コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 零fighter山鷹隊 【完結】
- 日時: 2018/12/11 03:01
- 名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)
零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。
歴史の背景にその影ありき……。
悪あるところにその影ありき……。
事件あらばその影ありき……。
果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。
____プロローグ
……とある満月の晩の事。
【デス・プリズン】
耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。
スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』
2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。
侍風の傷だらけの男『……。』
その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ
全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。
謎の長身の男『フハハハハハハ』
《ガシャン》
鉄の"分厚い扉"が閉められる。
《ガチャ》
錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?
……やがて誰の気配も感じなくなった。
まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。
ミフネ(このまま安住も悪くない)
ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。
____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。
全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。
ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)
ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。
しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!
すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。
今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。
ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)
小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?
そして!!!
夜月に浮かぶ !!!
<3つの影>!!!!
その正体とは!?
……つづく。
主題歌
[Alexandros ]Droshky
ending
[Alexandros ]Adventure
挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w
戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)
以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル
次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw
全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』
《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3
【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11
デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19
はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22
モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28
人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
アタッカー・ジョー完 >>35
【第2章 ザ・バトルライン】
パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40
パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
【第3章 ナインソルジャーズ】
猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62
魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70
【最終章 ファイナル・クロニクル】
死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91
魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)
最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111
新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ
newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful
※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。
…NEXT
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- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.27 )
- 日時: 2015/09/10 21:11
- 名前: ワタル (ID: jd737JEz)
【大暴れ!ファイヤーマービン!】
モスマンは遥か上空。
しかし
上手くは飛べない様だ。
ガンドラゴンは背中に飛び乗った後、
モスマンの"キリモミ飛行"や"回転ループ飛行"で執拗に"振り落とす作戦"に見事に耐えていた。
そして今
両手に持った1本の"銀のダガー"の一撃を振り落とす!!
これが決め手となり、高度を下げ始めるモスマン。
地上で待ち構えるマービン!
マービン『おや!?あの怪物!へばったか!?』
※へばった。とは、弱った。の意味である。
マービンは潰れたジープのドアを開け、無線機をとる。
マービン『こちら ファイヤーバード! サンダー応答せよ!オーバー!』
弱って低空飛行するモスマンに勝利を確信したのか、力強く呼びかけるマービン。
しばらくして、応答が返ってくる。
《こちらサンダー !リーディング!(感明良し)オーバー!》ジジッ
マービン『負傷者多数! 救護求む !ドミニクはいるか!?オーバー』
《…ミニクは未だ帰還せず!現在消息不明であります!》ジジッ
と、アニメ声のジャン。
《あ オーバー!》ジジッ
ジャンはまだまだ無線の扱いは不慣れのようだ。
無線の相手が苦手なマービンと云うせいもあるが…。
ドミニク不在に舌打ちをするマービン。
あいつはいつも肝心な時に使えんと、呟く。
マービン『今 トップソンが"チーム・レディース"を 運び帰還した!至急手当ての準備を頼む!オーバー』
《ラジャー》ジジッ
(チームレディース?)初めて耳にする呼び名を疑問に想うが、おおよそ察しがつくので、あえて聞かないジャンであった。
聞けば話が長くなる事も知っていた。
マービンは人に物事を説明する時に、
名前を先に言えばわかる事でも、まずその者(物)の容姿(形状)から教えないと気が済まない。
手振り身振りを交え、会話に時間のかかる性格である。
マービン『話はまだ終わってないぞ!オーバー!』
《ラジャー (汗)オーバー》ジジッ
マービン『ドミニクに大型車両で迎えに来るように言ってくれ!現場は激しい攻防戦の跡が見受けられるが 間もなく"私が"鎮圧する!OUT』
※OUTとは無線の終了の事である。
《ラ ラジャー?OUT》ジジッ
マービンは無線機を定位置に下げ、A・Jの脈を確認すると…しばらくして…。
落胆の表情で自分の唇を噛みしめうつむいた…。
気の毒そうに眉を細め一言…。
涙ながらに震える声で呟いた…。
マービン『A・J…グスッ(泣)やふやかにへむれ(安らかに眠れ)…お前の敵(かたき)は私が伐つ!!』
語り口、悲しげに台詞の最後は力強く発するマービン!
火炎放射器を構え、大袈裟に振り返りモスマンを睨む!!
マービン『野郎!俺の庭で好き放題やりやがって!!』
シュボボゥーッ
シュボッ
シュボボゥーッ
低空飛行のモスマンが近づく!
マービン『そこぉぅ!!』
シュボボボボボボボボボボゥーーーーーーーッ!!
身をかがめ回避運動を取りつつ攻撃!モスマンの片方の翼を焦がす!
マービン『やったか!?今のはスターとリンクスの分だ!!…思い知れ!……おっと!!(焦)』
尾翼の跳ね返りを反転して交わすマービン!
旋回し、またもマービンに襲いかかるモスマン!
そこへ
背中に乗ったガンドラゴンが"銀のダガー"をふりかざし一撃!二撃!
今度は左右に1本づつ持って振り落とす!!
モスマンは苦しみ、毒針を誰もいない方へ放つ!
ガンドラゴンの連撃により、モスマンのマービンを狙う攻撃を狂わせた!
シュボボゥーッ
シュボボゥーッ
シュボボゥーッ
通過するタイミングを見計らいドテッ腹に小刻みに総攻撃のファイヤーマービン!
マービン『これはゾーンの分!A・Jの分!トップソンの分だ!!』
※注トップソンは元気ですw
炎がモスマンの身体を包む!
火の手が背中に乗ったガンドラゴンにも及ぶ!
ガンドラゴンは繋がったベルトを解除して、高く飛んだ!
そして
空中で近くの大木を見定めると、2挺のワイヤーガンを放ち瞬時に離脱する。
うめき声にも似た咆哮をあげるモスマン!
マービン『汚物は消毒だ!!』
トドメに追い討ちを喰らわすマービン!
シュボボゥーッシュ!ボボゥーッシュ!!ボ!!!ボゥーッ!!!
火炎放射器でビートを刻む余裕のあるマービン…得意顏だ!!
炎に覆われ"のたうち"ながらも旋回するモスマン。
マービン『ギャーーーーハハ 思い知れ!!』
汗だくで"ハイ"になるマービン。勝利を確信した。
防護服は高温になる為、長時間の着用は極めて危険である。
離れた大木の上から様子を伺うガンドラゴン。
異変に気付いた。
ガンドラゴン『まて………様子が変だぞ…何故 死なない!?』
モスマンを包む赤い炎は、やがてドス黒い炎へと変化する。
まるでソレを吸収して自ら別の炎を内から燃やし始めるかのように!
黒い"漆黒の炎の化身"に姿を変えた!!!
そして片目のモスマンは怒り狂い!迫り来る!!
マービン『おいおい 嘘だろ!?冗談は顔だけにしろよ!!』
火炎放射器を投げ出し逃げ出すマービン。
背中のタンクに繋がった銃を引きづりながら鈍足だ!
ガンドラゴン『マズイぞ…! "奴も"不死身なのか!?』
銃を繋いだワイヤー入りの硬いホースに足が絡まり転ぶマービン!
マービン『いっででー!っ!チクショー!!ここで終わりなのかー!』
死を覚悟して目を瞑るマービン…。
と、その時!
不意にソードオフ・ショットガンの銃身のシルエットが現れた!
銃口が向けられる!
次の瞬間!火を吹いた!!
モスマンの陽炎のように燃える昆虫の様な眼を、一瞬で粉砕する!!
ドッ!パーーーーーーン!!!
破壊力のある弾丸の一撃を見舞う!
マービン『ゾ…ゾーン!?』
恐る恐るぼんやりと片眼を開けるマービン。
いや…ゾーンはソードオフ・ショットガンを握りしめたまま、仰向けに倒れたままだ!
しかし、
そのグッタリとした身体から腕だけが高く抱え挙げられ、
その銃を握りしめた掌ごと、
両手で添える様に構え、
後ろに立つ、
もう一人のシルエット!!
その姿!!!
アタッカー・ジョー!!!!
A・J『俺は…死なない!…誰も……死なせはしない!』
両目を失ったモスマンは、断末魔の叫び声をあげながらドロドロと溶けながら墜落していく…。
倒れるマービンの上をボトボト肉片を落としながら通過し、A・Jとゾーンの方へとドロドロになりながら迫り来る…。
しかし
銃を構えたまま、不動の姿勢で微動だにしないA・J。
モスマンはA・Jとゾーンの方へと、2人を道づれにするべく突進する!
…が、
溶ける身体の制御がきかないモスマン。
数メーター手前でバランスを失い、軌道がそれ…かすめる様に彼らの後方へ流れ崩壊する。
やがて…跡形も無く蒸発していく…。
地獄の使い魔"モスマン"を撃退した!!!!
同時にA・Jも膝をつき崩れ落ちる。
立ち上がりフラフラと駆け寄るマービン。
マービン『い…生きていたのか!A・J!さっきは脈がなかったハズだぞ!?』
A・J『ゼェハァ……そ…その手で (痛)何が解るんですか?…ハァハァ…(痛)』
痛みをこらえながら指をさすA・J。
マービン『…え?あ!ああ!』
マービンは分厚い革手袋をしていた事をすっかり忘れていたw
____かくして多大な犠牲を払いながらも…魔界の四騎士の一匹…。地獄の使い魔"モスマン"を葬ったA・Jに興味と関心を抱くガンドラゴンであった……つづく
次回 【鏡のジョニー】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.28 )
- 日時: 2015/09/27 08:24
- 名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)
【鏡のジョニー】
勝利を讃え合うA・Jとマービン。
しばし呼吸を整えた。
エンジンの大破したジープ。
フロント部分は、激しく潰れていた。
そこに
壊れたサイドミラーが外れて落ちている…。
A・J達の姿が写り込んでいる…。
するとどうだ!?
まるで海面から覗き込む様な、揺らいだ視界で何かが見ている…。
そう!
何かがコチラ側の様子を伺っている!
鏡の中に"何か"いる!!
だが!
誰一人として…
その邪悪で…
冷たい視線に…
気づく者はいない…。
すると
カメラワークが切り替わる様に映像が変わる。
ルームミラーから見える風景。
まだ壊れていないもう片方の、既存のサイドミラーから見える風景。
その邪悪な"何か"は誰かを探していた!
まるで鏡の中を"自由に行き来"するように!!
《ジャリ》
小石を踏む音に、その何かが鏡の中で、サッと身を潜めた。
音の主はガンドラゴンだ。
ガンドラゴン『君達は勇敢な上に優れた戦闘力だ…その力…あやかりたいものだ…』
ガンドラゴンは、申し遅れたがと付け加え自己紹介すると、自分の使命と宿命を語り始める。
彼の話はこうだ。
ガンドラゴンの血筋は祖父のヴァンヘルシングに始まり、代々魔物と戦う宿命の星の下に生まれる。
そして魔界の四騎士なる異世界の悪魔に命を狙われている事。
四騎士とは…
不死身の骸骨剣士"スカルフェイス"
普段は人と変わらぬ姿。
ただし極端に頬が"こけ"ガリガリの身体。
人間と見分けるポイントでもある。
そして
その心臓は別の場所にあるという…。
ソレを突かない限り倒すことは出来ない。
例えバラバラに切り刻んだとしても再生する!!
灰になろうとも心臓を突かない限り蘇る。
さらに
3段階にも渡り自身の形態を自由に変える。
最終形態は翼も生え空も飛ぶ………。
悪魔の操り球体関節人形"パペットマスター・ギル"
詳細は謎に包まれている………。
地獄の使い魔"モスマン"
ハーレムを創り獲物を見つけると執拗に付き纏う。
永きに渡りガンドラゴンを苦しめてきた。
四騎士の中では一番下っ端である………。
鏡の"ジョニー"
四騎士の中では最強の呼び声とされる。
不死身も不死身。決して倒す事が出来ない。
鏡の中を自由に行き来する。
彼に狙われたら鏡には近づかない事だ。
生前は最強のガンマン。
ビリー・ザ・キッドの亡霊である。
彷徨う亡霊は魔界の女王"ゴーストマンモス"によって悪魔の化身となり支配された。
話終わるとガンドラゴンは、ジープのミラーを全て愛用のアンリミテッドリボルバーで撃ち抜いた。
勿論、地面に落ちた壊れたミラーも。
鏡のジョニーにしてみれば、傷付いたA・J達をその気になればいつでも仕留める事ができる。
しかしジョニーは、ビリー・ザ・キッドの浮かばれぬ魂がそうさせるのであろうか?
最高のコンディションの相手との一対一の決闘を好む。
その領域だけは、魔界の女王"ゴーストマンモス"も支配する事が出来ずにいた。
マービン『なんでもいいから 早くこの村から出ていってくれ 魔界の四騎士だかなんだか知らんが もう懲り懲りだ…』
ガンドラゴン『すまない…しかし…この森には魔界の者共がすでに入り込み…己の領土にしようと目論んでいる…』
マービン『なんだって!?なんてこった…くそっ』
A・J『鏡のジョニー…とても他人事ではない気がする…』
マービン『そんなことより ゾーンは助かるんだろうな!?』
倒れたままのゾーンを気遣うマービン。
ガンドラゴンはゾーンに歩み寄り落ちているハットを目深に被った。
容体を見ると大事には至らないと言う。
ポイズンリムーバーが効いてるらしい。
静かだが呼吸をしている。
マービンは無線を入れる。
今日は野宿する事と、ゾーンが一命をとりとめた事を告げた。
そして、明朝救出に来るように指示した。
救命道具とカトレアも同行するようにと頼んだ。
幸いにもジープには携帯食料と水が積んであった。
応急処置用の治療薬と包帯も常備されていた。
それと食べかけのクッキーがある。
ゾーンが持つには、似つかわしくない可愛らしい袋に入っていた。
マービンは『ゾーンの奴、モテやがって』とヤキモチを焼きながら、
クッキーを貪る。
ガンドラゴンは焚き木を集め暖をとる。
マービンは酒でもあればと贅沢を言う。
すると
あるよ!と言わんばかりにウィスキーを取り出すガンドラゴン。
1人ショットグラスに一杯分しかない量であるが、この状況下では十分すぎる。
みるみる機嫌の良くなるマービンであった。
無論ショットグラスなど無く、平べったい水筒の廻し飲みである。
酒を飲んでる感覚が過去の光景とリンクする。
A・Jは以前にもデス・タウンの酒場でガンドラゴンを目撃していた。
ギャング団と一悶着した回である。
車も乗らずにどうやって移動してきたのか?を尋ねた。
鏡のジョニーがいては運転など出来るハズもない…。
すると
ガンドラゴンは乾パンを食べながら答えた。
聞けば、馬車があったのだが馬ごと何者かに盗まれたらしい。
おそらく複数の人間の可能性があると言う。
何故なら馬車には黒馬と白馬の二頭の馬が繋がれていた。
黒馬の名前は"メルセデウス"
白馬の名前"レクシス"
穏やかで大人しい雌のレクシスに対し、
決して人にはなつかない雄の荒ぶるメルセデウス
ガンドラゴンにだけは従順である。
大勢で抑えつけたか?
あるいは黒馬メルセデウスを手なずけたか?
どちらにせよ馬車は盗まれた。
それは気の毒だとA・Jとマービン。
そんな中、夜も更けかけた頃、無線が入る。
内容はというと、
ベイハム討伐のチームが見つけた地下トンネルは奥行き10M程で行き止まりの洞穴…キノコを栽培している室(ムロ)であった。というオチ。
そしてベイハムを発見出来ないまま寝不足と疲労の為、ジョシュとバリーは帰還した…………つづく
次回 【満月の夜】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.29 )
- 日時: 2015/10/12 17:19
- 名前: ワタル (ID: 6PL6dW6J)
【満月の夜】
戦いの疲れを癒しながらも、
ガンドラゴンの話に耳を傾けるA・J達。
にわかに信じがたい話だったが、
ようやく満月の夜に現れるという"ウルフマン"の事についても信憑性が増してきたA・Jであった。
そして、
ウルフマンの話をマービンが語り始めた頃…死んだはずのモスマンのあたりに何かが羽ばたいた!!
A・J『しっ!しずかに…』
ガンドラゴン『まさか!?』
緊張が走る!!
バサバサバサ!
マービン『今度は なんだ!』
鳥か?
謎の生き物《ガンドラゴン ガンドラゴン》
バサバサバサ!
謎の生き物《ガンドラゴン ガンドラゴン》
いや、フクロウだ!
しかし、その体は鳥でもなければ猛禽類でもない!
キラキラと翼を輝かせ、言葉を発する銀製の機械?フクロウ!?
ガンドラゴン『フーボー!!生きていたのか!?アッハハ!』
ポーカーフェイスのガンドラゴンではあったが、A・J達の前で初めて笑って見せた。
いい笑顔だ!
その生き物の名前は、フーボー。
身体はミスリル銀で出来ている。
言葉は喋る、知能もあるようだ。よもや不可解すぎて説明がつかない。
A・Jとマービンはまるで夢の世界にいるような気分だった。
フーボーと再会を喜び戯れるガンドラゴン。
実に3年振りであった。
__ガンドラゴンはモスマンとの対決は、9度目であった。
今回のA・Jやマービンの加勢した戦いで、ようやく終止符がついたのであった。
直接対決はなかったが、8度目は例の失われた村の教会。
フーボーはというと…。
今から3年前。
3度目の対峙である"時計台の戦い"の時にモスマンに喰われたのだ。
その時の時刻は深夜3時であった。
モスマンは嘲笑う様にして姿を消した。
この頃のガンドラゴンは、モスマンに翻弄されるだけの戦い振りであった。
力の差は歴然であった。
しかし今は強く、その名は恐れられている…。
黒竜のタトゥーが身体に浮き彫り始めたのもこの"時計台の戦い"の後であった。
この戦いの最中、ガンドラゴンは…落雷に撃たれ死んだ…。
と言うよりは"死亡説"が流れた。
だが
そんな事が過去にあったことさえ、A・Jやマービンは知る由もなかった…。
A・Jは何かが周り始めるような予感がした。
止まっていた時が動き出すような不思議な感覚。
するとどうであろう!
今度は遠くから力強く重い、蹄の音が、近づいてくるではないか!
やがて
暗闇の中から、ソレは姿を見せる!
すると
逞しい程の黒馬が現れた!
ガンドラゴン『メルセデウス!!!』
ガンドラゴンは機は熟したと言わんばかりに、
黒馬に跨るとA・Jとマービンに別れを告げる。
『私には やらねばならぬ事がある』と言い残し…。
フーボーを肩に乗せ、その場を立ち去るガンドラゴン。
ガンドラゴンは、また
何処へと姿を消した…。
マービンは『説明しろ!』だの。『ゾーンを村に運べ薄情者!』だのと、走り去るガンドラゴンに罵声を浴びせた。
A・Jは、いずれまた何処かで出会うであろう"宿命にも似た予感"を抱いて眠りについた…。
やがて朝が来た。
10人乗りの大型の車両にバリーとジョシュ、そしてジャンと姉のジェーン、その友達のマロン(ミルクちゃん)とカトレアの6名が迎えに来た!
マービン『おいおい 遠足に来たんじゃないんだぞ!我々の乗るスペースが確保されているんだろうな?』
相変わらずの態度のマービンに、バリーは適当にあしらう。
A・J『おお!ジョシュ !なんだか 懐かしいな』w
ジョシュ『A・J!傷だらけじゃないか!一体何が起きてたんだよ!』
安否を確認し合うジョシュ達。
カトレアはゾーンの哀れな姿に取り乱していた。
ゾーンをよく知るジャンとジェーンとて例外ではない。
マロン(ミルクちゃん)はゾーンの姿を見るなり号泣した。
デリカシーのないバリーがマロンに"そんなに泣くならついて来なければいい"という。
廃屋エリアは昼間でも薄気味悪く(今は早朝)マロンが怖くて泣いているものだと感違いするバリー。
全く持って無神経。
乙女心など理解せずのバリー。
経緯を聞き、怖いもの知らずのバリーが『オレも戦いたかった』と鼻息が荒い。
バリーの運転する大型車両は、何事もなく村に戻る。
カトレア達はすぐに負傷者の治療にかかる。
カトレアの診療所は患者用ベッドが4つしかなく、既に3つ埋まっていた。
ナックル、スター、リンクスが手当てを受け静かに眠っている。
状況を察したA・Jは、遠慮してゾーンに残りのベッドを譲ろうとするが、カトレアの父に止められる。
ゾーンは急遽カトレアの部屋に連れて行かれた。
マロンとジェーンとカトレアの3人で毒針毛の処置。
ルーペと消毒液と毛抜きを手に気長な作業?である。
カトレアの父『何を言っているんじゃ 君は!そんな大怪我で立っていられるだけで奇跡じゃというのに!』
A・Jはようやく鏡に映った自分の顔を見るなり意識が遠のく、何故なら、おびただしい出血が固まり顔全体を血で覆っていたからである!
A・J『どうりで ジョシュのリアクションが深刻だった…』
バタン!
倒れこむA・J
一同『大丈夫か!』
ジョシュ『A・J!A・J!A・J!』
…。
…。
…。
あれからどれくらいの時間が経ったのだろう…。
A・J!そう名前を誰かに呼ばれた気がした。
A・J『誰だ!?』
目を覚ますA・J。
窓際のベッドに寝かされ身体は固定され点滴を繋がれている。
夜だった。
すぐ脇の足元の方の椅子に座り眠る者の姿がある。
ジョシュだ。
腕と脚を組み器用にバランスをとり寝ている。
あたりは静まりかえっていたが、
何処からか女性の鼻歌が聞こえ、石鹸の香りが漂って来た。
シャワーの音。
カトレアの声だ。
風を感じた。
ふと見ると
窓が不自然に開け放たれカーテンが揺れていた。
次の瞬間枕元に気配を感じた!
しかし身体は固定され動かす事も出来ない!
ジョシュを起こそうと声を出そうとしたその時!口を手で塞がれた!
革の手袋の感触!
だけではない!
湿った布!
これは!?
次の瞬間何かを嗅がされ眠らされる。
薄れゆく意識の中、A・Jは枕の下に違和感を覚えた…。
その者はA・Jの枕の下に何かを忍ばせた。
そして浴室に向かう。
そこにはカトレアのシルエット。
ボディブラシで身体を洗うカトレア。
※以前、マービンがシャワーを借りた際に使用した硬めのタオルは、カトレアの父専用である。
勘の良い読者の皆さんなら、薄々お気付きであったであろう…w
そこを覗く訳でもなく、素通りすると2階のカトレアの部屋に侵入した。
部屋には"カトレア"と名前のロゴが付いていた。
ゾーンが眠っている。
ゾーンの荷物らしき無骨なバックパックがある。
その者はバックパックを開けそこにさりげなく何かを忍ばせた。
見つけてもらう為か?意味ありげにその何かのパーツの一部をはみ出すようにして。
そして煙にまかれるようにして姿を消した…。
翌朝
A・Jは不思議と目覚めが良かった。
石鹸の良い香りがする。
カトレアが枕の上に敷かれたタオルを取り替えている最中であった。
A・Jは頭を抱き抱えられていた。
首の後ろに手をまわされ、カトレアの胸元付近スレスレに顔を近づけ片手でホールドされいた。
もう一方の手で事務的にリズミカルにタオルをたたみ交換している。
A・Jは薄眼を開け寝たふりをする。
今度はカトレアの顔が近づいてきた。
覗き込まれている。
どうやら今ので興奮したのか鼻血が少し出たらしい。
拭き取るとカトレアは、隣で眠るナックルの方へいった。
ベッドは横並びで、入り口側からスター、リンクス、ナックル、A・Jの順で並んでいる。
因みに最初ナックルは、今A・Jのいるベッドに寝かされていた。
窓際のそこは唯一、付き添いの出来るスペースが確保してある。
ようやく意識が戻ったA・J。
仕切りのカーテンが全て開けられボロボロだが一命をとりとめた面々達の姿が見えると、心なしか安心でき仲間意識が芽生え始めていた。
死闘を生き抜いた場面が蘇る。
珈琲を飲み読書にふけるスター。
驚異的な回復力で朝からチキンをガッつくリンクス。
好きな食べ物を最後に残すナックルの苺を『食べないなら貰うよ』と勝手につまみ食いするリンクス。
喧嘩が始まり朝から賑やかだ。
みんな良い笑顔だ。
しかし
この翌日の晩こそが、"恐ろしい満月の夜"の始まりであった…………つづく
次回 【人狼の正体】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.30 )
- 日時: 2015/09/23 23:38
- 名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)
【人狼の正体】
____月の満ち欠けは、平均約29.5日周期で繰り返されると言う…。
この日は周期からいくと、ちょうど満月。
負傷したA・Jやスター達を除いたレンジャー部隊は、朝から重苦しい緊張感が張り詰めていた…。
ジョシュに関しては、前の晩からソワソワと眠れずにいた。
昼になり
村の中央にある一本の巨木のある広場に、簡易的なステージが設けられていた。
人だかりの中、何やら演説が始まる。
壇上にはマービンを中心に、トップソンとバリーの3人が立つ。
マービン『皆んな 聞いてくれ 我々は今 危機的状況に陥っている!…』
そう切り出すと、マービンはジョシュ、トップソン、バリーと共に、
ウルフマン討伐隊を立ち上げ、有志を募った。
トップソン『これは 強制ではありません !しかし!我々レンジャー部隊と森林警備隊は今 多大な被害により負傷者多数!人員不足にあります! よってここに同士を募集します!共に戦いましょう!』
作り笑顔で周りを見渡すソバカス顔のトップソン。
しかし
村人達は下を向き、怯える者が大半であった。
その中には"村を守るのがレンジャー部隊の役目だろう!"と酒を煽りながら野次を飛ばすアル中もいた。
その野次に気の短いバリーが敏感に反応して一喝する。
バリー『おい!お前ら!この村はバリケードに囲まれ外部からの脅威を防ぐ作りにはなっている! だがな…裏を返せば塀の中の家畜同然なんだよ!!いいか!?わかるか!?モンスターにしてみれば ここは!…いいたくはねーが…餌場同然なんだよ!!!』
バリーは、"腰抜け共、俺は1人でも行くぜ"と小声で呟き壇上を降りる。
それを見ていたジョシュは、バリーを引き止め、代わりに壇上に上がる。
見慣れぬ顔の登場に、村人達は注目する。
ジョシュ『俺の名はジョシュ!旅の者だ!悪魔のイタズラか!?はたまた神の思し召しか!?今ここに来て ここに立っている!』
村人達はジョシュの勢いのある"タダならぬ気迫"に圧倒され、ザワつき始める。
メシア(救世主)だ。
メシアに違いない。
老人の呟きで、ますますザワつき始めた。
ジョシュは好感触を実感し強気に続ける。
ジョシュ『メシア…(照れ)そう捉えて貰っても構わない…(得意顔)共に…(溜め)闘おうぞ!(鼻息)志願者はいるか!?(鼻息)骨のある者は!いないか!!!?(鼻息MAX)』
すると
ずっと広場の巨木の上の太い枝に寝そべり、リンゴをカジっていた"荒くれ者風"の男がジョシュめがけリンゴを投げつける!
ビュン!
バシィン!
見事キャッチ!
ジョシュ『危な!何者!?』
アフガン『ヒューゥ ナイスキャッチ!気に入った!…俺はアフガン!志願するぜィ!』
くるりと身のこなし鮮やかに着地すると壇上に駆け上がる。
マービンはすかさずアフガンと堅い握手を交わした。
マービン『アフガン!君の様な若者を待っていた!歓迎する!』
それに触発されたのか、続けざまに、もう二人の志願者が現れた。
屈強な大男のラン・ボウ。
そして
メガネを掛けて頼りない感じのハシームだ。
壇上に上がり、赤い腕章が手渡される。
レンジャー部隊の証だ!
マービン。
ジョシュ。
トップソン。
バリー。
ラン・ボウ。
アフガン。
ハシーム。
ここに今、七人の"ウルフマン討伐隊"が結成された!!
村人達は救世主の登場で歓喜に沸いた。
結束を固めるべく一行はレンジャー基地へと向かった。
最年少のジャンはというと"カトレア診療所"の警備だ。
彼もまた日々訓練を受けている為、下手な大人よりも十分頼りになる。
マービンはレンジャー基地に着くと皆に昼食を振る舞いながら改めて自己紹介を交わすとウルフマンの話を語り始めた…。
すると
突然!無線が入った!
発信元は森林警備隊本部だ!
そこには今誰もいないハズだった。
いや1人いた。
行方不明のドミニクだ!
声の主はドミニクだった!
内容はこうだ。
本部の裏手にある村へと渡る橋のたもとに死体らしきものがあると言う。
一同顔を見合わせ緊張が走る。
マービンは『今まで何処にいた!?』と怒鳴りつけるが無線は途絶えた。
マービンはトップソンを連れ現場に向かう。
ジョシュも食事もおろそかにそれに続く。
マービンやトップソン、ジョシュの残り物を、全てたいらげる大食漢のラン・ボウ。
"よかったらコレもどうぞ"と少食で食べるスピードが極端に遅いマイペースのハシーム。
早食いのアフガンは既にイビキをかいて寝ている。
バリーは一癖も二癖もある彼らと上手くやっていけるかどうかと不安になり頭を抱えた。
そう
無能な隊長は隊を潰す…。
シューティング・スター不在、スコット亡き今。
にわか仕込みの"烏合の衆"である。
そして
物語は急展開に幕を閉じる。
死体は覆面の男だった!
トップソンは『こいつだ!こいつに投げ飛ばされた!』と確信した。
マービンは覆面を剥ぎ取ると、今度はジョシュが驚きの声を上げる!
ジョシュ『べ! べ !べ! べ! ベイハムさん!?』
それは両目を潰されたベイハムの水死体であった。
恐怖のウルフマンもこうなるとタダの人間だなと一言で片付けるマービン。
しかしあっけない。
マービンはトップソンとジョシュと共に死体を埋葬すると既に日も暮れ始めた空を仰ぎ、ガンドラゴンを思い出した。
きっと彼がウルフマンを退治してくれたのだろうと…。
また、ドミニクの姿が見えないが、いつものことだと、気にかける者はいなかった。
ジョシュは仕事を終えると、1人カトレア診療所にA・Jの見舞いに行く。
日も落ちたが、満月はあたりを覆う雲に閉ざされていた。
警備のジャンはウルフマンの件が終焉を迎えたと聞き、安心したのかソファーで眠りこけている。
スターとリンクス、ナックルも眠っているのか静かだ。
A・Jだけは起きていた。
ジョシュはA・Jに出来事を話した。
また延々とジョシュの身振り手振りの独壇場の語り口である。
すると覆面男の水死体の話が妙に引っかかるA・J。
ドミニクが今だ行方不明な事にも腑に落ちない点があった。
ジョシュは呆れた様にドミニクは臆病者だからウルフマンの現れる時期に合わせて何処かに逃げ隠れしてるお調子者だって噂だよと笑い飛ばす。
すると
突然A・Jが何か閃いたように切り出す!
A・J『覆面の男はベイハムとか言う男ではない…』
ジョシュ『A・J 待ってよ 急に何言い出すんだよ トップソンも見たんだぜ!?』
A・J『トップソンはよそ見をしていてぶつかり すぐに投げ飛ばされている…詳しく見てないハズだ…俺はハッキリと見た!覆面の男はドミニクだった…しかも奴の片目は義眼だ!!』
ジョシュ『嘘だろ!?まさか! ?言われてみればドミニクはあまり人と目を合わそうとしない…それどころか話す時も手で顔を覆う様な仕草をしていた!…タダの恥ずかしがり屋かと思っていたよ…』
A・J『そして奴は何故 満月の夜になると決まって居ない!?そして皆んなの足を引っ張るように肝心な時には何故!?決まって居ない!?』
ジョシュ『まさか…でも例のガンドラなんとかという正義の味方みたいのが退治したんじゃないの?現にウルフマンも現れてない!今日は満月だ!』
窓の外を指差すジョシュ。
月は雲に覆われていて見えない。
A・J『…ジョシュ 戦え ドミニクを探すんだ!新たな犠牲者が出る前に!』
ジョシュ『そんな…ドミニクが!?ベイハムさんは人狼じゃなかったのか?…』
A・J『おそらく間違いない!さらに面白い物を見せてやる…』
そういうとA・Jは枕の下に手を入れ、何かを取り出した!
それは
アンリミテッド・リボルバー。
その中に聖母マリアの銀の硬貨を溶かして固めた銀の弾丸6発。
A・J『これはガンドラゴンの愛用銃だ 何故ここにある!?これが何を意味するか解るかジョシュ!?ウルフマンとの戦いはまだ終わっちゃいない…』
そういうとA・Jは銃をジョシュに持たせる。
A・J『そこの3人は安静にさせる為 カトレアが睡眠薬を飲ませて眠らせている…俺も飲まされたが吐き出した…人狼が現れたらきっとジッとしていられない連中だからな…特にリンクスは這いつくばってでも戦地に向かうだろう』
ジョシュ『(ゴク)だな…』リンクスの強さに生唾を飲むジョシュ。
A・J『早く討伐隊に戻って事実を報告するんだ!』
ジョシュ『わかった!必ずウルフマンを仕留めて見せるさ!』
ジョシュを見送るA・J。
寝返りをうつだけで激痛が走るほどの痛みをこらえるA・Jであった………つづく
次回 【マービン危うし!狙われたレンジャー基地】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.31 )
- 日時: 2015/09/23 23:36
- 名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)
【マービン危うし!狙われたレンジャー基地】
ジョシュは走った!
ジョシュ『いつもA・Jの影に隠れてオレは 負んぶに抱っこだ! ハァハァ』
走るジョシュ、レンジャー基地が見えてきた。
ジョシュ『今度はオレが皆んなを守り 闘う番だ!ハァハァ』
すると裏口からレンジャー基地の厨房に忍び込む怪しい人影が見えた!
ドミニクだ!!!
中へ侵入した!
ジョシュは興奮しながら銃を構え走った!
ドアの前まで来ると、木の扉を蹴破った!!
ジョシュ『袋のネズミだ!観念しろ化け物!ベイハムさんを何故殺した!?罪をなすりつける為か!?』
銃口を向けるジョシュ。
ドミニクはアンリミテッド・リボルバーを見ると妙に怯えた。
ジョシュ『ほう これが普通の銃ではない事がわかるのか?銀の弾丸が弱点てのは本当らしいな』
ドミニクはまるで別人の様な形相でジョシュを睨む…。
すると
争いを聞きつけドタバタとマービン達が厨房に押し寄せた!
マービン『おい!そこで何をしている!銃を降ろせ!気でも狂ったか!?』
ジョシュは駆けつけたマービン達に銃を向けられる!
バリーとトップソンがジョシュに銃口を向ける!
ジョシュ『ちょっと待って!おかしいだろ!?何故ドミニクがここにいるんだ!皆んな銃を降ろせ!』
マービン『おかしいのはお前の方だ!ドミニクが厨房にいるのは当然の事だろう?コイツは料理長だからな』
バリー『おいジョシュ!!貴様!はやく銃を捨てろ!』
騒ぎを聞きつけアフガン、ハシームも姿を現せる。
ジョシュは取り押さえられマービンに、銃を奪われた。
マービンはリボルバーの弾丸を全弾抜くとポケットに入れた。
が、一つこぼれ、落とす。
ソレは、コロコロとハシームの足元に転がってきた。
ハシームは、メガネを動かしながら興味深そうに拾い見る。
ハシーム『これは珍しい…銀の弾丸でありますなぁ…(ボソ)』
誰も聞き取れないくらいの小さな声で呟く。
アフガン『ん?なんか言ったか?』
アフガンが振り向くとハシームは慌てて銀の弾丸を隠した。
ハシーム『いやはや …今日のメニューは何でしょう?』
アフガン『知るか!?今そんな状況か!?…たくっ!』
呆れた様子のアフガン。ハシームは、とぼけてごまかした。
結局、ジョシュは話すら聞いてもらえずにバリーと、マービンに取り押さえられた。
ジョシュはドミニクのしたためた笑みを見逃さなかった。
マービンは、バリーとラン・ボウにジョシュを森林警備隊本部の独房(檻)に叩き込んでおけと指示する。
ジョシュ『お前ら自分達が何をしてるかわかっているのか!?』とわめく。
バリー『ハイハイ メシアさんご苦労さん』と哀れむ。
マービン『ジョシュ!一人じゃ寂しいだろうから銃は返すぞ!その銃に合う弾は此処には ないからな…持っていても意味がない』
___本部へは徒歩でも行ける距離だがジープで向かう。
ジョシュは檻に入れられてしまった。
バリー『よし ラン・ボウ戻るとしよう…どうした?』
ジョシュを独房に入れた後、外にでて車に乗り込むバリー、異変に気付いた。
ラン・ボウは…
空を見ている…。
雲が晴れ…
満月が姿を現わす!
ラン・ボウ『うが…ウガガ…』
バリー『どうした?ラン・ボウ!?…まさか!?』
様子がおかしい…慌てて銃を構えるバリー!
ラン・ボウ『ウガガ…ウガァァァ…ああ〜あ』
只の"アクビ"だったw
バリー『脅かすんじゃねぇーよ!!オメェはよー!!』汗
バリーとラン・ボウは、レンジャー基地に戻る。
その頃
レンジャー基地に異変が起こり始める…。
アフガンは愛用銃のAK47を眺めたり構えたりしている。
トップソンは何やら女性の絵を描いていた。どことなくリンクスに似た絵だ。
ハシームは何処か行ってしまったようだ。姿が見えない。
バリー達はまだ戻らない。
ドミニクのいる厨房に向かうマービン。
月明かりに晒され、窓際でガタガタ震えているドミニクの後ろ姿を目にする。
マービン『おい どうした?ドミニク?具合でも悪いのか?』
ドミニク『グググ…グヒ…グヒ…グヒヒフヘヘハハ…』
マービン『おい!大丈夫か!?』
ドミニクの肩を叩くと、何かが落ちた。
マービン『ドミニク!なんか落としたぞ』
マービンの足元に丸い何かが転がりぶつかる。
思わずかがんでソレを拾う。
マービン『なんだこれ?……ん?…うっうわ!わわわ!?…め! 目ん玉じゃねぇか!?』
それは良く出来た義眼であった。
バリバリバリバリ
衣服が裂ける音!身体が肥大化していく!
片目は無い。
見上げるマービンの瞳に、おぞましい獣の姿が映った!
満月に晒され正体を明かしたドミニクが襲いかかる!
一瞬の出来事であった…。
ワオォォォーンン!!
瞬殺!
マービンはウルフマンに肩を噛みひきちぎられ、叫び声ひとつ発する事無く、床に崩れ落ちる。
ドサッ
アフガン『何事だ!?』
同時刻にバリー達や、檻に入れられたジョシュでさえ、その狼の遠吠えにも似て否なる、恐ろしい咆哮を聞くことになる。
バリー『嘘だろ!?聞こえたか?ラン・ボウ!?』
ラン・ボウ『聞こえただだ…狼だだ』
※ラン・ボウは語尾に"だだ"がつきますw
ジョシュ『今のは!?ウルフマン!?だから言ってんだろうによー!出せよー!出してくれー!』
ガン!ガン!
檻を叩くジョシュ!
すると
暗闇の中から月明かりに照らされ何かが近づいてくる!
ジョシュ『なななんだ!くるな!オバケ!?』
脅えながら弾の入っていない銃を暗闇に構えるジョシュ。
月明かりにメガネが反射する。
弱々しい姿と共に、見た事のあるシルエット。
ハシーム『僕ですよ〜 ジョシュさ〜ん ハシームで〜す』
どうやら、後を追跡してきたハシームが助けに来たらしい。
ハシームは、ジョシュの味方であった。
鍵を開け救出するハシーム。
2人はウルフマン討伐の為、本部で装備を整える。
夜戦仕様"ナイトウォーリアー"だ。
赤外線スコープ搭載ヘルメットとハンドガン。先にはライトが付いている。
タクティカルスーツに着替えた。
戦場に向かう。
レンジャー基地ではウルフマンとアフガンの一騎討ちだ!
トップソンはアフガンの身体能力に度肝を抜かれ、ウルフマンから身を潜め隠れるだけで精一杯であった。
無理もない。
アフガンはリンクスと同じく"狩猟民族"の生き残りだ。
遠い祖先は皆、半分獣の血が混じっている。
そのDNAを引き継いでいるのだ。
ウルフマンの俊足の咬みつき攻撃を紙一重でかわすと、AK47が火を吹く!
ババババババババ!!
致命的なダメージは与える事が出来ないが、ウルフマンに攻撃の隙を与えない。
トップソン『あの アフガンと言う男 強い!今まで出逢ってきた誰よりも強いぞ!』
ウルフマンは予想外のアフガンの強さに逃亡をはかる。
窓を割り逃げ出した!!
アフガン『おっと!逃がさねぇぜぃ!』
割れ残った窓ガラスのギザギザになって窓枠についた部分を叩き割ると、アフガンは窓を乗り越えウルフマンを追った。
トップソン『ちっくしょう!』
恐怖にかられながらも追いかけてしまうトップソンであった。
そこにバリー達のジープが通りかかる。
バリー『おや?誰か走ってるな?……あれは!?トップソンか? 』
クラクションを鳴らす。
トップソン『助かった!乗せてくれ』
後部座席に乗り込むトップソン。
バリー『どうした?トップソン傷だらけじゃねぇか?』
トップソンは自分ではわからなかったが、身体中擦り傷だらけであった。
がむしゃらに逃げ隠れしてる際に出来た傷だった。
トップソン『そうなんだ!ウルフマンが出たんだ!』
バリー『なんだって!?やはりさっきの遠吠えがそうか!?』
トップソン『そうさ…ウルフマンは…ドミニクだったんだよ ジョシュの言うことを聞いていればあんな事には…』
バリー『おいトップソン!細かい話はいいから!ウルフマンは今どこだ!?』
トップソン『ああ! ウルフマンは背中に傷を負いながら墓場の方へ逃亡した!アフガンが一人で追っている!』
バリー『なにぃ!?マービンはどうした!?ブルって逃げたか!?』
トップソンの声色が変わる…。
トップソン『マービンは…ウルフマンに殺られた…』
その一言で、戦慄が走る…。
統率の取れていない"烏合の衆"果たして勝算はあるのであろうか……つづく
次回 【ナイトウォリアーズ】どうぞお楽しみにw
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