ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第17章 『事故』
「あ、星菜! おっはよー♪」
「おはよう♪ 凛香。」
「…??? あれあれ~?(ニヤリ)」
「何?」
「今日、いい事があったでしょ。」
「う゛っ!!」
――り、凛香……鋭い!!
私は心の中でそう思った。
そう、あくまで心の中で思った。
勿論、表情には全く出てなかったハズ……。
が、しかし、私の思った以上に凛香は鋭かった。
「あ、その顔は当たりね?」
「…!! ど、どうしてわかるの……?」
「フフフ、簡単な推理です。」
凛香が探偵の謎解き風に言った。
―― どうして、わざわざ……?
私には、そちらの方が謎だった。
「勘だよ、勘!!」
「そういうことか……。」
そう言いながらも、私は笑っていた。
友達っていいなぁ……。
「そうだ!! 星菜、明日さ、予定無い?」
「うん、ないけど。どうかしたの?」
「買い物行かない? 須藤君も一緒に!」
「えぇっ!? 真と……!!? でも、OKするはずが……。」
そう、真だって、予定というものがあるはずだ。
ましてや、女子2人と買い物なんて行くはずが無い。
……と、私は思う。
「須藤く~~~ん、ちょっと来てくれな~い?」
「ん?」
「ちょ、凛香!!」
「いいじゃない。」
―― 良くないから言ってるのに。
私は、心の中で呟いた。
「なんだよ、美園と……星菜。」
「あのね、明日、予定無い?」
「無いけどよ。何なんだ?」
「明日さ、あたしと星菜と須藤君で、買い物行こうって。いいじゃん?」
「別にいいけどよ。」
「ちょっ!! 真!!」
「じゃぁ、明日の10時に学校前ね~。さっ、星菜行くよ。」
ああ、凛香。
あんた、行動超早いよ。
……まぁ、いいか。
……放課後……
授業終わりっと。
―― ああ、疲れた。
私は教科書をカバンにしまい、席を立った。
と、その時。
「星菜、一緒に……帰んないか?」
「あ、真……。」
急に現れた真に、私はもの凄く驚いた。
「うん、帰ろう。」
私は気楽に返事をした。
「明日さ、楽しみだな。」
「はぃ??」
帰り道。
唐突に真が言ってきた。
「え、あ、そうだね。」
「……そ、それじゃ、俺、こっちだから。」
「うん。また明日―――」
『キキィィィィィ!!!!!!』
私の真横からブレーキ音が聞こえた。
「星菜―!!!!!」
真が、叫んだ。
体が、宙に舞い上がった。
何が何だか、わからなかった……。

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