複雑・ファジー小説

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しりとりシリーズの『その後』
日時: 2016/05/07 17:13
名前: 彩都 (ID: YohzdPX5)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=18457

始めましての方も知っている方も始めまして。

彩都(サイト)と申します、七作目です。

この作品は『しりとりシリーズ』の続編となっております。

URLは前作『しりとりシリーズ』となっております。

感想等は、この作品の終了後か、前作『しりとりシリーズ』のスレッドにて、お書き下さい。

それではどうぞ。

 NEXT 『愛』、『言う』、『上』、『笑顔』、『謳歌』

Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.24 )
日時: 2016/07/24 20:09
名前: 彩都 (ID: OSKsdtHY)  

 しりとりシリーズ 『其の他』の『その後』

 俺はゆっくりと時を進ませながら、『俺は存在しなくても良いのではないか?』を考えた、そして思い付いた、だが、思い付いた所で今の年を確認しようでは無いか、俺はもう50を越えてしまったのである!
 そして俺が辿り着いた結論、それは『存在自体が無かったら、元も子もない!』という事だ。
 存在するから、今の俺が居るんだ! 今の俺がないのなら、元も子もないのだ、『俺』という人生は俺にしか歩めないからな!
 そう──そして、『自分が考えた事は後々良い事が起きるのでは無いか?』という事を思い付く、そう考えながら今はのんびりと暮らしている。
 まぁ、悪い事では無いから良いんだが……さて、暇だ、他にも考えてみよう、そうだなぁ、『何で戦争は無くならないのか?』、それを考えると、寿命は尽きるだろうか? そう思いながら今日も俺は考える……どんな答が出るだろうな?

 NEXT しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』

Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.25 )
日時: 2016/07/30 20:09
名前: 彩都 (ID: DMJX5uWW)  

 しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 1

 さて、問題だ、君が殺し屋なら、何を選択する? 簡単だ、普通はスナイパーを選択するだろう、だけれど僕は違う、『あえて』、『あえて』だ、『あえて僕は剣を選』んだ──

 数十年前──
『えーん、えーん』と泣きじゃくる赤ん坊が居た──黒いマントに包まれた長身の男性は、ダンボールの中に居た赤ん坊を引き取った──そして何年が経っただろう? 少年は小学三年生になった、そして少年は小学校に通う──

「はぁ、大変だ──」
 その小学三年生程度の身長の少年は、黒い格好に身に纏いながら、背中に一本の長い太刀を持っていた、そして少年は目の前に存在している刺客を背中の太刀で一薙ぎする──すると刺客は首を無くして、大量に出血をする──そして少年は虚空に向かって、剣を一振りする、そして剣に纏わり付いた血を虚空で拭う──
 すると耳に着けたイヤホンから声が聞こえる。
「おい、大丈夫か? すまない、刺客の事は把握し切れなかった」
 黒いマントの男性がマイクに向かって、少年に語り掛ける。
「まぁ、良いんだけどね、結局は倒す人が増えただけなんだから」
 そう言いながら少年はイヤホンを奥に詰めながら前に進む、目指すは社長のボスなのだから──

「はぁ、昨日は大変だった……久しぶりに大きな仕事だった──」
 そう言いながら少年──風凪光輝(かぜなぎこうき)は靴紐を結びながらランドセルを背負う、今日は月曜日、小学生として、相当嫌いな日にちの一つだろう──そう思いながら近くに居た少女──名前はコードネーム『アリス』だ──と共に外に出る、彼女もまた、赤いランドセルを背負っていた──
 そして僕達は小学校へ向かう──そう、僕らは小学生だ──殺し屋だけど──

 しりとりシリーズ 『太刀』 風凪光輝の殺人記録 開始──

 風凪光輝、年齢9歳、身長、136cm、体重33kg、好きな物、殺人、好きな物(食べ物)、玉子焼き(醤油が入った物)、嫌いな物、じゃれ合い、嫌いな物(食べ物)、大根、牛肉、鶏肉、豚肉、得意科目、体育、苦手科目、数学、家庭科、国語、社会、理科、勉強類、趣味、無趣味、何か一言、『無言』。
 まぁ、これが僕の記録だろう、そう、『表上』では──生憎、僕はガキとつるむ趣味は無いのだが──それでも仕方無い、だって僕は、『小学生』なのだから──
 そして学校に着く、生憎僕はアリスと同じクラスだ──何でこうも『同じ』というのか──学校だけでも顔をあわせたくない──そう思いながらランドセルを置いて、僕は項垂れる、あーあ、今日もめんどくさいガキ共と会話しなくてはならないのか──これでは少し気が滅入る──
 そう思いながら、僕は欠伸をする、すると学級委員長の女の子(メガネの可愛い少女)が僕に声を掛けてきた。
「全く──小学生がそんな諦めた様な目で世界を見ない! 私達は勇気ある小学生なのよ! もとしゃっきりしなさい!」
 そう言われながら僕は思いっきり背中を叩かれた、凄く痛い……するとアリスが僕に助け舟を出した。
「まぁまぁ、委員長もそんな事を言わないで、彼は世界に絶望した顔をしているわよ?」
「えっ? どういう事? 僕はそんな顔をしていないけど!?」
 驚きながら僕はツッコんだ、ってか、僕はそんな表情をしていたのか……?
 まぁ、そんな顔はどうでもいい、僕は早くこの学校を卒業したいのだが──残り三年だ、少しは我慢しないと──
 そう思いながら僕は教室を出る、そして思う、もう学校行きたく無いなぁ、と──

「今日は、タカラ製菓の次期社長を殺してくれ、今の社長は息子の太郎氏に継がせたいそうだ、そして現副社長の明日壁氏が次期社長の座を狙って──」
「つまり、今の社長は息子を継がせたいから、今の副社長を殺せ、という事だろ? それをさっさと言えよ、全く──」
 そう言いながら僕は背中に太刀を背負う──そして僕は動き出す──

「んで、社長、どうするんです? どうせ私しか継げませんからねぇ、三年前、大ヒット商品を出した私が社長なら、この会社も安心ですからねぇ……」
 そう言いながら明日壁は社長を見遣る、そして明日壁は拳銃を後ろを向いている現社長の高良に後頭部に当てる、そして言う。
「……まさか貴様は私を殺してでも手に入れたいと?」
 そう言いながら明日壁は言う。
「正解です、それでは社長、辞世の句を一言」
「あったら良かったな? そんな辞世の句──」
 その瞬間、拳銃が音を立てる、そして高良は椅子から崩れ落ちる──だが、拳銃の弾丸はガラスを貫いていた──『間に合った』、若い少年の声を聞こえた明日壁は後ろを振り向いた、すると光輝がドアを開けて笑っていた。
「いやいや、どうも間に合ったようだね、何とかセーフって奴ですかね、社長?」
 そう言うと、椅子が少し動く。
 そして部屋の箪笥の中から社長が現れる。
「いやいや──セーフとは言ったが、何とか、では無いだろう? まぁ、私が生きているからまぁ、良いのだがね──」
 そう言いながら社長は箪笥から出る、そして椅子に居る社長が動く。
「ピピッ! ガーガー……」
「何だ、声が出る部分が壊れたのか? でも今日使って、今日壊れただけだからまぁ、良いか」
 そう言いながら高良が欠伸をする、そして明日壁が驚く。
「なっ、何で、社長が生きているんだ!?」
「簡単だよ、社長はそもそも『この部屋の箪笥に隠れていた』だけだからね、オマケに椅子に座っているのは声が出せるただの機械さ」
「何だと?」
「何だとって? 簡単だよ、アンドロイドだよ、今時のアンドロって綺麗なもんだろう? つまり、お前は騙されただけさ、オマケにずっと箪笥で見張ってたぜ? 声を機械で通すだけで騙されるんだから」
 光輝が言うと、明日壁は冷や汗を垂らしまくる──そして明日壁は言った。
「そ……そんなぁ……!?」
「という事で、明日壁君、君は解雇させて頂くよ──刑務所で罪を償ってくれ──」
 高良はそう言って、背を向けた──こうして一つの殺人事件が起きずに済んだ──

「……って、僕ってそもそも活躍してないのでは?」
 そう言いながら黒マントの男に聞く。
「まぁ、良いんじゃないかな? 君はただの制御役、としか決めてなかったし──」
「えっ? それは無いんじゃ……」
「だってそれを言ったら、キレるじゃん? だから言わなかったのだ」
「──えぇー……」
 そう呟きながら僕は少し冷や汗を掻いた──
 明日もこんな日なら僕はキレて離れるぞ……? そう思いながら僕は僕の部屋に戻る──
 明日はどんな事が起きるかな? そう思いながら僕は居眠る──明日こそ、悪い人を殺せたら良いなぁ、そう思って、睡魔に襲われる──

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Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.26 )
日時: 2016/07/31 20:51
名前: 彩都 (ID: 3KWbYKzL)  

 しりとりシリーズ 『太刀』 風凪光輝の殺人記録 2 臭い者には蓋をしろ

 数日後、学校──
 僕こと、風凪光輝(かぜなぎこうき)は教室の黒板に向かって少し溜息を吐いた、それは何故か? そんなのは簡単だ、誰だって『教師が黒板に刺さっていたら』驚きか溜息しか出ないからだ──
 そして普通に入口が騒がしい教室の中に入ってこの光景を目にしたのである、さて、自分の心境は何だと思う? 簡単に書けば、『どうでもいい』の一言だった──人が死ぬのは何回も見てきたし、殺してもきている、なので殺人はもう慣れている。
 するとアリスが僕の肩を掴んで言う。
「どうする、殺し屋さん?」
 ……お前、完全に楽しんでんな? 顔には浮かべないが内心思う、そして僕は遺体をじっくりと見て判断する、これは『自殺では無い』という事だ、普通に書けば他殺、そして遺体はくの字になっている、そしてくの字の折れている部分を注視する、良く見るとナイフが突き刺さっている、しかも的確に心臓を刺している、これは結構な腕前で……そう思っているとアリスが頭を叩く。
「そんなに見ていると怪しいわよ?」
「おっとそうだね、少し離れておこう」
 そう言って二人は遺体現場から離れる、そして、障害者用トイレに入る。
「さて光輝、貴方はどう感じた?」
「僕的に言えば、犯人は人を殺すのに熟練している、何故ならあんな綺麗に人の心臓にナイフが刺さるなんて普通の人間では考えられない、だから僕は自分と同じ様な『殺し屋』が殺した、と考えるのが妥当か? とか思っている」
「そう? 私は普通にただの人間が殺した、と考えるわ、殺し屋以外でも人の心臓を詳しく知っている人だって居るかもしれないわ、例えば──外科の医者とかね?」
 そう言いながらアリスは良い事を思いつく。
「ねぇねぇ、警察が来る前にこの事件を解決してみましょう?」
「えっ? 何で?」
「面白いじゃない? 人殺しの犯人さ・が・し?」
「……少しだけ手伝うよ、少しだけ、ね?」
 そう言いながら僕とアリスは犯人探しをする事にした──

「とは言っても、この学校の人間が殺した、とは限らないんだよねぇ──とりあえず、カメラを確認しないと──」
「あら? それは必要ないわよ? だって『この学校には監視カメラ自体存在しない』のだからね」
「そうか、あまり気にしなかったから知らなかったよ」
「へぇ? 『忘れやすい』の間違いでは?」
「てめぇ、喧嘩売ってる?」
 僕がそう言うと、見回りをしている警備員の方が現れる。
「ねぇねぇ、警備員さん、警備員さん? 今日私のクラスの担任が殺されたんだけど、見回って不思議な事は無かった?」
 華麗に猫を被って警備員に話を聞くアリス、だが有力な情報は無かった。
「とりあえず、今日は来て初めての見回りだそうで、だから知らないってさ」
「そうなのか……ってちょっと待って、今日来たって? だったら昨日、見回っていた人は?」
「それはあの警備員さんよ、月曜、火曜、木曜、金曜しか活動していないらしいわ、そして昨日見回りしていたけど先生は昨日は居残りしていないの、だから今日殺されたのよねぇ」
「へぇ、だったら、今日来た人、特に先生方が犯人の可能性が高いね」
「そう言う事、だから犯人は先生よ、そして先生より早く来ていた先生が犯人、もしくは先生より遅く来て生徒が来ない内に殺したか、の二つね」
「それでも殺した、つまり返り血はあるんじゃない?」
「そうね、その可能性が高い、だから服を着替えた先生が特に怪しい」
「だけれど、大体の先生は学校に来る時授業用に服を用意しているからね、普通にジャージ姿の体育教師がスーツをロッカーに常備している、みたいなね」
「そうなのよね、そして犯人は男性、女性にあんな押し込む力は無い、と仮定は出来る」
「そうだね、さて、もう少し練ろうか」

 そして僕達は先生に話を聞いてみたりするが、有力な情報等無かった。
「……さて、物語は」
「振り出しに」
 僕達はそう言って項垂れる、すると警察が学校に来た。
「遂に来たね」
「そうね、早く解かないとね──」
 するとアリスが頭を抱えた、そしてアリスは『とんでもない』事を言った。
「馬鹿馬鹿馬鹿!! 何で『こんな簡単な事』に気が付かないの!?」
「おい、いきなりどうし──」
 するとアリスは大声で言った。
「担任の先生を殺した人物が分かったかもしれないのよ!」
「えっ?」
 そう言った瞬間、僕はアリスに引っ張られた、今は朝の八時、早くしないと一時間目が始まる──

「えっ? どうしたんだい君達?」
 そう言いながら薬品を直す理科の荒波先生にアリスは聞いた。
「私のクラスの教師が『殺されたの』は分かりますよね? それで荒波先生に少し聞いておきたい、と思いましてね?」
 そう言いながら荒波先生のぶよぶよとしたお腹に右手の人差し指で突付く、そしてアリスは言った。
「この先生殺し、犯人はアンタだろ?」
 その瞬間、アリスはスカートの内側からナイフを取り出し荒波先生の首に当てる、そしてアリスは呟く。
「先生なら、『『梃子(てこ)の原理』や科学の力を使って、押し込む事も可能ですし、尚且つ『人間の心臓』も分かります』よね?」
 静寂、少しの間隔の後、荒波先生は笑う。
「アハハハハ! 良く分かったね! それとも何だ? 借金の事とか聞いて知っていたのか?」
「知りませんけど? 私はただ単純に『優しい先生を殺したのは荒波先生ですか?』と聞いた迄なんですけどね、それでは警察に突き──」
 アリスの言葉を切って、荒波先生はアリスに攻撃をする、そして先生は言う。
「甘いな、この肉体は『太った』と見せかけて筋力を何倍にもする機械を入れている、ガキ一人、簡単に殺せる!」
 残った片手でアリスの口を塞ぐ、これでは窒息死してしまう──だが、それはさせない。
 僕は袖に隠していたナイフを取り出し、口を塞いでいる手を『手首ごと斬り』取った、そして一言。
「ガキを舐めるな、もっと痛い目に合わせるぞ?」
 そう言った瞬間、アリスは手に持っているナイフで、太った肉体と見せかけた体に触れ、その機械を探し、機械に向かって、ナイフを突き刺す。
「あっ! あぁっ!」
 電流が流れ、荒波先生は気絶した──

 その後荒波先生はロッカーに入っていた血の付いた白衣を見つけられ、その場で逮捕となった、白衣に付いた血は僕達の先生の血だった──こうして一つの事件が解決して、僕も安心した──

 NEXT しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 3

Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.27 )
日時: 2016/08/06 19:57
名前: 彩都 (ID: te9LMWl4)  

 しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 3 殺人鬼VS殺し屋VS怪盗ミラクル

 僕こと、風凪光輝は殺し屋である、そして僕は、小学三年生だ──

「えっ? どういう事?」
 僕が聞くと、長身の黒マントの男性は言う。
「とりあえず光輝、お前は『怪盗ミラクル』って奴を殺して欲しい、これは美術館の館長からの依頼だ」
 そう言って長身の黒マントの男性は立ち上がる、そして思いっきり笑った。
「アハハハハハ! 良いねぇ良いねぇ! 光輝、お前は怪盗を殺せるか? 否、殺せる! という事で『怪盗ミラクル』を殺して欲しい、それが依頼、出来るか光輝?」
「いけない事は無いけれど、相手がどうやって僕を倒すか、それが一抹の不安があるね」
「そうか、だったら依頼を受けてくれるか?」
「あぁ、受けよう、何だか面白そうだからね」
 そう言いながら僕は戦闘用の服に着替えて、太刀を持って、依頼された美術館へと向かった──

「えぇと、君ですか? 依頼を受けた殺し屋って言うのが……?」
「見た目は小さいですが、相当の実力はあります」
 そう言いながら美術館の館長こと、久喜沫姫(くき まつき)館長だ、因みに女性である、でもこんな綺麗な人が美術館の館長とは、この世も驚きの連続だ。
「まぁ、良いでしょう、殺し屋の中でもレベルが高い人材を選択された、という事でしょう──因みに『怪盗ミラクル』は知っていますかね?」
『怪盗ミラクル』──名前の通り、『奇跡』を操る怪盗だ、そして美術品や骨董品を奪っては売って、大金を色々な孤児院に送ったりしている、という噂だ、まぁ僕には関係ないからまぁ良いが──
「えーと、久喜さん、僕は『怪盗ミラクル』を殺せば良いんですね?」
「はい、美術品が奪われる前に殺してもらうのが私的には嬉しいですが──奪われても良いので、奪われた場合は、取り返して、殺してくれると有難いのですが、出来ますかね?」
「とりあえず、頑張って善処させて頂きます」
「えぇ、有難う御座います」
 そう言って、僕は話を終え、美術館の中に入った──

「もう終わったか?」
 木陰からちゃらちゃらした格好の少年──身長は光輝より頭一つ分高い位だ──が現れる、そして胸ポケットから小型のナイフを取り出して、峰を舐める。
「あぁ、今日もナイフが美味いぜ──んで、今日の依頼は何でしょう? 殺人鬼一家、『四季』家に何でもお任せあれ」
 少年は体を屈ませ、手を折り曲げて礼をした──その姿はまるでホストの接客の様だった──

「……何だ、これは?」
 そう言いながら絵画を見る、作者と作品名はヤルーオの『テラコワス』だ、他にもヤルーオの作品はあるが、この美術館には『テラコワス』以外の作品は無いらしい。
「まぁ、僕に美術は分からないから良いか……」
 そして僕はこの部屋の真ん中にある一つの美術品に目を向ける、これが盗まれる品か、そう思いながら考える、手の平大の粘土細工が何で500万以上するんだよ? そう思いながら溜息を吐く、僕は矢張り芸術が嫌いな様だ。
 するとガラスを割る音がする、僕は急いで背中に背負った太刀を取り出す、一体何処のガラスが割れたんだ? そう思っていると、白いシルクハットに赤いスーツのロングスカート──って『怪盗ミラクル』って女!?
「ん? お前は誰だ? まぁ良いか、ただの警備員かもしれないし──私は『怪盗ミラクル』、希代の怪盗よ! 今からこの中に入った美術品を奪いましょう!」
「させねぇよ」
 そう言いながら『怪盗ミラクル』に向かって、太刀を投げる、だが『怪盗ミラクル』はいとも簡単に避ける、そして太刀はあらぬ方向へと落ちる。
「危ない! 何て危ないガキなの!? 全く、私が盗むからほっときなさい!」
「ほっとけるか、僕は依頼されてお前を殺しに来たんだよ」
「ほう、私を殺しに? まぁ良いけれど──では、『殺し合い』ましょう?」
『怪盗ミラクル』がそう言った瞬間、後ろからナイフが飛んでいき、『怪盗ミラクル』の右腕に刺さる、すると『プシュウゥ』と煙が出そうな音が出た、その瞬間、『怪盗ミラクル』は少し冷や汗を掻いた。
「あ……やっべ」
「えっ?」
 僕も少し冷や汗を掻きながら、後ろのナイフを飛ばした人物を確認する、その人物は僕と同じ男で、僕より少し身長が高い位だ。
「えっ? お前は誰だ?」
「俺? 俺は殺人気一族、『四季』家の人間だ、俺も依頼されて、『怪盗ミラクル』を殺しに来た、つまり俺とお前の目的は一緒だ」
「そうか、でも僕が倒すから良いよ、君は下がっててよ」
「おいおい、お前は剣を投げて使えねぇじゃねぇか、だから俺のナイフを貸して一緒に倒そうじゃねぇか?」
「ていうか、私を見過ごすなよ」
 僕と四季の言い合いに『怪盗ミラクル』はツッコミを入れる、そして僕は『怪盗ミラクル』を睨む。
「煩いなぁ、君を倒すのは誰か決めているんだから」
「俺は一緒に倒そうぜって言っているんだがな、まぁいい、お前、さっさと倒せよ?」
 そう言いながら一本のナイフを渡される、これで倒さなければならないのか、まぁ行けるだろう、そう思いながら、思いっきりジャンプをする、目の前に『怪盗ミラクル』が見える。
「何でそんなに高く飛べるの!?」
「特訓のお陰だよ!」
 そう言いながら僕は『怪盗ミラクル』にナイフを投げた──

「はぁ、疲れた──」
 そう言いながら僕は当初の報酬より少し少ない金額の報酬を貰っていた、何故少ないかと言うと、『怪盗ミラクル』を殺せなかったからだ、あの後、僕はナイフを投げた、だが左目に突き刺さっただけで、何も取られずに逃げられたからだ。
「まぁ、取られないだけまだマシだ、さっさとずらかるぜ」
 四季が言うと、僕は四季に借りたナイフを返した。
「おっ、ちゃんと偉いぜ坊主、お前何歳だ?」
「僕? 君より年上」
「俺は中学一年だから、こんなに小さいガキは知らないぜ」
「知らなくてもいい」
「そうか」
 とまぁこんな会話をして、久喜館長に話をして、少し少ない報酬で許してもらった──そして僕は太刀を回収して、アジトへ戻った──
 そして『怪盗ミラクル』はと言うと──眼帯の怪盗として、少し知名度がアップしていた──何で知名度上げているんだよ、そう心の中でツッコみながらテレビの電源を消す、そして僕はランドセルを背負って、学校へ行った──

 NEXT  しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 4

Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.28 )
日時: 2016/08/07 20:18
名前: 彩都 (ID: BEaTCLec)  

 しりとりシリーズ 『太刀』の『その後』 風凪光輝の殺人記録 4 一枚のゲーム

 えーと、これはどういう事だよボス!? 僕こと、風凪光輝は謎の驚きを見せる、それは何故か? そんなのは簡単だ、『目の前の暗殺対象がもう殺されていた』からだ──椅子に座る二人の人間、その内一人は暗殺対象の人間、そして目の前には仮面の人間が居た、そして仮面の人間の手元には数枚の赤いコインが……これは一体……?
「やぁ、殺し屋さん、待っていたよ、対象が死んでいて驚いたね、でもそんなの私には興味が無い、その対象は私との『賭け』で負けたから殺しただけ、だから殺し屋さんも私のとの戦いに勝って、私を殺しなよ?」
「おい、一寸待て、まずこの状況を説明するには今さっきの台詞だけでは足りない、もう少し説明をしてくれ」
「簡単に言えば、私との『賭け』に負けたから、私が『賭け』の対象として取っていた対象の『命』を貰った、って事かな? まぁまぁ、座って下さいな」
 機械音で話される、少し聞き取りずらいが、聞こえない訳ではない為、スルーする、そして僕は椅子に座る。
「んで、どんな賭けをしたんだ?」
「そんなのは簡単です、『二十枚のコイン取り(トゥエンティー・コイン)』ですよ、簡単に言えば、この19枚の赤いコインを取り合って、最後の一枚、この白いコインを取ったら、負けというゲームですよ、一人一回取れます、一回で取れる量は三枚、ではやりませんか?」
「一寸待て、いきなり過ぎて意味が分からないんだが!?」
「簡単ですよ、私が貰ったのは『命』以外にもありますからね、私は貰ったのは、ウィルスです、それも九割死ぬタイプのね──オマケに治療薬は存在しない特別なモノです、良いんですか? この世界にばら撒いても?」
「それはダメだ、それは僕が止めよう」
「だったらこのゲームで賭けをしませんか? 君が勝ったら私を殺して下さい、これでばら撒けないでしょう? もしも君が負けたら、私は『君がばら撒いた』と言います」
 !? それは……人類の危機じゃないか!? って小学生の姿の自分に運命を決められても!
「……分かった、受けてやるよ、てめぇの挑戦に──さぁ、勝負だ、仮面野郎!」
「やはり、命を賭けるゲームはこうでなくっちゃね……フフフ……」

「先攻は君で良いですよ、一回で取れるのは三枚迄です」
「OK、分かった」
 こうして僕と仮面野郎とのゲームが始まった──

「三枚取ろう、これで少しは費やせるだろ」
 僕はそう言い、三枚を取る、二十枚→十七枚。
「フフフ、堅実に行きましょう」
 笑いながら仮面野郎は一枚取る、十七枚→十六枚。
「…………」
 不思議だった、何で一枚なのかを──三枚取ればいいものを……そう思いながらまた三枚取る、十六枚→十三枚。
「ふむ、今回も一枚で良いでしょう」
 僕はそう言いながら仮面野郎は一枚取った、十三枚→十二枚。
「もうすぐ半分か……」
 相手はそう呟きながら、コインを取る、十二枚→九枚。
「もう十枚を切りましたか、案外速いゲームですね、これ」
 僕はそう言い、二枚を手に取る、九枚→七枚。
「お前、負けるかもよ?」
 僕はそう言ってまたもや三枚取る、七枚→四枚。
 すると仮面野郎が笑った。
「貴方の負けですね」
 相手がそう言って、仮面野郎は最後の赤のコイン三枚を取った、そして机の上に残っているコインは白のコイン一枚のみ。
「……!? 僕の負け……!?」
「正解です、ですが貴方はこのゲームを初めてしたプレイヤーなので、これは練習扱いにしておききましょう、では本番です」
 負けと思っていたが、何とか練習で助かった、さぁ、勝たなければ──

「今度は本番、私が先攻で」
 相手がそう言いながら一枚、手に取る、二十枚→十九枚。
「……僕は三枚」
 僕はそう言って、三枚を手に取る、十九枚→十六枚。
「ふむ、前と同じなら負けてしまいますよ?」
 相手はそう呟きながら仮面野郎は一枚、手に取った、十六枚→十五枚。
「それは分からないぜ?」
 僕はそう言い、三枚を手に取った、これでよし、十五枚→十二枚。
「……? 分からない? そうなのでしょうか、このゲームには『必勝法』というのがあります、それに則っただけですよ」
 仮面野郎はそう言って一枚を手に取った、十二枚→十一枚。
「そんな……! 僕は勝てないのか……!?」
 僕はそう言い、三枚を手に取った、十一枚→八枚。
「さぁさぁ、段々後がなくなってきましたよ!?」
 そう言いながら仮面野郎は一枚取った、八枚→七枚。
「僕は諦めないぞ!」
 そう言って僕は枚数が少なくなったので、取る枚数を減らした、七枚→五枚。
「おま!? 何て事を!?」
 そう言いながらコインが置いた机を投げようとする、だが、僕が押さえつける。
「さっさと取れよ、コイン」
「……ぐぅぅぅ!」
 仕方無く仮面野郎はコインを取った、五枚→四枚。
「これで最後だ!」
 そう言いながら僕は三枚を手に取った、四枚→一枚。
「嘘だろ……? 私がこんなガキに負けるなんて……」
「僕はガキじゃない、手順が変わったら負けるお前ってどうだよ? ていうか不思議だったんだよ、何時も一枚なのに、何で練習の時、二枚取っていたかを……」
 そう言いながら僕は方に背負った太刀を取り出して言った。
「んで、約束覚えてる? 僕が勝ったらお前を殺すって?」
「練習なら、君も大罪人になっているが?」
「お前は今さっきの戦いを『今度は本番』と言っているが? だから殺しても良い」
 そう言って、僕は太刀を振るった──

 そして僕は仮面野郎を殺した後、その部屋を出て、ボスの組織に迄戻った。
 結構難しいゲームだったが、生きていたら、もう一回している所だった──僕はそう思いながらベッドの中に凭れながら睡魔に襲われる──今日はとんでもない頭脳戦、だった気がするのは僕だけだろうか?

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