コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.52 )
日時: 2015/12/17 05:53
名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)

【脱走の刻(とき)】

解き放たれたクトゥルフ!

客席に触手を伸ばし警備員を捕食する!

観客はショーのイベントだと思い込み歓声をあげる!

シルフィードに襲いかかる、偽パジール。

パジールはクトゥルフに攻撃を仕掛けるも簡単に武器を奪われ捕食された!

火の民の勇者…紅蓮のパジール。無念の死を遂げリタイヤ。

そんな中…。

試合終了のホイッスル(螺貝)が鳴り響く!

勝者!ファイヤーボール!

大歓声とブーイングが入り混じる!

隣にいるバーサークに空き缶が投げつけられる!

出来レースだのと罵声を浴びせる。

それもそのハズ、最後のゲート手前で先頭を走るユーイに、突如、猿が飛びかかり銃を奪いバーサークの勝利と思える展開であったが、何を思ったかバーサークはその猿を捕まえ懲らしめたのだ。
その隙にユーイこと、ファイヤーボールがゲートを開きゴールした!

大歓声の中、上空高く飛び去るクトゥルフ…。

客席の群衆は最後まで大会側の演出だと思い込んだ…。
クトゥルフの背にはシルフィードが乗る…。

コロッセオにもまた倒れたシルフィードの姿…。
自身のレイピアで胸を、ひと突きにされ死亡。

僅かにその光景を目撃していた北のゲート側の一部の観客だけが、ザワつき悲鳴をあげていたが…その叫び声は群衆の歓喜と罵声に掻き消された…。

そして

ユーイはゴールはしたが、フラッグを持っていなかった為、実行委員からクレームをつけられる。
ペナルティーを課せられたユーイは優勝賞金として全額は支払われずに、キャッシュで1万ダス手渡された。(日本円で100万円)

大会の趣旨や賞金額を把握していなかったユーイは、訳も分からず御礼を言うと猿に奪われた銃を返還してもらいコロッセオを出た。

すると

黒塗りの護送車にバーサークが手錠をはめられ連れて行かれる姿を目撃する!
通行人は誰一人慌てる様子はない。

ユーイは露天商に『傭兵王が連行される』と騒ぎ立てるが、『あれは宿舎に戻るだけだ』と笑われる。

その晩、ユーイは荷物をまとめるとバーサークの宿舎に忍び込む計画を実行した…。

ところで…
あれからジョシュはというと…
A・Jがポップコーンと共に置き忘れた当たり券を換金しようとホクホク顏だ。

30ダス(3000円)購入していたA・J。
ファイヤーボールの倍率は1000。
30000ダスだ!(日本円で300万円)

お気に入りの零fighterのフルフェイスを被りシールドの開閉を楽しみながら、鼻歌混じり…ご機嫌だ!
換金所はそれなりに長蛇の列だ。

しかし
終始監視されいたジョシュ。
1人になった所を狙われた!
闇組織オクトパシーに拉致られる!

そうオクトパシーはデリンジャー将軍の裏の顔である…。
零fighterの一員と間違われたジョシュはプロの所業で連れ去られたのだ!

そこへシガーレッドを追っていたA・Jが出くわす!
拉致られるジョシュを目撃した!
逃げるシガーレッドを取り逃がした!

いや、よもやそれどころではない…。

見失わない様に追うA・J!
ジョシュの提案でコロッセオ前に路駐していたA・J。
駐禁切符が貼られていたが剥ぎ取り後を追った…。

その頃…ヨシュアにも事件が起きていた!

ラボ(軍事病棟)にミフネを届ける際にまさかの袮々と苺果の逃亡w
ミフネもつれて行かれた!

何故ならミフネ改造計画を知ってしまったからだ!

残されたのは多額の請求書であった…。

ヨシュア『……お買上げ有難う御座います?今回ご請求額…税込4000ダス(日本円で40万円)…ビビビのネズミ商会?なんだこれは!?』

そして手紙…。

拝啓 ヨシュア様

わたくし苺果は、こう見えても神に支える巫女ですの…。
妖毛(ようもう)で縫われた袴しか、着ませんですの…。
ボスはかかりつけの名医のもとで、治癒しますですの…。
デリなんとか将軍?ティンポアック?関係ないですの…。

あ!…もうこんな時間(汗)早く寝ないとダメですの…。
明日の朝早に袮々上とボスと脱走する予定なのですの…。
さよならお世話になりました探さないで下さいですの…。

敬具 古代一振苺果(こだいひとふりいちか)

ヨシュア『…ふりがななくとも読めるっての…誤字脱字だらけじゃねぇかよ…』

そこには綺麗にたたまれた迷彩服だけが残されていた…。
皮肉にも帽子は斜めに置かれていた…。

ヨシュア『……たくっ』

ヨシュアは砂漠に向かったユーイと連絡が取れない事に苛立った…。

デス・プリズンを出て2ヶ月が経とうとしている…。
魔界の渦の影響で時間枠が大幅に狂っていた…。

陽も落ち夜になりヨシュアは、1人ポンティアック・ファイヤーバーグ軍曹と接触を図るべく新型マシン"ジェットモグラ"に乗り込んだ…。

同時刻。

バーサークの宿舎の位置情報を情報屋から買い取ったユーイは、単身…宿舎に潜入して屋根裏に忍び込んでいた………つづく

次回 【導かれし仲間達】どうぞお楽しみにw





Re: 零fighter山鷹隊 ( No.53 )
日時: 2016/02/02 11:39
名前: ワタル (ID: IxtPF2j4)

【導かれし仲間達】

闇探偵…情報屋ジン・タチュウ。

オクトパシーのアジト(宿舎)の位置情報提供に5000ダスを要求。

ユーイは頭にきてマシンピストルを突き付け1000ダスを提示。

一悶着あったが…
現金即払いの2500ダス(日本円で25万)で取引成立した…。


因みにジョシュの万馬券はというと…。
オクトパシーと揉み合いになった際に落としてしまう。

それでは何処へ…誰の手に?
それを拾ったのはシングルマザーの一人息子。
不遇な人生を歩んできた親子に、ようやく希望の兆しが見えた。
貧しさ故に、幼な子諸共、幾度となく身を投げようとした過去…。
それでも、思い留まり懸命に生きた…。
諦めない姿勢に神は救いの手を差し伸べたのか?…。
いずれにせよ…尊い命は救われたのだ。

{ナレーション}本筋からそれたので話をもとに戻そう…。


___その日の夜。
屋根裏から覗くユーイ。
背中にバックパックを担いでいる。

椅子に拘束され尋問を受ける青年が2人いる…。
1人は民兵風だがもう一人は特殊部隊を思わせる出で立ちだ…。

何かの容疑をかけられている様だ…。
オクトパシーの組員が4人。
大柄の屈強そうな1人が尋問し、3人が賭けポーカーに夢中だ。

ユーイ『うわー かわいそw何しでかしたんだろ?…ここではなさそうね…』

アジトの入り口には見張りが1人いた…。
今の所、敵は5人といったところか…。

ユーイは屋根裏の梁の上を猫のように四つん這いで歩く。

天張りは隙間だらけの板張りの為、部屋の様子が丸見えだ。

さらに進むユーイ。

ユーイ『ん?湯気?』

風呂場だ!

というよりは洗い場。

筋骨隆々の男がシャワーを浴びている。

目を閉じ顔を上にあげ仁王立ち。

ユーイに対面だ。

パオーン(象の鳴き声の音声)

ユーイ『あわわ(汗)デ!デカァーーー』

ユーイの瞳がバイエルンw

※バイエルンとは…粗挽きソーセージの商品名である。


慌てたユーイ。驚き脚を滑らせ天張りを破り転落!ドシャーン!
目の前に全裸のバーサーク。

カメラアングルはユーイの後頭部で隠されるw

ユーイの身体もシャワーにかかり濡れ濡れだ!

下着が透けてサービスショットw

バーサークの手首に手錠が掛けられている。
シャワーを浴びるこんな時ですら…である。

ユーイと目が合い、ハートマークのバーサーク。

尻もちついて、濡れたまま話しかけるユーイ。

ユーイ『イテテ…』

尻を摩り…気を取り直しキリッとした表情になるユーイ。
ユーイ『砂漠の傭兵王バーサーク・メ・ドゥサ…いえ…本当の名前は…アーサー・ペンドラゴン…貴方を迎えに来たわ!』

驚くバーサーク!
よもや10年振りにその名前を呼ばれた!

※以後バーサーク改めペンドラゴン。

ペンドラゴン『……なぜ…わたしの名を…』

動揺しながら問うペンドラゴン。
濡れ透けながら、しゃがみ見上げる姿のユーイ。
その上目遣いにエロスを感じてフル勃起のペンドラゴン!
さながら聖剣エクスカリバーw

ユーイの視界を遮りペンドラゴンの顔が見えない。

ユーイ『………』

ユーイは目の前に立ちはだかるソレを左手ではねのけ答える。

ユーイ『ちょ…これ邪魔…』

顔を赤らめ咳き込みながら立ち上がるユーイ。

ユーイ『とにかく……コホン(咳払い)…貴方には 使命があるの …いつまでもこんな所にいては駄目なの!』

と!
その時!

物音を聞きつけ2人のオクトパシーが駆けつけた!

組員A『何事だ!?』

ユーイ『くそ!』

マシンピストル発砲!

パフッ!

ユーイ『ゲ!ジャムっった?』

そう
濡れた弾丸…薬莢がシケては使い物にならない。

※ジャムとは渋滞を指す、いわば弾の詰まり。

すかさず全裸のまま1人に襲いかかるペンドラゴン!
手錠を首にかけ投げ飛ばし倒す!

たじろぐ残りの組員にも飛び膝蹴りの一撃のもとに鎮めた!
泡を吹く…。

ユーイ『あわわ…』

ユーイの瞳に再び躍動するバイエルンwブルンブルンw

モザイクはもちろん…聖剣エクスカリバーw

さらに2人の組員がなだれ込むが、結果は同じ…。

組員から鍵を奪うと手錠を外した。

その時

窓の外を逃げるように暴走するオクトパシーの護送車!

ペンドラゴン『あれは!見張り役のエンドス・ケンイッチ…アイツは臆病者故に毎回生き残る!さらにシツコイ!すぐに追っ手が来るぞ!』

ユーイ『いいからなんか履いて!』

突き出すエクスカリバーを両手でブロックするユーイ…革の手袋をしている。
※フィンガーレスのハーフタイプ。

脱出する二人!
※服も着ました。

途中拘束された青年と目が合う。

ジョシュ『ちょっと待って!助けてくれよぅ!!!』

立ち止まるユーイ。

注目したのは青年の方ではなく、テーブルに置かれた地図だ!

ユーイはおもむろに担いでいたバックパックから、布の生地に描かれた古い地図を取り出す!

大きな虫喰いだらけの地図の一部が故意にナイフで切り取られている…。

その地図の断片はピタリとはまる!

それは幻の黄金郷エルドラド!

本来ユーイは女冒険家。
最終目的はエルドラドの発見であった。

しかし莫大な冒険資金がかさむ為、腰掛けではあるが資金提供と引き換えに、零fighterにスカウトされ承諾したのだ。

大興奮のユーイ。

ユーイ『エルちゃんエルちゃんやっと出逢えた私のダーリン』

上機嫌のユーイ。
瞳がドル箱だ!もといダス箱。この世界の通貨の名称はダスです。
一同置いてけぼり…シラケモード。

拘束された2人を助け出すペンドラゴン。
ユーイに支える下僕だと自己紹介しながら…。

ペンドラゴンは壁にかけられたハルバードを取り、ショーケースに飾られた戦士の兜を硝子を割り取り出す。

そして装備した。

因みに大型剣グレートソードはコロッセオに保管されている。

※ハルバード:両手持ちの戦闘用斧。

ひとまず訳も解らずユーイを先頭に脱出に成功!

しかし!

隠して繋いで置いたユーイのラクダは殺され、A・J達のジープのタイヤはパンクさせられていた!

こずるいエンドス・ケンイッチ…侮るなかれ…。

諦めかけた、その時!

キャタピラーの暴走車が暗闇からハイビームで迫る!

ペンドラゴン『まさか!こんなにも早く追手が来るとは!』

身を潜め隠れる一同。

すると

暗くてわからなかったが宿舎の明かりに照らされモスグリーンの装甲車が横付けに止まる!

次の瞬間ユーイが飛び出した!

A・J『無理だ!相手は装甲車だぞ!』

しかしA・Jの心配を他所にハッチが開き、当たり前のように乗り込むユーイ。

ユーイ『皆!早く乗って!ペンドラゴン!早く!』

そう
モスグリーンの装甲車のボディーには大きく描かれた白字で"零"の文字と、鷹のエンブレム。

零fighter山鷹隊だ!

ここに数奇な運命によって導かれた仲間達の誕生である…。

しかし運転席には見知らぬ無言のフルフェイスの男…。

4人を乗せた装甲車は真夜中を進軍する!

いったい!?何処へ向かうのだろうか!?

フルフェイスの謎の男は何者なのかぁーーーー!!!?…つづく

___ジョシュ『………あれ?…デストロさん?』………つづく!

次回 【猫歩きの塔】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.54 )
日時: 2017/06/11 22:04
名前: ワタル (ID: jd737JEz)

【猫歩きの塔】

突如救出に現れたモスグリーンの零fighter装甲車。
操縦士は、謎のフルフェイス。

ユーイ『ヨシュア?じゃないわね、貴方!?誰!?』

フルフェイスの男『申し遅れました デストロッス』

ユーイ『え?』

戸惑うユーイ。
彼の名は、デストロイド・ゴールドだ!

3人掛けのベンチシートの運転席の助手席にカールグスタフ無反動砲。
天井は低く開閉式だ、いざとなれば身を乗り出し戦闘も可能だ。
フロントガラスは二層の防弾硝子。

それから、
かくかくしかじか。

実はデス・プリズンで解散した後、ヨシュアはグライダー修復の際、パーツの代用品を探す為、プリズン内を詮索。
結局、めぼしい物は見つからず大破したユーイのグライダーからパーツ取りして修復した。
その際に助けを求めるデストロと遭遇していた。

初めは無視したヨシュアだが。

デストロ『俺を雇わないか?俺はデストロイド・ゴールド。』
その名を聞いて態度を変えたヨシュアは、デストロに言う。
デス・タウンこと、バーボン・タウンに行き酒を買えと、カードを渡す。
しかしソレは表向きで、行けば零fighterのミッションが伝えられた。
ただし命の保証はない。
妙な真似はするな、消されるだけだとも付け加えられた。

ミッションを遂行すれば見合う報酬が頂ける。
行き場の無い札付きの者にとっては、素晴らしい稼業だ。

デストロ『ユーイ殿、貴女の事は存じあげております、今後お世話になります!』

ユーイ『あ……、はい!こちらこそ!……、ところで 、何処に向かってるの?』

デストロ『はい。猫歩きの塔。砂の嵐に囲まれ決してヘリなどでは近ずく事は不可能とされている砂塵の塔。猫の歩幅しかない螺旋状の外階段!いつしか人はこう呼ぶ!キャットウォーク・タワーと!』

ユーイ『いやいや言い方変えただけだしwてか誰?ナレーションの人?』

さながら台本でも読まされてるかの様なデストロの口調w
ナレーションの声の人とクリソツだ!一行は、猫歩きの塔を目指した。

……。


……。



一方……、
ポンティアック・ファイヤーバーグ軍曹との接触に成功したヨシュアは、
退路の地下トンネルを掘り、生き残る火の民全て避難させていた。
風の民はというと、
偽シルフィードとクトゥルフの奇襲により空挺団シェラザードは、ほぼ壊滅。
見かねたヨシュアはポンティアック等と共に再び戦場へ。
風の民と共闘し見事クトゥルフ撃破。

しかし戦いの最中、火の民の長ガンダルフと砂漠の警備団の1人フィールブルー・マイスター戦死。
風の民の間では聖騎士シルフィード乱心説が流された。
死人に口無し。
シルフィードは最期の一瞬まで正義を貫いた人生であった。
何はともあれ、二つの民に休戦協定が交わされた。
そして未来永劫……、生活圏を共にする事を誓った。




それから……。


___場面は切り替わり。

此処は、夜の山岳地帯。石造りの古びた洋館。
そこには見張りが2人。何者かが、その見張りの人物をスコープで狙う。

遠く離れた高台の岩場の影から、
サイレンサー付きのスナイパーライフルで狙撃!
※サイレンサーとは、銃に取り付ける消音器である。

暗殺!

1人倒れ。もう1人が銃を抜き警戒する!!が、撃たれ倒れる!!

『さすが、いい腕前だわ。』
『フフフ……、褒めても何も出ないわよ。』

スレンダーな、女スナイパー1人と、ナイトビジョンの双眼鏡を持つ、肉感ボディの小柄な女。
小高い丘の斜面を滑るように下り、館に潜入する2人の女ソルジャー。
タイトな黒いボディースーツに身を包み、黒い目出し帽を被っている。

女ソルジャー達は、忍び込み暗殺を企てる。
その内の1人は、この館の構造に詳しい様だ。
スレンダーな女が先頭を走る!
目的の部屋に来ると強行手段に出た!部屋を蹴破る!
そこには、
重厚なテーブルの椅子に腰掛け、反転しながらくつろぐ後ろ姿の男がいた。
一面ガラス張りの外を眺めているように見える。

デリンジャー将軍だ!

『よくも!今まで私達を騙してくれたわね!?』

怒るスレンダーな女。
しかし、
返事がない。
異変を感じた2人は顔を見合わせデリンジャー将軍を覗き込む。

死んでいる!!
手には超小型のリボルバーが握り締められコメカミを撃ち抜かれている。
デリンジャー将軍自殺!!
すると、
置物かと思われた汚れたフードローブが動き出す!
痩せ細り人とは思えないソレはスカルフェイスだ!

スカルフェイス『おや〜ん?マズイところ見られたかな〜ん?』

どうやら自殺に見せかけスカルフェイスに殺された様だ。

次の瞬間!

2人が銃を構えるより速く瞬間移動で背後に回り込むスカルフェイス!
4本の腕で2人を捕まえると感電させる!地味にスタンガンだ!
気を失う女ソルジャー達。
スカルフェイスは大きな翼を広げると窓を破り飛び立つ。
2人の女を両脇に抱え、狂気に満ちた顔で暗闇の中へと消えてゆく。



1時間後……。

ついにデリンジャー将軍のアジトを突き止めたサイバーポリス。
だが、一手遅れたか?時すでに遅し。
そこには糞にもならないオクトパシーの残党と、重大な秘密を握ったままこの世を去ったデリンジャー将軍の亡骸だけであった。

『一足遅かったか……。』

落ちたスタンガンを拾い上げ、呟くスタイル抜群の女、ランブル・フィッシュである。

ランブル・フィッシュ『スネーク!あんたがグラコロ買って行こうと言ったから余計なロスタイムになったじゃない!ここの処理はアンタのチームでやっときな!……いくよ!パワーストーム!』

スネーク『なにぃ!?自分もナゲット食べたい言うてたくせに…ブツブツ』

すでに白旗を挙げ降伏して、取り押さえられるオクトパシー。

ヨコタ隊員『おいお前ら!両手をあげて壁に並べ!……暴れても無駄だ!観念しろ!利口とは言えないぞ!』

タンク隊員『クンカ隊員!コッチも手錠を頼む!』

プロットマン『あらよっと!裏手に潜んでいた野郎も、取り押さえといたぜ!』

ランブル・フィッシュはオフロードタイプのサイドカーに乗り込み、
再びGPS検索でシューティング・スターのデータを入力する。

やはり夜の闇に阻まれサイバーポリスの衛星カメラも捉える事が困難な様だ。

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何度やっても同じだ。

ランブル・フィッシュ『ああ〜、今日はもうやーめた……。ここで1泊するぞ!スネーク隊は交代でマシンが盗難に合わないように2人体制で見張ること!
パワーストーム先に寝て、アタシはシャワーを浴びるから深夜に交代したら朝まで起きてなさい。』

パワーストーム『サーッ!イエッサー!』

パワーストームはかつて戦場で地雷にかかり下半身を失い身体の半分はアンドロイドだ。
サイバーポリスのラボで改造治療され無敵のソルジャーへと生まれ変わった。
本人の意思には反していたが、今となっては車椅子の生活などよりは偉く気に入ってる。

……それに脱着可能な股間のギミックも夫人を歓ばせるアイテムで多種多様だ。
例えば、
材質に最もこだわった触手型の……、おっとこれは少年少女の読者層を対象にした物語。これ以上は語れない!残念だ!無念であるぞぅ……。{ナレーション}

……。

ジョシュ『やっぱりデストロさんじゃないですか!?』

デストロ『無念だ……、非常に無念だ……、え!?あ!』
マイクにボソボソと呟く語り部w
オンエアーと書かれたスイッチを慌ててOFFにしたw

A・J『そう言えば、初期のジョシュも何処か見ながら独り言、喋っていたような?』
ユーイ『そんな事より、次週急展開!猫歩きの塔に辿りついてるんじゃない?』

A・J、ジョシュ、デストロ、ユーイ、カメラ目線。

ペンドラゴン『あの〜、私も仲間に入れてください。皆さんどこ見てんのよ?』

一向は、猫歩きの塔を目指した……つづく。

次回 【敵か?味方か?砂塵の塔の守り人ドンデリオン登場!】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.55 )
日時: 2017/06/11 20:58
名前: ワタル (ID: jd737JEz)

【敵か?味方か?砂塵の塔の守り人ドンデリオン登場!】

砂漠の果てに、まだ誰も見た事の無い楽園が存在する……。

誰もが皆……、行きたがるが……、遥かな世界……。

その国の名は……、エルドラド……。

何処かにあるユートピア……。

どうしたら行けるのだろう……?

教えて欲しい……。

in……、エルドラド……。

in……、エルドラド……。

……。

……。

砂漠の丘の磔(はりつけ)台に珍しく人影を発見した初老の小太りの男……。

『……あれは?……何か良からぬ胸騒ぎがする……。』

彼の名はドンデリオン……。
大きな目深に被るハット。白い髭を蓄えている。さながらサンタクロース。
出で立ちは紅白では無く、渋いカーキ色に身を包んでいる。


彼もまた、黄金郷エルドラドを求めた。

かれこれ人生の大半をこの広大な砂漠で過ごす事となる。

砂塵の塔の砂嵐の影響を受けない場所に住居を構える。

とはいえ、土を練り固めたドーム型住居ではあるが……。

それは、まるで砂塵の塔を監視するように建てられていた。

エルドラドの秘密は砂塵の塔こと、猫歩きの塔に秘密が隠されていると言う。


ダチョウの様な生き物チョコボックルに乗り、磔台を目指した。

ドンデリオンもチョコボックルも共にガスマスクをしている。

時折、不規則に発生する砂嵐の影響で窒息死するのを防ぐ為である。


やがて……、磔台に辿り着く。

人の様な物が2つ見える……。
背格好や髪型……、肉付きからして、おそらく女性であろうか……。

彼女達は、十字架に逆さ吊りに縛られていた。

本来、腕が縛りつけられるであろう場所に脚がひっかけられた状態だ。

両手は力なくぶら下がり、そのアクロバティックな格好は空中ブランコのショーを連想させた。

上空にはハゲタカの群れが旋回し、その肉を欲しさに、今か今か?と死を待ち望んでいるかのようにも見えてとれる……。

ドンデリオン「貴様等の餌には、させんぞ!!」

ドン!

ドン!

ドン!

ドン!

ドンデリオンは、マッチロックをぶっ放し目障りなハゲタカを一掃した。
※マッチロック(火縄銃)である。


磔台は9つ。

その2つに女が縛り付けてある。

1人は抵抗したのか?

争った形跡がある。
衣服は破られ傷だらけ、ほぼ全裸状態にされていた。

下腹部の体毛はイタズラに全て剃られ、褐色の身体に修正ペンの様な白い字で、卑猥でいて、尚且つ、お下劣な落書きがされていた。


ドンデリオン『酷い(むごい)事を……』

ドンデリオンは助け出すと、シュマグ(アラブストール)で褐色娘を包む。

すると……、

もう一人のスレンダーな女が意識を取り戻した。

『……みず……おみ……ず。』

ドンデリオンは慌てて介抱すると、水筒の水を差し与えた。

衰弱し、脱水状態の2人をチョコボックルに乗せ、手綱引き、徒歩で家路に向かう。
日も暮れかかる頃、ようやく帰還した。

帰宅後、直ぐに、内縁の妻ビアンカが介抱した。

手当てを受けるスレンダーな女は、多少元気になり、名前を名乗る。
彼女の名前は、シューティング・スター。

そして、
意識のない、褐色娘の方はリンクスと言う。

彼女は、見るからに疲れきっているため、経緯など詳しくは聞かない。

やがて、彼女は安心したのか、深い眠りについた。


しばらくして、
建物の外でドンデリオンが、その日の夕飯の為、畑で収穫していると、
遠方から爆発音が聞こえた!

ドーーーン!


それは、
ドンデリオンが、防犯用に仕掛けておく、幾つかのトラップ爆弾の一つだった!

ドンデリオン『む!侵入者か!?……ビアンカ!彼女達を頼む!』

窓越しに、見えるビアンカに向かって叫ぶドンデリオン。

ここいら辺りは岩場が多く、サンドワームが生息できる環境ではない。

ごく稀に巨大サソリが出現して、ドンデリオンの仕掛けた地雷の罠にかかる事もある。

だが、
最近ではそんな事もなく、地雷が発動するのは珍しい事であった。

それに、
何者かの仕業で、磔られていた彼女達、その加害者が、まだ、ここいらに滞在し、潜んでいる可能性も考えられる。

ドンデリオンは、外壁に立てかけた、マッチロックを手に取り担ぐ。
泥だらけの手を、ズボンで払い、再び革の手袋をする。
すぐさま、小走りで、
チョコボックルのいる柵に向かった。


握る手綱と被せられた鉄のメットに、チョコボックルも鳥科ながらに戦闘が始まる事を意識した。

ブルウウ!

首を縦に振り唾を飛ばす!

チョコボックルの威嚇の仕草だ!

メットの先端に尖る鉄の杭が光る。

ドンデリオン『ホッホッホ…頼もしい奴よ… サァッーーー!』

掛け声と共に砂漠を突き進むドンデリオン!

やがて、

地雷を喰らい立ち往生するモスグリーンの装甲車が姿を現せた!

ドンデリオン『ホウ……、なんという強度だ、だが、これには耐えられるかな?』

チョコボックルの胴体に無数にぶら下がる、
ガラス瓶を投げつける!


チュピドォォォォーーーーーン!!

眩いスパーク!

ゴーグルで眼を守るドンデリオンとチョコボックル…。

それは、火炎瓶を強力にした、自作ナパーム弾だ!

モスグリーンの装甲車が爆発と共に炎上!!

燃え上がる装甲車!!

果たしてA・Jやユーイ達の運命やいかに!?……つづく。






第2章 ザ・バトルライン 完。




次週 物語は第3章に突入する。

次回 第3章 【ナインソルジャー +1(プラスワン)】どうぞお楽しみにw








Re: 零fighter山鷹隊 ( No.56 )
日時: 2015/12/26 20:15
名前: ワタル (ID: r2O29254)

【ナインソルジャー +1(プラスワン)】

爆発!炎上する装甲車。

ドンデリオンはマッチロックを構え、注意深く後方に回り込む…。

すると、どうだ…後方部のハッチが開き、勢いよく飛び出すホバークラフト!

乗り込む5人の人影!

次の瞬間!

一斉射撃を喰らうドンデリオン!

ダン!ダン!ダン!

ババババババババ!

パスパスパス!

A・Jのストライクガン!
ユーイのマシンピストル!共に命中!

ジョシュのスコーピオンは外れた。

吹き飛ぶドンデリオン!チョコボックルから落下!…スローモーション。

ドサッ…。


デストロの運転するホバークラフトはドリフト走行しながら、砂埃をあげ猫歩きの塔の方角に向かう!


ドンデリオン『……ぐ…ぐふぅ』

生きていた!

弾は全て防弾チョッキにより防ぐ事が出来た。

しかし…倒れ動かない生き物。

ドンデリオン『チョコボックルーーーー!…………』

そう…チョコボックルはジョシュの撃ったスコーピオンの流れ弾に当たり死んだ…。

だが、チョコボックルは食用にも利用されるダチョウ科の家畜である。
ドンデリオンもまた、数十匹牧場に飼っていた。

因みに牛も3頭所有。

構える住居も湧き水の出る水源地付近に建てられている。

わざわざ土を運び畑も耕す。

自給自足だ。

ドンデリオンはチョコボックルを持ち帰り調理した。

スターと、意識を取り戻したリンクスに食事を振る舞う。

久しぶりの肉料理にビアンカも嬉しそうだ。
得意のポトフ風スープにも力が入る。
そして、稀に見ない客人に今日はご馳走だ。

たまにはワインでも呑むか?といったところか?


酒を酌み交わし、ドンデリオンは2人が自ら経緯を話し始めるまで多くは聞かない。

興味深々に2人の事を探るビアンカをさりげなく制し、他愛のない話題へと話を切り替える。

楽しい宴がしばし続き……
ドンデリオン『君達が何者かは知らないが…まずは信頼関係を築かねば…しばらくの間ゆっくりして行くといい…ビアンカ…ワシはもう寝るよ…』

そういうとドンデリオンは、お祈りをして寝床に就いた。

リンクスは食欲旺盛、出された料理を残さずにたいらげる。
すっかり元気になった。
相変わらずの回復力に驚くスター。

因みにリンクスの身体の落書きはビアンカが全て洗い流し消した。
スターはリンクスが辱めを受けたことを知らない。
幼い頃、母親を無くし、その温もりを知らないリンクス。
親子ほど年の離れたビアンカ。
その優しさに触れて、すっかり打ち解けていた。

しかしスターは、過去の経験からか?
疑い癖がついてしまい、なかなか心を開けないでいた。

そんな、
よそよそしい態度のスターを擽(くすぐ)り、戯(おど)けて見せるリンクス。

3人の笑い声が響く。

ビアンカもまた、戯れ合う2人を羨ましく思い、昔を思い出し微笑ましく笑った。

女性だけの宴は各々の恋愛話になると、大いに盛り上がる。
スターの過去の失敗談の暴露話や、ビアンカとドンデリオンの馴れ初めなど…
そしてリンクスが密かに恋心を抱いている人がいること。
これにはスターも驚いた。
リンクスは、2人の誘導尋問にも引っかからず頑なに口を割らなかった…。

結局、夜明けまで飲み明かし、朝早く目覚めたドンデリオンが片付けをすることになる…。

無防備に大きなソファーに寝転がるスターとリンクス。
スターを抱き枕代わりにして眠る。
寝巻き代わりのワンピースの裾が捲れ、太ももから大臀部が丸出しだ。
かなり発育が良く若干太めだw

リンクス『んん!?』寝言だ。

いや…ポッチャリ系だと訂正しておこう…。

椅子に腰掛けテーブルにもたれかかるビアンカ。
その、か細い背中にブランケットをかける心遣いをするドンデリオン…。

ふと、

窓の外に目を配ると…いつもの景色に異変を感じた!

それは普段なら、砂の嵐に包まれその姿も確認出来ない砂塵の塔!

その全貌が現れる!

ドンデリオン『おお!神よ!………これは奇跡か?幻か!?』

高鳴る鼓動を抑えつつ、眠るビアンカに置き手紙を書くと、マッチロックを手に取り牧場の方へと走る。
そして、体型からは想像出来ない素早い動作でダガーナイフを小脇に2本装備するとワイヤーガンを腰ベルトに下げた。

そして、
ドンデリオンは一番速く強いチョコボックルを探した!
そこに顔つきもイカツイ、一際大型のチョコボックルを連れ出す!
唯一名前の付けてある雄の"ジョー"に大きい水牛の角をモチーフにした鉄の角が2本ついたヘルメットと、特大サイズの鞍(くら)を取り付けた。

準備が整うと跨り、猫歩きの塔を目指す!


無風の塔…過去に一度だけ同じ事が起きた。

ソレはまだドンデリオンが若かりし頃…。

※当時ドンデリオン33歳。ビアンカ24歳。

9人の戦鬼と呼ばれた正義の戦闘集団、ナインソルジャーズが巷を賑わせた時代…。

その時も砂嵐は忽然と消えた…以来24年間、1度も塔の姿は確認出来ていない。

__当時…ビアンカと言えば一国の王女。
大富豪の伯爵と婚前パーティーの際に魔物に連れ去られ、砂塵の塔に幽閉されてしまう。
伯爵は多大な報酬を掲げ、ビアンカ救出に力を注いだ。
幾人もの、腕に自信のある勇者が塔に挑んだ。

しかし月日ばかりが過ぎ誰1人として戻って来るものは、いなかった…。

そんな中、1人ビアンカ救出に成功した者がいた。

そう…幼い頃からビアンカの付き人を任されていた近衛隊長こと…ドンデリオンだ。

実際にはドンデリオンだけではなく共に塔に挑んだ者達がいた。
彼らこそがナインソルジャーズ。
万年砂嵐の猫歩きの塔を無風状態にして見せた。

しかし、不思議な力を使う彼らは、その後、人々に悪魔の使いだと言いがかりをつけられた。
当時ナインソルジャーズは一人残らず磔(はりつけ)にされ…処刑された。

そんな中、あろうことか、ほぼ駆け落ち状態で失踪した2人。
ビアンカもまた、勇敢なドンデリオンに惚れ…恋に落ちた。

以後…無人の砂漠に湧き水を見つけ、たった2人だけで居住地を築いた…。


それから…

様々な言い伝えのある猫歩きの塔に興味を持ち、なかば研究者の様な生活を送る…。

やがて年月は過ぎ…
誰もがビアンカは既に亡き者と思い込んだ…。

2人は仲睦まじく幸せな日々を送る……。



そして…



再び…
今まさに…24年の歳月を経て…ナインソルジャーズの魂に導かれし勇士達…

9人の戦鬼が猫歩きの塔に集結する!!!…………つづく

次回 【死を招く螺旋階段】どうぞお楽しみに













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