ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第16章 『進歩』
「おっはよ!! 須藤君!!」
「おぅ、天衣。」
今日は、何だかすっごく晴れ晴れとした気持ちだった。
昨日の事で、不安も何もかも吹っ飛んだ。
「何か、いい事あったのか?」
「どうして?」
「……笑ってるだろ。だから。」
「ふふっ…。まぁね♪」
語尾に♪が付くほど、私はハイテンションだった。
ふと、須藤君がこちらを向いた。
―― え? 何だろ、話でもあるのかな??
私は、気楽に考えた。
「あのさ、俺の事、今度から『真』って呼んでくれないか?」
「……ええっ!!!!?」
「頼む!!!」
須藤君が、とても真剣に言ってくる。
え? どうしてわかるのかって?
目が、真剣だから。
―― どうしようかな……。
私は正直迷っていた。
名前で呼ぶほうが、恋人っぽいかもしれない。
でも、その分恥ずかしい……。
でも……でも!!
「わかったよ、真。」
「ぉぅ……。」
真は、顔を少し赤らめた。
嬉しいのか怒ってるのか、さっぱりわからない。
「じゃあ、お前の事も『星菜』って呼ぶからな!!」
「えっ? あ、うん…。」
真は走り去っていった。
それはそれは、猛スピードで。
胸がドキドキしていた。
私達、進歩したのかな?

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