として行動するぜ……名前は『四季識彩』、覚えろよ……」
そう言いながら四季は僕らに向かって攻撃を仕掛けた──ってまたもワカメの人を聞きそびれた──そう思ったのは後の祭りだった、四季識彩を殺した後だったからだ──
「くっ、クソッ! ……もうじき死ぬのかぁ……悪い人生だったなぁ、多分だが、お前の探している奴はそこの襖の奥にいるかもな……」
そう言いながら口から血を出しながら、動きが止まる、死んでしまったのか──僕は四季の顔に白いハンカチを置いて、その場を去る、さぁ、この次だ、この襖の奥にボスを殺した奴がいる──僕は深呼吸をして、襖を一気に開けた。
するとそこに居たのは正座でお茶を飲む学級委員長の女の子だった、厭な予感がする、だが立ち止まってはいけない、そう思いながら僕は学級委員長の女の子の前に座る。
「……増えるワカメみたいな奴の名前、聞いていなかったんだが、名前は何て言うんだよ?」
「……四季識善(しき しきいし)、それが貴方の言うワカメ頭の男の名前よ──それより今日はどうしたのかしら光輝君?」
「……お前がボスの部屋に爆弾を放り投げたのか?」
「そうだと言ったら?」
「殴って打ち殺す」
「それで貴方の気が済むならすれば良いわ──」
そう言いながら学級委員長の女の子は押入れや全ての襖を開け、畳を捲る、するとダイナマイトが一杯あった、そして学級委員長の女の子は言う。
「さようなら、光輝君……」
そう言いながら手に持った爆弾の起動装置を押した、その瞬間、周りのダイナマイトは白く光った──そして『ドガンッ!』と大きな音を出した──光輝やアリス、学級委員長の女の子は白い光に包まれる──
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