ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第3章 『2人の来客』
『コンコンッ』
病室のドアをノックする音が聞こえた。
誰だろう……?
「星菜ちゃん……。」
「!! 叔母さん……?」
入ってきたのは、叔母さんだった。
「星菜ちゃん!! 良かった!! あなたが助かって……!!」
「……。」
「姉さんは……どうなの?」
「……。」
「星菜ちゃん?」
答えられなかった。
答えたくなかった。
「星菜ちゃん……。そうなのね……。」
叔母さんは、辛そうに言った。
手が、ブルブル震えている。
唇を噛み締めて。
『コンコンッ』
再びノックの音。
「……よぉ。」
「!! 須藤君……!!」
入ってきたのは、同級生の”須藤 真”君だった。
「どうして、ここへ……?」
「『どうして』って、天衣、知らないのか?」
何の事だか、わからなかった。
「事故の事、ニュースでやってたぜ。」
「そうなの……?」
「ああ。で、俺が見舞いに来たって訳よ。」
「ありがとう……。」
須藤君の顔が少し赤くなったのは、気のせいだろうか?
でも、この時は絶望のどん底にいたので
彼の想いに気づかなかった。

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