二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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仮面ライダーウィザード〜終幕の先〜【完結】
日時: 2017/04/15 00:31
名前: 裕 ◆.FlbxpLDSk (ID: XGjQjN8n)

こちらでは初めて投稿させていただきます、裕と申します。
今回はこの場を借りて、平成仮面ライダーシリーズ第二期から
「仮面ライダーウィザード」の物語を積み上げてみたいと思います。

個人的解釈としましては、第二期である「ダブル」〜「鎧武」までの作品は、同じ世界観だと思って見ております。なので、今回の物語もそれに沿った流れで書いていこうと思います。それに伴い、第二期各作品(劇場版)の設定も拝借する予定です。

物語の時間軸は「ウィザード」本編の最終回後、さらに言えば冬の映画「戦国MOVIE大合戦」の後の話だと思っていただけると幸いです。

ではでは。


〜登場人物〜


・魔法使いとその関係者

操真晴人=仮面ライダーウィザード

仁藤攻介=仮面ライダービースト

稲森真由=仮面ライダーメイジ

奈良瞬平

大門凛子(国安ゼロ課・刑事)

木崎政範(国安ゼロ課・警視)

ドーナツ屋はんぐり〜・店長

ドーナツ屋はんぐり〜・店員


・財団X

シオリ・カナ(栞 可奈)=仮面ライダーサクセサー

ヤマト=メモリー・ドーパント

ネオン・ウルスランド(局長)


・宇宙仮面ライダー部

野座間友子

ジェイク(神宮海蔵)

仮面ライダーフォーゼ


・鳴海探偵事務所

左 翔太郎=仮面ライダーダブル(左サイド)

フィリップ=仮面ライダーダブル(右サイド)


・怪人

サザル=ファントム・グレンデル

ファントム・ラミアー

ファントム・ヘルハウンド(ログ)

ファントム・シルフィ(ログ)

ファントム・バハムート(ログ)

ファントム・メデューサ(ログ)

グール

クロウ・ゾディアーツ

ペルセウス・ゾディアーツ

黒ネコヤミー

オールド・ドーパント

マスカレイド・ドーパント(白服)

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四. 竜の嵐 ( No.5 )
日時: 2014/03/02 17:32
名前: 裕 ◆.FlbxpLDSk (ID: HKLnqVHP)

 ウィザードのマシンウィンガーが、ヘルハウンドが駆るブラックドッグに追いつくのに、それほど時間は掛からなかった。
 すでに敵は目と鼻の先。ウィザードは反撃に打って出ることにした。

『コネクト・プリーズ』
 先ほど、魔法陣からマシンウィンガーを取り出したのと同じように、今度は銃にも剣にもなる銀色の武器、ウィザーソードガンをその右手で取り出した。

 コネクトは、魔法陣で他の場所と自分の場所の空間を繋げることが出来る魔法で、離れた所にあるあらゆる物を取り出したり、敵の死角に奇襲を仕掛けたりと、ウィザードの魔法の中では、使用頻度の高い使い勝手の良い魔法の一つだった。

 ウィザードはガンモードのウィザーソードガンを構えると、眼前のヘルハウンドに向かって二発三発と発砲を繰り返した。
 ウィザーソードガン・ガンモードから撃ちだされる銀色の弾丸は、ファントムのような魔物にはとても有効で、さらにはある程度の追尾能力、ホーミング機能も搭載されている。もちろん機能といっても機械仕掛けではなく、魔力によって可能にしている能力だが。
 しかしヘルハウンドはその絶妙な運転テクニックで、着弾寸前のところで弾丸をかわしてゆく。まるで後ろに目が付いているかのように。
「くっ・・・。理性も知性も無いくせに、なんであんなに運転上手いんだよ!」
 つい感心してしまった。しかし埒が明かない。そう判断したウィザードは戦法を変えることにした。
 圧倒的な力で一気にけりをつける。左中指の青い魔法石の指輪を外し、今度は(青い魔法石の指輪より装飾が追加された)緑色の魔法石の指輪をはめる。
 ベルトのサイドレバーを上下させ、中央の掌に指輪をかざすと、
『ハリケーン・ドラゴン ビュービュービュビュビュビュー』
 魔法陣から緑の風と緑の竜が飛び出し、ウィザードの体を包み込んだ。
 青い姿のウィザード・ウォータースタイルは、一瞬にして緑の姿、ハリケーンスタイルのさらに上位であるハリケーンドラゴンへとスタイルチェンジを遂げた。

 操真晴人の精神世界=アンダーワールドには、晴人の魔力の源であるファントムの竜、ウィザードラゴンが住んでいる。ウィザードの進化した姿、一段階上位の姿は、そのウィザードラゴンの力を現実世界で使えるようにするためのものである。つまり、ウィザードとウィザードラゴンが一体化した姿。それが、

 フレイムドラゴン
 ウォータードラゴン
 ハリケーンドラゴン
 ランドドラゴン・・・の4フォーム。

 今なっているハリケーンドラゴンは、ウィザードラゴンの頭部を模した胸部アーマーと緑色のローブが特徴で、四つの上位形態の中で最もスピードや瞬発力が優れている。

 ウィザード・ハリケーンドラゴンは、今度は右中指の指輪を別の指輪に付け替えると、それを今までと同じ動作でベルトの掌にかざすのだった。
『チョーイイネ!スペシャル サイコー!』
 ハイテンションなベルトの音声が鳴り響く中、魔法陣から飛び出した竜の幻影を取り込むと、ウィザードの背中に巨大な竜の翼が具現化した。

 ドラゴウィング。ウィザードラゴンの翼と同じものだ。

 ウィザードラゴンの力の一部を解放する指輪、スペシャル・ウィザードリングを発動させたウィザード・ハリケーンドラゴンは、走行を続けるマシンウィンガーからその身を飛び出すと、背中のドラゴウィングを大きく羽ばたかせて宙に舞い上がる。そして風を切るかのように、一気にスピードを上げて飛翔し、刹那にヘルハウンドのバイク、ブラックドッグを追い抜いた。
「ウウゥッ・・・ウアァア!!」
 理性や知性が無いにもかかわらず、まるで追い抜かれたのが悔しいかのように、ヘルハウンドは唸り声を上げながら、さらにマシンのスピードを上げる。
 マシンで走るヘルハウンドの前方500メートルほど先で、ウィザードは停空すると、
「これで、フィナーレだ!」
 再び右手の指輪を付け替え、ベルトにかざす。
『チョーイイネ!サンダー サイコー!』
 空中で稲妻を纏った体を竜巻のごとく高速回転させ、向かって来るヘルハウンド目掛けて突撃した。暴風を巻き起こしながら突進するウィザードの姿は、さながら雷と嵐の塊。台風のミサイルのようだった。
「ウガァッ!?」
 キキイィィ・・・ッ
 慌ててバイクを止めようとブレーキをかけるヘルハウンドだったが、猛スピードで直進していたブラックドッグがすぐに止まるはずも無く、アスファルトにタイヤの跡を作りながら、徐々にスピードが落ちてゆくだけであった。
 悔し紛れに掌から放った数発の火炎弾も、まるで口から吐く息で吹き消されるロウソクの火のように、竜巻の暴風に掻き消され、ウィザードに届くことは無かった。
「はああああぁぁぁ!!」
 勢い弱まることなく突進するウィザード。結局、ヘルハウンドはその抵抗空しく、正面衝突する形で、ウィザード・ハリケーンドラゴンの渾身の一撃を食らうことになった。
「ギャアアアァァァ・・・・・」
 直撃。刹那に爆発四散。そして黒煙が上がる。
 ウィザード・ハリケーンドラゴンは黒煙を、爆炎を、塵と化したヘルハウンドの破片すらもその風で吹き飛ばしながらアスファルトに着地した。

「ふぃ〜・・・」
 背中の翼が光の粒となって消え、何も残らない足元に視線を向けながら、変身を解除した。バイクもろともヘルハウンドは消滅。炎も煙も塵も吹き消され、今さっきまでバトルをしていたとは思えないほど、この場は綺麗サッパリになっていた。


 しかし、戦いを終えた操真晴人の気持ちは腑に落ちなかった。
 倒したはずのファントムが倒した場所で蘇った。
 しかし、以前のような人格は感じられず、その戦い方はほとんど獣のようだった。そのくせ、バイクを器用に操縦したのには驚きだが・・・。結局、始めに阻止したとはいえ、影の中に隠れる能力も使わなかったし・・・。

 そもそも、死んだファントムが蘇ることなんてあるのか?
 ファントム・フェニックスじゃあるまいし、そんなに復活するファントムが何体もいてたまるか。
 いや、だがしかし、フェニックスという前例がある以上、同じような奴が他にいてもおかしくないか・・・。
 でも、ヘルハウンド程度の奴がそんな力を持ってるとは思えない。奴を倒したのはもう一年以上前の話だ。今更感極まり無い。

「だめだ。考えてもしょうがない」
 とりあえず、事件現場に戻ることにしよう。凛子ちゃんが現場検証しているはずだ。話を聞けば何か分かるかもしれない。

 自問自答に疲れた晴人は、マシンウィンガーに跨ると、来た道に方向転換させ、一旦テレビ局に戻ることにした。
 晴人を乗せたマシンウィンガーがテレビ局へ向かって走り出す。


 しかし、晴人に気づかれること無く、その後姿を見つめる一人の青年の姿がそこにはあった。詰襟の白いスーツ姿の青年、財団Xのヤマトである。

「あれが指輪の魔法使い・・・。仮面ライダーウィザードか・・・」

Re: 仮面ライダーウィザード〜終幕の先〜 ( No.6 )
日時: 2014/03/01 22:06
名前: ラリティ (ID: LHB2R4qF)

は、初めまして!ラリティですっ!
「戦国MOVIE大合戦」…まだ見てませんが…
とりあえず!兄の影響でよく知ってます!
一番好きなのは電王です!
リュウタロス君カッコよ過ぎ!←←←
うーん。左君も好きだな………
いやいや!げんちゃんも捨て難い………
あ、長文御免なさい……またコメントしますね!
それでは!

Re: 仮面ライダーウィザード〜終幕の先〜 ( No.7 )
日時: 2014/03/02 17:50
名前: 裕 ◆.FlbxpLDSk (ID: HKLnqVHP)

初めまして、ラリティさん。
コメント頂けてとっても嬉しいですww
「電王」面白いですよね!
イマジン達が皆良いキャラしているので、
見ているこっちが楽しくなります!
「電王」「ダブル」「フォーゼ」あたりは、終盤にかけて
泣ける展開が多いので、僕も大好きです!

今後もよろしくお願いします(^^)

Re: 仮面ライダーウィザード〜終幕の先〜 ( No.8 )
日時: 2014/03/02 18:06
名前: ラリティ (ID: LHB2R4qF)

よかった!分かってくれますか!
あの泣いちゃう展開で…ダブルは泣きました!
もう!ダークライダーも好きで……
大道さんとか…ダブルはほぼ好きですっ!
電王も同じくほぼ好きですっ!
モノマネ野郎ウケます(笑)
ウラタロス…僕に釣られてみる?あれも面白いε=(>ε<*)プッ
電王は仮面ライダーの中で一番映画が多いんです!
鬼ヶ島とか超面白いです!
フォーゼの皆で授業来たー!
とかネット板のギャグが入ってて大好きなんです!
それでは!

五. カナの過去 ( No.9 )
日時: 2014/03/02 18:40
名前: 裕 ◆.FlbxpLDSk (ID: HKLnqVHP)


 財団X・魔力応用型兵器開発部主任、シオリ・カナ。

 それが私の役職。
 私がこの組織に入ったのは今から15年前。9歳のころだった。
 その5年前。1994年頃から、科学者だった私の両親は、動植物との完全な意思疎通“パーフェクトコンタクト”を目指して研究していた。

 人と人が当たり前に会話するように、人と動物、人と植物、人と昆虫等、あらゆる生命と人類が当たり前のように意思を通わせる。そんな夢のようなことを実現しようと、父と母は日々努力を重ねていた。

 当時4歳だった私も、その行っていることの意味が分からないまでも、父と母が“すごいこと”をしようとしているんだと、なんとなく感覚的に理解は出来た。
 私自身も、父と母の研究が実現することがとても楽しみだった。

 幼い私は、テレビに映る女の子の魔法使いが出てくるアニメが大好きだった。可愛い魔法使いが、肩に乗せた小さな小動物とおしゃべりをして、ほうきで飛び回って魔法で困った人を助ける。
 私もそんな風になりたいと、いつもテレビの前で憧れていた。
 そして、そんな私に父と母はいつも話してくれた。
「パパとママのお仕事がうまくいけば、可奈もあの魔法使いさんのように、動物や花や虫、お魚ともお話できるようになるんだよ」、と。
 ずっと信じていた。いや、今も信じている。
 父と母が殺された今でも・・・。

 父と母がしていた研究にも、やはり多額の資金が必要だった。
 そしてそんな父と母の研究に資金援助してくれたのが、財団Xだった。
 当時はそんなこと、理解できるはずがなかったが、その財団Xのメンバーとして働いている今なら分かる。組織は父と母の研究を兵器利用するつもりだったのだ。あらゆる動植物との完全な意思疎通を可能にすれば、獰猛な肉食動物や巨大な重量動物も、人食いザメや毒を持つ昆虫なんかも兵器として利用することが可能だろう。
 当時の父と母がそれに気づいていたかどうかは分からぬままだが。
 
 しかしある時、突然、父と母の研究が組織に見放されようとしていた。

 それが5年後の1999年のことだった。
 財団Xが新たな投資先候補を見つけたのだ。
 それが死者蘇生兵士NEVERや超能力兵士クオークス、そしてガイアメモリだった。
 どれも人間そのものを兵器に変える技術だ。
 動物や魚や虫を兵器として使役するよりもよっぽど効率的で手っ取り早い。
 そして、明日にでも投資が打ち切られようとしていたその日の夜、
事件は起きた。
 
 私が自室で眠りについていると、研究室からとても大きな音が聞こえてきた。
 研究室の窓ガラスが一斉に割れたかのような音だった。
 当然、慌ててビクリと起き上がった私は、布団から出て父と母の下へ走った。
 父と母が心配だったし、何より、一人でいるのが怖かった。
 研究室に辿り着き、その扉を開けると、異様な光景が飛び込んできた。

 思ったとおり、全てのガラスが割れた窓。壊れた研究機材。実験のために飼育していた動物たちは皆、死に絶えていた。そして何より、足元に横たわる血まみれの父と母の姿。
 私はすぐに二人に駆け寄り、必死に両親に声をかけた。体を揺すった。顔を覗き込んだ。だが、父と母が目を覚ますことは二度と無かった。
 涙を流し、放心する私。そんな様子を窓の外から見下ろす影があった。
 暗闇でハッキリとした姿は見えず、その大きな巨体の人影が、窓に射す月の光を遮っていた。

 コイツが父と母を殺した犯人だと、幼い私にもすぐに分かった。
 私が涙でぐしゃぐしゃになった目でその影を睨みつける中、窓の外から研究室内を見下ろす巨体の人影は、唐突に私に向かって何かを投げ渡した。
 勿論それをキャッチできるハズもなく、投げ渡された何かは床に転がった。
 よく見ると、それは紫の花のアクセサリーが付いたヘアピンだった。
「両親の形見だ・・・」
 巨体の人影はそれだけ言うと、霧のように姿を消した。
 それ以来、その人影とは会ったことはない。

 その後、研究室で放心状態だった私は、最後の視察に訪れた財団Xの使者に保護された。
 組織は私になんらかの利用価値を見出したのか、その後、数人のエージェントに管理されながら、私は一般的な勉学と共に組織に関する知識やシステム、科学技術を学ばされ、財団Xのメンバーとして育てられた。
 将来、直属の部下として、私のそばに付く事になる、ヤマトやサザルともそんな中での出会いだった。

 正式な組織のメンバーになってからは、他の先輩エージェントのそばに付き、様々な実験や、それに伴う取引に連れ従う日々が続いた。
 父と母の研究から、資金援助の座を奪い取った死者蘇生兵士NEVERや超能力兵士クオークス、地球の記憶を宿したガイアメモリ。当時から幹部の一人だったレム・カンナギが研究を進めていた、強制突然変異ミュータミット。秘密組織C.O.M.が作り出した仮想空間“鳥籠”。他にもいろんな兵器や研究をこの目で見てきた。

 そして、そんな中で私は魔力と魔法使いの存在を知った。
 とある遺跡の壁画に記されていた、古の魔法使いや人の絶望から生まれる魔物の姿。その内容のほとんどは古代文字で記されていたため、発見した当時は意味や詳細を把握することができなかったが、確かに魔法は実在する、その事実がハッキリしただけで、私は嬉しかった。
 そしてこの組織で私がするべき事もハッキリした。
 父と母が成し遂げられなかった夢を、私なりのやり方で実現させる。
 子供のころテレビの前で憧れていた魔法使いになってみせる。
 そのために私は幹部になった。


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