複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- しりとりシリーズの『その後』
- 日時: 2016/05/07 17:13
- 名前: 彩都 (ID: YohzdPX5)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=18457
始めましての方も知っている方も始めまして。
彩都(サイト)と申します、七作目です。
この作品は『しりとりシリーズ』の続編となっております。
URLは前作『しりとりシリーズ』となっております。
感想等は、この作品の終了後か、前作『しりとりシリーズ』のスレッドにて、お書き下さい。
それではどうぞ。
NEXT 『愛』、『言う』、『上』、『笑顔』、『謳歌』
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.94 )
- 日時: 2017/03/26 21:34
- 名前: 彩都 (ID: Bf..vpS5)
しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 十六夜満月堂活動記 7 新たな被害者、六五
資料を渡されて、翌日、何とか残り一冊、と迄資料を読み漁った百乃目は相当体力を辻斬り事件の資料で奪われていた。
「お、おい、百乃目? おにぎりじゃぞ? 後、温めのお茶も……」
琥音虎が割烹着姿で台に乗ったおにぎりとお茶を持ってくると、ゆっくりとした手つきでおにぎりを掴み、口に運ぶ、その動作はとても遅く、せっかちな人間にとってはイライラしてしまいそうな程遅かった。
「早よう食えぃ!」
琥音虎はそう言って、百乃目の頭を叩く、するとスッキリした顔で、素早くおにぎりを食べる。
「有難う、頭を叩かれて、少しスッキリしたわ、さて、リフレッシュ出来たし、後は皿の上のおにぎりとお茶を食べるだけだな」
「お茶は飲み物じゃ、食べるのではなく、飲むのじゃ」
冷たくツッコミを入れる琥音虎に対し、両手におにぎりを持って、食べる百乃目、その目は少し眠たそうな感じだが、瞳には真剣な眼差しが感じられた──
「さて、もう一冊だし、後は頑張るかな?」
おにぎりを食べ終え、お茶を飲みきった百乃目はそう言って、最後の資料を見る事にする、琥音虎も食べ終わって、安心して、炊事場に向かう。
「それにしても、資料を見るのに一日掛かるとは……警察とは結構激務な場所じゃのう……」
琥音虎はそう呟いて、蛇口を捻り、水を出して、お皿と湯飲み茶碗を洗う、すると十六夜満月堂の戸を開ける者が居た、琥音虎は蛇口を捻って、水を止めて十六夜満月堂の戸に向かう、すると其処には汗を掻いた阿覚が立っていた、凄く焦っている様で、百乃目は驚いていた。
「い、一体どうしたんですか阿覚さん?」
焦りながら百乃目が言うと、阿覚の口からとんでもない言葉が出る。
「じ、実は……鎌居達三姉弟の内の末っ子、鎌居六五が……鎌居六五が辻斬りの被害に遭った──」
その言葉を聞いた瞬間、百乃目は急いで資料を机に置いて、十六夜満月堂を走って出る、まず六五が何処の病院にいるか分からない、というのに……! 琥音虎はそう思ったが、阿覚は覚の妖怪、『琥音虎の『何処の病院に居るか分からない』という心の発言を聞いており』、阿覚は琥音虎に六五が寝ている病院の名前と場所を伝える。
「あっ、有難う……!」
そう言って琥音虎は百乃目を追いかける、阿覚は息を切らして、十六夜満月堂に来ていたが、何とか、息切れから、通常の呼吸に切り替わる──
「……って、病院の名前と場所聞いていなかった!」
百乃目は走って数秒でそれを思いつく、すると百乃目に追いついた琥音虎が言う。
「だと思ったよ!」
そう言って頭に折り曲げた紙を当てる、何なんだよ? と百乃目は思いながら折り曲げた髪を広げる、すると其処には病院の名前とその病院のある住所が書かれていた。
「ナイス! 琥音虎!」
「それ書いたの、儂じゃが、教えてくれたのは阿覚じゃ」
「そうか! 後で御礼を言わないとな!」
琥音虎から紙を受け取って、その病院へと走って向かう百乃目、琥音虎も百乃目に着いて行く──そして数分が経った、百乃目は息を切らしながら病院に着く、琥音虎は息を切らしていなかった。
百乃目は病室を探して、六五の居る病室を見つける、そしてその病室に向かい、頭を下げて、病室の中に入る。
「全く……姉ちゃんを辻斬りした奴は一体誰なんだ!? 野郎、絶対俺がとっちめてやる!」
「まぁまぁ、三四兄も落ち着いてね? 六五姉だって、刺されただけで死んだ訳じゃないんだからさぁ?」
「だけどよぉ! 一二姉ちゃんももっと心配してあげなよ! 鎌居三姉弟、一人でも欠けたらダメじゃん!」
「いや、まぁ、そうなんだけどね? だけど、病人の前に居るんだから、少しは静かにして看てあげないとぉ?」
「うぅー! 俺に力が無いのが悔しいぜ! 力さえあれば姉ちゃん二人を守れるのに……!」
「一二姉さん、三四兄さん……!」
百乃目は三人の姉弟の話を聞きながら抱き締めあう三人の中を裂いても良いだろうか? と思いながら頬を掻く、すると六五が百乃目に気が付いた。
「あっ、百乃目さん……」
「あっ、辻斬りに遭った、と聞いて、駆けつけて来ました、つまらない物も無いけど、辻斬りの話が聞きたくて、来ました」
百乃目がそう言うと三人の内の一人、鎌居三四(かまい みよ)が百乃目を見る。
「アンタも大変だな、胴体に大怪我負ったのに、動き回るなんて」
「アハハ、まぁ、仕方無いよ、自分だって辻斬りの犯人を探しているし」
百乃目がそう言うと三四が驚く。
「は、はぁ!? 胴体に傷を負ったまま辻斬りの犯人を捜してるって!? アンタすげぇな、俺には真似出来ねぇ……」
三四がそう言うと、奥に居る三人の内の一人、鎌居一二(かまい ひとふた)が百乃目に言う。
「すいませんが百乃目さん、妹の六五は色々な警察の関係者に話を聞かれて、精神が疲労しているんです、だから明日明後日にも……」
「いや、いいよ、少し休憩するだけで良いって……あ、えっと、百乃目さん? 話を聞くなら少し休憩を頂きたいのですが?」
「あぁ、いいよ、何分位休憩する?」
百乃目がそう言うとベッドに座っている六五が言う。
「精々十分程度ですかね、後で一二姉さんか、三四兄さんに呼びに行ってもらいますので、待合席でお待ちしてて下さい」
「あぁ、分かった」
百乃目はそう言って六五に言う、六五は頷いて、休憩する事にした。
「良い情報が有ると良いのう」
そう言って待合席に座って琥音虎が言う、もうじき指定の十分が経つ、その間、ジュースを飲んで、二人は待機していた、すると三四が現れて、二人に言う。
「休憩は終わった、さぁ、来てくれ、百乃目さん」
そう言われて、百乃目は立ち上がって病室の前に移動する、琥音虎は六五が他の人、妖怪に襲われない様に病室の前で待機する事にした、病室の前、百乃目は大きな深呼吸をし、病室の戸を開ける、さぁ、どんな話を得る事が出来るだろう? そう思いながら百乃目は病室の中に入る──
NEXT しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 8
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.97 )
- 日時: 2017/04/01 23:00
- 名前: 彩都 (ID: MMm5P7cR)
しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 十六夜満月堂活動記 8 犯人は誰?
「おぅい、六五姉さん、呼んできたぜぇ」
病室のドアを開けて三四が言う、すると六五は『あぁ、分かった』と言って、髪を結う。
「お待たせしてすまない」
「おや、良いですよ、情報を得れるのなら、自分は幾らでも待ちますから、どうぞ、自由に時間を有効活用して下さい」
「有難う御座います」
六五は笑顔になって、百乃目は近くの椅子に座って、ペンとメモ帳を用意する。
「それでは、昨日、起きた辻斬り事件の内容を事細かに詳しく教えて下さいな?」
「はい、分かりました──あれは昨日の事です──」
百乃目の言葉に反応する六五はゆっくりと昨日の事を思い出す──
「昨日は百乃目さんを治療した後の話です……私は次の患者の家に向かっている所でした、すると急に自分の影が二つになったんですよね、背後には月があったので、月の光で二人に見えたんでしょうけど、流石にそれは無いです、なので私はすぐに察しましたよ、『辻斬りだ……』とね──そして何とか走って逃げたんですけど、『可笑しな事』が起きましてね?」
「お、可笑しな事? 一体何なんでしょう?」
「それは、『自分の動きが見透かされていた』んですよね、右に行こうとしたら、右の方から刀が襲ってきて……左に行こうとしたら、左の方から刀が襲ってきて……」
「な、成程……それは怖いな……って、ちょっと待て、それって自分の時は起きなかったな、鎖帷子していたからか?」
「多分それもあるでしょうね、だけど私みたいな低級妖怪の力を持つ存在には鎖帷子なんて用意している筈もないですからね」
「ま、まぁ、十六夜満月堂は色々な物を扱っているので、鎖帷子もお安く売りますよ?」
「今はそんな話している場合では無いよなぁ?」
六五と百乃目の会話を切る三四、百乃目は『おぉ、怖い怖い』と呟いて、六五から話を聞く。
「それでは話を続けて下さい」
「えぇ、分かりました──何とか逃げ切ったのですが、何故か場所が判明されてしまい、私はそのまま……」
六五はそう言って、服を少し脱いで、綺麗で華奢な体を百乃目に見せる、もしも二人きりなら情欲が湧いてしまう所だ、そんな事は置いといて、百乃目は六五の体を見て、驚愕する、六五のその体には『右から左下へと流れる様に綺麗な線』があった、それも痛々しい傷跡であった。
「まぁ、私の作ったお薬を急いで体に塗りつけたから、傷は結構回復しましたが……」
「お、おぅ……大変痛そうですね、自分より」
百乃目がそう言うと六五は半笑いで返答する。
「いえいえ、傷も痛みも結構引いていますよ? 流石自分の薬です! ……いえ、自画自賛じゃないですよ?」
六五の発言に百乃目は苦笑する。
「あはは……それで、傷を受ける前、何か話し合いとしましたか」?
「いえ、何にもせず、ただ、一閃に──ですね」
「そう……ですか」
百乃目はそう言って、あまり有益な情報が手に入らなかったな、と思いながら立ち上がる、すると六五は静かに百乃目に言う。
「百乃目さん、貴方は『辻斬りを受けて生き残った唯一の男、でありながら私と同じ日に辻斬りを受けた身』だ、だから私は貴方に包み隠さずに言います」
「は、はぁ? ど、どういう事ですか? 警察にも言っていない事、ですかね?」
六五の台詞に百乃目は驚いて聞き返す、六五は静かに頷いて言う。
「えぇ、そうです、私は『同じ日に辻斬りにあった貴方だからこそ信用しようと思う』、『私の言葉を信じて辻斬りを逮捕して欲しい』です、だから逮捕宜しく御願いします……!」
六五はそう言って、ベッドの上で座りながら頭を下げる、百乃目は静かに六五の顎を上に上げて、顔を上げさせて、六五に言う。
「……あぁ、絶対に辻斬りは逮捕する! 任せてくれ、六五さん……!!」
百乃目はそう言って、椅子に座って、六五の話を聞く。
「あ、有難う御座います……! 『これ』は結構大変でした、隠すのは……」
「あぁ、覚妖怪もいるもんな」
「えぇ、そうです」
「えっ? 覚妖怪が? すげぇな、警察……」
六五と百乃目の会話中、三四がまたも横槍を入れる、そんな三四に対し、一二が三四を睨み、萎縮させる。
「その覚妖怪から心を隠すのは一苦労しましたよ……それでは言いますね──」
遂に話すのか、そう思いながら百乃目は気を引き締める──
「百乃目さん、私達鎌鼬の妖怪っていうのは分かりますよね? 実はその辻斬りは草履を履いていたんですよね、なので隙を突いて、草履の鼻緒の部分、ありますよね? そこを『切って』おきました、なので、切れた場合は草履屋や履物屋に向かい、修理しますよね? そこから足がつくと思うんですよ、どうです? この情報、必死に隠していた情報です」
「そ、それなら、結構な程人数が絞られる……! 有難う御座います、六五さん!」
百乃目はそう言って六五の両手を握る、そして百乃目は急いで病室を出る、突然出てきて焦る琥音虎に百乃目は言う。
「犯人が分かるかもしれない! 急ごう、琥音虎!」
「えっ!? は、犯人がぁ!?」
琥音虎の言葉に百乃目は頷く、そして病院を出て、急いで履物屋を探す──履物屋で辻斬りの犯人が見つかるかはまだ分からない──
NEXT しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 9
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.98 )
- 日時: 2017/04/01 23:01
- 名前: 彩都 (ID: MMm5P7cR)
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.99 )
- 日時: 2017/04/02 21:58
- 名前: 彩都 (ID: ae8EVJ5z)
しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 十六夜満月堂活動記 9 犯人は……○○
「はぁ……! はぁっ!」
百乃目は町を走って履物屋を確認していた、案外履物屋が少ないんだよな、この町……百乃目はそう思いながら必死に探す、琥音虎は屋根の上を走りながら百乃目の見落としが無いか、探していた、すると一つの店を見落としていたので、百乃目を呼ぶ。
「待て! 百乃目! 此処はどうじゃ!?」
「おっ、見落としていた! 有難う琥音虎!」
「そんな事は言っておらずに早う入れ!」
琥音虎の言葉を聞いて、感謝の言葉も言えないのか、と嘆息し、店内に入る。
「いらっしゃい」
「あのぅ、すいません、此処って草履の鼻緒とか直していますか?」
「ふむ、鼻緒、ね……たまに直すねぇ」
「あ、あの、昨日今日、鼻緒を直しませんでしたか?」
「昨日、今日ねぇ? 流石にそれは無いなぁ」
「そうでしたか、すいません、それじゃあ自分はこれで」
百乃目はそう言って店を出る、『どうじゃった?』と琥音虎が聞くので、首を横に振り、落胆する。
「そ、そうか……だがまだまだ店はある、急いで探そう!」
「お、おう、そうだな、急ごうか」
百乃目はそう言ってまたも町の中を走り周る──
「はぁはぁ……もう、何件目なんだっけ?」
「え、えーと……確かもう11件目じゃぁ?」
「はぁ? こんな広い町なのにそんなに少ないのか!? コンビニとかの方が多いかもしれないなぁ」
「いや、コンビニと比べるなよ……」
百乃目と琥音虎の会話の中、何と靴屋を見つけて、少し安堵する二人、結構回ったが、この店が最後かもしれないな、そう思いながら二人は靴屋の店内へと入店して行く──
「すいませぇん、昨日今日で草履の鼻緒を直しに来た人って居ますかねぇ?」
百乃目が店主に言うと、店主は静かに答える。
「……あぁ、居るよ、しかも今日だ」
「何だって!? その人はどんな人ですか!? 今警察の方で捜しているんですよ!」
百乃目が説明すると店主は呆れながら言う。
「はぁ? 何を言っているんですか? 警察の方で捜している? 警察の人を?」
「えっ? それって……『鼻緒を直しに来たのは警察の人』と言う事ですか……?」
「あぁ、そうだとも、名前も知りたいんだよねぇ、名前は阿覚、阿覚桂馬だったな……」
店主の話を聞いて、百乃目と琥音虎は驚いた、まさか阿覚が!? いや、これは勘違いかもしれない、だけど、今迄の店で『鼻緒を直したのは居ない』のだ、だから、『辻斬りの犯人は阿覚桂馬だ』、と本能で分かってしまう。
「いや、それはないです……阿覚さんが犯人だって……!? こんなの何かの間違いだ!」
店主の言葉に百乃目は言い返す、だが、店主は静かに言い返す。
「そういえば、今朝に『今さっき鎌鼬にやられましてね』と言って、草履を私に渡してきたのだが? あれはどういう意味だったのだろう?」
「えっ? それじゃあ犯人は……阿覚さん……!?」
百乃目がそう言うと、静かに琥音虎が言う。
「その……ようじゃな……」
「嘘だ! あの人が殺人!? 有り得ないよ!」
「何時迄も現実から目を背けるな!」
琥音虎はそう言って百乃目の頬を叩く、そしてその場で倒れこむ百乃目。
「これは現実だ、だから背けようのない事実じゃ! いい加減理解せい! この辻斬り事件、辻斬りをしているのは阿覚桂馬! 警察に居る妖怪、阿覚桂馬が起こした一連の辻斬り事件じゃ! これは……儂だって目を背けたいのじゃ……だけど、あの店主の発言で全て、事実へと変わった! これは変わりようのない事実! だから受け止めろ、この現実を!」
「え、えーと、私なんか悪い発言しましたかねぇ?」
琥音虎の発言の後に店主が言う、琥音虎は『何でもない、悪い発言では無いさ』と言って、店を出る、そして百乃目を持ち上げて、屋根の上に乗って、叩いた部分を舐める。
「す、すまんのぉ、ついカッとなって……」
「…………」
「も、百乃目?」
「……琥音虎、有難う、これで目が覚めたよ、有難う」
そう言って百乃目は琥音虎の頭を撫でる、突然撫でられて、琥音虎は驚く。
「い、い、い、一体何なんじゃ!? お前はぁ!?」
頭を撫でられ、顔を赤らめる琥音虎に対し、百乃目は穏やかな表情で琥音虎に言う。
「今迄有難う、琥音虎、君との情事、君との思い出、君とのからかい、楽しかったぜ……君と一緒に居た記憶、君と一緒に居た時間、君と一緒に居た場所迄、今の今迄が愛おしい、そして、もうその情事、思い出、からかい、記憶、時間、場所、君ともう一緒に居れないと思うと……自分は悲しいね、だから……また来世で会おう……」
百乃目はそう言って琥音虎を押し倒し、激しいキスをする、そして、数秒が経って、口を拭う百乃目、琥音虎は少し蕩けていた。
「今迄有難うな、琥音虎、自分が死んでも気にするな、借金は何時の間にか返済されているからな!」
そう言って百乃目は屋根から飛び降り、走って何処かへと向かう、唇に走る快感の所為で、酔いしれてしまい、あまり身動きが取れない琥音虎、『来世で会おう』、『死んでも気にするな』、その発言を聞いて、まさか阿覚ごと死ぬ気か!? と思う琥音虎、だが、体は快感の所為で酔いしれているので、動けない、動けないまま琥音虎は米粒の様に小さくなっていく百乃目を見つける事しか出来なかった。
「百乃目……もしも死んで遺体で帰ってきたら……何度でも殴ってやるからな……! 絶対生きて帰ってこいよ……!!」
琥音虎はそう言って、快楽に酔いしれながら屋根の上で寝てしまう──今は夜だ、もうすぐ辻斬りが現れる時間帯だった──
NEXT しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 10
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.100 )
- 日時: 2017/04/07 08:25
- 名前: ナオキ (ID: UEhR5RB1)
米98
荒らしはスル−でいいじゃないかな
いちいち返信してたら削除合戦終わらないよ?
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22