コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.97 )
日時: 2017/03/31 21:58
名前: ワタル (ID: 7Hzptsk2)


【ジェットストリームアタック】


プシューッ

粉塵と共に起き上がるパワードロボの勇姿!

アタッカー・ジョーの進軍である!


その姿は、瓦礫の山で陣取る、スターとリンクスは勿論。
崩れた円柱に隠れ、カールグスタフ無反動砲を構え、好機を狙うデストロの視野にもとらえられていた。


「「……ようやく、目が醒めたか? プロットマン!俺がそのロボの背中に搭乗するから、コックピットの頭上にあるBOXケースを開けて、中にあるレバーを引いてくれ! 機体に収納された可変式リアステップが出るはずだ!」」


A・Jの乗るパワードロボの無線に、かすかに聞き覚えのある特徴的なハツラツとした声が聞こえてきた。

どうやらデストロは、乗組員がプロットマンだと思い込んでいるらしい。

A・J「……困ったな、無線用のインカムが見当たらない!どこかに潜り込んだか?……」

A・Jは、声の主を明確に思い出せないまま、困惑しながらも指示通りに、頭上右手にあるBOXケースに手を伸ばした!
こちらの音声は、デストロには届かない。

A・J「……と、これだな」

ケースを開くと、確かにそれらしいレバーがあった!

グイ!

ガコン!

レバーを下げると、数秒後、何か手応えを感じた。

するとパワードロボの背中に、人が1人乗れる程の重厚なステップが現れた。
墜落防止の保護バーが囲い取り付けられている。

「「よーし、その調子だ! 奴(やっこ)さんは、あの苔のむした円柱の裏だ! 隠れたつもりでいるようだが、さっきから雷で辺りが光るたびに、その影が見え隠れしてやがる! プロットマン! 再び緑色のゲージをあげろ!シールドチャージが完了してるはずだ! 」」

A・Jは、指示通りにシールドを張る!

ブン!

シュパパパーーーン!

パワードロボの前方にシールドが出現した!

「「よし! 合図をしたらそのまま、突っ込め!途中で背中に飛び乗る!……」」

A・J「ちょっと待ってくれ!どの合図だ? ……、まずいな……こちらの音声が生きてない」

すると、
おもむろに、
カールグスタフ無反動砲を、隠れたキングミノスめがけ発射するデストロ!

デストロ「fire!」
※発音が良いw


チュドーーーーン!!


苔のむした柱に、何処からかミサイルが飛んでいく!

A・J「まさか!合図か!?」

しかし、直後、無反動砲を投げ捨て走り出すデストロ!

ミサイルは円柱に直撃!煙幕が上がる!
その光景を、スターとリンクスも目にする!

スター「え!?」

リンクス「敵!?」

煙幕の登る付近に、慌てて照準を合わせるスター。
リンクスは、背中に担いだマジックブーメランに手を掛け、何か閃いた様に立ち上がる!!


そして、
走る人影をパワードロボのスコープが、瞬時に索敵してとらえるとピピピッと音を発してズーム。拡大して表示された!
そこに、
見覚えのある、仲間とおぼしき者の姿がモニターに映る。
だが、
何かに向かい走るその姿に、A・Jは察した様に突撃をとどまる!



その者は、

走り、

何かを探している、

そして、
見つけると、拾いあげた!

キングミノスの折れた戦斧だ!

すると、
こちらに振り向き、身振りジェスチャーをする!

カモン!!

A・Jは、その姿を確認して、ようやく声の主を思い出した!

A・J「あれは!?確か……荒野のデストロ?……了解! お前を拾えって事だな!」

即座にパワードロボをデストロの走った方角へと発進させる!
その為、少しばかり迂回して、瓦礫の山付近を通過する!

キングミノスは、直撃を喰らい、未だ姿を現せず!
煙幕だけが勢いよく立ち昇る!

こちらの動きに気付いていない!
今がチャンスだ!!

パワードロボの操縦は至ってシンプル。

各レバー、及びスイッチに触れるとモニターに音声と映像マニュアルが表示される。
この機能は、乗り手がスムーズに操作出来たとマイクロコンピューターが判断すると自動で中断する。
しかし、操縦がおぼつかない様であれば再びサポート機能は開始される。
高性能AI搭載マシンだ。

A・Jは、巧みな操縦でデストロに近づくと、停車はせず減速して見せた!

デストロ「あらよっと!」

リアステップに飛び乗るデストロ!

乗車を確認して、
出力をあげたパワードロボは突撃を開始!!

向かう先に、ようやく煙幕が晴れたかと思うと、黒焦げのキングミノスが姿を現せた!

皮膚が溶け滅び、地面にボトボトと、ただれ落ちる。

しかし!
凄まじい再生能力!

焼けた皮膚から新たな細胞が産まれ、その肉体が蘇る!

デストロ「思った通りだ! この斧の折れた部分、随分と錆びて痩せ細っていやがる!! 次はガツンとかましてやるぜ! それから!どおりで逃げ隠れしやがると思ったら、しっかりダメージ受けてるじゃねぇかよ! 単純に野郎は、鬼の再生能力ってだけのヤツだろ!!
こうなりゃ連続攻撃だ!!!名ずけて!ジェットストリームアタック!……ん?このステップこんな狭かったか?……」

※やたらと長台詞を言うのがデストロの特長でもある……。


そこから少し離れた、
瓦礫の山から狙いを定めるスター。

スター「なんだか戦況が良くわからないけど、あのA・Jの乗るマシンの攻撃に合わせて狙えば倒せそうね……」

スターの覗くスコープに、進撃するパワードロボを確認。
そこへ、何故かリンクスが映り込む。

スター「え?あの娘いつの間に!?しかもリアステップにしがみついてデストロと揉めてるし!」

そう、リアステップの定員は通常大人一名。
小柄なリンクスと、これまた小柄なデストロであるが故になせる技である!

デストロ「わ!バカ!押すな!」

リンクス「ちょっと、ウチかて出番少なさすぎぃ!!」

デストロ「くぅーーー、巨乳がメットに!メットが巨乳に!」

最強のアサルトスーツに身を包んだデストロ。
全身固い甲羅の様なスーツの為、リンクスのたわわに実った甘味の弾力を体感できず、己の装備の強固さを呪うデストロであった……。

デストロ「くっっっそぅ! ハァハァ……どこもかしこもカッチコチだ!!!」

この生死を分けた状況下にもかかわらず……つづく。

次回 【急襲!!悪魔戦士の裏ボス!獅子頭(シシガシラ)現る!!】
どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.98 )
日時: 2017/04/22 13:17
名前: ワタル (ID: H65tOJ4Z)


【急襲!!悪魔戦士の裏ボス!獅子頭(シシガシラ)現る!!】


定員オーバーの、リアステップで揉み合う2人。

歪みあってはいるが、戯れてるようにも見える。

再び、滅びた肉体の蘇生を完了したキングミノス。

その身体が、眩く光る!!


すると、デストロが叫ぶ!

デストロ「来るぞ!!衝撃に備えろ!!」

次の瞬間!攻撃体制に移るキングミノス!!

A・Jは、パワードロボの出力を上げた!

そして……、モニターのAIに問いかける……。

A・J「シールド解除せず、何か武器は?……と、これだな!」

音声ガイドから、モニターに表示されたウエポンパネルの、
[シールドアタック]をタップした!

すると、
即座に(コンマ何秒の世界)、

パワードロボの脚が折り畳まれるとすぐに、四輪駆動のタイヤが現れ、ライドモードへと流れるようにトランスフォームした!

そして滑る様に加速!!

キングミノスも同時に突っ込んで来た!!

A・J「させるか!!!」

デストロ「くうううううう!!掴まってろぉおおおお!!!!」
リンクス「ひぃぃぃっ!!」
スター「リンクス!!!!」

バシィイイイイイイイイン!!


激しく衝突!!!!凄まじいG(重力加速度)!!
一瞬!何も見えない!聞こえない!

………!?

吹き飛んだのは………!?


キングミノスの方だ!!!


ブブブブブブブ!!!!

間髪入れず、浮き上がるターゲットをロックしたまま、マシンガン乱射!!

慣れない操縦に、大幅に的を外すA・J!!

A・J「チッ!!」

そこへ、黒い影が後方より飛び上がり、巨大な戦斧が叩き込まれた!!

キングミノスの心臓辺りの強靭な胸板に叩きつける!!

ドスン!!手応え有り!

仕留めたか!?

卒倒して意気消沈のキングミノス。

デストロ「ふぅーー、たいしたもんだ!
シールドアタックからのガドリング砲乱射なんて芸当……、
並の反応じゃねえな……、乗組員でも変わったか?……。」

佇むパワードロボを見上げて、独り言を呟くデストロ。

太陽も無いのに、眉間にシワを寄せ、眩しそうに難しい顔をする……。

無論、フルフェイスで、その表情は誰にも悟られてはいないのだが……。

ようやく決着(ケリ)をつけたか……。

横倒しに、地べたに倒れたキングミノス、巨大な戦斧は、分厚い胸に刺さったままだ……、


が、
その怪物の、
生気を失い灰色にくすんで曇っていたはずの瞳が、
突如、
不気味に青白く発光して、再び起き上がる!!

リンクス「わわわ……後ろ!デストロ!後ろ!後ろぉぉ!」

デストロ「……あん?」

A・J「(シュボッ)……フーーーッ」

勝利の余韻に浸るA・Jは、煙草に火を付けふかす。

微睡む煙に、瞼を燻らし細めた……、外部の異常事態に気付いていない……。

デストロはキングミノスに捕まり[ネッグハンキングツリー]※。
※首吊り天井

デストロ「ゲッ!!」

首を締め上げられ、その剛腕の片腕に天高く掲げられた!

ウォオオオオオオオオオン!

リンクスのマジックブーメランが唸る!

だが!しかし!
それは!

キングミノスの頭の脇を通過!

首の動脈、数ミリすれすれをかすめ、
僅かな擦り傷を負わせる事も無く、虚しく頭上へと飛んでいく!

デストロ「く!バカ! どこ狙ってやがる!!ゲホッ!ゲホッ!」

リンクス「フフンw」
何故かドヤ顔のリンクス。

フォン!フォン!フォン!シュパン!!

弧を描きマジックブーメランは、
まるで意思を持つ生き物の様な動きで、
デストロを囚えて離さないキングミノスの剛腕を、
簡単に斬り落としリンクスの手元に戻る!

パシン!(リンクスキャッチ)

ドサッ!(デストロ尻餅)

デストロ「のん!」

ボトッ(キングミノスの腕)


チュドォオオオオオオオオオオン!!

キングミノスは、突然、あらぬ方向から砲撃され、木っ端微塵!!

デストロ「いっ!?」
A・J「わっ!ぷ!? アチッ!アチチ!」
事態に驚き、火のついた煙草を膝に落とすA・J。

リンクス「え!?わお!?……スター素敵……w」

スター「スッゴイ……破壊的」

と、思ったのも束の間!

あり得ない速度で再生をするキングミノス!

こいつは一度消滅すると、瞬間的なスピードで復活するらしい!

それは、まるで動画再生の逆廻し再生の如く、何事も無かったように元通りの姿!いや、むしろ浅黒く強固さを増していく様だ!!
怒り狂い!
砲撃したスターめがけスキル発動!

その距離!約150〜200M弱!

牛頭のスピードは、100M、3.73秒。
対してスターの構えるレールガン、連射不可、一度毎に6秒チャージを要する。

リンクス「スター!逃げて!」

迫り来るキングミノス!
不動のシューティング・スター!

デストロ「おいおい……姉(あね)さ!やる気か!?」

スター「目標ォォ!ロク!ごぅ!ヨン!さん!ニィ!壱!!!!」

リンクス「ダメェエエ!逃げてぇえ!!」

スター(いけるか!?)

キングミノス「グオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

目前に迫るキングミノス!
威圧感が尋常ではない!!

チュドオオオオオオオンン!!

揺れる空気!
響きわたる衝撃!
スターのブロンドの長い髪が舞うようになびく!
唯一、身動き一つ乱れぬのは、
スターのロングバレルを構えるしなやかなボディー!
美しい姿勢!

スターは、キングミノスの頭部だけを見事に撃ち抜き、戦線離脱!
瓦礫の山を滑る様に下る!

それをホッとした様に見守るリンクスが、パワードロボの装甲を"ガンガン"と叩き、A・Jに指示を出す。

リンクス「A・J!早くスターを、拾って!!」

ガンガン!

A・J「たくっ! 言われなくてもやってる! 」

ギュウオオオン!!
旋回しながら砂埃を巻き上げ加速する!

その間にも、頭の蘇生が始まるキングミノス!
頭がないまま、手探りでレールガンを片手で掴み取ると、叩き壊した!

デストロ「おいおい!俺を置いて行くんじゃねぇよ!……ん?」

巨大な戦斧を、拾い上げると、何かに気付くデストロ。
地面には、デストロの首を締め付けていたキングミノスの腕が石になって転がっていた。

デストロ「何だコリャ?……まさか?」

デストロがキングミノスの方を見ると、ほぼ蘇生が完了されていく頭部に対して、切り落とされた腕だけが蘇生されずにいた!

デストロ「あの小娘(リンクス)の魔法のブーメラン!めちゃくちゃ効いてるじゃねぇか!」

しかし、当のリンクス達は、その事に気付いていない。

デストロ「よいしょっと!」

また、太陽もないのに眩しい顔をするデストロ、巨大な戦斧を肩に担ぎ、勝利を確信したかの如く勇猛果敢に前進する。
その姿、まるで、
まさかり担いだ金太郎!

デストロ「おーーーい!リンク……ス?」

そのデストロに、新手の敵が襲いかかる!

デストロは、突如現れた、巨大な空飛ぶ獅子に胴体を噛みつかれ、空へと運ばれた!

デストロ「な!何だコイツ!?音もなく何処から現れやがった!?ゲッ!!デカイ顔だけのライオンじゃねぇか!?」

そいつは悪魔戦士の1人、獅子頭。

鼻息荒くデストロに噛み付いて離さない。
しかし、無敵のアサルトスーツ。ダメージは皆無だ!


……。


……。

その頃、魔城の裏口から侵入を試みて、森を進軍中のヨコタ隊員とジョシュ。
裏門を見つけたのはいいが、
巨大な首の無い不審な像を目の前に、膠着状態(こうちゃくじょうたい)を余儀なくされていた……。つづく。

※膠着状態とは、息詰まる様子。
この場合、攻めるも退くも敵に感づかれる恐れがある為、一歩も動けないさま。




次回【拷問部屋の占星術師ボンバーサイズの罠】乞うご期待。








Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.99 )
日時: 2017/05/06 18:55
名前: ワタル (ID: q6B8cvef)

【拷問部屋の占星術師ゴーストマンモスの罠】


魔城の裏門に、仁王立ちする全長3メートルほどの像(頭部なし)
ヨコタ隊員は、
無言のままアイコンタクトで、腰にぶら下げていた手榴弾をジョシュに持たせる。
そして、
腕時計型通信機を手首から外し、ホログラムを投影する。
それから、その像の足元付近に速やかにソレを投げると、
戦場では、心細い程の火力の護身用ハンドガンを抜き、不動の像の心臓を狙い構えた!

投影されたホログラムは、自身の射撃訓練の模様を記録させていたモノだ!
激しく銃を乱射する。
勿論、映像の為、攻撃は出来ない。
しかし、敵が何処かに潜んでいるならば、十分に囮、誘発作戦になりうる。

だが、その目の前の像はおろか、反撃してくる敵の様子はない。

ただただ、ヨコタ隊員の勇姿の鑑賞会である。

ジョシュ(……何なんコレ)「ヨコタさん、どうやら敵はいませんね……、行きますか?」

ヨコタ隊員「うむ!これより我々、"ティーム(チーム)ヨコタ"は敵地に潜入する!」

ジョシュ「は、はい!」(そこ発音チームでいいよぉ!ヨコタぁあああ)

2人は、俊敏な動きで魔城に勢いよく乗り込む!

すると、通路は一本道。
やがて
レンガ造りの通路は、狭い坂道の回廊になる!

時折、両端には待避所の様な、人が隠れるスペースが幾つか見られた。

ジョシュ「ヨコタさん!あの窪みに敵が潜んでるかも知れませんね!」
ヨコタ隊員「フフッ……私も今、それを言おうと思ったところさ!!」

ジョシュ(ええ?今、あきらかにハッとして走るスピード落としたよね!この人ぉ!今頃、めっちゃ警戒し始めたし!)

すると、ゴロゴロと何か、もの凄い音が聞こえてきた。

不安にかられ、立ち止まる2人。

思わず坂の上を凝視した。

音が近づく!

ヨコタ隊員「なんの音だ!!」※劇中一番の決め顏で振り返るヨコタ隊員。
ジョシュ「わからないっす!!悪い予感しか、しませんっっ!!」

音の正体は、黒光りする通路いっぱいの大きさの鉄球だ!!
ギラギラとぬめり、光沢している!

壁を擦り、
ギチギチに内壁を、圧迫して、執拗に摩擦しながら、
激しく振動して、勢い良過ぎる程に迫り来る!!!!

ヨコタ隊員「(……!?)」
ジョシュ「ファーーーーーーーーーー!!」

一目散に出口に逆戻りして逃げるジョシュ。
ヨコタ隊員は、待避所の様な窪みに間一髪、華麗に逃げ込んだ!

ジョシュ「なーーんで!俺ばっかぁーーーーー!!あああああ……」

ジョシュの悲痛の声が木霊する……。

ズドーーーーーン……。

遠くでクラッシユ音と、地響きが聞こえた。

ヨコタ隊員は、その状況に目を瞑り、唇を噛みしめた!

次の瞬間!
ヨコタ隊員の避難した待避所の開口部に、間髪入れずに鉄格子が、降り注ぐ!

ガシャン!
プシューッ

直後、天井の壁から、紫色の霧状のガスが吐き出された!

ヨコタ隊員「なに!?」(う、めまいが……、)

カチャン

右手に所持したハンドガンを床に落とし、必死に堪えようとするも、ガクガクと腰が砕けるように倒れそうになり、踏ん張りを繰り返す、まるで生まれたてのバンビのように……。

やがて、背筋ピーンとブリッジしたまま仰け反り頭から床に倒れた。
瞳孔は開き、口はパクパクと、餌を待つ錦鯉のように……。
もがき苦しみ絶対絶命……。

そう!
その幾つも点在する待避所は、独房の役目も果たすのだ!
自軍の魔物が、潜む塹壕(ざんごう)の役割と、侵入者を捕らえる檻の役割……。

恐るべし魔城の罠……侵入も、おいそれと、容易には行かない……。




その頃、
A・J達の戦況は……、

スターは、一撃離脱後、A・Jの駆るパワードロボと合流。
そして、その観察眼で、
デストロ同様、キングミノスの弱点を見抜いていた。

それから、スターの助言を受け、最期の反撃を開始する。
A・Jとリンクスの見事な連携プレーにより、キングミノスはマジックブーメラン
の前に、バラバラに解体され撃破された。
強大な敵をようやく討ち砕き、勝利に歓喜した。

しかし、ひとつ疑問が残る。

先程まで、共に戦っていたデストロの姿が何処にも無かったからだ。
まるで"神隠し"にでもあったように……、忽然と、その姿を消したのだ。

A・J達が、パワードロボで周囲を探索。
すると、横倒しに倒れた、一際大きな円柱に注目した。
そこにデストロが使用していたキングミノスの戦斧が転がっていたからだ。
さらに、その円柱は中が空洞になっていた。
だが、覗いて見ても反対側の景色が見えるだけで、特に変わった様子はない。

A・J「何もない……か?……ライドモードで行けばギリギリ通れるか?……」

スター「A・J聞こえる? とにかく一度、船(円盤型宇宙船)に戻りましょう!新しい武器も必要になるわ!」

A・J「そうだな、了解! それに、ドッグロボに運ばせた彼(プロットマン)の容体も気掛かりだしな。」

リンクス「ウチもそれ賛成! 暴れたら、お腹空いたぁ」
スター「何ソレ?結局いつも料理作るの私でしょう? 」
リンクス「……。」(上目遣い)
スター「……もうーー。」

A・Jは、他愛ない会話で和む2人を他所に、
落ちた戦斧と、隠し通路を臭わせる、意味ありげな巨大な空洞の、
最初から、いや、それもかなり昔から倒れていたであろう円柱の存在に、
後ろ髪をひかれる思いで母艦に帰還した……。


……。


……。



そして……、
場面は代わり……、ここは、薄気味悪い拷問部屋。
そこに、
鎖に繋がれ、逆立ちに、吊るされた男……、
鞭打ち、ズタボロにされ、尋問されるヨコタ隊員の哀れな姿があった。

ゴーストマンモスの側近、
占星術師ボンバーサイズの登場だ!
レザーのボンテージコスチュームに着替え、嬢王様気取りではいるが、どう見ても網タイツ姿が、ボンレスハムにしか見えない。


……。


……。


そして、
さらに、場面は変わり……、そこは、魔城の表門、湖を凍らせた中庭。
いつもより、数段と、顔つきが違う戦闘モードのミフネとヴァルキリー。
その形相から、その場の緊迫感と"相手の強さ"をも、物語っていた。

対峙する敵もまた、2人。
1人は悪魔戦士のトップ。蒼海の覇者、シャーク将軍である!
そして、
もう1人は、Dr.メフィスト・クトゥルフアーマー・ザ・ルシフェル!!
遂に、自らを魔改造した醜悪形態!

触手との融合!
手足全ての指という指が触手だ!
睨み合う四強!
先に動いたのは……、ミフネだ!

ミフネ「おい!!!!」

ダッ!

ミフネは走り出すと同時に、氷の地面に刀を這わせ、氷層を削りながらシャーク将軍に斬りかかる!
足元は切り落とした胴着の袖をグルグル巻きにした自作カンジキ(ブーツ)を履いている。
※魔城に乗り込む手前で〈簡易防寒対策〉致しました。


ミフネ「貴様ぁあああああ!なんで貴様がぁ!!」

ガシュッ!
ザッ!
跳んだ!
下から斬り上げの"氷ツブテ"の"目眩まし"!
次いで、上空から真っ向に斬り落とす!!

ガッッッキィィーーーン!!
渾身の一撃!!

右手に構えた特殊な武器で受け止めるシャーク将軍。

シャーク将軍「グヌウウウウウウ……」

ミフネ「フーッ!!フッー!何故、貴様がソレを持っている!!!!」

ミフネは、そう言いながら、鍔迫り合い状態のまま、シャーク将軍の腹を蹴り飛ばした!
しかし、相手が巨体な為、ミフネの方が弾き飛ばされる!


ミフネは、バランスを崩し転びそうになるが、
かろうじて踏ん張り耐えて、納刀。即座に、抜刀の構え!!
中腰になり、眼に刺さりそうに垂れる前髪で隠れた片目を、瞑り叫んだ!

ミフネ「ヴァルキリー!コイツは俺が斬る!!」

ヴァルキリー「ミフネ……」(あのミフネが取り乱している……?)

ヴァルキリーは、ミフネが何故、怒り狂っているか理解した。
仇(シャーク将軍)の持つ武器は、こともあろうか、ジャマダハル!

別名ブンディダガー!

そう、それはニンジャマスター・ヨシュアの愛刀である。………つづく。



次回【目醒めしゾーン!託された炎のクリスタル】どうぞお楽しみにw







Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.100 )
日時: 2017/05/07 19:23
名前: ワタル (ID: 1HkQUPe4)


【目醒めしゾーン!託された炎のクリスタル】


ミフネ(このサメ野郎……、さっさとオレの間合いに入って来い!一撃でぶった斬ってやる!)

ミフネは、自身の絶対奥義"閻魔裁き"を放つつもりでいた。

※奥義"閻魔裁き"……それは、相手の突進力を利用した大技。
すなわち、カウンター攻撃である。故に、敵の勢いが大きい程、威力を増す。
相手の力が強大であれば、一瞬にして"一刀両断"に仕留める事も可能だ。
ただし、敵が不死身の場合を除く。


すると、
シャーク将軍は、ミフネを何処かへお引き出すように、その場から逃亡を計った!

ミフネ「逃がすかよ!」

走り、後を追うミフネ!
だが、横からDr.メフィストの触手が行く手を阻む!

すかさず、ヴァルキリーのビームサーベルが、その触手を薙ぎ払う!
切られた触手は、氷の地面に落ち、しばらく動き続ける。

ヴァルキリー「待てミフネ!何か罠があるに決まっている!」

ミフネ「ああ!十中八九そうだとしても、行くしかねぇ!!
(意味深な沈黙)……タコ野郎の始末は、お前に任せた!!」

言い放ち、走るミフネに執拗に追撃をしかけるDr.メフィスト。

ミフネの身体に触手が纏わり付くより速く、その根本からソレを切り落とすヴァルキリー。

ヴァルキリー「このゲスなゲソ(イカの足)が!貴様の相手は、この私だ!!」

Dr.メフィスト「イシシ……、タコでもイカでもアリマセーーン。この偉大なる科学者を愚弄した罪は、……重いですよイシシ!キェーーー!!」

切り落とされた触手は、勢い良く噴き出す白濁液と共に、徐々に再生していく……。

Dr.メフィスト「キェーーーーーーーイイイ!!!!」※サンシャ◯ン池崎風にw

Dr.メフィストは、再生完了と同時に仰け反り、大量の粘液を"ブルンブルン"とほとばしらせ、周囲にぶちまけた。
ヴァルキリーの、整った美しい顔にも白濁液が付着して糸を引く……。

ヴァルキリー「だから……、イカ臭いのよ……さっきから(プチ※)」
※キレた音。

戦闘開始!

……。


……。


そして、ミフネが追い詰めた、シャーク将軍の大きな広間は、屋内でありながら水が張ってあり、中央に分厚い吊り橋がかかっていた。
そこにシャーク将軍の姿が待ち構える。

吊り橋の先には、窪みがあり行き止まりの様だ。
ここに張られている水は、海水であろうか?
潮の香りが充満している。

ミフネ「……そういう事か、サメだもんな……。イルカショーでもする気かテメー?」

ジリジリと詰め寄るミフネ。
ギシギシと吊り橋の麻縄がきしむ音を出す。

シャーク将軍は、にやりと笑みを浮かべた。
顔はサメだが、表情の変化は人間さながらだ!

そして、事もあろうか、シャーク将軍は、行き止まりの対岸に移動すると吊り橋を吊る縄を次々と切り落とす!

楽しそうに、狂気に満ちた顔で!

グラグラと揺れる吊り橋。
焦るミフネ!攻撃を仕掛ける!

あわや、残り一本の所で、ミフネの百歩神剣がシャーク将軍を捉え、その背中に傷を負わせた!

たまらずヨシュアのジャマダハルを落とし、海水に逃げ込むシャーク将軍。
幸いにも、ヨシュアの愛刀は、窪んだ行き止まりの床に転がった。

だが、吊り橋は崩壊寸前!
バランスを崩したミフネは、揺れる吊り橋にしがみつくので精一杯だ。
そして、
シャーク将軍は、深手を負ったのだろうか?水面を紅く血が染めていく……。


……。


……。


その頃、1人の少年が不思議な体験をしていた。
自らを客観視している……。
幽体離脱とでも言おうか?

どうやら、何かに追われているらしい。
鳥のような生き物に跨り、空を飛び、逃げる……、後方から巨大な影が近づく。
そして、襲いかかる!
少年は、空飛ぶ鳥に跨ったまま、両手を手綱から離し、両腿でしっかり身体を固定したまま、後方から迫る巨大な敵に対して仰け反り、反撃をした。

ブリッジの体制!

背後から、首を跳ねんとする、その巨大で鋭利にして、かつ俊敏な鎌の様な攻撃を、仰け反りブリッジでかわした。
尚且つ、その体制のまま、リボルバー銃を交互に連射して発砲する!

不思議とその弾丸は尽きる事は無い。

まるで"蜂の巣"状態に、被弾した巨大なカマキリの様な怪物は、しつこく追尾した後、徐々に失速していく。

やがて、無理な体制のまま永遠と発砲を繰り返していた少年の腕は、鉛の様に重くなり、力尽きた。
そして転落。
少年を乗せていた鳥の様な生き物は、落ちた少年を気にもせずそのまま飛び去っていく。
少年は、かろうじて木々にその身が引っかかり、一命をとりとめていた。
その頭上を、遅れて飛来する巨大なカマキリの怪物。
執拗に獲物を追いかけていく。

その光景を呆然と、見ている少年。
そう、その少年の名は……、ゾーンである。

さらに幽体離脱したまま、様々な光景を眼にするゾーン。

謎の完全防備の黒塗りのマスクマンが、円盤に乗りアボカド程のサイズの"2対(につい)のクリスタル"を大事そうに運ぶシーン。
それから、そのクリスタルが、ボーイッシュで活発な女性に手渡され任務を告げられるシーン。

そして、
氷の彫刻に姿を変えられた人々。(ヨシュア、ガンドラゴン。)
その中に、先程のボーイッシュな女性もいる。(ユーイ)

やがて、
何も見えなくなり、
意識だけがはっきりとした。
暗闇の最中(さなか)……。

ゾーン「ここは、一体?これは夢か?……それとも?俺は死んだのか?何故おれが、俺を見てるんだ?」

(こうしちゃ居られない!)

(俺がやらなければ誰がやる!)

(この使命は俺にしか出来ない筈だ!)

まるで、自分を奮い立たせる様に、心に強く念じた瞬間、
今までずっと意識もなく、よもや仮死状態であったはずのゾーンが、
激しいスコールと、共に目を醒ました!
そして、心のままに魔城へと走り出した!
2対のクリスタルの場所をイメージしながら、引き寄せられるように!

……。


……。


ちょうど同刻、
激しい雨に身体を打たれ天を仰ぐ美しい全裸の女性の姿があった。
長い髪を両手で掻き上げ、天の恵みと崇めた。
それもそのはず、魔界で降る雨は100年に一度、"王位が変わる時"と神話に記されていた。

その女性の傍に、無造作に脱ぎ捨てられた甲冑と、再生不能となり生き絶えたDr.メフィストの亡骸……。
過度な再生を繰り返し細胞が暴走して氷河の一部と化していた。

そう……、
その全裸の女性は、女将校ヴァルキリー。
地上での彼女は全戦無敗。無敵なのだ……つづく。



次回 【戦慄の母艦】乞うご期待。



Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.101 )
日時: 2017/06/21 15:32
名前: ワタル (ID: V2fBShP3)

【戦慄の母艦】


敵、味方残り僅か……。

魔界にスコールが降り注いだ……。


少しばかり、時は遡る。
激しいスコールの降る数十分前……。

とてつもなく長く感じる、恐怖の"46分間"の出来事だった……。


A・J「……プロットマンの容態も気になるしな……とにかく一度、母艦に戻ろう。」


スターとリンクスを乗せた、A・Jの操るパワードロボは、ライドモードで危なげなく母艦に戻る。
開け放たれたままの、大型マシン昇降用のスロープ状のゲートから、船内に帰還した。

すると、船内には看護師ウクレレが只一人。

聞けば原因不明で、突然死した医師ギタレレを、スネーク隊長が埋葬しに行き違いで表に向かったと言う。
視察を兼ねるので、帰りは遅くなるとの事だった。

プロットマンと、安静状態であったランブルフィッシュの姿は、何処にも見当たらない。
ドッグロボも行方不明だ。

ウクレレは、帰還した3人に「ゴクロウサマデシタ……。」と告げた。
不気味な程に無機質な言動と態度だ。
まるで死人の様な顔色のまま、熱い珈琲を3人に淹れ差し出す。
そして、「ワタシハキブンガスグレナイノデヤスミマス」と言い残し、スリープルームへ消えて行った。
A.Jは、立ち去るウクレレの後ろ姿を、目で追いながら、
珈琲を差し出された際に、彼女の"手の甲の火傷痕"を眼にし、
不審に思う。
胸騒ぎにも似た違和感も感じ、呼び止めようとするが、
(疲れているのだろう、後にしよう。)と、心の中に、留めておいた。
そして、
船内に煙の様なモヤがかかっているような気がしていた。
(疲れているのか?)自問自答して、瞼に指を当て両手で顔を覆う様に、テーブルに肘をつき、俯く様に下を向き、しばし考え事をしていた……。

スターは、ウクレレに「ありがとう!」と一言、お礼を言うと一口飲む。
それから、
「んーー、美味しい!」と感想を述べながら、カップを持ったままキッチンに向かった。
冷蔵庫からワインを取り出し、冷凍庫から挽肉。
棚からミートソース缶を取り出すのが見えた。

A・J「……パスタかな?楽しみだ……ズズーー」
猫舌のA・Jは冷ましながら、椅子に腰掛け珈琲を飲む。

リンクスは、出された珈琲に目もくれず、シャワー室に向かう。
色白で汗をめったにかかないスターに対して、新陳代謝が良過ぎて、多汗症のリンクスは自分の汗の量と体臭を気にしていた。
しかし、性格はガサツな為、衣類は歩きながら脱ぎ捨てていく。

リンクスは、スターとA・Jだけには、裸を見られても平気な様子だ。
A・Jに関して言えば、過去に一度"あられもない姿"を披露している。
※"あられもない姿"の詳細が気になる方は、第1章 モスマン編 part 2を参照下さい。

しかし、A・Jは何かが引っかかっていた。
船内には、妙なお香が焚かれていたからだ。
うっすらとかかったモヤの正体はこれだ。
それに、微かに血の臭いがする!
この、お香はその臭いを誤魔化す為か!?

そして、
あの臆病者のスネークがわざわざ死体を埋葬する為に外に出向いて行くだろうか!?

次の瞬間、ピリッと舌に痺れを感じたA・J。

身体の力が抜け床に、ゆっくり倒れこみ這いつくばる。

意識が朦朧とする中、スターの方を向き呼びかけようとするが、
既に、スターはガスコンロを不完全燃焼にしたまま、床に崩れ落ちていた。


A・J(なんで、IHじゃなくてガスコンロ何だ!?)

そう、ガスコンロや冷蔵庫、及び食材は、魔界に向かう前にデストロが闇市で購入していた物だ。ティラミスもしかり。

無法者のデストロが素直に任務だけを遂行する訳がない。
寄り道はお手の物だ!

それに、船内の食糧は携帯食のみだ。
グルメなデストロは、味気ない携帯食よりも手料理を好む。

話しを戻そう。

作者が、くだらない説明をしている間にも、A・Jは黙々と匍匐前進で確実に進み、吹き出すガスコンロを止めた。
途中、スターの安否を確かめる余裕を見せながら……。

カチッ

A・J「ふーーぅ なんとか"ガス爆発"は、回避できた……、まずい!リンクスが危ない!」


"フンフン"と鼻歌を唄いながらシャワーを浴びるリンクスに、不気味な影が迫る!………つづく




次回【戦慄の母艦……その2】どうぞお楽しみにw




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