コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.32 )
日時: 2015/10/03 18:30
名前: ワタル (ID: uFFylp.1)

【ナイトウォリアーズ】


バリー『マービンが!?…ウルフマンに殺られた!?』

M16自動小銃をタスキ掛けに装備したバリーが、動揺しながら答える。

ジープのライトをハイビームにして走る。

前方に鉄柵に囲まれた墓場の入り口が見えてきた。

誰かいる!

アフガンだ!

合流した。

エンジンをかけたまま、降りるバリー。

ライトに照らされたアフガンは言う。

アフガン『ちょうどいい時に来たゼィ バリー!この鉄柵の鍵はないか?ウルフマンは飛び越えてあの小屋に隠れたゼィ!』

鉄柵の高さは4M弱、先端はトガっている格子状だ。

流石のアフガンも乗り越えるのを断念していた。

しかしアフガンは、夜目が効くらしく遠くに見える管理小屋が見えるらしい。

バリー達には到底ぼやけて見えない。しかし管理小屋がある事は知っている為、雰囲気で距離感は掴める。

バリー『まっていろ!今開ける!』

そう言うと、ベルトに付けていたジャラジャラと鍵の沢山ついた物を取り出す。

しかし

なかなか適した鍵が見当たらない。

バリー『クソ!どれだ!?トップソンどれか解るか!?』

トップソン『あ ああ 多分………これか?これ?じゃないかな?』

まごつく2人の横で怪力のラン・ボウは鉄柵に手を掛けると剛力でへし曲げ開いた!!
ガキン!!
※まごつく。とは、モタモタする。の意味である。

アフガン『ヒューゥ… 兄(あん)ちゃんやるねェ〜…行くゼィ!』

バリー『嘘だろ?なんてパワーだ…』

戸惑うバリーを他所に先に進むアフガン。

ソレに続くラン・ボウは銃を持たず丸腰だ。

バリー『おい 丸腰で来たのか!?』小声でラン・ボウに詰め寄るバリー。

ラン・ボウ『オラは 銃の使い方わからねぇだだ…オラにはコレがあるだだ』

そう言うと、ラン・ボウは小振りで投げ斧用のトマホークを懐から取り出して見せた。

毛皮のベストの内側に隠すように装備していた。

ガチャ
トップソン『やっと開いた…アレ?みんな待ってくれよー!』

わざわざ鍵の開いた扉から進入するソバカス顔のトップソンであった。

ジープのライトの及ばぬところまで来ると、バリー達の動きが鈍る。

アフガンだけは、変わらぬ動きだ。

バリー『ここでは夜目の効くアフガンに頼るしかないな…』

アフガンは管理小屋の裏手から攻めるようだ!

大きく迂回し始める。

バリー『トップソン アフガンが裏手に回る 我々はサイドから取り囲むとしよう!』

トップソン『オッケー!バリー!』

そう言うとバリーはトップソンとは反対側の茂みに走った!
ラン・ボウも途中までバリーに続くと小屋に近い大木に身を潜めた。

トップソンは一人で心細くなり、持っていたショットガンを握りしめ何度も弾を込め忘れていないか確認した。

バリーは勝手に阿吽の呼吸で動くものだと思い込みアフガンの出方を待った。

トップソンもまた、バリーから何らかの合図があるに違いないと思い込み、身を潜めながらバリーから見える位置で待機した。

アフガンはと言うと、AK47の新しいマガジンをリロードして様子を伺っていた。

裏口に銃口を構えるアフガン。

アフガン『さあ ででこい!蜂の巣にしてやるゼィ』

※蜂の巣にしてやる…何処かで聞いたような台詞である。狩猟民族の口癖だろうか…?


アフガンもまた、バリーの出方を待っていた。


包囲網は迅速に、ただし配置に着いてからは焦りは禁物。

タイミングが大事だ。

犠牲を最小限に抑えるも失敗に終わるのも、チームワークにかかっていた。


すると

戦略などには、無頓着のラン・ボウが何を思ったかズカズカと小屋に近づいていく!

大胆不敵に!!

バリー『とまれ!ラン・ボウ!アフガンの出方を待て!』

ラン・ボウ『オラが仕留めてみせるだだ! 白兵戦なら無敗だだ!』

手斧を手玉に取ると2度3度素振りをしてみせる。
ビュンビュンと
空(くう)を切り裂き
いいコンビネーションだ。
狭い小屋での接近戦ならラン・ボウに勝機があるはずだ。
スピードはウルフマンの方が遥かに上だが、おそらくパワーはラン・ボウの方が勝るであろう。
1度捕まえてしまえば、ご覧の通りの剛力でねじ伏せてしまう事に違いない…。

2M近いラン・ボウの後ろ姿は暗闇で見ると、まるでこちらの方がモンスターに見える。
ウルフマンのサイズは170センチ程だ。
見た目で言えば、ラン・ボウの方が化け物だ!

トップソン『凄い自信だ…オレもあんな風に恵まれた身体と剛力なら同じ行動をとるかもしれない…誰だって活躍したいさ…』

トップソンはショットガンを窓ガラスに向けて構える。

ウルフマンの姿は見えてはいないが、トップソンに出来ることはそれくらいの事でしかない。

バリーは茂みに隠れつつ、援護射撃の為ドアをブチ破ろうとラン・ボウの後方に周ろうとした。

しかし、

そのバリーの行動を待たずして、ラン・ボウは小屋に向かい急に全速力で走り出した!!

ラン・ボウ『ぐぉぉぉぉぉぉ!』

走るラン・ボウ!

バリー『あの怪力馬鹿!おい!ラン・ボウ!早まるな!』

ラン・ボウ!怒りのタックル!

木製のドアを体当たりで破る!

ラン・ボウが飛び込んだ!!

次の瞬間!

小屋が大爆破!!!!

ドッゴーーーーン!!

伏せるバリー!

粉塵の中、裏口からウルフマンが逃げ出す!

アフガンは見逃さなかった!

爆発はラン・ボウが突入した方角に強く飛散した!

ババババババババ

AK47の銃撃を浴びせるアフガン!

ウルフマンの血痕が飛び散る!

アフガン『しぶてぇ野郎だゼィ!』

夜目の効くアフガンはウルフマンを見失わない様に追った!

バリー『くっ!耳がジンジンする!』

頭を揺さぶり耳を抑えるバリー。

トップソン『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!』

爆発で腰を抜かしたトップソンの手元に黒焦げになったラン・ボウの生首が、飛んで来た。

くすぶり炎上する管理小屋。

バリー『なんてこった!!!』

バリーは腰を抜かしたトップソンを抱えあげると、ショットガンを拾いジープに戻る。

トップソン『ラン・ボウが殺られた!ラン・ボウが殺られた!』

バリー『しっかりしろ!トップソン!』

取り乱すトップソンを揺さぶるバリー。

バリー『クソッ!アフガンがいない!夜目が効くアフガンだけが頼りだというのに!』

トップソン『次はアフガンだ… マービンもラン・ボウも殺られた!みんな助からない!へへへへ!』w


バリー『黙れトップソン!』

パシン!

立て続けに仲間が殺される様を目撃したトップソンは、軽い錯乱状態に陥っていた。

バリーの平手打ちで正気を取り戻した。


エンジンがかかったままのジープに乗り込みウルフマンを探す。

バリー『おそらくコッチの方角だ!まだそんなに遠くへは行ってないはずだ!』


その頃

ジョシュとハシームは、夜戦仕様の装備に身を包み、暗闇の中をまるで昼間のように走り抜けていた!

ジョシュ『ははは こいつは凄いや!昼間よりよく見える!』

ヘルメットに搭載されたナイトビジョン(スコープ)から見える視界は良好だ!

ハシーム『たしかに最高ですね〜ジョシュさ〜ん しかしこのタクティカルスーツ サイズがキツくないですか〜?身体にフィットして〜まるでガ◯ツコスみたいに〜』

ジョシュ『そういやパツくね?これなんて肝心の胸の辺りくり抜かれて解放してあるし…まあこのショルダーアーマー的な物が胸の保護の役目かな?』

無理も無い。
何故ならその装備は、シューティング・スターとリンクスの私物であるのだから…。

つまりサイズはレディース。
装備出来たというのも小柄のジョシュと、きゃしゃなハシームならではである。

故に装備する際、お互い手助けし合ってどうにか着用した。
ナイトウォーリアーの装備を発見したのはハシームである。

ジョシュ『いっけね!』

急に立ち止まるジョシュ。

ハシーム『ど〜しました〜?』

ジョシュはアンリミテッドリボルバーを手に取り、弾が無いと嘆いた。
取りに戻るには、聞き分けのないマービンが還してくれる訳がない。
むしろマービンの事だからせっかくの銃を取り上げて自分が使うに決まっていると、いじける。

ハシーム『もしかしてだけど〜ぅ…これのことですか〜?』

ジョシュ『それだ!ハシーム!銀の弾丸!』

受け取り弾を込めシリンダーを回し、構えるジョシュ。

ジョシュ達は、バリー率いる討伐隊がすでにウルフマンの惨劇に苦しめられていることなど知らない。

その時、爆発は起こった。

墓場の方角に黒煙が上がる!ナイトビジョンにハッキリと見えた!………つづく

次回 【罠師 ドミニク】どうぞお楽しみにw




Re: 零fighter山鷹隊 ( No.33 )
日時: 2015/10/03 02:00
名前: ワタル (ID: uFFylp.1)

【罠師 ドミニク】


ジョシュ『爆発だ!煙が上がっている!』

ハシーム『いってみましょう!ジョシュさん!』

ハシームは走った!

ジョシュ『待ってよ!ハシーム!』


黒煙の上がる方へと向かった。


しばらく進むと、赤い煉瓦造りの、立派な建物が見えてきた。

悲鳴が聞こえた!!!

窓ガラスが破られている!

悲鳴はこの中からだった!


ハシーム『ジョシュさーん! 今の悲鳴聞きましたか!?』

ジョシュ『聞こえたさ!行くぞ!ハシーム!』

二人は割れた窓から建物内部に潜入した!

中には遺体が一つ転がっていた。

召し使い風の中年の女性の遺体だ…。

肩を、ひと噛みにされて死んでいる…。

ハシーム『ひぃぃぃぃ …ジョシュさーん ウルフマンの仕業でしょうか?』

ジョシュ『だな…酷いことしやがる』

すると

ドドドドォー!

と勢いよく水の流れる様な音が二階の方から聞こえてくる。

ジョシュ『なんか聞こえる!ドドドって…』

ハシーム『これは?まさしく水の音ではないでしょうか?』

ジョシュ『…行ってみよう!』

ジョシュを先頭に二階へ駆け上がり、音のする方へ向かう。

バスルームだ!

バスタブに水を貯める訳でもなく、蛇口が全開にされ水が流されている。

バスタブに栓はされていない。

ジョシュ『音の正体はこれだ!ハシーム!』

ジョシュは蛇口を閉め振り返るが、そこにハシームの姿はない…。

ジョシュ『ハシーム?さっきまで一緒だったのに!?いない!?』

ジョシュは急に不安にかられた!

アンリミテッドリボルバーを構える。

身体の震えが止まらない。

実際いつもならジョシュはサポート役で、常に頼れる者が決まって側にいた。

だが今はどうだ。

頼りないハシームと、己自身のみだ。

しかしそのハシームもいなくなってしまった。

これは罠だ!

最初から水の音で注意を引き、無防備の背中から襲ってきたのだ!

後ろを走るハシームが狙われた!

その事に気付いたときは既に遅し。

その時、

表の方に何かを探し廻るようにハイビームで巡回する。バリーとトップソンの乗るジープが見えた。

窓を開け叫ぶジョシュ。

ジョシュ『バリー!ここだ!!ウルフマンはここだよー!!!』

しかし

窓ガラスは覗き防止の目隠し(ガラリ)が取り付けてあり、バリー達は気付かずに通り過ぎていく。

ジョシュ『ここだってばー!!』

ガンガン!

ガラリを叩くジョシュ。

その行動も虚しく
バリー達は行ってしまった。


ジョシュは意を決して、姿を見せない戦慄のウルフマンに果敢にも闘いを挑んだ…。

今までにないという程の緊張が走る…。

とにかくバリー達と合流しなくては…。

ジョシュは、これ程までに出口へ続く廊下や階段の道のりが長く感じるものだとは思いもよらなかった。

途中、背中から襲われたであろうハシームの屍が見えたが、恐怖で生死を確認する事も出来ずにいた。

ジョシュは、とにかく外へ出るまでウルフマンに出くわさない様にと祈りながらも、ウルフマンを銀の弾丸で仕留めなければ、という矛盾した気持ちで揺れ動いていた。

ようやく

表に出る。

あたりは静まりかえっている。

ジョシュ『やっと出れた!…おや?誰か遠くに見えるぞ!』

それはアフガンであった。

心強い気持ちになり走り近づくジョシュ。

直後、ジョシュは固まった。


アフガンの身体は不自然に折れ曲がり死んでいる。

ジョシュ『おい…嘘だろ…嘘だと言ってくれ!アフガン!』

ジョシュはアフガンとの出会いのシーンを思い出していた。

あの時、リンゴを投げつけてきたアフガン。
正直取れないと思いながら、手を出したら偶然掴んでいた。

まさかこんな結末を招くことになろうとは…夢にも思っても見なかった。


後ずさるジョシュ…。
ジョシュはレンジャー基地に向かう。

暗闇をナイトスコープで走るジョシュ。
目の前にレンジャー基地が見えた。

灯りがついていた。

ジョシュ『ふーっ 良かった!灯りがついている!誰かいるかも知れない!』

ようやく安堵のため息をつくジョシュ。

しかし

おもむろに背後から妙な気配を感じ振り返る…。

それは!

あろうことか!

戦慄の!

ウルフマンだ!!!

ジョシュは驚きアンリミテッドリボルバーを撃った!

カチッ

弾が出ない!

カチッ

カチッ

弾が出ない!

カチッ

ジョシュ『なんでだよ!』


そう

まるでロシアンルーレットのように…。


ジョシュはハシームから銀の弾丸を受け取った際にシリンダーを回していた。

くしくもそれは不幸を招いた。

偶然にも6発目に銀の弾丸の入った状態でシリンダーの回転はセットされ止まっていた。

最初から5発まではカラのシリンダーである。
ジョシュ『なんなんだよ!!!』
カチッ

バチンッ!!
ジョシュ『ぎゃあああああ!!』

ウルフマンの牙がジョシュを襲う!

ジョシュは耳を噛み切られた!

実際はかすっただけだが、ジョシュは耳を噛み切られる感覚と共に気絶した!

ウルフマンの攻撃は浅かった!

そう

ウルフマンが牙を剥いた瞬間、人間の姿に戻ったからである。

満月は再び、雲に閉ざされたのだ!

故に耳に噛み付いたのは、人間の姿になったドミニクである!

1番驚いたのはドミニクである。
まさか
このタイミングで月が隠れるとは思いもよらない。
ジョシュは自分は喰われたと思い気絶して倒れる。

ドミニクはジョシュの手に握られた、胸糞悪いアンリミテッドリボルバーを蹴飛ばすと、カトレア診療所に向かって走る。

軽い怪我の割に派手に血を流し倒れるジョシュ。

まるで殺人現場の様だ…。

そして

バリーとトップソンの乗るジープもまたハイビームのついたままエンストしている…。

二人共、既にウルフマンに襲われていた。
トップソンのショットガンはへし折られている。

そう

ジョシュが警戒しながら、長い廊下を渡り、長い階段を降りて脱出していた頃には、既にウルフマンは建物の中におらず、バリーとトップソンを襲っていたのだ!

そして
アフガンはそれより早く、
墓場の爆発の直後、ウルフマンの罠にかかり殺されたのだ…。


___カトレア診療所

ふと、ソファーに寝ていたジャンが目を覚まし外に出る。

おもむろに立ち小便だ。

すると

ヨタヨタと歩いてくる人影が!

ジャン『ん!?誰だ!?』

ドミニク『助けてくれ …ジャン…』

ジャン『ドミニクさん!酷い怪我だ!』

ドミニクはパンツ一丁で現れた。

ジャン『それに 服はどうしたんですか?』

ドミニクはエメラルドグリーンのブリーフ姿だ!


その様子を二階の窓から偶然、目撃するカトレア。

カトレアもまた胸騒ぎと共に目が覚めていた。

何故なら

ゾーンの荷物の中に、銀のダガーが3本挿さったガーターベルトが、見つかったからだ。

カトレアはゾーンからウルフマンは銀の武器でしか傷つける事が出来ないという話を聞いていた。

そのガーターベルトには、メアリーと名前が刻まれていた。

カトレアはあまり深く考えず、ゾーンを信じてそれを身につけることにした。

通常であれば、自分以外の女性の名前が彫られたガーターベルトなど、喧嘩の原因となるはずであるが…。

カトレアは、ナイトウェアを脱ぎ捨て、胸を強固に守る革のチェストを身につけると、メアリーのガーターベルトを装着してロングスカートを穿いた。
そして赤い口紅を塗り、入り口に向かう。

すると

ジャンがドミニクを連れて入ってきた。

ジャン『ドミニクさん 歩けますか?足元に気をつけて…』

カトレア『…ジャン…あなた…何をしているの?』

ジャン『あれ?起きてたんですか?…ちょうど良かった カトレアさん…ドミニクさんが…』

カトレア『ジャン…離れなさい…』


ジャン『…え?』


カトレアの緊迫した表情に振り返るジャン。


雲に覆われていた満月が再び姿を現わす。

すると
みるみる身体中から毛が生えて獣の姿に変わる。

ウルフマンはジャンを建物の中に弾き飛ばすとカトレアに飛びかかり外に連れ出す!
鬱蒼と生える茂みの中にカトレアの髪の毛を掴み、ズルズルと引きづり込んだ!

カトレアは一瞬の出来事になすすべも無く声も出せず押し倒される。
馬乗りになり覆い被さるウルフマン!
真っ暗な闇の中、獣の臭いが充満する。
虫の鳴き声しか聞こえない中、カトレアは理性を失い崩壊してゆく……つづく

次回 【撃ち抜かれし銀の弾丸】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.34 )
日時: 2015/10/12 18:19
名前: ワタル (ID: 6PL6dW6J)

【撃ち抜かれし銀の弾丸】

再びウルフマンと姿を変えたドミニク!


カトレアの抵抗も虚しく、銀のダガーは弾き叩かれ、カトレア診療所の玄関部分のウッドデッキにソレは刺さる。

カトレアもまた…ウルフマンの手に堕ちた…。

哀しい事だが、カトレアは特別な訓練をうけている兵士でもない。

ごく一般的な…か弱き女性だった。


まさに絶望…。


ジャンは銃を構えたまま気絶している。
あの一瞬で発砲をしようとしたのだ。
指はトリガーにかけられている。
スリングベルトをタスキ掛けに装備したサブマシンガン"MAC10"。
女子供でも、その気になれば容易に扱えるコンパクトなサイズのマシンガンだ。

一発も撃った形跡はない…。

薄暗灯りの中…。


おもむろに…。


何者かが"MAC10"を拾い上げる…。

『これじゃ撃てない……』

廊下の暗闇から現れた。

浮かぶ見覚えのあるシルエット…。

『安全スイッチが入ったままだ…』

ジャキッ

『ジャン…しかし良い反射神経だ…その意思…しかと受け継いだ…』

歩き、月明かりに照らし出された…。


その姿!A・J!


すると


聞き覚えのある若い女の声がA・Jを呼び止める。


スター『A・J!!…そんなボロボロの身体で…1人で行く気?』

リンクス『ウチらも行くっしょw…人狼を甘く見てると痛い目みるわよんw』

我ながら格好つける登場に"照れ笑い"しながら狭い廊下で鎖鎌の分銅を振り回すリンクス。

A・Jの瞳に輝きの兆しが映る!

と!

次の瞬間!

開け放たれていた廊下の窓から、慌ただしい勢いで何者かが飛びかかる!

ソレは窓際にいたスターに覆い被さる様になだれ込んできた!

まるでスローモーション!
戦慄が走る!!!

すかさず鎖鎌の分銅をその侵入者の首に絡ませるリンクス!

A・Jは一瞬、怯んだがすぐに銃を構える!

が、トリガーに添えた指を離し発砲を留まった!

何故ならその侵入者は、肩を負傷して血塗れになったマービンであった!

マービン『ぐぐぐ オレだ ………ぐるじぃ(苦しい)…ひんぐす(リンクス)…』

しかし"力"を弱めないリンクス。

リンクス『どさくさに紛れて どこ触ってんだよ!この豚が!』

マービンの右手はしっかりとスターの形の良いDカップをワシ掴みにしていた。

スターはマービンに押し倒され、顔を赤らめている。

マービン『ぐぐぐ…まっ…て…こ…これだ これだ』

苦しそうに腹部のベルトに差したリボルバーを取り出そうとするマービン。

後ろに構えるリンクスには、マービンが股間を露出しようとしてるようにしか見えない。

リンクス『さっさと寝ろ!!』

グイッ

マービン『グエ!』

バタッ


マービンは、まるで蟹の様に泡を吹いて気絶した。

リンクス『この筋肉馬鹿の変態が!…しばらくそこで昇天してろ!』

リンクスにはスターが襲われたようにしか思えなかった。

実際マービンは1度、玄関の方から現れ、わざわざスターの寄りかかる窓際から侵入した。
半分脅かすつもりの御茶目なマービンの行動も、リンクスには通じない。

A・J『…こわ』

リンクスの様な狂暴の娘とだけは"結婚しない事にしよう"そう心に誓うA・Jであった。

リンクス『スター しっかり…たてる?』

スター『…ええ…ありがとうリンクス…』

(でも…やりすぎじゃない?)

そう心の中で呟くスターであった。

リンクスは、A・JのMAC10をするりと流れる様に肩から外し奪い取ると、脚をかけ転ばした!

リンクス『悪いけど !そこで大人しく彼らの 面倒見てて!』

そういうと奪ったMAC10をスターに投げ渡すリンクス。

リンクス『スター!走るよ!』

スター『オッケー!リンクス!一気に片付けるわよ!!』

二人は意気揚々と飛び出した!

A・J『イッテテ …クソ』

痛みをこらえながらマービンの持つアンリミテッド・リボルバーを手に取る。
不安げに中身を確認するA・J。

銀の弾丸は全弾込められていた。
リボルバー式の弾丸は薬莢がシリンダーに残るが、弾は一発も使っておらず、全て未使用であった。
A・J『ジョシュの奴 一発も撃ってないのか!?』

正直A・Jは、残りの弾数が一発も残っていないのではないか不安であった。

しかし
銀の弾丸は全て込められ、ジョシュに渡した時の状態でA・Jの元に戻ってきた。

ふと

A・Jに遠い過去の記憶が蘇る。

一片の台詞を思い出した…。

___いいかA・J…お前が銃を選ぶんじゃない…銃がお前を選んだのだ………主が変われば…時に鼻も曲げる……たかが銃とて…魂が宿る事もある……大事に扱え…。

ソレはA・Jの愛用ショットガン通称"マスターキー"の最初の持ち主の言葉だった。
彼はA・Jの恩師。
人喰いグリズリー"レッドヘル"との死闘の際にその命を絶たれた…。

A・J『もうこれ以上…無駄な血は流させない』

アンリミテッド・リボルバーのシリンダーを祈りを込め回した!


ジャーーーーー!

シリンダーは激しく回転する!上方に弧を描き振りかざす…。

そして
満月を狙いソレを構える!
キィィィンン!!

耳に心地良い金属音が静寂の中、鳴り響く。

A・J『ここで すべてを終わらせる!待っていろ!ウルフマン!!』

A・Jは今までの身体の痛みが嘘のように消えさった。

走るA・J!

身体が自然と反応する!

一瞬視界に入った光る物…ウッドデッキに刺さる銀のダガー。
認識せずとも走り様に抜きとった!

手に取り感触と目視でソレが銀のダガーである事に気付く。

そう

戦闘モードのA・Jは意識は後からついてくる。

身体が先に瞬時に判能するのだ!

完全に思考を越えた感覚の世界である!

鬱蒼と茂る木々のなかを突き進むA・J。

何かを引きずった跡だ!

草木を割って突き進んだ跡も見える!
おそらくリンクスの鎖鎌の鎌で刈った跡だろうか!?
ソレは進路を変え森の奥へと続く!

不意に聞こえて来る!銃声!


ババババババババ

ようやく激しい銃撃音とスターとリンクスの姿、そして人間離れした動きの怪物が月明かりに照らされ姿を現わす!

戦慄の!ウルフマン!

翻弄されるリンクスと、スター。

闘い慣れしたリンクスは、ウルフマンを鎖鎌が存分に使える広々としたフィールドへと誘導していた。

逆上したウルフマンは冷静さを失っているのか!?
まんまと自身が不利になる状況下に陥っていた。

しかし

やはりリンクスとスターの武器では有効なダメージは与えていない。

その時
リンクスの鎖鎌が遂にウルフマンを捉えた!

が!
ウルフマンは圧倒的なパワーで鎖ごとリンクスを投げ飛ばす!

リンクス『ギャンン!』

ズシャアアアアアー!

倒されるリンクス!まるで猫の悲鳴だ!

次にスターへと標的を変え飛びかかるウルフマン!

スター『くたばれ!!このぉ!!』

ババババババババ!

ウルフマン『ガガァー!!!』

スター『こいつ!効いてない!!!』

(ヤられる)

青ざめるスターがそう思った瞬間!!

銀色の閃光がほとばしる!


口に銀のダガーを横向きに咥え、アンリミテッド・リボルバーを両手に構えるA・J!

飛びかかるウルフマンの眉間を真っ向から撃ち抜いた!!

ドォ!キューゥゥン!!!!


そう


A・Jの本能はウルフマンの行動をも読み、その俊敏な動きを見極めていた!
スターの背後にギリギリに周り込み、スターに襲いくる瞬間を狙って!

瞬時に予測していて弾道上に構えていたのだ!

この強さこそが!

まさしく!

アタッカー・ジョー!


…やがて

ウルフマンは息絶えると人間の姿に変わる。

そして全裸のドミニクに…。

A・J『…やはり…ウルフマンの正体は…ドミニクだったか…』
スター『ウソでしょ…ドミニク…どうして…』
リンクスは気を失っていた。
一番強がって痩せ我慢していたのは、実はリンクスだったのかもしれない…。


戦慄のウルフマン。

ここに終焉を迎える。

ただ気になるのは、カトレアの姿がない事…。

A・J達一行が気づく訳もなく帰還することとなる…。
翌朝…目覚めたジャンの慌ただしい話を聞くまでは………つづく

次回 【パペットマスター・ギル】どうぞお楽しみに


Re: 零fighter山鷹隊 ( No.35 )
日時: 2015/10/15 16:27
名前: ワタル (ID: 6PL6dW6J)

【パペットマスター・ギル】


戦慄のウルフマン。

多くの犠牲を伴い村に平和が戻る…一時的に…。

そう…

これは…

ただの序章にしか過ぎない…魔界戦線の始まりでもある…。


それぞれに試練が訪れる。

…A・Jは報酬の代わりに宝の地図"ノームの金塊"を受けとる。

『あいにく約束に相当する報酬を与えられる程、私達は裕福ではないの…』とスターは語る。

A・Jとジョシュは手当を受け、お礼にとジープと食料を貰う。
そして既に回収されていたサニトラの荷物を積み込み、別れを告げると"デス・フォレスト"を後にした。

A・J達が村を去った後、幾つかの問題が発生する。

ジャンがようやく目を覚まし、『ウルフマンが出た!』と慌てる。
スターは、取り乱すジャンにウルフマンを退治した事を話す。
しかし、ジャンは『カトレアさんがいないと騒ぐ』カトレアと共にドミニク(ウルフマン)に襲われた事を告げた。

スターは、カトレアはゾーンと共に部屋に居るものだと思い込んでいた。

いや、ジャン以外の全ての者達がそう思っていた。

しかし
カトレアは行方不明。

数日後に意識を取り戻したゾーンも、後遺症が残り…過去の記憶を全て失っていたのだ。

そう

記憶喪失である。


後日、カトレアの物と思われる衣類の一部が、謎の大量の体液まみれで見つかる。
ソレは異臭を放っていた…。
発見したのは、鼻の利くリンクス。
リンクスはソレが何かわからなかったが、スターは全て理解した。

この事実はスターとリンクスだけの秘密に留めた。

カトレアは失踪した。と、だけ皆に告げた。

ウルフマンの慰み者にされたカトレアは、自身を許すことが出来ず、村へは戻らず、失われた村の教会に行き…聖母マリアの像の前で懺悔して泣いた…。

幾日も泣いた。

やがて
カトレアは何かを発見する…。
祭壇の隠し階段の入り口が、少しばかり閉じ忘れ開かれていた…。

いつしかそこにカトレアの姿はなくなっていた…。


そして後に、

記憶喪失のゾーンは、献身的に尽くしてくれたマロンと夫婦となる。

死んでいった者達はというと、
墓場の一角に討伐隊の墓が由緒正しく設けられた。

バリー
トップソン
アフガン
ラン・ボウ
ハシーム

老兵スコットと共に、村を代表する勇者として崇められた…。

さらに
新たに登場した、サイバーポリスの調査隊。

そのリーダー、ヴァルキリー。

見た目は将校…。
エナメル素材の妖艶な姿。
腰には黒光りする太く長い警棒がセンターラインに卑猥にぶら下がる。
腰脇には見たこともないリボルバーにも似た銃。
いわゆる光線銃だ!
豊満な胸の前に組まれた腕にはこれまた、黒光りする長い鞭を持つ。
秘密裏に調査隊が派遣されていた。
もう片方の手に重々しい用紙を突き出した!
シューティング・スターに逮捕状が出されていたのだ!!


そう

スターの所属する、デリンジャー将軍は、現在、指名手配中。

敵(カタキ)役と思われていた、零fighter山鷹隊(さんおうたい)はサイバーポリスのシークレット機関であった!
表向きのリーダーは頭脳明晰のニンジャマスター・ヨシュア…。
主に彼だけがサイバーポリスとの接触を許される…。

しかし
彼らの原動力は、起爆剤とも言うべき剣豪御船。

"人斬り抜刀斎"ミフネ・フジオである!

驚愕!

スターは、"悪"とは知らずデリンジャー将軍に仕えていたのだ!!

女将校ヴァルキリーは、逮捕状を見せると有無を言わさず、得意の鞭さばきでスターを捉える。

騒動に村の住人が群がる。

ヴァルキリー『鎮まれ愚民ども!今よりこの土地は我々が管理する!コレより全員魔物に感染していないか検査をする!』

ざわつく村人達。

しかし
次の瞬間、美しい女性が現れた。

彼女の名前はアテナ。
ヴァルキリーとは間逆の天使のような姿。
その笑顔、まるで女神。

アテナ『皆さん怖がらずに…私達は貴方達の味方です!』

村長『め 女神じゃ 女神に違いない!』

その言葉にさらにざわつく村人達。

村人は誰も素直で、すぐにアテナに従う。

納得いかないのは、リンクス、マービンを始めとする、レンジャー部隊だ!

スターは村長に魔女呼ばわりされる始末。

無理もない。

デリンジャー将軍を慕う者はこの村には、一人も居ないのだから…。
ソレに従うスターもまたしかりである…。

それにしてもスターは、村を思い日々、今日迄、勤めを果たしてきたつもりだった。

村は、アテナと数名の隊員が統治。

ヴァルキリーは、デス・プリズンを拠点とすべく2人の下僕と共にスターを連行した。

このままジッとしてられるリンクスではない。

リンクス『こぉのー!どエス女!スターを返せぇ!!』

取り乱し飛びかかろうとするリンクスを抑え、耳元で作戦を呟くマービン。

マービン『落ち着けリンクス オレに考えがある』ボソボソ

ヴァルキリー『なんだ?お前達も私の玩具になりたいか?』

マービン『いやいや!とーんでもありませーん(汗)でへ』

なんとかごまかすと、マービン達は先回りしてヴァルキリーを待つ。

村を後にしてプリズンを目指すヴァルキリー。


目の前にガス欠の車であろうか?

道を塞いでいる。

ヴァルキリー『邪魔だ!そこをどけ』

するとポリタンクとポンプを持った少年が現れた。

ジャン『あの…ガス欠してしまって…』キラキラ輝く笑顔で近づいた。

運転するのは、元気になったナックルだ。
2人共に年上の女性受けする塩顏だ。

アニメ声のジャンに萌えキュンする女将校ヴァルキリー。

実は声フェチらしい。

ヴァルキリーは急にデレデレし始め、手下に仕事をさせる。

ジャンを偉く気に入ったのかスキンシップが激しい。
ジャンは育ちが良い為、品格が漂う。実家は相当なお金持ちだ。

※因みにウルフマンの件で、ジャンの家の家政婦スプーンおばさんは、亡くなられてしまったが、旅行中の両親と祖父母は無事であった。

ツンデレのヴァルキリーの様子を茂みに隠れて伺うマービン。

今だ!と小走りにヴァルキリーの車に近づきスターを連れ出す!

そして

タイヤをピックの様なもので突き刺した!

パン!!

物凄い破裂音の合図と共に、茂みに隠れていたリンクスがバイクにまたがり現れた!

バリバリバリバリ!

オリーブドラブのヴィンテージハーレー!
後部席に飛び乗るスター!

トラクションを効かせ鬼ターンをかます!

ドリフト状にタイヤを滑らす!

砂埃が舞う!

突然の急襲にむせかえるヴァルキリー達。
ソレに合わせゴーグルとマスクをするジャン。

その煙幕の中
こちとらゴーグルとマスクをしたマービンが、面白がりながら残りのタイヤをパンクさせている。

ナックルは作戦通りジャンを乗せ離脱する!

そう

最初から、ガス欠などしていない。

マービンは混乱する下僕2名をダブルラリアットで押さえつける。

マービン『いっけーぃ!!リィーンクス!!地の果てまで越えて行けぇーーぃ!』

ヴァルキリー『こしゃくな真似を!』

パシィンン!!

マービン『ギャヒイ!』

ヴァルキリーはウィップ(鞭)でマービンを攻撃!
鞭の、先端スレスレを無防備に開いたマービンの股間めがけ、しならせ弾く!

マービン悶絶!

マービン『かはッ!』

すぐさま、今度は首をウィップで締めあげるヴァルキリー。

マービンはまるで蟹の様に泡を吹いて倒れる…。

下僕A『ヴァルキリー様!この男!どういたしましょうか?』

ヴァルキリー『放っておけ…私は醜い生き物に興味は無い』

そう言いながら、落ちた将校帽を拾うヴァルキリー。
砂埃を払い斜めに被る。
横分けに流したワンレングスの長い髪は、片目を隠した。

ヴァルキリー『シューティング・スター…首を洗って待つがいい…』
女将校ヴァルキリーは2人の下僕を従い、デス・プリズンを目指した…。

ナックルは合流地点で待機していた。
マービンが合流したのは数時間後の事であった。

やがて
アテナの統治する中、
ゾーンを迎え、肩身は狭いが細々とレンジャー部隊を続けるマービン達…。
リンクスとスターは自由を求め"デス・フォレスト"を抜け出した…。
A・Jとジョシュもまた…ノームの金塊を求め放浪の旅へ…。

___一方、場面は切り替わり…。

小雨の中…谷底に横転した馬車の残骸に絶望する一人の男の姿…。

辺りには恐ろしい形相で牙を剥いた人形達が散乱していた!

そこに"力"無く佇む(たたずむ)。
なだめるように寄り添う黒馬。
励ますように飛び回る銀のフクロウ…。
ガンドラゴンである!

『…メアリィーーーーー!!!』

ガンドラゴンの悲痛な叫びが"デス・フォレスト"に木霊(こだま)する……つづく


次回 【恐るべし!球体関節人形の呪い】どうぞお楽しみに








Re: 零fighter山鷹隊 ( No.36 )
日時: 2015/10/18 23:12
名前: ワタル (ID: 6PL6dW6J)

【恐るべし!球体関節人形の呪い】


_____叫ぶガンドラゴン。
金塊を求め旅立つA・Jとジョシュ…。
地平線の彼方へ消え行く、リンクスとスター。
かくして、
新たなる冒険の旅のはじまりである…。


第1章 アタッカー・ジョー 完。


時は少しばかりさかのぼり…
物語は…
第2章へと突入して行く…。



____ここは、デス・プリズン。
鎮火しつつある朝もやの中、屋上には五人の人影…。
零fighter山鷹隊(さんおうたい)である。

ヨシュア『早速だが 次のミッションに移るとしよう…』

ニンジャマスター・ヨシュアの指示で方々へと飛ぶ一行。

砂漠の傭兵王"バーサーク"を連れ出す為、
デス・プリズンのロゴの入ったオフロードバイクを駆るシラヌイ・ユーイ。
これから始まる戦いに必要不可欠な人材である。
単身"砂漠の都"を目指す。

ミフネとリオ、そしてジライヤは、逃げたデリンジャー将軍を追って馬車を出す。

ヨシュアは情報収集の為、ハンググライダーを修復して、零fighterの秘密基地に帰還する。

その基地は…
断崖絶壁に建てられた"スカイロッジ"である…。

そう
グライダーでしか入る事が出来ない。


一方、

馬車に乗ったミフネ達はというと…。
2匹の馬を巧みに操り荷馬車を操作するジライヤ。
馬は見事な毛並みの黒馬と白馬。

因みに馬車はリオが森に墜落した際に見つけたようだ。
ちゃっかり失敬してきたのである。
今頃、持ち主はさぞかし落胆していることであろう。
恐らく闇の旅商人であろうか?
珍しい品物ばかりが積まれ、山程の金貨もある。ただしいつの時代のものかは謎ではあるが…。

荷馬車の中で、何やら重厚な造りの旅行鞄を見つけた忍者姿の女の子ことカムイ・リオ。
好奇心旺盛の18歳の少女は勝手に中を開けていた。

そこには60センチ程の少女の人形が一体。
不気味だが、よく出来た人形を見つけたリオは、
ウトウト眠りこけるミフネをからかい遊び始めた。
精巧な造りの球体関節人形という代物であった。

リオ『隊長ぉw恨めしやぁぁぁ』

リオはミフネを驚かそうと、寝ているミフネの顔に押し付けた。

プクク
と、含み笑いをこらえるリオ。

すると
気配を感じ
パチっと目覚めるミフネ。
さほど驚かないミフネは冷静であった。
ミフネ『……………ん? …イタズラするな…』

と、リアクションが薄い。
それどころか
ミフネは刀を半身抜いて、リオの首を捉えていた!!

チンッ!
納刀するミフネ。

ミフネ『……ふざけてないで 身体を休めろ…夜戦にそなえろ…』

何事もなかった様にスヤスヤと眠りにつくミフネ。

リオ『……てか 怖! てかテンション低!てかつまんない!』

(ムカつく)
心の声のハズが思わず発せられた。

ゲシゲシ!
リオはキレた!
ジダンダ踏みながらの金的蹴りが炸裂しまくる!
ミフネの"ミフネ"が踏まれまくった!!!

ミフネ『いってぇぇぇ!』
リオ『イェヤァ!アイム!チャンピオン!イェヤァ!』
※注 これはリオの妄想の世界です。

とは言えず…。
リオ『ぁあー もう!…つまんない…』

リオは座り込み、おもむろに人形の長い髪を、手グシでとかしながら束ねると、首の後ろに名前が刻まれているのに気付いた。

リオ『何コレ?…この子(人形)の名前かなぁ?…メアリー…?』

と、その時!

(助けて)

幽かに女性の声が聞こえた!

リオ『何!?今の!?』

辺りは昼間だが森は木々が鬱蒼とし、薄暗い。
それに荷馬車は幌付きだ。
人目を避ける為、ジライヤはあえて整備のされていない獣道をひたすら進む。

よもやすれ違いも困難な崖の下り道を進んでいた。
荷馬車は揺れる。

ミフネは刀を抱きながら眠りこけている。

リオ『………オバケとか無理無理……見えても見えてないフリするし…』

すると
また先程の女性の声が…

(助けて ガンドラゴン …私を…)

『私を!置いてかないで!!』

今度はハッキリと聞こえた!
人形が喋った!!

リオ『キャーーーー!』

慌てて人形を真上に放り投げるリオ。
ドタバタ狭い荷馬車を走り回る。

そして
ミフネの腹に馬乗りになり揺さぶり起こすリオ。

リオ『隊長ぉ隊長ぉ隊長ぉ隊長ぉ!もう無理もう無理もう無理!』

激しく揺さぶられる荷馬車。
異変に気が付き振り返るジライヤ。

荷馬車の小窓からは仰向けになったミフネの上で激しく上下するリオの姿。

ジライヤは何を感違いしたか、顔を赤らめ小窓を閉じる。
※ジライヤは可笑しなお面を被っていますが…。

ソワソワしながら手綱を操るジライヤ。
呼吸が荒い…。

すると

突然!目の前に時空の歪みが発生し!
何かが次々飛び出してきた!
驚き暴れる白馬と黒馬!


次の瞬間!

時空の歪みは小さな球体となり、ジライヤに向かって飛んできた!
突然の出来事であった!

バチン!
ソレがジライヤにぶつかると身体は60センチ程の人形に姿を変えられてしまう!
まさに
悪魔の所業か?

下り坂は緩いカーブになっていて目の前は崖だ!
そして
コントロールを失なった荷馬車は勢いよく崖めがけまっすぐ下る!!

黒馬は曲がろうと向きを変えた!
白馬もそれに従う!

しかし無情にも遠心力で白馬を繋いだまま荷馬車は崖へと片輪を滑らせ落ちる!

黒馬は物凄いパワーで落ちる荷馬車を引き上げようと堪えた!
崖には堕ちず耐えたのだ!

宙吊りになる荷馬車と白馬!

信じられない馬力で、必死にもがき!堕ちた荷馬車と白馬を引き上げようとする黒馬!だがやがて引きづり落ちる。
が!
次の瞬間!
重さに耐えられなくなった荷馬車と黒馬を繋ぐベルトが痩せ細り切れた!!
荷が軽くなり勢いよく崖を駆け上がる黒馬!

ミフネ達を乗せた荷馬車は白馬諸共、谷底へと堕ちていく…。

荷馬車は転がるように堕ちた。
横たわる白馬。

黒馬はしばらくその場を行ったり来たりして立ち去ろうとはしなかった。

白馬はピクリとも動かない…。

ミフネは?

リオは?

無事なのか?

ジライヤとおぼしき人形もまた、ピクリとも動かない。

そんな中

奇跡的にも無傷な二人。

リオ『………ここどこ?』
立ち上がり頭を振るリオ。

ミフネ『…地獄の三丁目?ではなさそうだ…足もある…』
あぐらをかいたままだ。

リオ『え…あんな高いところから落ちたの!?』

見上げると黒馬が顔を覗かせている。

ミフネ『ふーぅ たいした高さじゃなくてよかった…』

リオ『いやいや ちょっと20メーターくらいあるんだけど!』

ミフネ『…もしかしたら オレ達はとっくに死んでるのかもな…』

そう言いながら散らばった金貨を拾い集めるミフネ。

ミフネ『…ほれ リオ …渡し船が来たら渡せw』

ミフネはリオに金貨を三枚手渡した。

リオ『え?…ハイ…いやいや 三途の川じゃなくて…て!?自分は何枚金貨パクってんのよぉ!』

と、次の瞬間
ミフネの眼つきが変わる!

ミフネ『しッ!?…何かいる!?…』
口元に人差し指を添えて黙らせる。

リオ『え?』

ミフネ『まずい! 囲まれた!!』

その言葉と共に、リオも殺気を感じとった!

バンバン!

銃声が鳴る!

ミフネはリオの前に立ちはだかり銃撃を鞘で防ぐ!
鋭い眼つきだ!

ミフネの愛刀"紅刃の竹虎"(ベニバのタケトラ)の鞘に2発の銃弾がめり込む!
その"朱い鞘"はまるで竜の鱗。
ミスリル銀製である。

すかさず弾道上に走り込み、ミフネの背丈程生い茂る草ごと抜刀!!隠れた敵を斬りつける!!

シュピン!
ズバッ!

一度かがみ下段から抜刀し拳銃ごと腕を切り落とすと、刃先を返し頭部から袈裟に斬り落とす!

ビュッ!
チン!

血振り!
納刀!

ミフネ『手応えが無い…』
まるで小さな小動物を斬ったようだった。

バンバン!バンバン!バンバン!

銃声が鳴る!

リオが華麗なバク宙を連続で決め全て交わす!
ついで
不規則に飛び回り敵を撹乱させる!
その指先は楽器を奏でる様な不思議な動きをしながら、中央付近に無言のまま着座する。

すると!
茂みの中から4人の小人が飛び出しリオに襲いかかる!
いや、小人ではない!人形だ!!

牙の生えた不気味な人形はナイフを持っている!
一斉にリオに飛びかかる!生ける人形達!
下を向き伏せたままのリオ!

ミフネはリオを助けるべく走り込むが、違和感を覚え立ち止まる!

次の瞬間!
凶悪な人形達は空中でピタッと止まる。
4体共に宙に浮いたままだ。

リオ『…忍法…蜘蛛糸縛り』

可愛らしいリオの声色が恐ろしく低く変わる…。
戦闘モードの鬼神。
カムイ・リオ登場である。

立ち止まるミフネの頬に見えない糸が触れ…血がにじむ。
ミフネはゆっくりと後ずさる………つづく

次回 【恐怖の人形館】どうぞお楽しみに



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