ライブ~生きるって何?~ 作者/桃花 ◆ev5fSMdyi2

第20章 『星空と太陽』



夜になった。

私は、あれからというもの、ただボーっとしていた。

体があちらこちら痛かったし、何より、やる事がなかった。

それと、須藤君という男の子と美園さんという女の子がときどきお見舞いに来てくれた。

美園さんは、私の友達だったらしい。

須藤君は、私の彼氏だった……らしい。

2人とも、覚えてないので申し訳ない……。

特に、須藤君という男の子。

彼氏が彼女に「あなた誰?」って言われたら相当傷つくよね。

でも、覚えてないんだからしょうがない……。

そうそう、私の名前は天衣 星菜というらしい。

その名前を聞いたときに、何か暖かい気持ちになった。

それが私の名前なんだな、と思った。


「……。」

辺りは静まり返っている。

何だか、怖いくらいに……。

                  「よぉっ!!」



「!!?」

いきなり後ろから声がした。それも、男の子の声。

私は凄く凄く驚いてしまった。

「だ、誰!!?」

「あはは、ごめんごめん。」

その男の子は、須藤君だった。

ああああ~……心臓に悪いよ。

「あれ? 病院って、もう閉めてるんじゃ……。」

「ん? ああ、忍び込んできた。」

っし、忍び込んできたって……。

須藤君は、ベットにドカッと座って私と同じように星を見た。

綺麗だな、と、須藤君は呟く。

私は、何と答えていいのか良いのかわからなくて、黙ってしまった。

「……。」

「……。」

「……。」

「……。」

しばらく、気まずい感じになった。

沈黙の末、須藤君は耐えられなくなったみたいにいきなり唐突に言った。

「星さ、綺麗だよな。」

「うん―――そうだね。」

「星、好きか?」

「うん、好きだよ。」

「俺も。」

そう言って、須藤君はニカッと笑った。

太陽みたいな笑顔だなと思った。


須藤君って、いい人なのかな。