二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!!【リク大募集!】
日時: 2017/06/16 19:51
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

どうも!
ボーカルロイドです!

ボカロと小説が好きなので、自分の自己解釈で小説を書いてみました!
リクや感想などはいつでも受け付けています!!!!

投稿は基本毎日なのでいつでも声をかけてください!

また別のスレではカゲプロ二次創作小説を作っています!
気になる方は是非覗いてください!

では、どうぞよろしくお願いします!!

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Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.56 )
日時: 2017/04/12 20:26
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

「なぁ、あいつ知ってるか?」
「ん?誰だよ」
「あいつだよ、あの気さくな子」
「あぁ〜」

扉の向こうからはっきりと聞こえるほど、大きな声で話しているようだ。
男子二人組だが、なんだか聞き覚えがある…
誰だっただろう…

「確かにあの子、優しいよな〜」
「そうそう!なんだか気が効くっていうかさー」

へぇ。俺以外にも、そんな奴いるんだ。
ここまで噂されるぐらいだし、俺よりすごい奴なのかもしれない…正直悔しい…
名前とか、分かんないかな?

俺はもっと耳に精神を集中させた。

「でもさ、正直な所。便利やって感じだよな?」
「確かに!優しいけど、なんか使えるってかさ!」
「そうそう!なんか面倒ごとしなくて楽だよな!」
「なんか、俺らがサボるためにいる感じだよな〜」

へー、そいつは優し過ぎて、こうなっちゃってるんだ。
でも、みんなをここまで鈍らせるのは、よくないことだよな。
俺はそこまでやってない。そこははっきり言える。なんだ…俺の手中にも治る程度か。じゃ、話にならない…

もういいか。
飽きたし、時間ないから帰ろう。

そうやって俺は、よっこいしょと腰を上げた。
もう、用はないし。

「確か〜、名前は〜…《紫苑 魁斗》だったけ?」


全然大きな声でもなかったし、そこまで聞こえないまずなのに。
俺の耳には、耳元で大声で叫ばれたみたいに、はっきりとそして重く聞こえた。

うそ…だろ…?

俺は気づいたら駆け出していた。

チラリと見えた顔は、確か俺に仕事を押し付けたあいつ。
あいつは、まったく悪気のない顔で、あどけなく笑っていた。

あいつが許せなかった訳じゃない。
恥ずかしい?悲しい?怖い?
そんな感情論じゃない。

ただただ、その場所からは逃げたかった。

俺が「優しい奴」として判断していたタグは、みんなから見たらただの「便利屋」に過ぎなかったのだ…

* * *

Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.57 )
日時: 2017/04/14 06:29
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

「俺はそのいらないタグを剥がそうと頑張った。でも、剥がしたら、またいろんなタグがついて、そして剥がしても剥がしても何故だか増えていくんだよ…それに、少し悩んでいてさ…」

魁斗先輩の顔は笑っていたけど、目には少し悲しみが浮かんでいた。
冥子先輩は、呆れたように笑っていたけどね。少しだけ嬉しそうにも見えたけど。

「へぇ。僕も、少し違うけど…悩んでいることあるよ?」

蓮くんが、ボソッと言った。
そうすると、姉の鈴ちゃんは、なになになに?!と、蓮くんに詰め寄って行った。
少し、その行動に引きつつも、蓮くんも口を開いた。

「僕らの能力を、数値とかそういうもので、ランク付けされていくこと。僕らには、それ以上の価値があるのにさ…」

そう言われるとそうだ…
確かに、私もこれには納得出来る。
だって、お馬鹿なのに…またお馬鹿ってバレちゃうもん…
これ嫌。

「だからさ、1度その言葉を手で覆い隠したんだ」
「もしかして、あの不登校になったとき?」
「うん、そのとき」

鈴ちゃんが尋ねると、蓮くんは首を縦に振った。
そんなことがあったんだ…

「そのときに、どんな事を考えたのですか?」

瑠花ちゃんが、丁寧な口調で聞いてきた。

「なんだったっけ?…とりあえず、そのことに腹が立ってたから…むしゃくしゃして、やけになってただけなんだよね…。多分、不満に思ってただけかな?」

蓮くんは、少しだけ寂しそうに笑った。
その笑顔が痛かった…

そして、僕の頭には、あの事が蘇った…

* * *

Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.58 )
日時: 2017/04/14 15:39
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

それは確か…2、3年前かな…

ー ー ー

「未来!!これやっといて!!」
「未来!!これお願いします!!」
「初香さん!!これをよろしく!!」

「は…、はぁ〜い…」

私に任したいろんなこと。僕が出来ると信じてくれたんだ…
そんな期待を裏切るなんて出来るわけない。
しかもたったの、みっつ!!多分少ないほうだし、それにそれ以上に頑張っている人もいるし。それだけで弱音を吐くなんてカッコ悪い…

「よしっ!!」

私は、ぐっと拳を握り締め覚悟を決めた。
大丈夫!!私ならきっと…ううん。絶対出来る!!

そう思い直して、今あるものに前向きに捉えた。
これでなんでも出来る気がして…!!


でも、予想以上に世界は酷くて残酷なのを改めて思い知っただけだった。



「なんで!?出来なかったなら言ってよ!!」
「頼まなきゃよかったよ…」
「あの…無理ならば、最初から引き受けないでくれます?」

「ご…、ごめんなさい…」

目頭が熱くなって、視界が滲んで世界が歪んだ。
悔しかった。自分が出来なかったなんて…
恥ずかしかった。みんなの期待を裏切る形になるなんて…
辛かった。みんなからの痛い視線が…

「ごめんなさい…ほんとうに、ごめんなさい」

何か言わなきゃいけないのに、こういうときに限って私の頭はフリーズする。
頭が真っ白になって、ただただ謝罪することしか今の私には出来なかった。
深々と頭を下げて、みんなから許しを乞うような事はしたくないけど…そうにしか見えないだろう…

みんなは深く溜息をついて、決まった言葉を吐き出した。

『もういいよ…』

たった一言で、私の灯火は消えそうなくらい弱々しくなっていた。
ああ…暗闇に沈んでいく…

もう…光なんて…消え去ってしまう…

「そんなことない!!」

不意に大きな声が後ろから聞こえた。

私はその声に押されるようにして、後ろを振り返った。

* * *

Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.59 )
日時: 2017/04/14 21:26
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

そこに立っていたのは瑠花ちゃん。
私の元へ、一歩ずつ歩みを進めていった。

瑠花ちゃんは、私の元へよると耳にこっそり教えた。

「もう…、立ち上がる時間だよ」

でも私にはそう思えなかった。
立ち上がるような時間ではない。寧ろ、時間なんてあるのだろうか?私なんかに、立ち上がる事なんて出来るのだろうか?

私は静かに首を振った。

「無理だよ…もう、立ち上がれない」

灯火も、道も消えそうな私にどうしろというのだ。
なんにも考えていないであろう、瑠花ちゃんが憎く思えた。

しかし、瑠花ちゃんの顔は悲しげに歪まず、というか怒ったような表情になった。
私には、その意味が分からなかった。

瑠花ちゃんは、私の灯火をいきなり掴むと、ぐっと下に向けた。
私はその手から外れそうになる、小さくて弱い私の希望。それを振り離されそうで、一生懸命につかんだ。

取ろうとしていると思ったのに、瑠花ちゃんはあるところに来るとピタリと止めてしまった。
不思議に思っていると、先程まで険しかった表情が、やさしい笑顔に変わっていた。

「灯火を消す前に、足元を照らしてみて?」

私は、納得してしまった。

足元を照らすと、意外な点が見えてくる。今まで見つけられなかったところだ。
そこが明確に現れているのだ。私の、道として…

私は瑠花ちゃんの方を向いた。
瑠花ちゃんは、嬉しそうに微笑んでいた。

「ほら、立ち上がれるでしょ?」
「…うんっ!!」

ー ー ー

そんなことを思い出して、ちょっと頬が緩む。

あ…!そうだ!!
これを、魁斗先輩に伝えよう!!
瑠花ちゃんには申し訳ないけど…ま、いいか!

「魁斗先輩!」
「ん?なに、未来」

魁斗先輩は、私たちを気遣ってか、愛想笑いで返した。
私は腰に手を当て、指で指した。

「自分の道がわからないなら、足元を灯火で照らしてください!!きっと、いい結果が生まれますよ」
「ありがと」

私がそう言うと、魁斗先輩は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見ていると、私の心が安らいだ。
瑠花ちゃんは、こっちを見て少し驚いた顔をしていた。あとで、パクったことに気づくと…

『明日、奢ってね?』

と、口パクで言ってきた。
明日…かぁ…。私、いま金欠中なのに…
ま、使った自分が悪い。どうせ、著作権なんて言って金を分捕る。だから、嫌だ。でも、あってるしそこは飲み込んで我慢しよう…

他のみんなは明るい会話をしているけど、私だけが肩を落としてトボトボと歩いていた。

* * *

Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.60 )
日時: 2017/04/15 06:28
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

「あ、そーだ!みんなこっち見て〜!」

急に鈴ちゃんが大きな声を出したと思ったら、タタタッと私らの前に出てきた。
私たちは、一旦立ち止まり鈴ちゃんを、興味深々で見ている。

鈴ちゃんは、カバンの中をゴソゴソと漁ると、何かを取り出した。
それは、1つの手鏡だった。

「ほら、ここをじっと見つめてみて?」

鈴ちゃんに言われた通りに、私らは手鏡を覗き込んだ。
そこには、私と他のみんなの顔が写っていた。
だけど、特にこれといった特徴は見つけられなかった。鈴ちゃんは、一体何を言いたかったのだろう。
みんなが首を傾げた時

「冥子姉!何が写ってる?自分が見えるものでいいよ!」

鈴ちゃんは、冥子先輩を指差し質問した。
最初は戸惑っていたけど、冥子先輩は淡々と話し出した。

「えーと、私以外に、他のみんなが写ってる…かな?」

少し心配だったのか、最後に「…かな?」と付け加えていた。
私にもそう見えるけど、なんか…躊躇ってしまうよね。答えが分かんないし。

「そうそう!最高の味方が写ってるでしょ!」

鈴ちゃんのその言葉で私の目が覚めた。
そうだ。私には、もうこんなに自分を支えてくれて、助けてくれる仲間がこんなにいることに。いつも通り接していると気づかないことだ。鈴ちゃんはそのことに気づいて、気づかせようとずっと手立てを考えていたのか。
心の中にふわりとした暖かさが私を包んだ。

「「これが命の証」」

ニカッと清々しく笑った鈴ちゃんと、納得したように微笑む冥子先輩の、声と言葉が重なった。鈴ちゃんは、「あー!ドロボー!」とか言っているけど、冥子先輩は、笑って謝っている。

命の…証。

そう言われてみるとそうかもしれない…。私に、命がなかったら、ここにいないだろう。こんなになってないだろう。そして、ここまで味方もいないだろう。
そう考えると、物凄く嬉しい事だ。

ニンマリと口元がほころぶ。
すると、私の中で1つの言葉が思い浮かんだ。それは、ちょっとした私の考えに過ぎなかった。それを、みんなに聞いて欲しくて、僕はその思いを言葉として発してみた。

「Blessing for your birthday…」

命の証は、命の誕生そんな気がして、私はこの言葉を選んだ。もちろん、日本語でも充分かっこいい。でも、英語のほうがもっとだった。
みんながそれに気付いて、魁斗先輩が私を見て面白そうに笑った。

「未来、そこはBlessing for your everydayじゃないかな?」

魁斗先輩は、ウィンクをしながら返した。

* * *


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