コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 零fighter山鷹隊 【完結】
- 日時: 2018/12/11 03:01
- 名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)
零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。
歴史の背景にその影ありき……。
悪あるところにその影ありき……。
事件あらばその影ありき……。
果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。
____プロローグ
……とある満月の晩の事。
【デス・プリズン】
耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。
スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』
2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。
侍風の傷だらけの男『……。』
その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ
全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。
謎の長身の男『フハハハハハハ』
《ガシャン》
鉄の"分厚い扉"が閉められる。
《ガチャ》
錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?
……やがて誰の気配も感じなくなった。
まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。
ミフネ(このまま安住も悪くない)
ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。
____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。
全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。
ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)
ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。
しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!
すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。
今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。
ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)
小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?
そして!!!
夜月に浮かぶ !!!
<3つの影>!!!!
その正体とは!?
……つづく。
主題歌
[Alexandros ]Droshky
ending
[Alexandros ]Adventure
挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w
戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)
以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル
次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw
全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』
《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3
【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11
デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19
はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22
モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28
人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
アタッカー・ジョー完 >>35
【第2章 ザ・バトルライン】
パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40
パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
【第3章 ナインソルジャーズ】
猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62
魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70
【最終章 ファイナル・クロニクル】
死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91
魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)
最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111
新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ
newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful
※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。
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- Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.72 )
- 日時: 2016/03/09 18:31
- 名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)
【死霊の街の闘い……裏切りのジョニー】
ドンデリオンと、ゾーンは朽ち果てた街に迷い込む……。
ドンデリオン『むむ?どうやら先程の霧で道を間違えたようじゃな……』
ゾーン『そのようですね……おや?人がいる!』
ゾーンはチョコボックル(ジョー(2人乗り)から飛び降りた。
ドンデリオン『ん?』
髪の長い女性が、屈み、何かを探してる様に見えた。
ゾーン『あの?お嬢さん!こんな廃墟で何をしてるんですか?……』
しかし様子が変だ!
※心臓の弱い方はチャンネル替えてねw
人肉を喰らっている!
喰われていたのは、アテナの兵士だ!
ゾーン『うわーーーー!!』
驚き尻餅をつく、ゾーン。
ゾンビだ!
しかも素早い!
振り向くなり襲って来た!
ゾーンは、マッチロックのレバーをコッキングして撃つ動作に入るが、間に合わない!
殺られる!!!!
ドス!
ゾンビの額に投げナイフが刺さる!
一瞬ゾンビは首だけ仰け反り、動きが止まる!
素早くマッチロックの引き金を引き撃つ!!
ドッコーーン!!
ゾンビの腹にバスケットボール程の穴が開く!
後ろの景色が見えた。
そのままゾンビは折り畳まれる様に地面に崩れ落ちた!
倒れたままのゾーンの腹に、ネックレスが落ちる。
円形の掌サイズの鏡が、付いていた。
ゾンビの女性の生前のものであろうか?
その割には汚れも無く、真新しい。
ドンデリオン『少年!何をしている!早くここから出るぞ!』
ゾンビの額に刺さったナイフを抜き、付いた汚れをマントの裾で拭き取りながら言った。
するとチョコボックルのジョーが、暴れ興奮し始める!
ブシュル!
ブシュル!
ドンデリオン『どうした!?ジョー!?』
ゾーン『囲まれた!』
ドンデリオン『なんじゃと!?』
辺りには、いつの間にか?ゾンビの群れがいた!
一斉に襲い来る!
こいつらは、走る!飛び跳ねる!素早い!
ドンデリオンは火炎放射器の出力を上げ、焼き払う!
絨毯(じゅうたん)攻撃だ!
広範囲に焼き尽くす!
対照的にゾーンは確実にゾンビの頭を狙い、的確に仕留める!
しかし、ゾーンの使用するマッチロックは、火力はあるが、一度毎に弾を2発しか込められず、手間がかかる為、少々間に合わない!
慌てるゾーンの前に群がるゾンビ!
慌てて弾を装填するが、手間取り弾を地面に落とす!
ゾーン『しまった!くそ!ここまでか!!』
迫り来るゾンビ!
ドンデリオンは、目の前のゾンビを焼き払うだけでも、手一杯であった!
ゾーンは迫り来るゾンビにソードオフショットガンをブチかます!
ドン!
ドン!
吹き飛ぶゾンビ!
だが!連続して撃てるのは、これもまた2発!
ゾンビの数はそれを、遥かに上回る!
ゾーン『くそ!キリがない!』
襲い来るゾンビに圧倒され目を瞑るゾーン。
次の瞬間!
連続した銃声が聞こえた!!
ゾンビを一層した!
目を開けたゾーンの、ネックレスに付いた鏡から腕が生えていた!
リボルバーの早撃ちだ!
リロードも早い!
※リロード:弾の装填。
腕の生えた、ネックレスは右に左に暴れ!迫り来るゾンビを全て駆逐した!!
つづく。
次回 【死霊戦線】どうぞお楽しみにw
- Re: 零!挿絵もご覧下さい] ( No.73 )
- 日時: 2016/03/05 09:01
- 名前: ききあじみ (ID: /dOKRqFx)
たいやきの中身はカスタ−ドですね
ふと横を見ると明菜が座っていた
なんだこいつは
「カスタ−ド!!!カッスタ−ドッ!!!」
…うるさい
いったいたい焼きのあんこの何が気に入らないのか
こいつは餡を捨て自分のバッグから大量のカスタ−ドクリ−ムを手で掴み鯛の表面に塗りたくっている
「か!か!かすたー!カッスタ− アド♪」
なんか歌い始めた なんだこいつは
「カスタ−ドおいすぃぃダヴィンチ!!」
だまれ そしてレオナルドダヴィンチさんに謝れ
「んん??な-におくってルノワ−ル??」
?
- Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.74 )
- 日時: 2016/03/09 20:41
- 名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)
【死霊戦線】
ゾンビが巣食う、死の街。
火炎放射器とリボルバーの銃声が響き渡る。
ボフッポフ……
火炎放射器のバーナーが鎮火した。
ドンデリオン『こりゃいかん……』
呟き、火炎放射器を投げ捨てる。腰ベルトから、2本のダガーを抜いた。
残りのゾンビの首を跳ねるドンデリオン。
ゾーンはまるで、人が変わった様に二挺のリボルバーを器用に使い、ゾンビの群れを一掃した。さらに、手こずるドンデリオンに向かって援護射撃。
ゾンビに迫られ、その毒牙を、拒んでいたドンデリオンに、救いの銃弾が撃ち込まれた!
最後の一匹を仕留めた!
ひとまず、この辺りからは、ゾンビの気配が消えた。
ゾーン『久しぶりだな!ライオン!随分と老けたじゃねぇか!?』
その少年は、何者かが取り憑き乗り移ったようだった。
声も明らかに別の者の様であった。
よもや姿形は、ゾーンであって、その魂はゾーンでは無い……。
ドンデリオン『その声は……キッド……なのか?』
ビリー・ザ・キッド……初代ナインソルジャーの1人だ。
疾風(はやて)のキッド!
しかし、磔にされた上に、公開処刑された筈であった……。
キッド『おいおい……まるで死人を見るような顔はよしてくれよ……あれ?俺は死人だっけか?アッハッハー』
ヘラヘラと笑うゾーン。いやキッドと言うべきか?
キッドはクルクルと、リボルバーを廻してみせる。
水平から逆回転。指で弾き空中に放り、指先でノックして空中で反転させたかと思うと、手に取り撃つ。
ズドン!
この芸当、このさばき、紛れもなくキッドだ。
キッドの手の内で再び踊るリボルバー。
旅芸人の一座の見せる技の如く、見る者を惹き付ける。
キッドはドンデリオンを、昔の呼び名である[ライオン]と呼ぶ。
2人は無情にも再会を喜び合う間も無く、お互いの置かれている立場が、敵対していることである事に気付かされた。
睨み合う2人……。
ドンデリオン『……戦うしか選択の余儀は無いのか!?』
キッド『そういうことだ……あの世で仲間が待ってるぜ!ライオン!……俺は死にたくても死ねないからな……こうして成仏できず永遠と彷徨っていかなきゃならねぇ……だが……ガンドラゴンと言う男を始末すれば俺の記憶は残ったまま生まれ変わることが出来るんだ!』
ドンデリオン『バカげた事を……キッド!お前は騙され利用されているだけだ……』
キッド『騙されてるか知らんが俺の選ぶ道は!そこしかねぇんだよ!』
ズドン!
ドンデリオンの腹に命中。しかし防弾チョッキで守られていた。
ドンデリオン『キッド……貴様にはワシが撃てんようだな……』
そう……キッドもまた、ドンデリオンが防弾チョッキを装備する"癖"を知っていた。風呂に入る時以外は、ソレを身につけて離さない。眠る時でさえだ。
ドンデリオン『貴様の腕ならワシの鼻の頭に撃ち込むのも容易い筈であろう……』
キッド『フン!お前とて俺は撃てんだろう!?この身体は俺の物では無いからな……』
ジャリッ
その時、
第三者の気配に気付き、2人が振り返ると、新たに無数のゾンビ達が街の入り口から、集まって来ていた!
ドンデリオン『これは否が応でも街の中に進まねばならんな……』
キッド『これだから脳味噌のねぇ輩は苦手だ……俺にしてみりゃ魔界とはホームの筈だがな……どうだい?ライオン!決着は後日…邪魔の入らぬ場所での決闘(デュエル)といこうじゃないか?』
ドンデリオン『良かろう……さあ乗れ!』
チョコボックルに乗って、呼びかけた。
キッド『よし!一時休戦成立!だな!』
ドンデリオンは、ゾーンに憑依したキッドの手を取り引き上げると、死霊の街へ逃げ込んだ……。
ドンデリオンの目に礼拝堂が飛び込んでくる。
構わず進もうとするドンデリオンに、キッドが呼びかける。
キッド『曲がれ!ライオン!中に入れ!この先は罠だ!』
ドンデリオン『何!?……ドーーーーー!』
急ブレーキの掛け声をかけ、方向を変える。
礼拝堂に入り、鍵を掛け、椅子やテーブルでバリケードをして、身を潜めた。
キッド『ライオン!奴らをやり過ごし 来た道を戻り街の外へ出よう!』
ドンデリオン『ウム……』
(しばらく息を殺しておけ……ゾンビは声や、音に反応する)とキッドは、囁き教えてくれた。
ゾンビはいなくなったのか?どうやら襲っては来ない。
チョコボックルのジョーは安心している様子だ……丸くなり眠ったようだ……。
ドンデリオンも、ウトウトとしていた……。
すると、突然キッドが騒ぎ始めた!
『うわーーー!来るな!やめろ!来るなーー!』
その音に反応して、礼拝堂の周りにゾンビの群れが押し寄せる!
壁やドアを叩く音が押し寄せた!
慌てて、チョコボックルのジョーは目を覚ました。
ドンデリオンも驚き、取り乱すキッドを抑えた!
ドンデリオン『キッド!どうした!?キッド?……ゾーンか?ゾーンだな?』
ゾーン『ゾンビが!ゾンビの群れが!うわーーーーー!!!!』
幻覚を見ているらしい……。
意識を取り戻したゾーン。その表情にキッドの影は無い……。
だが……この状況下で、キッド不在は、吉と出るか?凶と出るか……?
つづく。
次回 【死霊の街のロシアンゲーム】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.75 )
- 日時: 2016/03/11 23:22
- 名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)
【死霊の街のロシアンゲーム】
ドンデリオン達が逃げ込んだ礼拝堂は、既にゾンビの群れに囲まれていた。
ゾーンの首から下げられたネックレスの鏡の中には、キッド(鏡のジョニー)の姿は無い。
ドンデリオンは、そのネックレスを掴み、引きちぎり鏡を割ろうという衝動にかられた。
しかし、躊躇(ためら)いその手を離す。
ドンデリオン『行くぞ!』
ゾーン『ああ……俺は今まで一体?』
ドンデリオン『詳しい話は後じゃ!早くここから出るぞ!』
チョコボックルに乗り込み出口を探す。
裏口が二つある。
ドンデリオン『右か?左か?』
ゾーン『待て!どちらもNOだ!』
ドンデリオン『なんじゃと?』
ゾーン『何処かに地下トンネルがあるはずだ!そこから街の外に出られるはずだ!』
ドンデリオン『なんじゃと?何故そんなことがわかるんじゃ?』
ゾーン『……不思議な事に……俺はこの街を知っている……夢に見たことがあるんだ!』
ドンデリオンとゾーンは、辺りを探索すると教壇の下に確かにあった!
地下トンネルを発見した………かろうじてチョコボックルも入れる広さだ。
ドンデリオン『なんと?こんな事が起こり得るのか?』
(この少年がいなければ、今頃ワシは己の過信から、ゾンビの巣食う街の外に真っ向から挑み、身を滅ぼしていたかもしれない……)
その頃……。
ヴァルキリーの用意した、クエストに向かったペンドラゴン。
ジョシュとアテナの騎士が4名同行していた。
つづく
次回 【聖剣エクスカリバー】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.76 )
- 日時: 2016/03/23 17:17
- 名前: ワタル (ID: BuoUCzPG)
【聖剣エクスカリバー】
〈エルフの森〉
朝霧(あさぎり)の露(つゆ)が降りる深き森。
光の射す筈のない魔界に、その広大な森だけに光が潤う。
その光は、魔物の浸入を遮(さえぎ)る。
その森は、エルフ族の高等魔法〈光の結界〉に、護られていた。
悪しき心を持つ者は、審判にかけられる。
ペンドラゴンとジョシュは、何事もなく通過。
しかし、エルフの森に足を踏み入れるや否や、アテナの戦士が1人、眩いスパークに包まれ絶命した!
結界は、僅かに芽生えた邪悪な心をも挫(くじ)く。
故に、欲深く野心家の者は、立ち入る事すら、ままならない。
死んだ戦士の名前は、エネゴリス。
元は一個師団の隊長だった。
しかし、部下達の中で彼を支持する者はいない。
腕は立つが、情に薄く、部下の言葉も受け入れず、事なかれ主義者であった。
ペンドラゴンと、ジョシュもここへ来るまでの間、彼の横柄な態度に呆れ果て、皆、無口になっていた。
エネゴリス……安らかに眠れ……。
エルフの森に、埋葬され、安っぽい簡易的な墓を建てる。
とはいえ、土を掘る道具も無く。
ペンドラゴン達は、辺りに生い茂る美しい草木を、剣で狩り、
それらを大量に集めた。
魔界にはこんな美しい草木は存在しない。
ここだけは、異空間。
まさに聖地と呼ぶに値する…。
その中に、エネゴリスの亡骸を葬った。
祈るペンドラゴン達。
しかし、この何気ない行動がエルフの逆鱗に触れる事となる。
森は、エルフにとって命そのもの、その広大な大地は父であり、美しい色とりどりの草木は母である。
それを汚す者には、容赦のない制裁が加えられる。
すぐに異変が起きた……。
木の精霊達が眼を覚ます……。
森が風も無いのに、ザワつき始める……。
ジョシュや、ペンドラゴン達には、只の森のざわめき程度にしか聞こえない。
そのざわめきは、知る者だけに、理解出来る精霊界の言語。
アテナの戦士の1人。精霊使いのエムジェイが突然叫びだした!
『ジュテーム!ジュテーム!』
彼はエルフ語を喋り、精霊と会話が出来る。アテナ軍、唯一の戦士だ。
ハーフエルフの弓矢の達人だ。
※ハーフエルフ:人間とエルフの交配により誕生した種族。知性が非常に高いが、人間より非力。
どうやら精霊達は、侵入者の警告を呼びかけたらしい。
エムジェイは、それに対して〈ジュテーム(エルフ語):敵では無いという旨(友好的を示す挨拶)〉と連呼したらしい。(※設定ですw)
すぐさま、森の番人〈風のシルフ〉が現れ攻撃してきた!
半透明の精霊は見えない刃で、ペンドラゴン達を斬り付け翻弄する。
ジョシュは、レーザーライフルでシルフを撃った!
『やめろ!精霊に危害を加えるな!彼等が来る!』
エムジェイは、叫んだ。
しかし、ジョシュの放ったレーザーは、シルフの身体を突き抜けた。
物理的な武器では、精霊を傷つける事は不可能だ。
ただし、各地に点在する〈マジックウエポン・シリーズ〉と呼ばれる武器ならば、それは可能だ。
マジックウエポンを所有する者が此処にいたならば、精霊達も戦いは挑まない。
エムジェイの心配をよそに、彼等は来た!
天より、舞い降りる天駆ける天馬〈ペガサス〉に乗るエルフの姉妹。
マジックナイト・ホークアイ。
セイントアーチャー・イーグルアイ。
そして荷馬車を駆る。エルフの戦士長グレイルランサー。
彼の荷馬車には、大きな檻が積まれている!
彼等は、ペンドラゴン達を〈敵〉とみなし攻撃に転じる!
怒りに我を忘れている!
イーグルアイの連続して放つ、弓矢の連撃に倒れるアテナの戦士コロッカス。
反撃する間も無く絶命した!
そして、
投げトマホーク使いで、サバイブに長けた身軽な戦士パーリナイト。
血気盛んにフェイントを使いながら、エルフの戦士長グレイルランサーに挑むが、分が悪すぎる。
彼と互角に争えるのは、暗黒騎士カムランか、女将校ヴァルキリーくらいの者であろう。
※サバイブ:サバイバル生活。
グレイルランサーは、パーリナイトの投げトマホークの攻撃を、眼を閉じながら余裕で交わすと、手に持つ重そうなランスを軽々と投げた!
まさかその大型の槍状のランスが、そのか細く華奢(きゃしゃ)なエルフの身体から投げられるモノとは、思いも寄らないパーリナイト。
逃げる動作が少し遅れた!
一突きのもとパーリナイトは絶命した。
相手の呼吸が動いたら交わす。強い者が生きる理由がそれだ。
目でとらえた情報から、動きに転じるようでは、この魔界では、生き残れはしない……。
……そのランスもまた、マジックウエポン。
アルミのように軽い。
しかし強度はダイヤモンド以上だ。
諸説によると、どこかの星の隕石で、神々の手で造られたと聞く。
やがて、
空中を飛び回るシルフに、取り押えられるジョシュと、エムジェイ。
ジタバタと二人は、苦しそうにもがく。
口を塞がれ息が出来ない!
実体のない、シルフの手を振り払おうとも、宙を掴むばかりだ。
グレイルランサーの乗る荷馬車に積まれた檻の中に、上から放り込まれ、蓋が閉じられた!!
残るは、たった1人だけ。
伝説の勇者の末裔!
ペンドラゴン!
散りゆく仲間に、怒りの反撃を開始する!
死線ディープブルー発動!
視界にペガサスを駆るホークアイを捉えた!
ペンドラゴンの青い瞳が、さらに深い蒼に変わる……。
ホークアイは、その蒼い瞳を見るなり、ドキ!として身体の自由を奪われた!
『か!身体が!熱い!……ぐ!苦しい……身体が勝手に……!?』
『!?姉様?……何を?……うぶ!(赤面)』
ホークアイは、背後に乗るイーグルアイに、振り向くと、抱きつき落馬!
イーグルアイも突然の事に驚き、身体の自由を奪われ、理由もわからず一緒に転落した!
そのまま、ペガサスは、主に主従する飼い馬の様に、ペンドラゴンのもとへと引き寄せられた。
ペンドラゴンは心の中で囁いた!
ダンソン!……トゥーザキーー!((古
ペガサスの首をガッツリと捉えると、即座に跨り空を駆け巡る!
結界付近まで上昇して、口惜しがるエルフ達を他所に、その場を飛び去っていく……。
『私は必ず助けに戻る!!今は耐えろ!耐え凌いでくれーーー!!』
絶望して檻から手を伸ばす、ジョシュとエムジェイに、後ろ髪を引かれながらも上昇していく……。
やがて……
天駆けるペンドラゴンの視界の先に、扁(ひら)たい岩山が見えた。
その山は青々と聳(そび)え立つ、頂上付近には、眩い光が放たれていた……。
『もしや……あれが……聖剣……エクスカリバー!!!!』
つづく
次回 【囚われたジョシュ】どうぞお楽しみにw
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