ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

~プロローグ~



「今日は、海でも行くか。」

「え?」

父さんが、珍しくでかけようと言った。

いつもは、あんなに嫌がるのに。

「たまにはいいだろ?」

「そうね、たまにはいいかもね。」

「……?」

母さんも、珍しく賛成した。

いつもは、家族で過ごしたいからと言って

家から出る事は、あまりないのに……。

「父さんも、母さんも、一体どうしたの?」
         
「忘れたのか? 今日は星菜の誕生日じゃないか。」

そういえばそうだった……。

すっかり忘れてた……。

「星菜の誕生日だもの。どこかに行きましょうよ。」

「……うん。」

やっぱり、でかける事が少ないから

嬉しかった。

でも

今日に限って

あんな事が起きるなんて……

この時私は

何も知らなかったんだ……。






「楽しかったね~!!」

「そうだな、星菜もあんなに、はしゃいで……。」

「ほんとね。まるで、小さい頃に戻ったみたいだったわ。」

「もう、やめてよ! 私、もう中学生なんだから!!」

「はは……、そうだったなぁ。」

帰り道の事だった。

私は、すっかり遊び疲れていた。

本当に、楽しかった。

丁度、私が眠りかけたときだった。


『キキィィィィィィ!!!!』

『ガシャン!!!!!』

「!!!!!?」

凄まじい衝撃と共に、私は窓から投げ出された。

コンクリートの道路に思い切りぶつかった。

痛い!!

そう思った時には、既に意識が遠のいていって……。

完全に意識がなくなる前に聞いたのは

爆発音と

悲鳴だった………。