完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ロストヒーロー計画(完結)/ラストヒーロー計画
作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~ 220~

*169*


「やっぱヒーローになるとしたらトップのカリギュラだよな」

カリギュラ...テレビ塔と新聞でよく名前を聞くが、結構儲かっているらしいからな

試験には俺以外に数千人ものの参加者が存在するから落とされることだってあるだろうな

だが俺は絶対に落ちねーぞ...お袋の為にもな!!


「ただいま」

「お帰り、タケシ...」


「お袋、俺やっぱヒーローになる」

「...もう、しょうがないわねぇ」


「あ、心配すんなって!試験はタダらしいからよ...これでようやく親孝行みたいな事が出来る」

「親孝行なんていいのに...試験はいつなんだい?」


「半年後だ、それまでに勉強もトレーニングも続けないとな」

「高校もちゃんと行かないとダメだよ?」


「わーってるさ!」

以降俺はカリギュラに入るためにどんどん成績を伸ばした

必死に必死に勉強して!!テストは毎回98点台を出して!!

俺を『天才』なんて呼ぶ奴がいるが、言いたきゃ言え

人間、誰かの為に尽くしたいと思えばなんだって出来るんだ!

俺は一秒たりとも気を抜かねぇ!!

...だが、そんなある日の事


「...お袋?」

家にお袋がいなかった、買い物に行くような時間でもなかった

何日経っても、お袋は帰ってこなかったんだ...


「お袋...どこだ...?」

幸い、家庭科の授業はよくやっていたから料理なんかは軽く出来たが、一人は寂しくて、辛かった

お袋が失踪したある日の事、みょうに服の豪華なおっさんどもが俺の前に現れた


「何の用だ、うちは貧乏だが借金をした覚えはねぇぞ」

「君が成績優秀でスポーツ万能な本堂猛君だね?」


「そうだが何の用だ」

「勧誘だよ...君は選ばれたんだ」




「与倉家の跡取りとして。」

そして俺は与倉家なんて所に引き取られ、【与倉猛】になった


学校の奴等は「努力の成果が実った一例」「頑張った甲斐があっただろう」なんて言いやがる

何も知らねぇくせに勝手に認めるな

俺が頑張ってるのはお袋の為だ!!

まだ...お袋に会えてねぇんだよ!!

...


「.....」

「猛、ヒーローになるんだろう?」


「当たり前だ、俺はカリギュラに入るためにここまで頑張ってきたんだからな」

「カリギュラ?...それなら試験を受ける必要も無いだろう、私の力を使えば」


「てめぇの手は借りねぇぞおっさん、そんな手を使ったら今までの俺を否定することになる」

「.....」


「散歩行ってくる」

俺は定期的に外に出てお袋を探した

あっちこっち向かって、行方を追った

裏の道だって歩いた

途中で邪魔をしてくるヤンキーやヤクザなんかもいた


ぶん殴ってやった、お袋は何処だ


【王蛇の与倉】?違う、俺はそんな名字じゃねぇ

俺は...本堂猛だ!!


...ある日の事、カリギュラの仮面ライダーが一気に30人も亡くなったもので臨時試験を開くということになった


「...そいつらにも家族とかいたんだろうな」


「俺は...死ねないな、お袋の為にも、俺はやらなくては...」

『もしもし?カリギュラの会長さんを...』


「あ?あのおっさんか...」

俺は偶然にも、扉の先であのおっさんの言うことが聞こえていた

「ええ、順調ですよ...例のプロジェクトが上手くいけば、貴方も我々も膨大な資金が...」

仕事の話か?

「そして、ゆくゆくはあの子も会長にして、あの計画を...」

コネで会長なんかゴメンだっての、まだヒーローにすらなれてねぇのに

「...あの子の母親には申し訳ないことをしたか、だって?」

...はぁ?

「いやいや、そんな事微塵も思いませんでしたよ、あの子を養子に入れるにはどうしてもあの女が邪魔でしてね」

....

「ええはい、金を受け取ってくれないのでバラしてドラム缶に詰めて捨ててやりましたよ、まったく」

「ヒーローのスポンサーがそんなことをしていていいのかって?貴方も言っているでしょう」

「人間は自身の平和さえ守れればそれでいいんだって」

「だから...あの子を上手く会長にしてやれば...」

もう聞きたくなかった

許さねぇ、許さねぇ...

ぶっ殺してやる...ぶっ殺してやる!!カリギュラ!!


...

そして試験当日、俺はカリギュラに入った


俺がヒーローになる目的は二つあった

1つは、お袋みたいな一生懸命な人間を支える為


そして、もうひとつは...俺のお袋を殺した与倉家とカリギュラに復讐する為だ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

思い出はここで途切れた

与倉...いや、本堂。

僕は君を勘違いしていたみたいだ

ごめんね...君はどこか間違ってたかもしれないが、どこかいいところもあった


願わくば、彼があの世でおふくろさんに会えることを祈って...このメッセージを遺す

また来るね、二人とも


時空監理局 代理局長

たくっちスノー...

【特別編その1 END】

168 < 169 > 170