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作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン
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*200*
「はぁはぁ……な、何とか辿り着いた……!」
戦場雁陸人はそう言って、走って一階の受付前に移動する。そして自身の受験番号『2013』番を持って、顔を見上げ、パネルに表示される番号を確認する。
『それでは『0001』番から『1000』番迄を発表します』
受付のお姉さんの言葉を聞いて、『まだまだ先だな』と判断する戦場雁陸人。そして番号が表示された。
『0001』番、『0011』番、『0111』番、『1000』番、『0022』番、『0222』番、『0033』番、『0333』番、『0044』番、『0444』番、『0055』番、『0555』番、『0066』番、『0666』番、『0077』番、『0777』番、『0088』番、『0888』番、『0099』番、『0999』番、『0100』番、『0200』番、『0300』番、『0400』番、『0500』番、『0600』番、『0700』番、『0800』番、『0900』番と表示される。合計二十九人か……と判断する。
『それでは『1001』番から、『2000』番迄を発表します』
もうすぐだ、多分この次だろうと、と戦場雁陸人は判断する。
『1001』番、『1111』番、『1234』番、『1999』番、『2000』番、『1100』番、『1200』番、『1300』番、『1400』番、『1500』番、『1600』番、『1700』番、『1800』番、『1900』番と表示される。十九人、合計四十八人か……と判断する。
『それでは、『2001』番から、『3000』番迄を』発表します
遂に呼ばれるか分からない番号に……! 戦場雁陸人はそう思いながら、ドキドキする。
『2001』番、『2010』番、『2013』番、『2222』番、『2345』番、『2999』番、『3000』番、『2100』番、『2200』番、『2300』番、『2400』番、『2500』番、『2600』番、『2700』番、『2800』番、『2900』番と表示される。十六人か。合計六十四人か……って、あれっ? 『2013』番がある……!? 自分はそう思いながら、パネルを見て驚愕する。
「ほほぅ? 『自身の力』だけで合格を捥ぎ取ったかぁ」
「そ、その発言はどっちの意味の『自身の力』でしょうか……?」
笹原大尽の発言に不思議がる花咲陸咲。そんな花咲陸咲に対し、静かに答える笹原大尽。
「んー? そんなの『腕力』に決まってるだろ?」
「そ、そうですね……」
笹原大尽の言葉に頷く花咲陸咲。そして受付嬢が言う。
『えー、それでは今日の合格者発表はこれで終了です。今日合格出来なかった人は次回参加して下さい』
「えぇー!?」
「マジかよぉ!?」
「悲しいぜぇ!」
不合格者の発言を聞き、何とか安堵する戦場雁陸人。すると金髪のカールに蝶ネクタイ、そして白いシャツを着た如何にも金持ちそうな少年が言う。
「はっはー! やっぱり庶民はこんな簡単な問題、解けないんだねぇ!?」
「なっ、何だとー!?」
「うるせぇ!」
「黙ってろこのやろー!」
金持ちそうな少年の発言を聞いて、周りの不合格者がぷんすか怒る。そんな状況でも高笑いをする少年に対し、戦場雁陸人は話しかける。
「ねぇ、君?」
「んっ? 何だよ庶民?」
「君にとって『庶民』ってどんな存在?」
「んぁっ? そんなの決まっているじゃないか! 『庶民』とは! 我等富裕層にとって、奴隷の様に扱われる存在だ! そして『庶民』は我等富裕層よりもバカで愚かでアホで、鈍間でクズでどうしようもない存在だ! それが『庶民』だ!」
「……そうか、それは面白い話だ。まさか君が『自身を貶めている』のは驚いた」
そう言う戦場雁陸人、すると少年が怒鳴る。
「どうして『自身を貶めている』って話になるんだ!? 答えろ庶民!?」
「そんなの、簡単じゃないか? だって、『人間皆平等』だからね」
「は、はぁ……? な、何を言っているんだ?」
不思議がる少年に対し、戦場雁陸人が淡々と答える。
「えっ? そんなのも分からないの? そんなのも分からずに君は『庶民』を貶(けな)したんだね? じゃあ、俺の発言を分からない君も『庶民』だね?」
「はぁ!? お前は何を言っているんだ!? じゃあ、どういう意味か説明してみろよ!? 説明も出来ないのなら、お前も『庶民』だ!」
「あぁ、いいよ。説明してあげる」
そう言って、戦場雁陸人は両手を広げ、発言する。
「『人は生まれた時から裕福じゃない』じゃないか? 君の先祖を辿ってみろ? 『仕事が成功して金持ちになった』のが多いだろ? じゃあ、『それ以前』はどうなる? それ以前は……『庶民じゃない』とでも言うのか? 生まれ付き君の家族は裕福で金持ちか? 違うだろ? 元々庶民のぽっと出がわーきゃーわーきゃー叫ぶな」
戦場雁陸人の発言を聞いて、少年が言う。
「いや、今の話をしろよ!? 今の話をしないとダメだろ!?」
「何で? 『過去がある、そして過去に金を稼いで金持ちになった』んじゃないの? 違うの? 生まれてすぐ金持ちになったの? ねぇ? ねぇ? ねぇ? 反論してみなよ?」
そういう戦場雁陸人を見て、イライラが募った少年は『帰るぞ! 爺!』と言って、足早に『カリギュラ』を出ようとする。
「全く……庶民は屁理屈が多い!」
少年がそう言うと、目の前が真っ暗になる。急にどうしたんだ? そう思い、顔を上げると、『目の前にダークライダーが立って』いた。
「えっ……?」
目を見開く少年に対し、ダークライダーは簡単に少年を掴み、『あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ!』と甲高い音、声、反響を聞く。その様子を見た花咲陸咲が言う。
「なっ、何で此処にダークライダーが!? 大尽さん、い、急いで避難をさせましょう!」
「お、おぅ!」
花咲陸咲、笹原大尽はお互いに走って、一階の人達を非難させるべく、二階から一階へと降りる──その様子を静かに戦場雁陸人は見ていた──