ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第8章 『心』



須藤君に話しかけたのは、どうしてだっけ?

告白されてからというもの

過去の出来事が鮮明に

私の頭の中に浮かんで来ている……。

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7月……。

「ねぇ、天衣さんって、好きな人いる?」

クラスメートの美園さんに言われた。

「好きな人……かぁ。」

「いるの? 私は、いるよー!!」

「美園さんの好きな人は、誰なの?」

「えーっとね……。」

美園さんは、窓側に座っている男の子を指差した。

勿論、周りの人に見えないように、だけどね。

「ほら、あの人。須藤クンっていうの!!」

「へぇ。」

私は正直、男の子に興味が無かった。

だから、恋の話とかも興味が無かった。

「カッコイイよねぇ!」

「うん……そうだね。」

返事はするものの、ついつい投げやりになる。

「ね、話しかけてみない?」

「えぇ―……。美園さん、一人で行きなよ。」

「だって、恥ずかしいじゃん!」

「……わかったよ。行こう。」

「やったぁ!!」


「あの、すいません。」

最初に話しかけるのは、私。

「ん? あ、ああ……天衣だったよな?」

「うん、そう。」

「どうしたんだ?」

「えっと……。話がしたくて。美園さんも。須藤君と。」

「俺と! ……そっか。何話す?」

「ええっと……。」

私は、美園さんの方をチラッと見た。

「あ、はい! いつも、サッカーとかしてますよね!!? サッカーとかが好きなんですか!!?」

「ああ、好きだぜ?」

須藤君は、ニッコリ笑った。

まるで、太陽みたいだな、と思った。

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そう、あの頃から

須藤君を意識するようになった。

私の想い、わかった。


私……須藤君が好きなんだ。