複雑・ファジー小説

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アカシアな二人
日時: 2022/04/16 22:27
名前: 梶原明生 (ID: UfViuu4R)

理想的な容姿と充実した高校ライフを送っている二人の高校生。ひょんなことから回りに勧められて付き合い出したのだが・・・二人は愛し合えなかった。「何かが違う。」その違和感を拭えないでいた。そんな時互いに別の異性との出会いがあったのだが。それは悲劇の愛の始まりだった。アカシアの花を通じて知り合った、52歳の男女だったのだ。しかし世間はこれを純愛とはせず、あらゆる憶測、いじめ、引裂き、誹謗中傷の嵐に晒す。果たしてこの四人の愛は没落なのか。それとも真実の愛なのか。神々の授ける運命は愛する者達を翻弄する。

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Re: アカシアな二人 ( No.60 )
日時: 2023/01/21 23:15
名前: 梶原明生 (ID: DXOeJDi3)

庇う春子に罵声を浴びせてしまう。「あんたもあんただ。子供を犯罪者に引き渡すような真似してそれでもババアか。」「何と雑言浴びせようが私は構わない。でもね賢二。一度だって春香の気持ち考えたことあるかい。あの子があそこまで恋焦がれるのにはそれ相応の縁あってのことだよ。」「何が縁だ。そんなもんはこの俺が認めん。あの中山とか言う男、今に見ていろ。」スマホを取り出して佐山署に連絡する賢二。「よろしくお願いします。・・・それから菊子、お前とは離婚だな。俺はしばらく官舎に行く。元々そこが家みたいなもんだったからな。」「賢二。」春子の制止も聞かず、家を出てしまう。佐山署管内でも慌しくなった。一旦取り下げたはずの示談で済んだはずの事件が再び通報されたのだから。「本間さん、それだけじゃないですよ。さっき偶然にもタレコミがあったんすよ。」「タレコミだと。」「ええ。なんでも中山が未成年者と潜伏している場所が大分県別府市ロフディ青木マンションだそうで。」そう話している頃、佐山署近くをほくそ笑みながら立ち去るスーツの若い男がいた。藤堂に殴られて、小田課長に食ってかかっていた響探偵事務所の探偵だった。「ザマー見ろ。吠え面かくぜあいつ。」ほくそ笑む探偵。その頃、別府駅に戻った藤堂は、油屋熊八の像を見上げていた。彼のマントについていく子供達が、娘に見えて仕方なかった。その顔には安らぎすぎる表情すらあった。何故彼が毅達と京都に行かなかったか。それは彼等が京都に行く決意をした日に遡る。無論、藤堂に打診したのだが、タイミングがいいのか悪いのか、彼のスマホに元妻からのメール。娘が会いたがっているから会って欲しいとのことだ。「何があったんですか。」春香が敏感に反応した。「なんでもない。」「嘘、藤堂さんが任務優先になんでもないとか言う時は必ず無理してる時。もしかして娘さんのこと。」図星に尚更意固地になる藤堂。毅が諭す。「たった一度のチャンス。逃さなかったから今の私達がいる。あなたも娘さんのサイン逃さないでください。」「しかし私は・・・」「これは命令です。いつか言いましたよね。雇い主は私で、その私には命令権があると。なら初めて命令します。今すぐ奥さんと娘さんに会いなさい。私達なら大丈夫。京都ですから。」これにはグウの根も出ず、毅達と共にそれぞれ目的地に旅立った。そして数日後。娘と涙の再会を果たし、妻には今の旦那か彼氏さんがいるだろうと気遣ったのだが。「何言ってるの。そんなものこの十年間私が作るわけないでしょ。私には、あなたと娘だけ。ずっと帰りを待っていたのよ。」涙する藤堂。毅や春香に話していたのはまるで逆。三行半を突きつけたのは、空挺団を首になって自衛隊にいられなくなった藤堂の方だった。しかし、そんな藤堂を嫌な予感が過ぎる。サイレン鳴らしたパトカーがロフディ青木マンション方面に向かったことだ。おまけに小田課長までタクシー乗り場で見かけた。「まさか、不味い。」彼は一目散に走った。「中山さん。別府警察署の者です。いますよね、開けてください。」「瀬西さん、いるんでしょ。」午前9時前後。・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.61 )
日時: 2023/01/25 12:35
名前: 梶原明生 (ID: d1Bequrp)

・・・別府警察署署員によるガサ入れが入った。「どうしよう、毅さん。」春香は彼とソファで昨日の余韻に浸るいわゆる「イチャつき」をしていた矢先である。それは志乃、優也側も同じだった。「奥に隠れてて。」毅、志乃は同時に異口同音の言葉が漏れた。どうか別件であって欲しい。そう祈って玄関ドアを開けた。「中山毅だな。」制服警察官に混じり、私服に「大分県警」のベストを着た刑事らしき署員も含まれていた。「未成年者略取、及び誘拐の疑いで逮捕令状がでている。」「そんな・・・」絶句する毅に志乃。「森本春香さん、いるんだろ。」署員がズカズカと上がり込むのに対し、何を間違えたか思いにもよらない言葉を叫んだ。「逃げるんだ春香。」しかし、彼女は威風堂々とした態度で、まるで逃げも隠れもしないと言った表情で現れた。「誘拐じゃありません。私は中山毅の妻です。何かの間違いじゃないですか。私と彼は結婚します。夫婦が同じ屋根の下で暮らしちゃいけない法律はないはずですよね。」「いや、それはそうだが。」若い署員が怯むのをものともせずに顎の角ばった厳つい中年署員が割り込む。「何を言ってる。君はまだ未成年や。親御さんからも捜索願いが出ちょる。一緒に来てもらわなつまらん。」「いやー、いやー、毅さん。」「春香、春香。」手錠をかけられ、非情にも引き裂かれる二人の仲。通路で小田課長達とバッタリ鉢合わせる。「これは一体どう言うことですか。」「ん、あんたらなんね。」「申し遅れました。私、響探偵事務所東京本部課長をしております小田と申します。」名刺を差し出す。「ほう、探偵さんが何の御用件で。」「そちら奥の二人、瀬西志乃さんと志楽優也君は、優也君のお母さんからの依頼で私達が探していた人物です。こちらに引き渡して貰えませんか。」「できんな。もう逮捕令状が出ちょんからね。東京からの要請で、あんたらに誰一人引き渡しはできんけん。さ、のきない。」その時だった。小田課長の後ろから颯爽と現れた誰かが、毅と春香を助けようとした。「俺に四人を引き渡せ。」殴ろうとした手を止めたのは小田課長だった。彼は目配せで首を横に小さく振った。「誰だこいつは、公務執行妨害で・・・」言う間も与えず小田課長が笑顔で対処する。「すみません、こいつはうちの探偵の一人でして、いい歳してまだ血の気が多くて。私が言い聞かせておきますのでどうぞお進みください。」何とかやり過ごした小田課長達。しかし驚いた。配下達ですら藤堂にかなわなかったのに、小田は藤堂の腕を掴んで抑えこんでいる。「悪いな。俺も昔は中央即応連隊にいたもんでな。」意外だった。まさか彼も元自衛官だったとは。「気持ちは分からんでもないが、もしあそこで警察官10人倒せて逃げ出したとしても、さらに状況は悪化しただけだ。あそこまでバレたらもう手出しはできない。後は司法戦略で立ち向かうしかないんだ。」「クソ。」コンクリートの壁を殴る藤堂。・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.62 )
日時: 2023/01/27 22:10
名前: 梶原明生 (ID: QXFjKdBF)

・・・紆余曲折を経て、毅、志乃、優也、そして春香の四人は東京に移送された。久々の東京。まだ残暑残る九月三日であった。青川学園では、登校しない春香と仁美の噂で持ちきりだった。クラスで紺野がホームルームを行う。「はい、静かに。一日にも話したと思うけど、金子さんは親御さんの都合で遠方にお引越しされて転校。森本さんはご両親の都合でお休みしてるだけだからね。最近あらぬ噂が立ち込めているみたいだけど事実無根。変な噂は流さないように。」言われて顔を見合わせる樹と智美。しかしそれより大変だったのは志楽の方だ。「これはどう言うこと、貴方達響探偵事務所は信頼と実績のある会社だったのよね。なのに何で警察沙汰になって週刊誌にすっぱ抜かれてるのよ。」小田課長達に雑誌を投げ置く乙女。「申し訳ありません。ですが、こればかりは不可抗力みたいなものでして・・・」「言い訳は沢山よ。おかげでネットではあの子の名前まで出回ったじゃない。あの子の将来はどうなるのよ。」それよりあんたの名声だろと、心で突っ込みを入れる奈央。「とにかく、責任は取ってもらうからね。響探偵事務所社長にそう伝えといてよ。」「あ、はい。わかりました。」小田課長達は一旦退散したものの、奈央がタブレットを投げ置いた。「何なのあなた。どう言うつもり。」「ハハハッ、よく見てご覧よ。」「え、・・・」そのタブレット端末画面には、週刊誌の一面が。何と、優也の一部始終どころか、奈央自身が最近の著作のゴーストライターだったこともこと細かに書かれていた。プルプル震えながらタブレットを持つ乙女。「何よこれ。どうしてこんなこと。」「どうして。は、どうしてでしょうね。私ね、あんたみたいな高飛車な女がどん底に突き落とされる姿が大好きなの。ハハハッ。」「キャーッ。」発狂する乙女を後ろ目に、立ち去る奈央。彼女のスマホに佐山署から電話が入る。「あ、志楽乙女さんの携帯で間違いないですか。実は優也君の件で、身元引き受け人として・・・」「是非お伺いしますわ。」乙女になりすまして警察署に向かう。乙女の代理と言えば半ば承知せざるおえない佐山署署員。意気消沈している優也を助手席に乗せて志楽邸に向かう奈央。「ハハハッ、あんたもバカよ。もう一年辛抱すれば18歳。成人として認められて親の縛りを受けず結婚できたものを。」いきなりな高笑いに思わず頭が真っ白になる優也。「な、何だよあんた。」「何でしょうね。今に分かるわ。あんた達の本当の地獄は今から始まるって事が。」「はぁ、何だそりゃ。」訝しげに奈央を見る優也であった。・・・次回「それでも愛」に続く。

Re: アカシアな二人 ( No.63 )
日時: 2023/02/08 09:29
名前: 梶原明生 (ID: qEZ8hLzF)

「それでも愛」・・・・・・・・志楽邸に着いたらマスコミが張り付いていた。「何だよこれ。てめーまさか。」「あら、これだけのマスコミの前で暴力を振るう気。それこそ今度は暴力少年のレッテルが貼られるわね。さ、降りてくれない。私忙しいの。」わざとマスコミの前で降ろす奈央。「ちっ・・・」ヤケクソになった優也はシートベルトを激しく払って車を出た。「あ、志楽乙女さんの息子さんの優也さんですね。一言お願いします。」「週刊誌文冬です。ゴーストライターがいたって本当ですか。」「やめろ、どけよ。」マスコミをより分けながらやっと玄関に入った。「母さん。」いつもと様子が違うことに気づいた。半ば茫然自失状態の乙女にショックを隠しきれない。やがて我に戻る乙女。「あなたのせいよ、あなたが私を裏切ってあんなババアと出て行ったりするから。」拳槌で彼の胸を叩くが、途中で辞めてしまう。こんな弱い母を見るのは初めてな気がする優也。いつも強い女を地でいく人気作家と言うイメージはあるが、憔悴する母は見たことがなかった。それほどまでに追い詰められた状況とも言える。この時初めて自分に責任を感じた優也だった。春香の方は父である賢二が迎えに来ていた。「いやだ。お父さんと一緒に帰りたくない。」「何をバカなことを言ってる。刑事さん達の前で恥を掻かせるな。とにかく帰るぞ官舎に。」「ちょっと待って。どうして官舎なの。」「あの家には戻れん。母さんとは離婚するんでな。」「嘘、どう言うことよ。」「娘を犯罪者に明け渡すような家庭に置いておけるか。だから離婚するんだ。」あからさまお前のせいだと言わんばかりのセリフ。イヤイヤながら練馬駐屯地の官舎に連れられていく春香。口を聞く風もなく無視する彼女は、賢二に腕を捕まれて官舎内に入った。「いいか、見張りを付けたからな。外に出るなよ。食い物は冷蔵庫にあるから好きなようにしなさい。じゃあ父さんは仕事に行ってくる。」素っ気ない命令口調で言われても無視する春香。賢二は隣室にいる女性自衛官に声を掛けた。「すまんね城内一曹。君にしかこんな頼み事は出来なくて。」「いえ、そんな事は。それから昔と同じ美奈子って呼ばれても構いませんよ。」「いや、それはいかん。妻と出会う前にそういう仲だったとはいえ、もう君は二児の母だ。」これを盗み聞きしていた春香は驚愕した。お父さんに、お母さん以外でそんな人がいたなんて。暫くしてから部屋を抜け出そうと試みるのだが。「何してるの君。外出禁止のはずでしょ。部屋に戻りなさい。」「母に会いに行くだけです。」「駄目なものはダメ。賢二さ・・・いや、お父さんを苦しめた罰よ戻りなさい。」自衛官らしい命令口調でたしなめる城内。戻らざるおえない春香。しかし次の瞬間、意外なことを言われる。「それにしても、森本三尉にどこか似てるわ。さすが親子ね。本当はあなたがどうしようもない不良娘なら張り倒してやろうかと思ってた。でも不思議ね。あなた見てたら何ていうかその・・・清純そうと言うか憎めないと言うか。まぁいいわ。とにかく部屋に戻りなさい。」・・・続く。

Re: アカシアな二人 ( No.64 )
日時: 2023/02/08 21:10
名前: 梶原明生 (ID: ciG5lJ4e)

・・・春香はその言葉に驚いた。てっきり非難されるとばかり思っていたのに。その頃、毅に対する尋問は行われていた。


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