二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

すばせかAE+すばせか2+すばせか特別編
日時: 2014/01/13 23:42
名前: しろお (ID: AtjBkiCc)

 今、新人気鋭の奇才数学者、南師猩(ミナミモトショウ)は自らの存在を賭け、現実の境界を越えていく。
たどりつく場所は、天国か、地獄か————。


The world end with you

世界を変えたければ、自ら境界を越えろ





 すばせか2がなかなか出ないので自分で考えてみました。(真顔
 スクウェア・エニックスのゲーム「すばらしきこの世界」の二次創作です。
 ゲーム本編の主人公はネクですが、本編途中で登場する“奇才”こと、南師猩をメインとし、彼の過去について考察・創作していきたいです。
 このゲームは安くておもしろいので、「なんか最近生きるのだりーな」と思ったら買ってやってみてください。かなりいいゲームです。おすすめです。 ちなみに今! iphon(つづり間違ってる?)のゲームソフトで登場してます!
 もしスマホ持っているなら遊んでみるのもやはりお勧めします。


この小説は三部作で、すばらしきこのせかいアナザーエピソード、すばらしきこのせかい2、すばらしきこのせかい特別エピソードとなっております。作者が考えるすばせかは、それらで完結となります。
今のところアナザーエピソードのお話が終わっておりますので、読んでみてくださいな


  
(多分2011).8/19正式タイトル決定
アナザーエピソード

2013.3/31予定通り本日を以てアナザーエピソード完結いたしました

2013.8/25再開し、2本編を書き始めました。

2013.8/26シズカのゲームシステムとショウの必殺技について説明しておきました

2014.1/13小説化を決意


シズカは基本発火と操作しかできない雑魚ですが、バトル中ショウがフィーバータイムかなんかになれば、その余力を借りることでネク本来の力を呼び覚まし、強力なバッジなんかも使えるというものです。つまりすばせか1にあったバッジ収集システムは健在です。
またショウの必殺技についてですが、レベル3は数字を活用したぶわーって感じのスマブラのアンノウンみたいなエフェクトを想像しています。それかデジモンの世界みたいにデータが歪んで…みたいな
まあこの作中では、小説なんで必要ないかと思って必殺技やフィーバータイムなんかは完全に省いてますが、一応説明しておきました。


書いておいたプロットを元に、すばせかの続編を書きます!
テーブルと椅子買ったら執筆活動開始します!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



Re: すばらしきこの世界 (更新ゼタ遅ぇ)             ( No.1 )
日時: 2011/11/30 17:51
名前: しろお (ID: eR9v1L6x)




  It’s a wonderful world




  

  Prologue






 ハイヒール。スニーカー。革靴。
 ハイヒール。スニーカー。革靴。
 そういったものが地上を行き交っているのがわかる。
 目をあけると目の前は灰色の壁だった。すぐに自分がうつぶせになって倒れていることに気がついて、体を起こす。頭に痛みができてくらくらする。同時に、視界がぼやける。
 やがて視界がはっきりしてきたのも、やはり痛みがひくのと同時だった。
 ここはどこだ。
 と場所を考える前に人の姿が目に入る。どこまで行っても人、人、人。人で景色が埋もれている。服装に誰もが気を使っているらしく、こんなに人がいても一人一人が別人なんだと認識させられる。川が流れるかのように動きは激しく、さきほどまで自分が寝ていた空間はすでに人の通り道となってしまっている。
 辺りを見回す。104とおしゃれな数字が大きく書かれたビルがある。
「渋谷……!」
 ここは渋谷だ。どうしてすぐに思い出せなかったんだろう。私が住んでる街なのに。この道も、毎日のように通る道なのに。
 




 命をかけたゲームなのに




 参加者は非参加者には姿が見えていない。だから私が倒れていても皆平気な顔をしていたんだ。
 私は目的を思い出す。
 すぐにパートナーを探さなきゃいけない。誰か、誰かいないか。だめだ、参加者と普通の人の区別がつかない。
 そうだ。参加者バッジを使えば区別ができるんだ。
 



 感覚を研ぎ澄ませろ



 
 さまざまな思考がまるで自分の思考のように私の中に情報として入ってくる。誰も彼もが違うことを考えている。あたりまえか。
 こんな大勢の人がそれぞれ違うことを考えている。渋谷は個性の集まる街だけど、本当に個性だらけだ。
 人と人がすれ違うたびにわずかにだけど人の心に変化が起きる。
「あ、こいつの服なかなかイケてね?」
 とか、
「今の人モデルみたいじゃね!? 超やばいかっこいい!」
 とかいう感情が湧く。
 いろんな感情がぶつかって、いろんな思考がざわめきあって、いろんな個性が行き交う。スクランブル交差点っていう名前を考えた人は素直にすごいと思える。
 ネクなら、こんな状況をなんて表現するんだろう。まるでノイズだっていうかな。
 私はクラシックみたいで素敵だなって思うけど。
 はっとして本来の目的を思い出す。そうだ。ネクに会うためにも、今はゲームに集中しなきゃいけない。
ゲームの参加者だけに渡されるいくつかのバッジを使って私達はミッションをクリアしていかなきゃいけない。
 この黒い髑髏のデザインの参加者バッジは、人の思考を読むバッジ。
 ゲームの参加者はみんなこれを持っていて、参加者の思考は参加者バッジの効果でお互いに読み取れない。非参加者との区別をつけるためのバッジなのだろう。
 —————だめだ……。もう皆契約し終えてる。
 遥か後ろから女性の悲鳴が聞こえた。後ろを振り返ると、人が一人ふっと消えた。敵にやられたんだ。もう私ももたもたしてられない。
 他の場所に行けばまだ可能性はある。忠犬ハチ公前に行こう。あそこならきっと誰かいるはず。
 ここは広いから敵に見つかりやすい。移動した方がいいかな。
 携帯が鳴る。メールだ。差出人は「死神」。これがミッションってやつだね。
『ミッションナンバー1 ○死威に向かえ。制限時間は一時間とする』
「痛っ!」
 思わず声を出してしまった。手の平に静電気に触れた時のような痛みが急に起きたのだ。
 掌を見ると、59分51秒と血文字で書かれていた。そしてどうやらそれは、50秒、49秒と刻一刻と変化していることから制限時間のようだった。刻一刻の使い方が間違っていることを自分自身に指摘する暇はない。
 もう一度参加者バッジを握りしめて、近くに敵がいないことを確認する。
 始まったんだ。一週間の戦いが。絶対に生き残りたい。ハチ公前へと私は走り出す。
 死神のゲームに勝つために。





 




 ねぇねぇ聞いた? 最後にはhighになる
 コレ? アレ? 賞味期限過ぎた
 「苦しんでるフリした」いっつもそうだ
 最後には世捨て
 “Ah,似たりよったり”
 
 コンクリート、コーナリング、フリースタイル灰きつくなる
 Mr.twister「もっと」と疼くモンスター素敵だ敵なし手当たり次第さ偉い? で? 辛い?
 てかもう凡人風
 
 銘々雅懲りずに投資コレもアレもそうさ特別製
 crystalシェルター? そんなoverな…… 
 採光OK細工OKこれ見よがし?
 
 もう逃げない ヘマはしない どうにもこうにもままならないなら、「ならおごれよ前代未聞」
 ベルが鳴り響く成し得る前に 混乱していじけてるんなら散布しろ 
 腐乱する前に 動乱のパワーはscream
The power is yet unknown

もう止めだ、減らず口
 どうして懲りずに舞い戻ってきた? 
 オゴレよ千里眼でスィープ
 ベタな台詞でメタモルフォーゼ
 こうなったらスベったって行こうぜ
 振りかざした 綿のDreamはscream
The power is yet unknown 
 




歌:すばこのからの引用

Re: すばらしきこの世界 (更新ゼタ遅ぇ)             ( No.2 )
日時: 2013/03/29 14:51
名前: しろお (ID: G.ZTkXYK)

 走っている途中、お店のショーウィンドウに映った自分の姿に驚愕した。私じゃない。
 驚いた顔。オレンジのつんつん頭。細い腰、細い腕。パープルのノースリーブシャツに、白のハーフパンツにだらしなく垂れ下がっている紺のベルト。
 桜庭……ネク。






                        THE 1ST DAY 
 

  

 






「はあ……、はあ……!」
 息が、息がつらい。ゲームに参加してても運動能力は現実と同じ、ってことみたい。途中で敵に見つかって追いかけられて散々だった。急いで誰かと契約しないと、このままじゃまずい。
 とにかくハチ公前だ。この場所は死ぬまで主人の帰りを待ち続けた忠犬ハチ公にちなんで、待ち合わせ場所として使われることが多い。だからここにいる人は大抵腕時計をちらちら見るか、携帯の画面を眺め続けている。
「誰か! 誰かいませんか!?」
 反応はない。私に誰も見向きもしてくれないのは、ここが東京だからっていう訳じゃない。
 もう追っ手がやってきた。誰か、誰か参加者はいないのか。
 ……ん? なんか、やけに騒がしい気がする。
 参加者らしき男がノイズに囲まれている。かわいそうに。でも、もしかしたら私があそこにいたかもしれないんだ。次にああなるのは自分かもしれない。早く、誰かとパートナー契約しないと。
 男の携帯が鳴る。
「これがミッションか……さて俺様にパートナーが必要かどうか」
 そんな声が聞こえたと同時に、一瞬でまさかの一人でノイズ撃破。素手で殴り倒していった。
 あらたなるノイズがよってくるが、次々と破壊していく。
 ノイズとは、死神のゲームにおいていわば「敵」の存在であり、参加者は一人では奴らに対抗できない、はず。
 ノイズは人外の化け物であり、おそろしく気味が悪い生き物だ。地球の生物と酷似しているが、今あの謎の男のまわりを囲んでいるノイズは、犬のように大きいカエルが二足歩行していたりするのだ。牙があり、化け物だということをよく認識させられる。
 ノイズとは他の参加者とパートナーの契約をして初めてノイズと対等に戦えあえる。とゲームの説明会で言われた。事実、契約できずに孤立していたさきほどの悲鳴をあげた女性も、ノイズという化け物に食べられたのだろう。ノイズはどこにでもおり、死神のゲームの障害になりうる存在である。
 空からも声がする。何事かと見上げてみると、黒い羽の生えた三人の人間が、宙に浮かんで会話しているではないか。
 あれが死神だ。ノイズには二種類おり、人の負の感情から芽生える野生のノイズと、死神によって生成されるペットノイズだ。やつらはペットノイズを使って参加者を消すのが仕事らしい。
 なにやらなにか騒がしいようだ。死神三人がもめているようにも見える。
 黒いフードを被った死神に挟まれて、金髪のチャラチャラした眼鏡男が棒付きの飴のようなものをなめている。その男は落ち着いているが、横の死神二人は慌てふためいている。 
 「な、なんだあの黒コートは!パートナー無しでノイズを撃退してるぞ!?」
「落ち着きなさいナ。取り乱すのは良くナいゾー?」
「っつったってありえねぇよ!あいつ、死神じゃないんだぞ!? どうなってるんだ!?」
「ああメンドクセ。相当サイキック強いナー」
「サイキックはパートナー無しじゃ使えないだろ」
「とりあえず本部に報告しまショ」
 なんだかよくわからないけど……。あのカタコトで喋る飴玉をなめてる死神は、なんだか危険な香りがする。  
 首が疲れたので見上げるのをやめると、今自分がいつのまにかノイズに囲まれていることに気づいた。
 ぜ、絶対絶命だ。終わった。 私は、消えるの?
 

  

Re: すばらしきこの世界 (更新ゼタ遅ぇ)             ( No.3 )
日時: 2012/12/29 18:34
名前: しろお (ID: O2YS4Ill)


「ゼタおせぇんだよ! どんだけ待たせりゃ気が済むんだこのヘクトパスカルがっ!!」
 ————は? な、なんだ? 
 声の主を探す間もなく、体の内から暖かい光が溢れてくる。そして力も。その光によってまわりにいたノイズは吹き飛ぶ。
 誰かと契約した証だ。一体誰と!? まさか……。
 さっきの怖い人キター!
 ハチ公を足蹴にして、いかにも不良青年といった顔つきの男が私を見下ろしている。ハチ公の上に立つなんて、なんて失礼な奴なんだろう。黒いコート、黒いジーンズ、黒の帽子に黒いブーツ。帽子の下からストレートヘアーと赤いバンダナが少し出ている。そして痩せ気味だが筋肉質で肌は浅黒い。歳は二十歳そこそこだろうか。やっぱり顔つきだけじゃなくて風体も渋谷の路地裏で暗躍してそうなだ。
「やっぱ一人で戦うのはきつい。この俺様と契約できるたァ、おまえは円周率並みに偶数な奴だ……」
 私を見下した態度で、男が口を開いて言った。円周率並みに偶数……? 何が言いたいんだ? というより、この怖い人が私のパートナーなの!? 
「あ、あの、もしかして今私と契約したのって……」
「俺だ! 俺のアイコナール方程式に寄れば、間違いなく参加者はアクロナル集合するはずだったんだが、とんだ逆行列だったみてえだな!こんなラーモア周波数の低そうなヘクトパスカルしか来ねえなんてよ。 ……まあいい、おいてめえ、お前の命題と命題関数言ってみろ」
 ————逆後列? アイコ……何? 命題関数って何? 他のは悪口みたいだし、気にしなくていいか。
 とりあえず適当に答えとかなきゃ、何されるかわかったもんじゃないよ……。間違いなく危険だ。
「えっと……お」
 音葉静香、と言いそうになってやめた。今、私はなぜだかわからないけど、親友の桜庭ネクっていう子の姿をしている。見慣れた姿が自分になっているというのは不思議な気分だけど、女から男に変わってみるっていうのも悪い気はしない。
「俺、桜庭ネクっていいます。13歳です。その、七日間、よろしくお願いします」
「俺は南師猩(ミナミモト ショウ)。歳は忘れた。さっさとこんなミッションにイコールをつけんぞ」
 イコール……。つまりさっさとミッションをクリアするぞってことなのかな。よく考えれば、なんか理系の言葉ばっかり使ってるみたいだ。
「その前にあのノイズどもをクラッシュするとしようぜ」
 南師はハチ公からジャンプして着地する。
 やっぱり……近くで見ても怖い。
 怖がる私に気がついたのか、つかつかと歩み寄ってきて、私の頭の上にぽんと手を乗せた。
「一夜一夜に一見頃、ってな」
 南師は意味不明な言葉を発してふっと笑った。笑うとちょっとかっこいい。って何を考えてるんだ私は。
「ノイズと戦いましょう!」
「お前は黙って見てればいい」
 そう言って南師は敵の群れに突っ込んでいった。
 ば、馬鹿かあいつは!? と私が思ったのもつかの間、南師どす黒いオーラを纏ってノイズをたこ殴りにしていき、消し去っていった。
 ノイズは一人のサイキックでは倒せないはずなのに、あの男はルールというか常識を知らないのか。
「おいこらヘクトパスカル! いつまでボサっとしてやがるんだ!」
「ひい! な、なんですか……?」
「まだミッション制限時間まで余裕がある。この世界がどうなってるのかまるでわからねえんだが、一体何が起きてるんだ?」
「いや、あの、普通に死神のゲームですけど……」
「だからそれはなんなんだよって聞いてんだよヘクトパスカルがぁ!」
「ひっ!」
「いちいちビビンじゃねえよ……。さっさと説明しやがれ」
「俺が知ってるのは、最初にあった説明会で説明されたことくらいしか……」
「説明会だと? ああ、そんなのがあったのか。他人の意見なんてゴミだ! クラッシュ! 俺がまとめてゴミ箱に捨ててやるぜ!」
 つまりこの人は、説明会で説明を聞かずに、死神のゲームに参加したのだろうか。遊びのつもりでこのゲームに参加する人もいるんだな。と私は思った。命がけ、それだけじゃない、自分の存在した事実がかかってるのに。
「もちろん、何もしらねえ訳じゃねえさ。現にこうしてお前と契約した訳だからな」
「じゃあ、まず最初から話します」
「理解に苦しむ説明だったらクラッシュするからな」
「ひっ!」 




 

Re: すばらしきこの世界 (更新ゼタ遅ぇ)             ( No.4 )
日時: 2011/12/28 12:39
名前: しろお (ID: 3Ae2Cr1s)


渋谷で行われる『死神のゲーム』。それは渋谷で命を落とした者達が、生き返るために実体のないソウルとして死神の出すミッションをクリアしていくというもの。七日間、つまり一週間、襲いかかるミッションとノイズに耐え抜けば、神の判断で生き返ることができるのだという。
 参加者はソウルとしてゲームに参加するため、非参加者である生きている渋谷の人達からは死神のゲーム参加者の姿を見ることはできない。
 ノイズとミッションを乗り越えるために必要となるのがパートナーとサイキックである。サイキックとはいわば超能力のことである。説明会で配られたいくつかのバッジにはそのサイキックの力が備わっており、バッジを持っているだけで超能力が使えるようになるのだという。具体的にはサイコキネシス、テレキネシス、パイロキネシス。物体を動かしたり、何も無いところに火を起こしたり、衝撃波を生み出したりできるそうだ。
 しかしバッジにも色々あり、一人だけでは使えないサイキックもある。むしろ一人で使えるサイキックは少なく、しかも貧弱なものばかりらしい。強いサイキックを使うためには、同ゲームに参加している自分以外の参加者とパートナー契約しないといけない。ソウルの持つイマジネーションによって得意なサイキック、またその強さと大きさが変わってくる。
 ノイズとは何か、それについては詳しく説明されておらず、説明会にてサングラスをかけた死神の代表らしき男が取り仕切っていたのだが、ノイズには二種類おり、人の負の感情から芽生える野生のノイズと、死神によって生成されるペットノイズがあるということしか知らされていない。
 死神。やつらはノイズを使って参加者を消すのが仕事らしい。ゲームの仕組みついてグラサンは言及していなかったが、なかなか複雑みたいだ。
 ノイズに対して、一人で使えるバッジのサイキックは貧弱すぎて通用しない。しかも、ノイズは二つの平行世界にまたがって存在しているため、通常二人で倒さなければならない。パートナーと一緒にいれば、ノイズから攻撃をしてくることはない。つまり、パートナーがいなければ参加者は消える運命であり、逆に言ってしまえばパートナーがいれば、ゲームに勝利する確率はぐんと上がるのだ。 
 一日に一回、死神からミッションが出される。たくさんいる参加者のうち誰かがミッションをクリアすればその日のミッションは終わり。ミッションは過酷なものであり、挑む途中なんらかの妨害によって消滅してしまう可能性が高くなる。一週間生き残っていればいいのだから、そんなミッションを誰もやりたがることはない。だが、全ての参加者がミッションを他人任せにしてしまえば、誰もミッションに挑むものがいなくなってしまうのでミッション未達成となり参加者全員消滅となる。
 死神のゲームにおける消滅とはなにか。命はもとからないわけだから、ソウルが消えることになる。ソウルとは生前の関係性の中で培った記憶とエネルギーからできているもので、それが消えるということは生きていたとき存在していた事実が消えることと同じだそうだ。ソウルの仕組みについてサングラスの男は熱心に説明していたが、難しくてちんぷんかんぷんだった。簡単にいえば、そういうことらしい。



「なるほどねえ……! つまりなんでもアリってことな」
 南師は拳をポキポキと鳴らす。何をしでかすつもりだろうか。
 説明したとおりノイズは二人でしか倒せないはずなんだけど、この人はどうやってノイズをやっつけたんだろう。
 それにしても何故自分はネクの姿になっているのだろう。○死威ってどこなんだろう。これから七日間、生き残れるのかな。さっきの死神達は何をするつもりなんだろう。
 考えてもだめだ、わからないことが多すぎる。
 でも、とりあえず強力なパートナーと契約できたんだ。これからやることは一つしかない。
「南師さん、これからよろしくお願いします」
「ショウでいい。それに、敬語も使わなくていい。敬語なんてゴミだ! クラッシュ!」
 よく見ればこの人……。テレビのニュースで出てた、超若手の天才数学者じゃないか? 名前が思い出せないけれど、南師なんて名前じゃあなかった気がする。ふだんそんなニュース気にしないから思い出せないのも無理はないか。
「ショウ、もしかして、テレビ出たことある?」
「さあな。俺は数字にしか興味ねえんだよ」
 今までの理系っぽい意味不明な言葉の数々。もしかしたらこの人、強いだけじゃなくて頭もかなりいいんじゃないか? 実は性格もいい人だったり……
「いつまで惚けてやがる。さっさとミッションいくんだよボケナスがぁ!」
 したらいいのになあ。
 でも頼れるパートナーと契約させられて、よかった。させられてっていうところがなんか変なんだけど、とにかくよかった。きっと七日間生き残れる。頑張ろう。 

Re: すばらしきこの世界 (更新ゼタ遅ぇ)             ( No.5 )
日時: 2012/08/12 21:47
名前: 是田 (ID: HDoKOx/N)

南師猩の小説はどこを探してもまるで見つからなかったので
この作品に出逢えてとても嬉しく思います。
できるのであれば、書き続けていただきたいです。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



この掲示板は過去ログ化されています。