コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.77 )
日時: 2016/03/28 21:47
名前: ワタル (ID: Pk4hF4gE)

【囚われたジョシュ】



ペンドラゴンが、クエストに向かい、約束の3日が過ぎた。

ヴァルキリー『やはり…無理であったか……奴には期待していたのだが……』

アテナの砦に、集結した部隊を、いつまでも燻らせていては、火のついた士気を、消沈させる様なもの……。
ヴァルキリーは、やむおえず進軍を開始した!

そして、
空には、24隻の飛空艇が飛ぶ。
一際デカイ空飛ぶ舩には、風の王国、最高司令官ジークフリートが指揮をとる。


最後尾を飛ぶ、飛空艇には、ヴィレッジ・ヘルムと、先の火と風の紛争で、一時消息不明であった老兵ライジング・サンの姿があった。

一方、
エルフの森で、囚われたジョシュは、檻に入れられたまま、薄れゆく意識の中、空を飛ぶ空挺団の進軍を目撃した。
ジョシュは、既に昏睡状態であった。

エムジェイは、エルフの王女[パトレシア]の、魅了(チャーム)の呪文で、既に下僕と化していた。ジョシュの見張り役を命じられる。


空挺団を眺める、戦士長グレイルランサー。

苦悶の表情で見守る。

グレイルランサー『……愚かな人間どもよ……悪魔を滅ぼす、その[力]もまた[破壊]である事に、どうして気付かぬのか?……お前達、人間は、いずれまた新たな邪悪を呼び起こす……あの時の様に……』


300歳を優に越える戦士長の瞳には、100年に一度起こる、魔界戦線を「またか?」と、いう表情で憂いだ……。




次回 【大戦争!デモンズ・ガーデン】

Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.78 )
日時: 2016/04/10 14:10
名前: ワタル (ID: MrY5jOgD)

【大戦争!デモンズガーデン】

____かくして、


ヴァルキリー率いる軍隊は、〈悪魔の庭〉と呼ばれる、牙城の入り口に辿り着いた。

迎え討つ魔軍は、暗黒騎士カムラン率いる魔物達。


カムランの腰から下は無数の触手だ!

まるで大蛸の様だった。

ヴァルキリー軍およそ、800。空挺団24隻。

対する魔軍およそ、3000。
空には、ワイバーン200匹が埋め尽くす。

上空では、砲撃と、ワイバーンの吐く、炎の息吹で、紅く染まる。


空を埋め尽くす灼熱の業火が、

この世の終わりか?はたまた地獄絵図に見えた……。



ヴァルキリー軍は、その悪魔の庭で、全方向から包囲されていた。


アテナ率いる、ガーディアンズは、突破口を開くべく前衛に出た!

アテナ『ヴァルキリー!ここは我らに任せて先に行け!』

ヴァルキリー『よし!ナインソルジャーズよ、私に続け!……しかしアテナ…貴殿にカムランが倒せるか?命を粗末にするでない!』


アテナは、ただ微笑んだ。

その横顔は、死を覚悟した者の表情に思えた……。



アテナは、聖騎士を率いて、暗黒騎士カムランに闘いを挑んだ!


闘いの場が、そこに集中して、敵も味方もそちらに向かう。


僅かに、手薄になり、道が開けた!


ヴァルキリー『アテナ……死ぬ気だ……ナインソルジャーズよ!行くぞ!アテナの勇気ある行動を、無駄にするでない!!』


ヴァルキリー率いる精鋭部隊は、アテナの行動により、牙城の門に潜入する事に成功した……。



門をくぐると、地中より無数の、骸骨剣士が現れ行く手を阻む。


此処まで、来れば何が現れても驚きはしない……。

リンクス『ここはウチが、引き受ける!皆!先に行って!』

リンクスがマジックブーメランを放つと、何処から来たのか大型の、はぐれ狼が姿を現し加勢する。

スター『ここは、あの娘1人で十分の様ね……リンクス!無茶しないで!生きて帰るわよ!』


リンクス『もち!スターも気をつけて!』


スター『ええ…わかったわ!』



ヴァルキリー達は、先へ進むと牙城へ向かう一本道を進んだ。

※一本道とは、万里の長城の様な場所。


行く手を遮る、守衛の様にして建てられた神殿が立ち塞がる。



ヴァルキリー『待て!誰かいる!』

立ち塞がる四人の黒い影。


ミフネ『あれは!?光世!……それとあの刀?九字切刀?リオか?……小夜もいる……あと一人あのメタボは一体何者だ!?』

ヨシュア『ジライヤだ!』

ユーイ『ちょっと!雰囲気、可笑しくない?……敵になっちゃったって事?』


ヨシュア『……その様だ……認めたくは無いものだ……』


思ったのも束の間、

ブラック光世と、

ブラック小夜が、ミフネに襲いかかる!

やむなく刀を抜き、守りに徹するミフネ!手を出せない!


ブラックジライヤが、ヨシュアに襲いかかる!

さらに、
ブラックリオがユーイに襲いかかった!


ユーイ『ウソでしょ!?リオちゃんなの?……』


光世だけは、黒いハットを目深に被り、ベネチアンマスクで、顔の半分を隠す。
黒いマントをなびかせ、二刀流だ。

残る三人は、全て揃いの妖艶な鉄仮面を、被る。


ガンドラゴン『あれは!?ギルの仕業だ!奴の術を解くにはギルを倒さねばならない!奴は近くにいる!』


ヴァルキリー『その様だな…行くぞ!ドラゴンタトゥー!此処はミフネ達に凌いでもらうしかない!』


神殿内部は、広く殺風景だ。

中央に噴水の付いた、大浴場があり、筋肉質の裸のグラマラスな女性がいた。
その背景に建てられた、不気味な大きな阿修羅観音像。

そして、その女性は、
凍るような視線で、こちらに気づき睨みを効かせる。

恐らく奴が、魔界の四騎士、1番の強者、

パペットマスター・ギルである!


漆黒のローブを纏い、大鎌を手にした。

ガンドラゴンを指差し、指をクイクイと動かし挑発する。


ガンドラゴンは、マジックウィップを、しならせ弾き、挑発に乗った。

ヴァルキリー『私もいく……舐めおって……』


しかし、
その行く手を拒む様に、オブジェと思われていた、巨大な阿修羅観音像が、生命を宿しヴァルキリーに襲いかかる!

ヴァルキリー『く!なんだコイツは!?生き物か!?』

ヴァルキリーが不意をつかれ、攻撃を喰らう!驚くA・Jとスター!

しかし素早く攻撃に転じる!

神殿の奥から外へと、
ガンドラゴンをおびき出すギル。

黒いマントを羽ばたかせ、宙に舞う……

胸元をはだけさせ、太腿を露わに不敵に笑う。

ガンドラゴンと、ギルの一騎討ち!


それぞれ、闘いの火蓋が、切って落とされた……。



一方、カムランの触手に苦しめられるアテナ達。

既にアテナは、戦意喪失……。


しかし、その時!

天翔ける天馬に乗りし、勇者の姿!

ペンドラゴンだ!
その背後にしがみつくジョシュの姿!


さらに後方より援軍が、攻め込む!


エルフ軍隊およそ500名参戦!!

戦士長グレイルランサーの登場!

脇を固めるのはホークアイと、イーグルアイ。



数で勝る魔軍を、奇襲攻撃で討ち滅ぼす!!



つづく。


次回【散りゆく運命(さだめ)】






Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.79 )
日時: 2016/04/23 08:22
名前: ワタル (ID: qbtrVkiA)



【散りゆく運命(さだめ)】


まさか、
人間嫌いで有名なエルフ族の勇者、グレイルランサーが加勢するなどとは、思いもよらぬであろう……。

デモンズガーデンは、広大な〈すり鉢状〉になっており、なだらかな傾斜が中央に向かうバトルフィールドだ。

そのど真ん中に、まるでアリ地獄の様に君臨する、暗黒騎士カムラン。

グレイルランサー率いるエルフ軍は、その、すり鉢の外側から攻撃を仕掛ける。
決して、カムランの狩猟場には入らない。

エルフ族の大半は、サモナー(召喚術師)である。

高等精霊の〈ジン〉を筆頭に〈シルフ〉達が魔物の数を確実に減らしていく。

角笛を吹き、仲間を呼び続けるダークフェアリーの存在に気づいた、
ハーフエルフのエムジェイは、〈ウィル・オー・ウイスプ〉を召喚。
ダークフェアリーを仕留め、葬り去った。
増え続ける魔物の援軍が、止まった!



魔軍は、アテナの軍隊を囲み手中に収めたつもりでいたが、さらに周りをエルフ軍に囲う様に強襲され、ジリジリとその数を減らしていく。


既に、戦場は死体の山。

カムランと、ペンドラゴンの一騎討ちだ!

ペガサスは、再び、主である〈魔法剣士ホークアイ〉の元へと戻った。



空から降りかかる火の粉。

隕石の様に燃えながら、堕ちてくるワイバーンの屍。

そして、墜落する空挺機。よもや上空には三機の空挺機しか残っていない。
その一つは、大型の駆逐艦ジークフリート機だ。
後方には、老兵ライジングサンと、ヴィレッジヘルムの乗る老舗空挺機。
型は古いが、良好だ。

しかし、内部では様子がおかしい。
死体が転がる。
そこにヴィレッジヘルムの姿もあった。

そして、メイン砲撃台に乗り照準を合わせる者がいた。
その者は、あろうことか?ジークフリート艦を狙い撃つ!

それは、老兵ライジングサン。
かつては、その名を轟かせた強者。
しかし、若くしてその地位を確立した、ジークフリートに嫉妬していたのだ。

砲撃を受け、虚しく墜落するジークフリート艦。

しかし、すぐに爆発を起こすライジングサンの乗る機体。

ライジングサンの暴走を止めるべく、ヴィレッジヘルムの死に際の抵抗であった。
新型機には、廃止されていたが、型落ちのこの機体は、自爆装置が搭載されていた。
それは、敵に迎撃された際に、設計を敵に盗まれるのを防ぐ為に、備えつけられていたものだった。

墜落するジークフリート艦……。

ジョシュの目の前に絶望の光景が映る。

そこには……、

沈むジークフリート艦を背景に、暗黒騎士カムランの持つ魔剣。

ソウルブレイカーに串刺しにされたペンドラゴンの姿。

発狂するジョシュ。

その叫び声は、届かない……。

心臓を一突きにされたペンドラゴン……即死。

ペンドラゴン『かはッ!!』

血ヘド吐き、力無く投げ落とされた。


ドクン!!


時が止まった…。


ジョシュの脳裏に走馬灯の様に、思い出が流れた。


ノイズが走る。


何かが、囁いた。


それは、リオや苺果と同じ〈鬼神〉の囁き。


その絶望と怒りの感情を好む、怒りの精霊ヒューリーがこの地に彷徨っていたのだ。
これだけのサモナーが、集まれば無理も無い。

招かれざる客を招いていた……。

ヒューリーのいる場所で、行ってはいけない3つの約束がある。
1.極度に悲しんではいけない。
2.極度に怒りを露わにしてはいけない。
3.極度に心の底から何かを怨んではいけない。


ジョシュは、今、その全てが合致してしまった。


ジョシュ『……ウィリリリリリィ!!!!』

奇妙な声を発するジョシュ!カムランに飛びかかる!

エクスカリバーを手にしたジョシュの、まるで鬼神の動き。


カムランは触手で猛攻撃するが、ジョシュに擦り傷おわせる事もなく、一刀両断の元に消滅した。


ジョシュ『ウィリリリリリーー!!!!』

天高く剣をふりかざすジョシュ。


その異様な姿を目撃したグレイルランサーが叫んだ!

グレイルランサー『あれは?ヒューリー!まさか!なぜ奴が宿った!?皆の者!退けーーーー!!!!』

ホークアイとイーグルアイも、ヒューリーの君臨に慌てる。

ジョシュの勝利を讃える様に近づくエムジェイ。

イーグルアイ『ダメよ!逃げなさい!』

その声に振り向いたエムジェイに斬りかかるジョシュ。

地面に突き刺さるエクスカリバーによって地割れが起こる。


グレイルランサー『全軍撤収セヨ!……よもや、奴の後には何も残らぬであろう……』





そして、

骸骨剣士に思いの他、手こずったリンクス。

大型の狼を手懐け、跨り、先を急いだ。


そこで、信じがたい光景を目にする……。

最初に視界に入ってきたのは、そり立つ壁にめり込んだメタボ体型の忍者風の死体?と、崩れた瓦礫の下敷きとなり、意識のないヨシュア。


それから、少し進むとユーイの物と思しき拳銃が、二挺転がる…。


割れた仮面から覗く、可愛いらしい少女が眠る様に死んでいる……。
額には銃弾の撃ち込まれた痕……。
顔は綺麗でまるでまだ生きているようだ。

しかし、それは確実に死んでいた。

そこに、ユーイの姿はない……。

目の前に大きな神殿がある……。

リンクス『……いったい……何があったというの?……他の皆は?……スター!ガンドラゴン!……』

その時、背後から上空より何者かが舞い降りた……。


黒いマントを羽ばたかせ着地……。


リンクス『良かった!ガンドラゴン!無事だったのね!?』

それは、ガンドラゴンではない……。

恐ろしく冷たい視線の悪魔……。

パペットマスターギルの姿であった!!!!

驚いたリンクスの跨る狼が、自己防衛の為にギルに飛びかかる!
リンクスは、振り落とされた後に制するが、狼は言うことを聞く間も無くギルに牙を剥いた!

しかし、

そのギルの持つ鋭い鎌で、一払いにされ、悲鳴をあげる間も無く絶命する。



うろたえるリンクス。

怖いもの知らずのリンクスであったが、その迫力に恐怖する。


ギルは、まるで網に捉えた獲物を見るような眼でリンクスを見下ろしていた……。

ギル『……安心なさい……すぐに、お仲間にあわせてあげますよ……オホホホホ』


つづく。


次回 【遅れてきた戦士達】どうぞお楽しみに



Re: 零fighter山鷹隊[参照1500超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.80 )
日時: 2016/06/22 02:19
名前: ワタル (ID: DgEDzvxC)


【遅れて来た戦士達】

ギルの大鎌が天高く上げられる……。

そこには絶望を受け入れ、死を覚悟したリンクスの姿……。

大鎌が振り落とされた!!

ブワッ!!!



ガシィイイイン!!!


ギル「なにぃ!?」


地面に突き刺さる大鎌。

リンクスは何者かに救われた。

シューウウウウ……。


砂埃の中、パワードスーツに身を包んだ長身のファイター。
気絶したリンクスを抱き抱える。

パワーストーム登場!!

次の瞬間!

激しい銃撃がギルを捉えた!

油断したギルは全てを避けきれず被弾した!

直後鉄の塊と化した、一輪バイクがギルを襲う!!

吹き飛び壁にめり込んだ!!

神殿前の一本道は、両サイドを5M程のそり立つ壁になっている、厚みも1M近くある。

辺りにギルの血痕が飛び散っている。

これまで擦り傷、一つ無いギルであったが、意外にもあっけない結末であった。

一輪バイクから、降りた小柄の女。

はちきれそうなボンテージスーツに、そのグラマラスなボディが収まりきれていない。

そう…その女の名前は、ランブルフィッシュだ!

余裕の表情で髪をかきあげ、ギルを見下ろし神殿の内部へと歩き出す。

直後、
一足遅れて駆けつける、黒ずくめの特殊部隊!

スネーク隊だ!

その中でも凄腕のプロットマンが、息を吹き返したギルの異変に気付き叫ぶ!

プロットマン「大変だぁ!奴はまだ生きているぞぉぉぉ!!」

その声に振り返るランブルフィッシュ。

ギルは襲いかかり、その漆黒のマントにランブルフィッシュを包み込んだ!!

ランブルフィッシュ「!?……しまっ!!!」
※「しまった」と言いきる前に捉われてます。



一方、
神殿内部では陥没した大きな穴の下で、激しい闘いが繰り広げられていた。

巨大な穴は深い。

途中、植物と思わしき根っこに、ぶら下がり気を失うユーイの姿が見える。

しばらくしてもう一人。気絶したスターの姿。

そして、さらに下に向かうと
二つの屍が転がる……ブラック光世とブラック小夜だ。

しかし、様子がおかしい。
それは良く出来た人形。

そう……ギルは彼女達の洗脳に成功してはいなかった。

それらは皆、ギルによって精巧に作られたパペットであった。

それを証拠に植物の檻に磔にされた、リオ、ジライヤ、光世、小夜の姿が見える。

そこでは、劣勢の阿修羅観音に留めの一撃を見舞うA・Jがいた!

不死身と思われた阿修羅観音のヘソに脈打つ、微かな鼓動のような動きを見せる、石の存在に気づき撃ち抜き滅ぼしたのだ。

A・Jの研ぎ澄まされた、その直感力に、自信家のヴァルキリーもまた、一目置くことになる……。

短期決戦を得意とする抜刀術のミフネは、長期戦が苦手である。

既に胡座をかき戦線離脱していた。
とはいえ、ミフネは体力を温存して、次の闘いに備える用意周到な一面を持ち合わせている。

よもや勝敗はヴァルキリーとA・Jに託されていたのだ。




それから、デモンズガーデンの戦況というと……、
そこには生存者は無く……。

エルフ軍は、おろか、怒りの精霊に支配された青年ジョシュの姿も無かった。

その何も残らない荒れ果てた地に、ようやく到着したドンデリオンとゾーンの姿があった……つづく。


次回【魔城の闘い】どうぞお楽しみに!


Re: 零fighter山鷹隊[参照1500超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.81 )
日時: 2016/07/02 16:13
名前: ワタル (ID: joMfcOas)



【魔城の闘い】


不死身の完全体阿修羅観音を、見事仕留めたA・J。
阿修羅観音は灰色の塊となり、原型を留めることなく崩れた。

しかし、勝利したA・Jもまた、
〈猫歩きの塔〉で負傷した左脚の腿の傷が痛み、
思うように動けない……。




ヴァルキリー「アシュレイ・ジョーレブン!……
貴殿は、此処まで良い功績を残した……、
後世に語り継がれようぞ!!
……だが、その身体ではこれ以上闘えまい…ミフネ、お前もな……
これより先は、私一人で行く!」


ヴァルキリーは、激しい攻防戦で落としていた、総督風のハットを斜めに被り直すと、
一人魔城へと続くであろう横穴から、登り坂の通路を見つけ、ゆっくりと歩き始めた。


しなやかな灰色の髪をなびかせ、スタイルの良いモンローウォークの後ろ姿が遠ざかる……。


ミフネ「フーッ……舐めやがって……」

身体に着いた埃を払い、大股で立ち上がるミフネ。

グーーと伸びをする。

ミフネは、横たわるA・Jを横目で見ながら磔になったジライヤを救出した。

シュピン!

ドサ!

身体を拘束していた茨(いばら)を刀で斬るミフネ。
自由になり倒れ落ちるジライヤを反射的に避けてしまった。

少し焦るミフネだが、ジライヤは丈夫な身体の為、ダメージは軽そうだ。

そのすぐ脇にジライヤの可笑しな、お面がある。
それを素顔を晒したままのジライヤに被せる。

ジライヤ「……う、ううう…」

続けて、リオ、光世、小夜を救出した。

こちらは優しく抱き抱え一人づつ丁寧に寝かせ介抱した。

陥没した穴の下から上を見上げるミフネ。

ミフネ「ジライヤ…ヨシュアに先に行くと伝えてくれ……」

ジライヤ「…う、ううう…あうあう……」


ミフネ「ジライヤ……寝ぼけているのか?
無理もない……重労働だったからな…

A・J少し休んだら追いついて来いよ……
なにせ、お前がこの物語の主人公なんだからよぉ!」


A・Jは倒れたまま、無言ではあるが、その右手の拳は、天高く高らかに挙げられ、親指がしっかりと立てられていた。


ニヤリとミフネは、不敵な笑みを浮かべたかと思うと走り、ヴァルキリーの後を追う。

その走るミフネの草履の音を、背後に聞き、呟くヴァルキリー。

ヴァルキリー「おや?……この足音?ミフネか?……フフッ足手纏いになってくれるなよ……」

その言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうに微笑むヴァルキリーであった。


ミフネ「待て待て待てーい」

タッタッタッタ!



その頃、
VSギル戦。

捕まったランブルフィッシュは、首すじをギルに噛まれ、力無くグッタリする。そのまま、ポッカリ空いた穴へと放り投げられた!

ジェットブースターを背中に搭載したパワーストームが、救出の為、ランブルフィッシュの落ちた穴に向かい飛び込んだ!

強敵を前に、うろたえるスネーク隊。

ネイビーブルーのコスチュームに身を包んだ暴れん坊のプロットマンも、ギルの凍る様な視線を前に一歩も動けず、なす術もない。

スネーク隊は、ギルを取り囲み完全に包囲をしてはいるが、銃を持つ手が震え、発砲する事すら出来ずにいた。

ギルは、嘲笑い、邪魔な狂犬リンクスを始末しようと試みた。

再び振り上げられた大鎌。

スネーク「プロットマン!撃て!どうした!?お前らしくもない!」

プロットマン「スネーク隊長!身体が!身体が痺れて!引き金が弾けませんんんん!!!」

スネーク「何ぃぃ!?お前もかッ!?」

そう、そこにいる者、全てが既にギルの術〈フィアー〉によって動きを封じられていたのだ!

※ギルの術の一つ〈フィアー〉恐怖で動きを封じる。


その時!

二人の会話のやり取りの最中に、悲痛の叫び声が上がる!!

絶望の表情に変わるプロットマンとスネーク!
血しぶきが近くにいたプロットマンの顔にかかる!

しかし!

二人が眼にしたのはギルの豊満な左乳房から突き出す両刃の剣。

ジャマダハル!

別名ブンディ・ダガー!

ギル「……かはッ……ば、馬鹿な……き、貴様は……ぁ、あの……忍者マスター・ヨシュアか?……ゲフォッ!!」

そして、先程の悲鳴は、リンクスから発せられたモノでは無くギルの叫び声。

ヨシュア「へッ……俺の名前を知っていたかい?……だが、ツメが甘いな!ギルさんよぅ!」


ドス!!

さらに突き刺すヨシュア!!

ギル「………」




忍者マスター・ヨシュア、暗殺を最も得意とする。
零fighter山鷹隊のリーダーでもある。


………つづく。




ゾーン「………え?え?終わり?……ええー!?また、出番こないっすね……俺たち……」


ドンデリオン「……ゲゲンゲンゲン!ゲンゲゲン……ゲゲンゲンゲン!ゲンゲゲン……」
※このドンデリオンの動きの詳細が知りたい方は、
〈ルシファー吉岡-げんこつ山のタヌキさん〉でyoutube検索w

ゾーン「ちょ……妙な動きで、チョコボックルにエサやってるよ……このオッサン……」汗


つづく!


次回 【モンスターパニック!!it's show time!】どうぞお楽しみにw


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