ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第4章 『悲しみ』
丁度、私が須藤君と話している時だった。
『タタタタタタッ』
『ガラッ!!』
「天衣さん!! ご両親の容態が急変しました!!」
看護婦さんが、あわてた様子で入ってきた。
私には、今の言葉が信じられなかった。
―― 父さん……!! 母さん……!!
気が付いたら、もうベットから飛び降りて
走り出していた。
体の痛みなんて、感じなかった。
ただ、父さんと母さんが無事であってほしかった。
『ガラッ!!!』
父さんと母さんがいる病室のドアを開けた。
聞こえてきた言葉は……。
聞こえて……
きた言葉……は……。
「ご臨終です……。」
医師の声だった。
二つのベットには、全身火傷をした
父さんと母さんがいた。
私は、父さんと母さんに近づいて、話しかけた。
「ねぇ、父さん……。起きてよ……!! 母さんも……。何で起きないの……!?
死んだふりなんてしないで、起きてよ!!!!」
返事は、無かった。
2人とも、息をしていなかった。
「うそよ……。こんなのうそ!! 起きてよ、ねぇってば!! 起きて!!!」
2人とも、起きなかった。
星菜。と、呼んでくれなかった。
私は、泣き崩れた。
本当に、一人になってしまったんだ。

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