二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!!【リク大募集!】
- 日時: 2017/06/16 19:51
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
どうも!
ボーカルロイドです!
ボカロと小説が好きなので、自分の自己解釈で小説を書いてみました!
リクや感想などはいつでも受け付けています!!!!
投稿は基本毎日なのでいつでも声をかけてください!
また別のスレではカゲプロ二次創作小説を作っています!
気になる方は是非覗いてください!
では、どうぞよろしくお願いします!!
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- Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.96 )
- 日時: 2017/05/15 19:53
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
>>93
いつもいつもそうだ。
私は、ガラス戸の向こうにいるダーリンを睨みつけた。
ダーリンは本当、策士だ。
別に、計画的にって感じで自覚があるわけでない。
無意識なのだ。ダーリンの行動が、いつも思わせぶりな感じで、察して欲しい感じでいるから。私にわざと言わない姿勢が…ムカつくんだ。
でも、私はいつもその策にはまってしまう。
なんでなんだろう…
私は荷物を投げ出し、走り出すとガラス戸を思い切り開けた。
私の突飛な行動に驚いたらしく、こちらを目を見開いて見ている。
私はダーリンがこちらを振り向き切らない前に、後ろからギュッと抱きついた。一気にダーリンの体が硬直していくのが分かった。
私はダーリンの体に擦り寄った。プンッとタバコの煙たい匂いが鼻をついたが、気にならなかった。
ダーリンは少し慌てた様子でこちらに言った。
「お、おい!雨樹!おまえ、臭くなるぞ…」
「馬鹿じゃないの?」
「はあ…?」
意味がわからないという感じに返す、ダーリン。いや…莉太。
莉太は、はぁ…と仕方なさそうにため息を吐くと、少しだけ笑いの含んだ声で言った。
「で?俺になんか用があるんでしょ?」
「…うん」
やっぱり、わざと言わない。
こっちに言わせようとする。
それでも、これは莉太の無意識でやってることだから、自然と私が言う流れになんのは、嫌いではない。
「おねがい、ダーリン…ううん。莉太、タバコとお酒の量減らして?あんたが先に死ぬのなんて見たくないから…」
「なら、こっちも言うよ…」
莉太はこっちを振り向き、振り向きざま私と唇を重ねた。
驚いて莉太を見る私に、莉太はいたずらっ子の少年みたいにあどけなく笑った。
「俺も、雨樹が困る顔…見たくないから減らすな!泣き顔とか、絶対見たくねえし!」
「何言ってんの…」
私も自然と笑顔になった。
少し呆れたけど、やっぱり莉太は優しい。
私を優先して考えてくれる。よかった…
「ん…?」
すると、莉太の手元に何かがチラリと見えた。
私は身を乗り出し、奥を覗いた。が、莉太が慌てたように背中に隠した。
怪しい…
「利太?何それ」
「い、いやぁ…あはは、気にしないで…」
「気にしないわけないでしょ!見せなさい!」
「うわああ!!」
無理やり剥ぎ取り、私はそのものをじーっと見つめた。
それは契約書で、そこにはギター200万で買い取りますと書いてあった。
なるほど〜…
莉太を見ると、引きつった顔でこちらを見て、視線を色々なとこにやりながら言い訳をしている。
つまりはこれ、リストラとかになって、私のギターを売るつもりね〜…
私は莉太を指差すと、大きな声で言った。
「馬鹿じゃないの!?」
「す、すみませんん!」
このあと、暫く私は怒鳴り続けることになった。
やっぱり莉太、いや。ダーリンはさいあくだ。
* * *
- Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.97 )
- 日時: 2017/05/17 21:12
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「あ''〜〜…だめだ…」
昨日、ダーリン……莉太を怒鳴りつけたせいで、私の声はガラガラだ。
ものの見事に掠れてしまっている。
はぁ…ついてないな。
あの後莉太は私が怒鳴り続けてる最中に、愛想笑いをして綺麗に逃げて、私は怒鳴りながら追いかけて、そして捕まえてからも、ギャーギャーとわめき立てていた結果、朝になってガラガラになった。
こんな嫁の姿みて、少しは心配するかな?と思ったのに、莉太ったら「自業自得だな」ってしか言わなかった。腹立ったから、蹴っておいたけど。
しかも、今日はバンドサークルの練習だ。
私は、いつもはベースやギターが多いけど、今回はなぜかボーカル担当になった。どうやら、リーダーがあみだくじで決めた結果がこれになったらしい。
いい迷惑だ。
ま、でも新しいことに挑戦するのも悪くない。でも、こんな時は地獄以外の何で言い表せばいいだろう。
声は掠れるわ、黙ってても痛いわ、苛立ちは増すわで、本当にいやだ。
そんなことを考えて歩いていたら、待ち合わせ場所についた。
バンドサークルのメンバーがこっちに向かって手を振っている。
「あれ?マスクなんかつけてどうしたの?」
そう言って、私の顔を興味津々に覗き込む街乃 愛菜(まちの うな)。彼女は、アニメっぽい可愛らしい声だから、いつもボーカル担当だった。でも、今回はドラムとなった。
愛菜ちゃんは、お転婆で少しだけずれている節がある。自己中心的でわがままだが、そこが憎めないところでもある。洋服のセンスは……個性的でいいと思う。うん。
「どうしたの?喉でも痛めた?」
またもや私の顔を覗き込む、月沢 紫(つきさわ ゆかり)。このバンドサークルのリーダーでもある。おとなしいルックスの割に、ドラムが得意でいつもはドラム担当だったが、今回はベースになった。
紫は、おとなしく真面目ぶっているが、以外と天然で気まぐれなところがある。でも、まとめる力はあるから、リーダーとしては向いているちゃむいている。
「う''ん''…ぢょっどね…」
「あはは!変な声ー!!」
「困ったわ…」
愛菜ちゃんは、おかしそうに笑ったが、紫は珍しく心配してくれた。
いつもだったら、愛菜ちゃんに合わせて、からかってくるというのに、今回は珍しいな…
すると紫は、しばらく考えたのちポンっと手を打った。
「そういえば、新しいメンバーが来るんだった!」
「え!?そうなの!?」
「あの、私の喉は…」
「いついつ!?いつ来るの!?」
「そろそろしたら、来るはずだけど?」
「あのー…お二人さん?」
「あ、もしかしてあの子!?おーーい!!」
「そうよ!あの子!おーい!」
2人して、私のことそっちのけで、向こうから来る人物に手を振っている。
別にうらやましくなんてないけど、ほっとかれるのは腑に落ちないわね…
というか、なんでこんなタイミングで新メンバーのこと思い出すの!?
そうしているうちに、新しいメンバーが目の前に来て、肩で息をして私たちの目の前にいた。
「こんにちは!唄伊 依阿(うたい いあ)です!よろしくお願いします!!」
ぴょこんと長い髪を揺らしながら、その依阿って子は頭を下げた。
* * *
- Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!! ( No.98 )
- 日時: 2017/05/18 20:34
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「初めまして、依阿さん。私は、リーダーでドラム担当の月沢 紫です」
とってつけたような仕草でうやうやしく一礼すると、優しい笑顔で笑いかけた。
うーわぁ…来たよ。紫の必殺技、偽りの笑顔。
最初は迎え入れる感じで笑いかけるけど、実はこれ品定めしているだよね…
これで、バツを貰うと容赦なく弾き返される。これで、何人が弾き返されたものか。
私はその笑顔に身震いした。
「やっほー!ボーカル担当の街乃 愛菜だよー!よろしく!」
ぴょんぴょんとその場で元気よく跳ねながら、挨拶をした愛菜ちゃん。
これは特に深い意味はない。ただただ、新メンバーが来る喜びが、仕草に現れているだけだ。
だからかな?紫が容赦なく弾くと、その子以上に落ち込んでるもんね。
愛菜ちゃんは、紫と違ってピュアだもんね。
「あ、ベース担当の小峰 雨樹です。よろしくね」
一瞬私の番なのを忘れて、少し焦ったが、まぁ、上手く誤魔化すことが出来ただろう。
1人で小さく安堵の息を吐いた。
しかし、そんな私にお構いなしで、愛菜ちゃんは私を指差した。
「今日ね、雨樹ったら、声枯れたんだよー!!面白くなーい!?」
そういったのち、「にゃはは!!」とアニメキャラみたいな笑い方をした。
それを見て依阿さんは面喰らったけど、すぐに場に合わせてかへらっと笑った。
これを見て、キラリと紫の目が光ったのは、見なかったことにしておこう…
「ちょっと!愛菜ちゃん酷い!依阿さんも笑うなんて酷い!」
私がそう言うと、愛菜ちゃんは逆につぼにはまったらしく、「あははは!」と笑い転げ出したが、依阿さんだけは焦った表情になった。
少しだけ、目を宙に泳がせたあと、ペコリと頭をさげた。
「すみません…冗談すぎました…」
「…へ?」
あまりにも予期せぬ行動に、間抜けな声が出てしまった。
なんてこの子、真面目なんだろう。
これで、紫はメンバーとして迎える事にしたのだろう、ふーっと呆れたようなでも、どこか嬉しそうな息を吐いた。
紫は前に出ると、「顔を上げて」と冷淡に言い放った。
依阿さんはおずおずと頭をあげると、チラリとこちらを見た。
紫はまだ頭が上がりきらないうちに、依阿さんの目の前に手を差し出した。
「ようこそ。私たちバンドサークルへ!歓迎するわ」
紫がそう言うと、依阿さんは嬉しそうに「ありがとうございます!」というと手を握り返した。
それは決して乱暴ではなく、優しく包み込むようにしていた。
また、賑やかになったもんだ。
私はしみじみとそんな事を思いながら、紫達の元へと寄った。
* * *
- Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!!【リク大募集!】 ( No.99 )
- 日時: 2017/05/23 20:58
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「あはは!プレイルームにとうちゃーく!」
「愛菜、どちらかというと…プロクティスルームじゃないかしら?」
「別に、どうでもよくなーい?」
「そうだよー!お堅いねーゆかりん!」
「その言い方やめてくれない…?」
「あはは!ごめんごめーん!!」
いつもの調子で入っていく私ら。
その後ろから、興味深そうに入ってくる依阿さん。キョロキョロと周りを見渡して、面白そうな表情で見惚れてしまっている。
私は依阿さんの名前を呼んで、こちらへ手招きをすると、案の定小走りですぐに来た。
みんな定位置に着くと、今担当の楽器を手に取った。
私はボイトレだけど、この声じゃ…ねぇ…?だから、今回は紫につきっきりで教えてやろう。
そう思い、紫の方へ行こうとすると、紫が組み立てているのは白黒と規則正しく並んだ、長方形の楽器。そう、キーボードを組み立てていた。
私は驚いて、ダダダダ!と大きな音を立てて近寄った。
「なによ…うるさいわね」
「へ!?紫、キーボードなの!?」
「うん…依阿と交代したのよ?」
「え〜…!!」
少しだけガクリときた。
別に、依阿さんが嫌なわけではない。というか、逆に言うと嬉しいくらいだ。なにが残念かというと、紫をいじれない事。
紫はドラムも上手い、歌うのも上手い。唯一苦手なのが、ギターやベースなどの弦タイプ。だからこそ、いじれると思ったのになぁ…
そう思っていると、紫に肩を叩かれた。
「…なに?」
「ほら、準備手伝ってあげなさいよ。可哀想よ?依阿」
「はぁ〜い」
私はいじれなかった事を、悔しいと思いながら、ベースを組み立てていった。
そして、終わったら依阿さんへと近づいていった。
「はい。教えてあげるから持って」
「あ、はい!お願いします!」
「別にタメでいいよ、あと、依阿ちゃんって呼んでいい?」
「いいですよ!あ…いいよ!」
「よしっ!」
そう言って私がぐしゃっと頭を撫でると、依阿ちゃんは少しだけ照れたようにヘラッと笑った。
それが少しだけ、癒されるなぁ…とか思いながらベースの音の取り方、チューニングの仕方、基本的な奏法、手入れの仕方などをひとつひとつ説明してあげた。
どちらかというと、説明は苦手なのだが、依阿ちゃんは真剣な顔でいちいちメモを取っていた。
凄いな…とか、思ってないからね!?なんで、ここでツンデレ発揮するかな…
大体の所を教えたぐらいで、私はここで説明を切り上げた。
「ま、ザッとこんな感じだよ。試してみて、分からなかったら呼んでね」
「うん!ありがと!」
「いえいえ〜」
「はーい、ここから20分休憩ねー。ゆっくりしていいわよ〜」
丁度いいタイミングで、休憩になったみたいだ。
私はチャンスだと思って、依阿ちゃんに声をかけた。
依阿ちゃんと少しぐらい雑談をしたいなぁという気持ちと、どういう子なのか興味が湧いたからでもあった。
依阿ちゃんは、快く頷いてくれて、私は心の中でよっしゃっ!とガッツポーズをした。
* * *
- Re: ボカロ曲を自己解釈で小説にしてみた!!【リク大募集!】 ( No.100 )
- 日時: 2017/05/26 18:47
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「ええっ!?海外に留学したことあるの!?」
依阿ちゃんは、しーっ!と人差し指を立てた。私は、ごめんというつもりで、片腕をあげる。
「留学って言っても、交換留学と言って…順番が回ってきた感じで…」
「そうなの?偏差値とか高くないとダメじゃないの?」
「まあ、そうなんだけど…私、たったの90だし…」
「90!?充分すごいじゃん!!」
そう褒めると、依阿ちゃんは、そうかな?と怪訝そうに首をかしげるだけであった。えー…うそぉ…
「私は40だよ…結構低いじゃん?」
「確かにそうだけど…私だって低いよ…」
「……」
なんか、素直に認めたのは清々しくて、腹たったけど…段々と呆れてきた。
私の方が低いのは事実だけど、なんかそのまま認めてもらわれるのは、なんか…こう…ぐさってくるよね。
近くの自販機で買った、ジュースを手につけないまま、はぁ〜…とため息をついた。
「だ、大丈夫?溜息つくと、幸せ逃げるよ!」
「いやいいよ…今逃げたって…」
「他人の幸せ吸い込んだら、自分の不幸ともいうし!」
「……」
ほんとこの子、優しいのかストレートなのか天然なのか。
全然わからない。
そんなザラザラした気持ちが胸を這う。その気持ちを洗い流したくて、今まで手の付けていない、メロンソーダをグビーッと飲んだ。
シュワ〜という、炭酸の刺激が舌と喉を伝い、なんとも言えない甘味がとても美味しかった。思わず、頬が緩んでしまっていたようだ。
「あ、あの…急に笑ってどうしたの?」
「いや、メロンソーダが美味しくてさ…」
「精神科オススメするよ?」
「……」
なんか、なんか…悪気ないのわかってるけど…
腹立つなぁ…
紫は、なんてとんでもない新入りを迎え入れたんだろう。
紫なら、即抜けさせるだろう。愛菜ちゃんなら、そんなとこも受け止めてしまうだろう。でも、残念ながら、私にはそんなストックはない。
だから、ぐっと堪えて我慢するしかないのだ。
あいつが、私の気に入らないことしても、そんな感じ…
私が紫なら…私が愛菜ちゃんなら…とか、考えてみるけど結局自分がどれだけ情けないかが思い知らされて、嫌になるだけ。それでも、止まらない。
ギュッとペットボトルを強く握ってしまい、べこっと音が鳴った。
なんでか、今の私はおかしいみたいだ。本当に、精神科行こうかな…
「あ、いたいた」
廊下の端の方から、紫が小走りで駆け寄ってきた。
「もう休憩終わりだから。すぐに練習に移って」
「はい!分かりました!」
「はぁーい…」
私は気だるく挨拶したことが気にくわないのか、紫は顔をしかめた。しかし、依阿ちゃんによって、なだめられ、練習場所へ戻って行った。
そして、依阿ちゃんも時期に着いて行った。
その時に振り返った依阿ちゃんの表情は、意地らしい笑顔にまみれていた。
………あいつ、嘘か。
くそ。騙された。
心の中でソッと舌打ちをした。
* * *
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