完結小説図書館
作者: 彩都&Lメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 221ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 オリジナル仮面ライダー 仮面ライダー 原作、設定:彩都、執筆:メイドウィン
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~ 220~
*21*
一方、海斗はいつものように雪と果物の整理をしていた
海斗
「よいしょ...これで果物は全部ですね」
雪
「いつもごめんね、海斗君。」
海斗
「いえ!正しいと言われていることをちゃんとやる、それがヒーローですから!」
雪
「海斗君にとってのヒーローは【正しい人】なんだなぁ、子供らしいけど実にいい考えだ」
海斗
「そう?」
雪
「ああ!この世界だとヒーローはボランティアじゃないからね!お金がほしいからだとか、思う存分暴れたいだとか不純な理由を隠してカリギュラに入る人もいるだろうし!」
海斗
「与倉さんみたいな?」
雪
「それ、本人に聞かれたらマズイよ...でもさ、現実は厳しいもので、正しいから愛されるばかりではない、悪く思う人だっている、こいつみたいな」
雪さんは俺に新しい新聞を見せてくる...一面はまた仮面ライダーだったけど、いつもと内容が違う
【宝石店襲撃!?犯人は元仮面ライダー】
雪
「こいつ、三年前に悪の組織にカリギュラの金使ってなぁなぁで済ませようとしてヒーロー権を剥奪されたんだよ、きっと恨んでるだろうな」
海斗
「えっ...それってカリギュラは悪くないじゃないですか、なんで恨むんですか?」
雪
「賢い生き物は自分の思い通りにならないのが何よりもイヤだからね、イイ人も悪い人もそう考えているんだ」
雪
「でもね、何もかも思い通りなんてすっごいつまらないんだよ」
海斗
「じゃあ、雪さんもそういった経験が?」
雪
「まぁね...それで色々やらかして、ぶん殴られた事もあるけどいい思い出だよ」
雪
「海斗君、君はこんなことはしないって分かっているけど、気を付けてよ」
海斗
「勿論!」
....
ガオウソウル
『オルァァァァ!!!』
ガオウソウルは俺に剣を当てようとしている...激昂して乱暴に振り回す棒なんかに当たるものか!
アクセルソウル
『ハアッ!』
アクセルの武器はこの鉄のような剣か...確実に当てていく!
ガオウソウル
『グオオオッ!!何故だ....何故!?』
【full charge!】
ガオウソウル
『俺は強者(ヒーロー)なんだ!!』
ガオウソウルは鰐(ワニ)のようなエネルギーを剣に込め突っ込んできたが...無駄だ!!
アクセルソウル
『違う!お前はもうヒーローではない!!』
【アクセル!マキシマムドライブ!】
俺の体からエンジン音が唸る...力がみなぎる!
アクセルソウル
『でやああああっ!!』
ガオウソウル
『ウオオオオオオ!!』
...
ガオウソウルが剣を落とす
ガオウソウル
『な、何故だ....何故、俺は!!』
アクセルソウル
『決まっているだろう...お前の正義が間違っているからだ!!』
ガオウソウル
『ぐわああああああああ!!!』
ガオウソウルの変身が解けた....
加賀美
「...三年で随分衰えたな」
「ちくしょう...なんでだよ...何でこうも思い通りにならないんだよ...何で誰も止めてくれないんだよ...何で構ってくれないんだよ...」
加賀美
「世の中はそういう自己中が口に出る奴から消えていくんだ」
「俺は....俺は.....カリギュラの高収入が欲しかっただけなのになあああああああああ!!!」
男は駆け出し、山小屋を抜けていく!!
福井
「まずい、逃げる気か!!」
加賀美
「俺が追う!君はこの事をカリギュラに報告するんだ!」
福井
「了解!」
...携帯電話解約しないでよかった、えっと....
「はい、こちらカリギュラ」
福井
「こちら福井...先ほどの宝石襲撃事件ですが犯人を突き止めました」
「何!?それは一体...え?三年前にヒーロー権を剥奪した男?...えーと...ああ、彼か、今何処にいる?」
福井
「今、加賀美さんが追っていますが....」
加賀美
「福井君...!!」
福井
「あ、加賀美さん!」
加賀美
「福井くん、落ち着いて聞いてくれ、あの男が...向かいの崖から浜辺に飛び降りた!」
福井
「えっ!?」
加賀美
「...ほら、早く!!」
俺は加賀美さんに引っ張られ、山奥の崖へと向かったが....そこには、落下の衝撃で割れたであろうヒーローソウルが海に浮かんでいるだけだった....
福井
「加賀美さん....」
加賀美
「俺がそんなことをするわけないだろう!あいつめ、最期までカリギュラの評判を落とそうとして....」
福井
「...ヒーローって、大変なんですね」
加賀美
「一応仕事だからね...奴が言うように、ただうちの給料が欲しいだけの奴だっているさ」
福井
「...俺は違いますよ?俺はあいつみたいにならないって決めたんです」
福井
「俺は絶対結婚して、子供を作って...ヒーローの自慢の父親って言われるようになるんです、俺の父さんのように....」
俺は間違った正義には進まない、俺は誰かと同じ正義を信じたい
だって俺は...この街を守るカリギュラのヒーローだから
【第四話 END】