ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第10章 『不安』



「!!! ……いいのか……?」

須藤君が凄く驚いたように言った。

私は、うなずく。

「よっしゃ―――――!!!!!」

須藤君が、目茶苦茶大きい声を出す。

「!? ちょ、ちょっと。ここ、病院だよ?」

私は、須藤君に注意をした。

ここには、具合の悪い患者さんだっている。

生死の狭間にいる人だって……。

それに、常識だから、私は注意をした。

「あっ、ごめん。嬉しかったもんだから……。」

須藤君は、少しだけ落ち込む。

凄く、わかりやすい人なんだな……。

「そういえばさ。前に美園って言う奴に、告白されたんだけどな?」

「!!!!」

「やっぱ、断っておいて良かったぜ!!」

「……ぁ……。」

「? どうした、天衣?」

「ぁ……ううん、何でもない……。」

「????」

そうだった。

美園さんも、須藤君のことが

好きだったんだっけ……。

さっきまで、嬉しさで満ちあふれていた心に

突然、雲が現れた。

不安と言う名の雲……。


とても、嫌な予感がした。