ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第12章 『いじめ』
次の日の朝……
その日は、とっても気持ちの良い朝だった。
朝もすっきり目が覚めた。
朝食もうまくいった。
ただ、一つ嫌な事があった。
それは、父さんと母さんがいない事だった。
「……。」
一人で食べる朝食。
三つある椅子。
何だか、心にぽっかりと穴が開いたようだった。
―― 一人って、こんなに寂しかったんだな……。
涙がこぼれそうだった。
けど、じっとこらえた。
「行ってきます……。」
誰もいないのに、私はそう言った。
学校に着いた。
下駄箱を開けて、靴を取ろうとした。
と、あるものに目が止まった。
「手紙……?」
書いている言葉を見て、私はぞっとした。
{死ね}
「何……これ……。」
私は立ちすくんだ。
一体誰が?
何のために……。
その時、私の後ろで気配がした。
―― 誰!?
振り返ると
美園さんがいた。
「み、美園さん……?」
「須藤君をとらないで!!」
「え?」
「この泥棒!!」
「そんな、私、とってな……」
美園さんは、走っていった。
これが、いじめの始まりだった……。

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