複雑・ファジー小説
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- しりとりシリーズの『その後』
- 日時: 2016/05/07 17:13
- 名前: 彩都 (ID: YohzdPX5)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=18457
始めましての方も知っている方も始めまして。
彩都(サイト)と申します、七作目です。
この作品は『しりとりシリーズ』の続編となっております。
URLは前作『しりとりシリーズ』となっております。
感想等は、この作品の終了後か、前作『しりとりシリーズ』のスレッドにて、お書き下さい。
それではどうぞ。
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.84 )
- 日時: 2017/02/19 22:07
- 名前: 彩都 (ID: lBubOowT)
しりとりシリーズ 『夜空』の『その後』
どうしてこうなった? 僕はそう思いながら溜息を吐く、目の前には宇宙人三体がいるからである。
「えーと、君達の名前を知りたいなぁ?」
僕がそう言うと三人の内、真ん中に居るフィーチャと存在が言う。
「私の名前はフィーチャ、彼らは右がユニバス、左がギャラクシアと言います」
「成程ね、んで、『宇宙神ノヴァ様』って何なの? 二十何代とかも言っていたけど、何代も変わって良いものなの?」
「えぇ、『宇宙神ノヴァ様』は何代でも良いのです、重要なのは『宇宙の真理と宇宙の法則を乱さない』事です」
「……『宇宙の真理と宇宙の法則を乱さない』事? それってつまり……『宇宙の真理と宇宙の法則』を手に入れる事、と言う事かな?」
するとユニバスが言う。
「そうだな」
「えっ? 何それ怖い」
「怖くないよ、ノヴァ様は最強なんだ、力で捩じ伏せるんだから」
「えぇ……」
自分は困惑しながら勉強机の椅子に座る。
「ふぅん、でもどうやって『宇宙神ノヴァ様』の候補を探すんだい?」
「簡単だよ、全宇宙からの存在を集めて抽選をするんだ、んでもってたまたま選ばれたのがこの地球の君、という訳だ」
そう言ってギャラクシアが言う、抽選って……普通天皇みたいに一族が代を継ぐ、というのでは無いのか? と考えてしまう。
「まぁ、地球人的に言えば、っていう話ですがね」
「へぇ……でも僕はその候補達と戦って権利を手に入れるんだろ?」
「はいそうですね、なので移動しましょうか?」
「移動? 何処に?」
「そんなのは簡単です、『宇宙神ノヴァ様』の候補達が戦うフィールドです──」
フィーチャがそう言うと僕と三体の存在はその部屋から消えた──
「さて、移動しました」
「移動しましたって……僕は宇宙の研究者になりたいのであって『宇宙神ノヴァ様』にななりたくないんだけどなぁ」
僕はそう呟いて目の前の存在を見る、まるで人間みたいな姿だが、瞳、歯の形が違うので地球人以外の宇宙人、と考える。
「初めまして、候補者よ、私の名前はビブル、と申します」
「あぁ、はぁ……」
完全に逃げ場は無いなぁ、とりあえず、この状況を打破するには『負け』なければ……そう思いながら候補者同士の戦いは始まった。
候補者同士で戦って最後に残った者が『宇宙神ノヴァ様』になれるだそうで、自分はなれるのかなぁ? と思いながらいや、なっちゃダメだろ、とツッコミを入れる。
そして試合が始まった、自分は仕方なく相手にワンパンを仕掛ける、すると相手はそのまま倒れ、気絶した。
「えぇ……宇宙人だからもう少し手ごたえがある、と思ったのに……自分は弱いんだぜ?地球人の中でも……」
自分はそう呟いた瞬間、ユニバスが言う。
「おぉっ! 流石『宇宙神ノヴァ様』になるお方だ! もう優勝なされた! おめでとう御座います! 二十一代目!」
「えっ? たった一回戦っただけでこれなの?」
「はい、そうです、二十代目『宇宙神ノヴァ様』は体力がなく、二人しか選ぶ事が出来ませんでした、実際は八人なのですがね」
「成程、それ程迄衰弱していたんですね」
自分がそう言うと三体は静かに頷いた……っていうかこれで自分は二十一代目『宇宙神ノヴァ』、と言う事に……? って、何なってんだよ自分!? 僕は宇宙の研究者になりたかったのに……自分はハァ、と溜息を吐いて、仕方なく『宇宙神ノヴァ様』になる事になった、今くよくよしても何も始まらない、行ってから始まるのだ、一度全部体験して、それから『宇宙神ノヴァ様』を辞めれば良いのだ、自分はそう思いながら仕方なく二十一代目『宇宙神ノヴァ様』になる事になった──
地球時間で数ヵ月後、自分は二十一代目『宇宙神ノヴァ様』の仕事に対し、少し楽しんでいた、色々知らない知識もあるのだ、それを受けられる事のこの快感! これは『宇宙神ノヴァ様』になって最高だ、と思い始めていた。
自分は今頑張って宇宙の真理と宇宙の法則を習っている、早く二つを習得して前『宇宙神ノヴァ様』の記憶を頭の中に叩き込まなくては……自分はそう思いながら自分は必死に宇宙の真理と宇宙の法則の内容をノートに書き込んで行く──案外『宇宙神ノヴァ様』もいいな、と自分は思い始めていた──
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- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.85 )
- 日時: 2017/02/25 22:06
- 名前: 彩都 (ID: O/vit.nk)
しりとりシリーズ 『乱璃』の『その後』
私は一人ぼっちなのか……夫も死んで自分は完全に天涯孤独だ、国にも離れて自分を助けてくれる国なんかあるのだろうか? まず今のセカイは『大戦争時代』だ、だから私を助けてくれる国なんかあるのだろうか? それは私には分からないが、とりあえず前に進まなければ意味が無い。
ロージェはそう思いながら荒野を歩く、そしてロージェは一つの国を見つけて、永住するのだが、今はまだロージェは知らない──
「あぁ! もう! あのクソ姉貴ぃ! 男装迄して国民を動かせるなんて……何て極悪非道なんだ! 自分は時期尚早と申したのに! あの姉は自由行動が酷過ぎる! 全くあの姉はぁ……!!」
青年は自室で紅茶を飲みながら、イライラを抑えようとする、今飲んでいる紅茶は、『ハーブティー』だ、ハーブティーには鎮静作用がある、少しでも落ち着けたら幸いだが……あの姉の事だ、また激昂してしまうかもしれない……そう思いながら青年は溜息を吐く。
「……はぁ、少しでも勝利出来る作戦を考えないと……あぁ、先が思いやられるぜ、はぁ」
青年はそう呟いて、ベッドの腕にダイブする、そしてゴロゴロ寝転がった後、『ぐぅ』と寝息を立てる──作戦を考えるのは明日の朝で良いだろう、そう思いながら──
「……はぁ、これ位で良いかな? 今の兵力じゃあ周りの国から一気に攻め立てられ、すぐに負けてしまうからな……これで勝てなかったらこの国の兵力に驚くわ」
青年はそう言って、深い溜息を出す、するとベッドの上で寝転がる姉貴が言う。
「ほう? つまりまた自由に私が兵を動かして良いと?」
「誰がそれを言った? ていうか姉貴が動かすと兵力が一気に下がるんだけどぉ!? 姉貴の指揮は下手糞なんだよ! だからもう兵を動かすな!」
「厭です、だって兵を動かすのは楽しいんだもぉん!」
姉貴がそう言うと青年は静かに溜息を吐く。
「コイツもうダメだ……とりあえず、この姉から全権力──主に指揮の権利──を剥奪しないとな、あぁ、今日から大変だな、明日も大変か」
青年はそう呟いて、大きな溜息をした、何回溜息をしたのだろう? それが分からない位、しているだろう──
それから数日は姉貴の指揮から青年の指揮に変わり、青年が作った作戦を兵は採用し、行った、すると色々な場所で勝利報告が来、青年はとても安心した。
「ふぅ、やっぱりこの国は自分が動かさないといけないんだなぁ……姉貴よりも自分で動かした方が安心するなぁ、って逆に自分が作った作戦を姉貴に渡せば良いんじゃ……いや、それをして、その作戦を捨てられたらどうしよ? だからあんまり指揮させたくないんだけどなぁ……あぁ、面倒だなぁ」
青年はそう呟きながら溜息を吐く、あぁ、また溜息を吐いてしまった、そう思い、深呼吸に変える。
「お、王! 国王様ぁ!」
急に青年の部屋のドアを開ける兵士が現れた、『な、何だ?』と青年が呟くと兵士は大声で言った。
「この国の兵士がやりました! 戦争に勝利しました!」
「何だと!?」
青年は戦争勝利の言葉を聞いて、とても驚いた、まさか勝利するとは……結構使えるな、あの作戦……そう思いながらその場で倒れ、喜んだ、まるで小学生の男児の様に──
何とか戦争に勝利する事が出来て、自分は喜んだ、あの姉貴でさえ喜んでいた、これで少しは楽になるかなぁ? と青年は思いながら何れ起きるであろう戦争の作戦を考えていた──青年の苦悩はまだまだ続きそうだ──
NEXT しりとりシリーズ 『了する』の『その後』
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.86 )
- 日時: 2017/02/26 22:39
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
しりとりシリーズ 『了する』の『その後』
姉が居なくなって初めての夏、自分は実家で大人の関係になった幼馴染みと共に棒アイスを食べながら縁側で涼しんでいた、すると急に幼馴染みが言う。
「なぁ、少し川に行かない? そっちの方が涼しいと思うよ?」
「えっ? あぁ、それもそうだな……だけど夏でしょ? 少し川の温度がぬるくなっているかもしれないね?」
自分がそう言うと幼馴染みは笑って自分に言う。
「アハハ! それはないよ、だってその川の近辺は森林で生い茂っているんだから、影で涼しくなっているよ」
「それもそうか、それなら川に行って遊ぼうか」
自分がそう言うと幼馴染みは『うん!』と可愛い笑顔を作る、本当、あの夜乱れた顔とは大違いだな、と思いながら自分は棒アイスを食べ終わり、移動する準備を始める──
「うっひゃあ、冷たくて涼しー!」
幼馴染みはそう言って、ワンピースの裾を持ち上げる、自分は足湯の様に脛(すね)から下を川に入れて涼しんでいた。
何だろう? この光景はとても美しい、と思った、幼馴染みは可愛いし、水飛沫でもっと綺麗に感じた、すると後ろから変な声が聞こえた
「ねぇねぇ、お兄さんお兄さん、聞こえてる?」
自分はその音の方へと振り向く、すると自分の背後に背が小さい幼女を見つける、次に幼馴染みが叫ぶ。
「えー!? 誰ぇ!? 隠し子ぉ!?」
幼馴染みがそう言うと自分は噴出してしまった、自分はまだシングルファザーでは無いのだが……自分がそう思っていると幼女が川に飛び込んだ、彼女の姿を良く見ると緑の髪色にポニーテールの様な髪型、更に体の色は褐色だった、こんな子、この近辺に居るのかな? と思う。
「なぁ、お前は知っているか、この子の事?」
自分が幼馴染みにそう言うと幼馴染みは首を横に振って返答する。
「流石に私でも知らないかな? と言う事は君の隠し子じゃないんだね?」
「いや、そりゃそうだろ……」
幼馴染みの言葉を聞いて自分は呆れてしまう、何でそんな考えが起きてしまうのか……? すると褐色の幼女が自分に言う。
「ねぇねぇ、二人共、私と一緒に遊ぼうよ?」
「……自分は良いけど? 幼馴染みがどういうかは……」
自分がそう言った時だ、元気に幼馴染みが言う。
「うん! いいよ!」
「……だってさ、それじゃあ川から上がって遊ぼうか?」
自分がそう言うと褐色の幼女は『うん!』と大きな声で言って喜んでいた──
何か引っ掛かっていた、自分はそう思いながら褐色の幼女を見つめる、何だろう? どっかで見た事があるんだよなぁ? どっかで。
自分はそう思いながら木の木陰で少し涼しんでいた、熱くて少し頭がぼぅっとしてしまったから休憩をしている、その間に褐色の幼女の事を見つめる、何処かで見た事がある、はて何処でだろう? 自分はそう考えながら自販機で買った冷たいスポーツドリンクを飲む。
「アハハハハハ!」
「アッハッハッハッ!」
幼馴染みと褐色の幼女は走り回りながら笑っている、何と言うか元気だな、と感じる、そして急に冷たい風が吹いたと思ったら、空は夕焼を作り出していた、もうすぐ帰らなくては。
自分はそう思いながら右手を動かす、ある程度は動かせるから歩けるだろう、と判断する、次に自分は幼馴染みと褐色の幼女に言う。
「おぅい、もう帰るぞー! この地域は一気に真っ暗になる、今の間に帰るぞー!」
自分がそう言うと幼馴染みは『うん、分かったー!』と言う、褐色の幼女は『うん……』と元気が無い声を出して頭を垂れる。
「一体どうしたんだよ?」
自分がそう言うと褐色の幼女は静かに言う。
「うん……君達と一緒に遊べなくなるのが悲しくて……」
一緒に遊べなくなる? まぁ、自分は数日後に自宅へ帰るが、幼馴染みはこの地域で永住するらしいし、明日も少しは遊べると思うが……
「そうなんだぁ、でも私はずっと遊べるよ?」
幼馴染みがそう言うと褐色の幼女は首を横に振る、どういう事だろうか?
「違うんだよ、二人共……私は一日だけ許された存在……二人にしか見えない存在なんだよ……」
そう言って褐色の幼女が宙に浮く、おいおい、まさか自分と幼馴染みを騙すのかよ? 何処でどんなトリックが使用されているんだ? と勘ぐる。
「ごめん……こんな姿で二人を騙して……」
そう言って幼馴染みの頭を撫でる、次に自分の頭も撫でられる、その時だった、急に懐かしい感覚を感じる──何だこの感覚? まるで安心する様な撫で方だな──すると、脳裏にふと、数日前に死んだ姉の事を思い出した、何で姉の事を思い出したんだ? そう思い、褐色の幼女を見る、自分はやっと褐色の幼女の事を思い出した。
褐色の幼女、それは『自分の姉の小さい時の姿』だったのだ、そりゃあ何か引っ掛かる筈だ、と自分はそう思いながら宙に浮く褐色の幼女──基自分の姉──を見つめる──
「有難うね、最後の最後迄遊んでくれて……神様にお願いしたんだよ、『幼女の姿で一日だけ生き返らせてくれ』って──最後に二人と遊びたくて──」
幼女の姉がそう言うと自分は静かに言う。
「ふぅん? それで復活したのかぁ、まぁ、姉さんが一日だけ生き返ったなんて話、親族は信じないもんね」
「確かにね、だからお前達の前に現れたんだよ」
姉さんはそう言って段々体が薄くなる、あぁ、もうすぐ天に召されるのか、自分はそう思いながら、涙を我慢する、だが当の本人である姉さんと幼馴染みは涙を流していた。
「それじゃあ、もうお別れの時間だね……さようなら──」
「さようなら、お姉さん!」
大声で泣きながら幼馴染みは姉さんに手を振る、自分は静かに頭を垂れながら涙を我慢出来ずに流していた──さようなら姉さん、元気で天国を過ごせよ──そう思いながら──
「よし、もう帰るか」
自分はそう言って靴を履き、玄関で荷物を持つ、すると自分の目の前に幼馴染みが現れる。
「もう帰るの? もう少しゆっくりすれば……」
「それは無理だ、仕事が溜まってそうだからなぁ……あぁ、そうそう」
自分はそう言って玄関を出ようとする、だが玄関の前で振り向いて自分は幼馴染みに言う。
「もしも、次こっちに帰ってきたら、自分と結婚してくれるか?」
少し恥ずかしく顔を赤らめながら自分が幼馴染みに言う、すると幼馴染みは『私でよければ……』という、何とかプロポーズは成功したようだ。
自分は少しにやけながら玄関を出る、次に帰ってくるのは何時になるか分からないが、早めに帰りたいな、と思った──さようなら故郷、さようなら幼馴染み、さようなら、姉さん──
NEXT しりとりシリーズ 『ルール、シルブプレ』の『その後』
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.87 )
- 日時: 2017/03/04 22:00
- 名前: 彩都 (ID: W2jlL.74)
しりとりシリーズ 『ルール、シルブプレ』の『その後』
「それではこのゲームのルール説明をさせて頂きます、このゲームは一般のゲームと一緒で、経験値を手に入れて、レベルアップする、というゲームです、更にこのゲームはVR技術の様にリアルな体験を感じる事が出来ます、このゲームシステムもまた、一般のゲームと同じですね──それでは私が体験版をプレイしますので、私がプレイしている映像を御覧頂き、このゲームを体験するかを決めて下さい、それでは開始します──」
白衣の司会者がそう言って、個室の様な場所に移動し、頭にヘルメットの様な物を装着する、すると近くのスクリーンから白衣の司会者の見ている画面が現れる──その映像を見て、観客は大いに盛り上がった、まるで本物を見ている様な感覚に酔いしれてしまった観客も居た──ふぅ、と溜息を吐いて白衣の司会者がヘルメットの様な物を外す、次にマイクを持って、観客に語り掛ける。
「皆さん、私のプレイを見てどう思いましたか? 実際に『プレイしたい』と思いましたよね?」
白衣の司会者がそう言うと、観客は右手を上げて『プレイしたい』! と叫ぶ、白衣の司会者はニコッと笑って言う。
「えぇ、『プレイしたい』ですよね……それでは観客の皆様、プレイしましょう? といってもまだβ型なので、あまりプレイ範囲は広くないのでご勘弁を」
白衣の司会者はそう言って、布を剥がす、するとそこには何十台もののゲームをプレイする個室の様な機体があった、観客は走ってその個室の様な場所に入った──
「成功しましたね、次世代のゲームが……!」
「どうだかな? まだβな訳だし、まだまだ分からんよ」
そう言って後輩と上司は酒を飲みながら会話する、そんな上司に対し、後輩は念を押す。
「大丈夫ですって! 絶対成功しますって!」
後輩はそう言った後、ビールを注文する、上司はチューハイだ。
「ふぅん? 今時の若者は分からんね、おじさんには理解しがたい」
「それを言うなら、今時の若者は今時のおじさんを理解しがたいです」
「おっ、一本取られちゃったかな?」
「取ってもないですけどね」
二人はそんな会話をしながらゲームのストーリーの今後を考える──そして数ヶ月が経った、体験版のβ型は製品版へと完成し、ゲームセンターに置いてもらう事にした、1プレイ100円で、ゲームのパスを買わないと楽しめない仕組みだが、ゲームの面白さが功を奏し、大行列が出来る程のゲームとなった。
ゲームが売れて後輩と上司はとても喜んだ、上司の方は売れると思っていなかったので、とても喜んでいた──このゲームはセカンドシーズン、サードシーズンとシーズンを重ねて、色々な人達から楽しまれるゲームとなった──
NEXT しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』
- Re: しりとりシリーズの『その後』 ( No.88 )
- 日時: 2017/03/05 22:40
- 名前: 彩都 (ID: Fm9yu0yh)
しりとりシリーズ 『レトロ』の『その後』 十六夜満月堂活動記
「うぅっ……酷い、酷いのじゃぁ! 昨日はアレだけ激しいとは思わなかったのじゃあ!」
猫又の琥音虎(こねこ)がお尻を摩りながら畳の上でゴロゴロする、そんな様子を見て『十六夜満月堂』の主人である百乃目(もものめ)は新聞を読みながら傍目で琥音虎を見ながら呟く。
「だから昨日はやり過ぎたって何回も言っているじゃないですか……そりゃ溜まったもんは仕方無いですよ……」
メガネをクイッと上げて言う百乃目に対し、琥音虎は腹が立つ、何であんなに激しくしたのじゃ!? 肉体は九歳、と言っておろう! と思いながら溜息を吐く、コイツに何を思っても無駄だ、どうせ『見透かされる』だけだ、琥音虎はそう思い、二度目の溜息を吐く。
「そんなに溜息ばっか吐いていると、老けますよ」
「老ける訳無いじゃろ!?」
百乃目がそう言うと琥音虎は怒鳴って言い返す。
「お前はいっつもそうじゃ! 儂を苦しめて苦しめて……まるで『さでずむ』じゃな!」
「はっ? 『さでずむ』? 一体何なんですかそれ?」
百乃目が琥音虎の聞きなれない言葉の意味を問う、琥音虎は仕方なく解説する事にした。
「『さでずむ』とは、『人を虐めるのが好きな人間』の事じゃ、つまりお前の事じゃ」
「わぉ、何て酷い……ってそんな事を言うのなら、酒飲んでツケをこっちに持ってきて欲しくは無いんだけどなぁ?」
百乃目がそう言うと、どきり! と顔を強張らせる琥音虎、全くの図星か、と百乃目はそう思いながら溜息を吐く。
「もういいです、貴女には給料を払わなきゃ良いだけなので」
百乃目が溜息を吐いてそう言うと、琥音虎は土下座して百乃目に言う。
「す、すいませんでしたぁ! 流石に無料で働くのだけは勘弁して欲しいのじゃぁ!」
「厭ですよ、最終決定事項ですよ」
「ゴメンなさいゴメンなさい! 何でもしますからぁ!」
琥音虎は百乃目の足に縋り付いて泣き喚く、泣き喚く琥音虎の言葉を聞いて、百乃目は何度も聞き返す。
「えっ? 今何でもしますからぁ、と言ったよね? 言ったよなぁ? おいこら?」
「う、はい、言いました……」
琥音虎が素直に言うと、ニヤニヤ笑って百乃目が言う。
「それじゃあこの服を着て、街を歩いて下さい」
「うぅっ! 流石にこれは恥ずかしいのじゃ……!」
琥音虎はそう言いながら、『十六夜満月堂にお越し下さい! 色々な物を取り揃えています!』と書かれたプラカードを持って、街中を歩いていた、琥音虎が着た服、それは『バニーガール』の服装だった、流石にこの格好は恥ずかしいぞ! と思いながら琥音虎は歩く、早く十六夜満月堂に戻りたい、そう思いながら少し前の事を思い出す──
「この服は『バニーガール』という服でしてね、琥音虎さんには似合うのでは無いでしょうか? 後、この服を着て、街を歩いてもらうのですが、これも一緒に持ち歩いて下さい」
「何じゃそれは?」
百乃目が取り出したモノを見て、琥音虎が不思議がってこれの正体を聞く。
「これは『ぷらかーど』と言って、この板に自分のお店の名前とかを書いて宣伝する物です、これを持ち歩いて下さい、宜しく御願いしますね?」
「流石にこの格好は恥ずかしいのじゃ! 無理じゃ無理じゃ!」
琥音虎が服装について難をつけると、百乃目は静かに言う。
「何でもしますから、と言ったのは何処のどいつでしょうねぇ? もしも人が来て商売繁盛したら給料も上がるのになぁ?」
「そ、そうか! そうなるよな! それじゃあ着替えて行ってきます!」
琥音虎はそう言って、トイレに移動する、その光景を見て、百乃目は呆れる。
「その行動力、尊敬に値するんですけどね……」
と、こんな出来事があったな、と琥音虎はそう思いながら溜息を吐く、すると目の前に『十六夜満月堂』を見つける、おお、もうすぐ十六夜満月堂に帰れる! と考えて、走って店内へと入る。
「ただいま戻ってきたぞ!」
「へぇ、戻ってきてしまわれたのか、このお店は暗黒期になりそうだ」
「冗談半分でもそんな事を言うでない、ほら、何とか宣伝してきたぞぉ」
琥音虎は百乃目の言葉にツッコミを入れて、その場に座る。
「ご苦労様、それでは緑茶を用意しますね」
百乃目はそう言って、冷蔵庫から、冷たい緑茶を取り出し、琥音虎に渡す、うん、美味しいな、琥音虎はそう思いながら溜息を吐く。
「これで少しは売り上げがアップしたら良いんじゃが……」
琥音虎がそう言うと百乃目は苦笑して琥音虎に言う。
「確かに売り上げが上がれば良いですけどね」
百乃目がそう言うと琥音虎が笑う、それに釣られて百乃目もまた笑い出す、そして百乃目は動き出す。
「それじゃあ店を閉めて、夕ご飯にしますか」
百乃目がそう言うと琥音虎が『おぉっ!』と喜んだ声を出して、居間へと向かう、百乃目は店を閉じる為に店の出入り口へと向かう、すると出入り口に坊主の男性が立っていた、百乃目は不思議そうに見ていると坊主の男性が急に喋り出した。
「すまないが、店はまだ経営しているかな? もしくはもう閉めるのか? 閉めるのなら明日出直すが……」
「いえ、大丈夫ですよ? 何か用でも?」
百乃目がそう言うと、坊主の男性は静かに言う。
「ここじゃあなんだ、中に入らせて話をしても良いかい?」
そう言われて、『成程』、と琥音虎と百乃目は思う、そして坊主の男性を『十六夜満月堂』の敷地内に入れて、百乃目は坊主の男性の話を聞く事にした──
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