コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 零fighter山鷹隊 【完結】
- 日時: 2018/12/11 03:01
- 名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)
零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。
歴史の背景にその影ありき……。
悪あるところにその影ありき……。
事件あらばその影ありき……。
果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。
____プロローグ
……とある満月の晩の事。
【デス・プリズン】
耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。
スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』
2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。
侍風の傷だらけの男『……。』
その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ
全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。
謎の長身の男『フハハハハハハ』
《ガシャン》
鉄の"分厚い扉"が閉められる。
《ガチャ》
錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?
……やがて誰の気配も感じなくなった。
まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。
ミフネ(このまま安住も悪くない)
ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。
____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。
全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。
ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)
ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。
しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!
すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。
今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。
ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)
小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?
そして!!!
夜月に浮かぶ !!!
<3つの影>!!!!
その正体とは!?
……つづく。
主題歌
[Alexandros ]Droshky
ending
[Alexandros ]Adventure
挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w
戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)
以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル
次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw
全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』
《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3
【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11
デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19
はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22
モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28
人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
アタッカー・ジョー完 >>35
【第2章 ザ・バトルライン】
パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40
パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
【第3章 ナインソルジャーズ】
猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62
魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70
【最終章 ファイナル・クロニクル】
死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91
魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)
最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111
新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ
newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful
※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。
…NEXT
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- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.22 )
- 日時: 2015/08/07 17:41
- 名前: ワタル (ID: wIAOO7NO)
【廃屋エリアは激戦区】
事件は前触れなしに起こりうる…。
覆面の男は掴みかかるトップソンの勢いを逆手にとり投げ飛ばす!
派手に平垣にぶつかりグロッキーだ!
※グロッキーとは、ダウンして戦闘不能の意味。
ジャンは息を呑み、怯んで後ずさる。
仲間内でも喧嘩の強い方である長身のトップソン。
その彼が簡単に倒されては、容易に近づく事すらままならない。
そこへ走りこんでいくA・J!
A・J『おい!こっちを見ろ!』
覆面男が見えにくそうに身体ごと振り向くと、
A・Jは飛び上がり両脚で"カニばさみ"の様に首を捉え、そのまま身体を横に捻り転ばせる!
覆面男は前転する様に円を描くように倒され仰向けになる。
ジャン『つ、強い!!』
驚き興奮するジャン。
すかさず馬乗りになり、マウントポジションをとるA・J!
ジャンはスピーディーなその動きに、ただただ驚きとどまっている。
A・Jは正体を暴こうと覆面に手をかけた。
その時、覆面男と目が合った。
A・Jはこの男に見憶えがあった。すぐには思い出せないが見た事のある顔だ。
A・Jの抑える"力"が一瞬緩んだ。その僅かな隙をついて跳ね除ける覆面男。
立ち上がり、棒立ちのジャンを突き飛ばすと覆面男は墓地の奥へと逃走した。
片膝をついたまま呆然とするA・J。
A・J『ドミニク……』
ジャン『イッテテ…え!?なんだって!?』
突き飛ばされた拍子に尻餅をついたジャンは、砂ぼこりを払いながら尋ねた。
A・J『いや…なんでもない…』
(そんなはずはない…)
心の中で呟く。
とその時!
墓地の向こうの廃屋エリアから、ドラムロールのような連続する銃声が微かに聞こえてくる!!
A・J『銃声だ!』
ジャン『あの音は リンクスだ!P90をフルオートで発砲する音だ!!』
A・J『あの2人…手こずってるようだな…だが…遠いな!何か乗り物はないか?』
ジャン『それなら 僕の家にダートバイクがあるよ!この先の赤い煉瓦造りの家だからすぐわかるよ!』
A・J『よし それで行こう! バイクのキーは?それと武器もいる』
ジャン『バイクのキーは付けっ放しだよ !たまにゾーンが借りてゆくからね!勝手に(笑)武器は確か…猟銃と狩猟用のクロスボウがあるはずだよ!』
A・J『それならばクロスボウを借りるとしよう…鳥を狩るには十分だ』
A・Jはカトレアの家の診察室の入り口付近に、愛用のショットガンを置き忘れていた…。
取りに戻っても良いのだが、動きの速いハーピーには、取り回しが悪く不向きだと判断した。
A・Jのショットガンは大型で鈍足な"デカブツ"相手に効果を発揮する。
A・Jはトップソンの手当てを頼む、と言い残し走る。
ソレに頷き、ジャンは家には口煩い(くちうるさい)姉貴がいるから注意するようにと付け加えた。
しばらく走ると、
すぐに赤い煉瓦造りの家に辿り着く。
家の中からピアノの音色が聴こえる。
そして
観音開きの大きな扉の付いた農舎の中に、紅く色の褪せた古びたキック式のダートバイクを見つける。
キーは付けられていた。
周りを見渡すと、木製で造られた棚に塗料の入った瓶や農機具と一緒に、クロスボウと専用の矢が十数本入った矢筒を見つける。
そしてクロスボウをぶら下げる専用のベルトもあった。
猟銃は見当たらない。
それらを装備して
バイクのエンジンをかけるが、かからない。
2度3度試みるが、かかりそうでかからない。
すると、
ピアノの音がとまり、声がする。
姉『誰?ジャンなの?』
まずい ここで出会すのは面倒な事になりそうだ。
姉『ねぇー?ジャァーン?帰ったのー?』
まずい 声が近づいてきた。
A・Jはバイクを押しがけする事にした。
幸いジャンの家の前には、ちょうどいい傾斜の長い下り坂があった。
キーをオン状態にしたまま、ギアを3速に入れクラッチを握り、バイクと並走しながら押しがけを試みる。
下り坂に差し掛かりバイクに飛び乗り跨る。そして坂を下り、スピードにのってきた所で、クラッチを離した!
ガツンと言う反動と共にアクセルを小刻みにフカシてからフルスロットル!
心地良い排気音の抜ける音と共にエンジンが唸りをあげる!
歓喜!
姉『ねぇー?いるなら返事くらいしなさぁーい?』
ガチャ
玄関を開けた姉の目に、バイクに乗る後ろ姿が遠ざかる。
姉『あ…ジャンじゃない…ゾーンかしら…?』
A・Jは廃屋エリアへと向かった!!
その頃
トップソンは手当て受け、上半身包帯巻きの姿に。
怪我の経緯を話すジャン。
カトレアの家の風呂場が謎の覆面男に覗き見され、取り押える為に乱闘になったと説明した。
しかし風呂に入っていたのが、41歳のオッサン(マービン)であった為、一同大爆笑。
A・Jがいない事を尋ねると、リンクス達の加勢に1人戦地に出向いた事が判明。
マービンは我々では足手まといになるか、犠牲者が増えるだけだと結論をだす。
マービンはナックルの容態が気掛かりだと言い、無理矢理付き添いを申し出る。
こうなったのも自分に責任があると言って聞き分けがない。
下心まるだしで、わざとらしい態度にも関わらずカトレアは呆れて根負けした。
トップソンとジャンは眠るナックルに『早く 元気になれよ…』と一声かけるとレンジャー基地に戻る。
入れ替わりに出先から帰宅するカトレアの父。
カトレアの父はカトレアから事情を聴き職務を交代すると、マービンと共に診察室に残る。
カトレアはホッとした様子で微笑みながらマービンに会釈すると、自室に行ってしまう。
マービンは苦笑いで見送る…。
そんな中、
廃屋エリアは怒り狂ったハーピーと、こちらも派手に乱舞するリンクス達とで、血で血を洗う女の闘いが繰り広げられていた!!
リンクス『オラ!オラ!オラ!オラァァァァ〜〜〜!!』
その銃撃はさながらドラムロール!
小脇にP90を抱えながら左右に揺さぶり、ホウキで掃く様に弾幕を張る!
50連装マガジンを使い切る前に、新しいマガジンを装填するリンクス。
リンクス『大人しく!!ハチの巣になりなァ〜〜〜!!』
怒りに身を任せ乱射しまくる!
まだ弾の残ったマガジンを潔く投げ棄てる。
廃屋のバルコニーの物陰に隠れレシーライフルを構え狙撃のタイミングを見計らうS・S。
息を潜めるがその呼吸は荒い。
利き腕を負傷した為、思うように狙いが定まらない!
ハーピーを廃屋エリアまで誘き出した所までは、良かったがよそ見をしていたリンクスがバイクの操作を誤り転倒。
リンクスは無傷だったが、放り出されたS・Sは少しばかり穏やかではない。
なのに、今、猛烈にキレまくっているリンクスの戦闘服は、ほとんどビリビリに破られていた!かろうじて胸に巻かれたサラシだけは奇跡的に無事だった。
爆乳は非公開のまま守られている。
転倒した際に一度2匹のハーピーに捕まり、上空へと連れて行かれ衣類を破られ、身ぐるみを剥がされそうになり、辱めを受けていた!
そうハン・サムのように!
さらに、面白がる2匹のハーピーに押さえつけられ、下半身を露わにされる寸前まで下着を剥ぎ取られそうになる。
この時ばかりは、気の強いリンクスも一雫の涙を流し泣いた。
だが、S・Sの銃弾がその慰みを封じる!下着に手を掛けたハーピーの手のひらを吹き飛ばす
あわや間一髪!
すぐさま鎖鎌の分銅をハーピーの首に巻きつけ、脱出ロープのように上手く使い離脱!
それからの怒りの猛反撃である!!!
泣いたリンクスはさらに強い!!!
不思議と下着はあれだけ暴れても糸1本でつながっている。
上着の丈が長い為、後ろ姿はミリタリーワンピースのようだ。
フロントからの姿は良い子には見せられない…。
やがて形勢は逆転し、
P90の猛烈な銃弾とS・Sの援護射撃の前に、
翼を怪我した2匹のハーピーは、
逃げ惑うばかりで反撃の余地も無い……………つづく
次回 【モスマンの恐怖】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.23 )
- 日時: 2016/11/17 19:42
- 名前: ワタル (ID: q6B8cvef)
【モスマンの恐怖】
リンクスの放つP90の猛烈な弾幕に阻まれ、ハーピーの鋭いカギ爪も効力を発揮できない。
威嚇の奇声をあげるハーピーに対して、決着(けり)を付けるべく間合いを詰めるリンクス!
P90を小脇に抱え走る!
人間工学を元に造られた小型の短機関銃P90は、
身体に限りなくフィットする為、マシンガンを持っている感覚はほとんどなく、まるでハンドバッグの様だ。
走る際に全く違和感がない。
直前まで迫るリンクス!
2匹のハーピーも、最期の反撃を試み上空へと舞い上がる!
立ち止まり銃を構えるリンクス!
ハーピーを捉えた!!
リンクス『もぅらったぁぁっっ!!ロックオン・フィーバー!!!!』
が!
しかし!
リズムカルなドラムロール音は、廃屋エリアには鳴り響かなかった!
リンクス『クソ!!ジャムった!!』
※"ジャムった"のジャムは渋滞などを示す。この場合、弾の詰まりである。
青ざめるリンクス。
バルコニーから様子を伺っていたS・Sは、異変に気づき、すぐさま動きの鈍い手負いのハーピーの頭を撃ち抜きトドメを刺した!
しかしS・Sは怪我のため、連続して撃てない!!
S・S『逃げて!!!リンクス!!!!』
逆光と重なり襲い来る!
リンクスは敵に背を向け全力で走る!
ハーピーの鋭いカギ爪が、逃げようとするリンクスの両肩を捕らえた!
リンクス『痛っ!』
またもや上空へと羽ばたくハーピー!!
ピギャァ
歓喜にも似た奇声をあげる!
リンクス『くっそぉぉぉー!!ち…力が!入らない!!』
嫌がるリンクスを嘲笑うように、さらに強く鷲掴みにする!
リンクス『イッたぁっっっ…………う……うぅぁ…もう…ダメ(吐息)』
S・Sは狙いを定めるがハーピーは逆光に身を投じてソレを撹乱させる。
慌ててグラサンをかけるS・S。
そこに、
木々をすり抜け丘を走る赤いダートバイクの姿!!
S・S『あれは!?ゾーン!!!!』
ブロォォォォォン!!
ジャンプした!!
その姿"A・J"登場!!!
向かいの建物に飛び移り…
密集する家屋の屋根伝いに走る!
クロスボウを構えた!!
ジャキッ
やや下方向を向けるA・J。
S・SにはA・Jの狙う矢の軌道が、リンクスを狙っている様に見えた!
S・S『ゾーンじゃない!!ちょっと!!アンタ!どこ狙ってんの!!』
バシュウン!!
S・Sの制止を待たず矢を放つA・J。
A・J『これだから 素人は困る…』
A・Jの放つ矢はリンクスの後頭部目がけ飛んでいく!!
しかし、スピードが最高点に達っする直前で急にホップアップする!
見事ハーピーの翼の生えた背中の、ど真ん中を撃ち抜いた!!
※ホップアップとは弾道が上に反れること、下に反れるはホップダウン。
ハーピーはゆっくり羽をばたつかせ、徐々に高度を下げ息絶える。
A・Jは途中、クロスボウの精度を計るため試射していたのだ。
そのため、矢を2本無駄にしたが、ホップアップに気づき、結果的に闘いを成功に導いた。
ふと2匹のハーピーを見ると不思議と塵となり蒸発していくではないか!?
そして
先程までの空は、暗転。
黒い不気味な積乱雲が廃屋エリアを埋め尽くす。
リンクスは仰向けになり大股開きで軽い気絶状態だ。
その無防備にさらけだした姿を見て、赤面するA・J。
と、その時
雷が鳴り響き、激しいスコールが!!
S・S『あなたはA・Jね!?2人共こちらに避難して!!早く!』
そう叫ぶとS・Sは、雨で弾薬がシケてしまわないようにライフルをかばいバルコニーから建物の内部へと避難する。
A・J『了解!!』
A・Jの声を掻き消すように激しいスコールと轟音が鳴り響く。
目のやり場に困りながらもリンクスを背負うA・J。
雨のせいかリンクスの下半身はグッショリと濡れていた。
背中に鼓動と体温を感じる。
苦しそうに息が荒い。
意識が戻りつつあった。
そして、轟音の正体が近づいてくる!
雲を引き裂き
巨大な黒い飛行物体が雲の固まりを帯びながら出現した!!
S・S『何なの一体!!』
A・J『なんだあれは!!戦闘機か!?』
やがて、まとわりつく黒い雲が脱ぎ捨てられる様に剥がれ…
轟音と思われたのは、地獄の咆哮。
その姿は戦闘機なんかではない。
陽炎の様に赤く燃え揺らめく二つの丸い眼!
身体の何倍もある大きくひらかれた黒い翼!
首はなく、胸の辺りに鬼の様な形相の顔!
そしてその顔は反時計回りにクルクルと不気味に廻る!
そう
地獄の使い魔"モスマン"の登場である!!
突然の襲来に立ち竦むA・J。
A・J『なんだ…あいつは…あんな化け物!見たことがない!!!』
S・S『うそ…こんなの…はじめて…(ゴク)…こ…この世の…終わりだわ…』
_その頃
レンジャー部隊のジープに乗ったゾーンが、ジャンの家にたづねて来ていた。
ゾーンは人狼騒ぎの一件以来、時折姿を現わす謎の黒装束の男を探し回っていた。
小回りのきくダートバイクを借りに来たのだ。
しかし、バイクは見当たらない。
そこで、姉のジェーンを尋ねると………
ジェーン『あら?ゾーン早かったのね?バイクで出掛けたんじゃないの?』
ゾーン『ご機嫌よう!ジェーン!おれがバイクで出掛けた?何の話だ?』
俺は今来たばかりと言わんばかりのゾーンに対して、早とちりのジェーンはバイクが盗まれたと騒ぐ…。
と、そんな事より、クッキーを焼いたから食べていけとウルサイ…。
数時間前にゾーンがバイクを借りて行ったと思い込んだジェーンは、ゾーンの為に友達を集めクッキーを焼いていた。
誰とでも分け隔て無く接っして愛情深く、幼少期からずっと優しい、蠍座O型のゾーンは女性に大人気だった。
ゾーンはバイクを盗んだ犯人の事が気がかりだったが、せっかくのジェーン達の好意を無駄にはできなかった。
暖炉のあるリビングに通されると部屋の中は甘いクッキーの匂いが立ち込めていた。
5,6人の女子達がゾーンの訪問に"きゃっきゃ""きゃっきゃ"と騒いでいる。
ぐぅぅ
腹の虫が鳴るゾーン。
考えて見たら昨日の夜から何も食べていない事に気づいた。
ジェーン達はゾーンの素振りに微笑ましく笑った。
姉のジェーン達は同い年の18歳で幼馴染だ。
ジャンは2つ歳下だ。
因みにトップソンはゾーンの2個上。
しばし、お茶会を愉しんだ。
女子達は代わる代わる、ゾーンに手作りクッキーやお菓子を振る舞った。
珈琲が苦手なゾーンにホットミルクを持参した女の子にゾーンは驚いた。
何故ならゾーンはホットミルクが大好物なのだ!
どうやら、その娘は昔からゾーンに特別な感情を抱いていたらしい。
決して口には出さないが行動や見つめる視線でバレバレである。
ホットミルクが好きな事も知っていた。
因みにゾーンは酒が一滴も飲めない。
レンジャー部隊の入団の決め酒(おちょこ1杯)で倒れて寝るという事件があった。
※お酒は20歳になってからw
ホットミルクを持参したその娘は、マスコット的なキャラの為、この日も"ミルク"と命名されイジられた。
かといって仲が悪い訳ではない。
ゾーンも"ありがとうミルクちゃん"などと言うから、まんざらでもない様子だ。
雑談の中で、さりげなくジェーンにだけ盗まれたバイクの話を聞くと、その男は背格好や雰囲気がゾーンにそっくりだったと言う。
そのワードに聞き耳をたて静かになる女性陣wイケメンには敏感のようだ。
1人ミルクちゃんだけは、憧れの眼差しでゾーンを見ている………。
そして
その犯人とおぼしき男は、誰も踏み入る事を許可されない、村の立ち入り禁止区域に指定された廃屋エリアに向かった事が判明する。
ゾーンはジェーン達の間で密かに流行っているゲーム。パンパン◯ピコを一通りルールもおぼつかないまま終えると、女子会(お茶会)から後を去った。
ジェーン達はゾーンを玄関まで見送る。
愉しんだ礼を言うとジープに乗り込み走り出すゾーン。
やがて小雨が降り、
ピアノや楽器で歌い遊ぶジェーン達をよそにミルクちゃんは、心配そうに窓の外を見つめていた…。
_____暗雲立ち込める廃屋エリア。
一抹の不安を抱えながら先を急ぐゾーンであった…………………つづく
次回 【モスマンの脅威】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.24 )
- 日時: 2015/08/22 16:11
- 名前: ワタル (ID: A7M9EupD)
【モスマンの脅威】
ゾーンの行く手を阻むかのように、廃屋エリアに近ずくにつれ、突然激しいスコールに襲われる。
ゾーンは重火器を大量に積んだレンジャー部隊が所持する、唯一の幌付きのジープに乗っていた。
しかし今は幌は外されオープン状態だった。
ゾーンは首にかけているトレードマークのビンテージゴーグルをかけると雨の凌げる場所に停車して幌をかける作業にかかる。
廃屋エリアはすぐそこだというのに気持ちが焦る…。
と同時にバイクを盗んだと思われる人物の足取りを見失った気分になった。
よく考えてみれば、ダートバイクならば車道(林道)を通らずとも林の中の獣道をいくらでも走れる。
実際、林道は大きく迂回している為、ダートバイクで林の中を直進すれば、廃屋エリアまではすぐだった。
だが、相当の運転技術を必要とされるが…。
幌をかけるゾーンは、見晴らしのよい小高い丘の中腹にいた。
切り開かれた木々の間から、廃屋エリアの全貌が遠くに見える。
しかし目には見えていても、かなり林道が迂回している為、距離はまだまだ遠い。
ヤキヤキするゾーン。
幌を装着し車内に乗り込むその視界に、おもむろに映り込む大きな飛行する影の姿。
眼を凝らすゾーン。
険しい顔でそれを探す。
廃屋エリアに何か、とてつもなく巨大な何かがいる!!
ゾーン『なんだあれは!?』
ゾーンは伸縮する自前の望遠鏡を手に取ると、覗き込んだ。
すると、見たこともない大きなサイズの飛行する物体が、家屋を次々と、体当たりで破壊している!!
まるで、シラミ潰しに獲物を探すように!!
ゾーン『あの化け物は何をしているんだ!?』
状況が把握できない事と、目の前の怪物を前に混乱するゾーン。
次の瞬間心拍数は高鳴り始めた!
何故なら、
その悪魔の様な怪物が狙う獲物が、我等が同志、
森林警備隊である事が判明する。
そこにはオリーブドラブのビンテージバイクが倒れている。
あれはまさしく、リンクスの物だ!
なにを隠そうバイクの乗り方は、16歳の頃にリンクスから教わったゾーン。
今でもバイクの腕は彼女にはかなわない。
※因みにリンクスとゾーンは無免許です。(内緒)
S・S、マービン、バリー、トップソン、故スコットは大概の運転免許取得済です。
無免許運転は違法です。良い子は教習所で免許取得してから…。
ゾーン『なんてこった!!』
ゾーンはすぐさま無線で応援要請をする。
その頃、レンジャー基地では…。
夕飯の支度をかけ、テーブルを囲みポーカーをするトップソンとジャン。
そこにマービンも帰宅していた。丸いテーブルに腰掛ける。
突然の帰宅に無責任さを追求する2人に、まるで子供のように反論するマービン。精神年齢は彼らと一緒のようだ。
どちらかと言えばトップソンの方が大人だ。
マービンはソワソワしていた。何故なら先程カトレア宅でシャワーを借りた際にブリーフを盗まれていた。故にノーパンの為、落ち着きがない。
ボディービルで鍛えたガタイの良いマービン。
しかし喧嘩は見かけほど強くない…。
ブリーフもエメラルドグリーンのティーバックを履いていた為、風呂場覗きの覆面の男は女性物と感違いして盗んだのであろう…。
真相を知れば今頃地獄である…。
レンジャー基地のポーカーゲームは、マービンも加わり盛り上がる。
と、そこへ無線が入る!
《フラッシュ(敵地)よりサンダー(基地)へ レジオチェック(無線チェック)オーバー》ジジッ
無線は続く!
《メーデー メーデー》ジジッ
トップソン『この声は!ゾーンだ!』
立ち上がり椅子が倒れる。
マービン『よしきた!フルハウス!』
無線に1番近い席にいたジャンは、強いカードが揃って喜ぶマービンを無視して即座に応対した!
ジャン《こちらサンダー !リーディング(感明良し)オーバー》
声変わりしたての幼さの残る声で応答する、16歳のアニメ声のジャン。
※オーバーとは、どうぞ、と言う意味。
ゾーン《ああ ジャン 俺だ!ゾーンだ!廃屋エリアに怪物だ!至急応援頼む!リンクス達が応戦中と思われる!!リーサルウェポン!オーバー》
マービン『なんだって!?おい!ジャン無線を貸せ!!』
急にシリアス顔のマービン。ジャンから無線機を奪う。
マービン《サンダーよりフラッシュへ 細かい状況説明を求む!最後の言葉が聴き取れんぞ!リーサル?なんだ?オーバー》
トップソンは突然、閃いたように銃を手に取り走る!
それに気付きジャンもタクティカルベストとヘルメット手に取り後を追った!
マービン『おい!お前らどこへいく!?』
トップソン達を制するが聞かない。
向き直り、
すぐさま無線にしがみつく。
マービン《こちらサンダー !フラッシュ応答せよ!オーバー?》
応答がない。
マービン《ゾーン!応答せよ!オーバー!?》
通信が途絶えた。
マービン『くっそ!おい!お前らだけじゃ危険だ!!』
2人の後を追うマービン。
トップソンとジャンは武器庫にいた。
なにやら重そうに装備をしようとしている。
火炎放射器だ!
マービン『おいおい!ヒョロガリのお前らにそいつが使えこなせる訳がないだろう!?』
マービンは自分が火炎放射器を装備するとトップソンに運転を命じた!
あいにく残された車は、2人乗りのジープのみだ。
しかし固定式マシンガンが装備されている。
マービン『ジャンお前は基地に残れ!こちらの隊はファイヤーバードだ!無線を良好にして待機しろ!!』
先程までのおちゃらけたマービンの姿はそこには無い。
タンクと防護服、耐火ヘルメットを含め総重量30Kgはあるであろう火炎放射器を軽々と使いこなす。
火炎放射器を試運転するマービン。
シュボボゥーッ
シュボッ
シュボボゥーッ
こうなると頼もしい存在だ。
レンジャー部隊に恥じぬ勇姿。
完成!ファイヤーマービン!!
憧れと悔しさの感情が入り混じり、筋トレしなくてはと思うトップソンであった………つづく。
次回 【モスマン猛攻!…ゾーン散る!?】どうぞお楽しみに
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.25 )
- 日時: 2015/09/10 20:28
- 名前: ワタル (ID: jd737JEz)
【モスマン猛攻!…ゾーン散る!?】
____一方、廃屋エリアでは身を潜め、隠れる事しか術の無いA・J達…。
激しいスコール…。
そして、家屋の破壊される音と地響きが恐怖となり彼らを襲う…。
S・S『リンクス 大丈夫?気をしっかり持って…』
リンクス『………ハァ…ハァッ…ぅぅん…』
負傷したリンクスを、負ぶってバイクを操縦し家屋に避難したA・J。
裏口から別の家屋、さらにまた次から次へと、移動しながらS・Sと合流していた。
一時的にモスマンの眼をくらます事ができたが、見つけられるのも時間の問題だった。
S・S『このままでは 全滅する…それに早くリンクスの肩の傷を止血しなくては…』
A・J『何か包帯の様な縛るものがあれば…』
そういいながら、あたりを見渡す2人。
めぼしい物は見当たらない。
その間にも、モスマンの体当たりによって破壊される家屋の爆裂音が遠くから徐々に迫り聞こえてくる…。
S・S『何か 縛るもの…』
A・J『何か 縛るものは……』
2人同時に目が合い、視線はリンクスの爆乳を窮屈そうに締め付ける、胸に巻かれた"サラシ"にたどり着く。
S・S『これよ!リンクスごめなさい!外すわよ!』
少し、ほどけかかっているリンクスの胸の"サラシ"に手をかけ、一瞬留まりA・Jの方を見るS・S。
S・S『お願い…向こう向いてて…』
A・J『あ、ああ… 』
そう言うと、A・Jは、バイクにまたがりエンジンをかける。
ブロオォオンン!!
今度はすぐかかった。
クロスボウを腰のベルトから抜き、構えるとモスマンのいる表へと出向く!
バイクのミラー越しに"バルン"と所狭しと弾けるリンクスの生乳が暴れながら解放されるのが見えた…。
まるで西瓜か特大のメロンが飛び出す様に。
思わず振り返るA・J。
A・J『すご!』
※リンクスのバストは自称Eカップだが、実際はKカップである。
アクセル全開で飛び出すA・J!
そこにはまるで竜巻の様に家屋を破壊しまくるモスマンの姿!
廃屋エリアは荒れ果てていた。
A・J『こっちはもっとすごい事になってやがる!!』
勢いよく飛び出すA・Jに、引きつけられたモスマンが背後より襲い来る!
モスマンはA・Jを挑発するように低空飛行で近ずく、そのでかい翼を羽撃かせれば、バイクなど簡単に弾き飛ばせる筈であろうに…。
あえて、風に乗り羽撃きもせず、静かに迫り来る。
アクセル全開のA・J。
にも関わらず、簡単に追いつくモスマン。
A・J『舐めやがる!喰らえ!』
バシュッ
クロスボウ発射!見事モスマンの胴体に命中!
しかし、有効なダメージは与えていない。
A・J『くそっ!急所は何処だ!』
陽炎のように揺らぐ大きな目に、並走するA・Jの姿が映った。
まるで昆虫の様なその眼!
A・J『そこか!』
両手を離し、器用に矢を装填すると次はその赤く燃える眼に至近距離から矢を放つ!
ゴキョイィイン!
A・J『まさか!』
無情にも矢は弾かれた!
…セラミック合金で造られた矢でもない限り、貫く事は難しい。
大きく開いた口でA・Jを喰らおうとするモスマン!
その口から、ヨダレが滴ると、衣服を溶かす!
まるでバッテリー液の強化版だ!
※バッテリー液は衣類に着くと溶かします。取り扱い注意!
(まずい!)
心の中で叫ぶ、A・J。
焦りながらもクロスボウを、モスマンの口に勢いよく投げ入れた!
モスマンはソレを飲み込むと少し驚いたのか口を閉じ、上昇する。
次の瞬間!
ドン!
という音と共に、モスマンの口めがけ何かが砲撃された!!
有刺鉄線で編み込まれた、ワイヤーネット弾だ!
視界を塞がれ、もがきながらモスマンは上昇していく。
暗雲の中に姿を消すモスマン。同時に雨も上がった。
が…不気味な雲は上空を覆ったままだ。
A・Jは被弾に驚き運転操作を誤りスリップして転倒する。
ズシャァァァァァ!
雨にぬかるんだ地面を滑り、砲撃主の乗るジープ手前で止まる。
A・J『くそっ…痛(ッツ)』
左肘を擦り怪我をする。右手でソレを抑えるA・Jに銃口が向けられる。
ゾーン『おい!貴様!見ない顔だな!そのバイクどうした!それとここで何をしている!…それにあの怪物は一体!なんなんだ!』
苦痛に顔を歪め見上げるA・J。
そこには、
バズーカ砲を左手に勇ましく肩に担ぎ、
右手にはソードオフ・ショットガンを構えて、
ビンテージゴーグルをかけた少年の姿…。
レンジャー部隊の切り札!!
ゾーン!登場!!!
A・J『………質問が多いな…とにかく…(痛)…助かった…ありがとう…』
A・Jが冷静に状況を簡潔に説明すると、ゾーンは飲み込みが早く即座に行動に移る。
手当てを施されたリンクスと、負傷したS・SとA・Jをジープに乗せ廃屋エリアから脱出を試みるゾーン。
リンクスはミリタリージャケットのボタンを全て留められていた。
上から2番目のボタンは窮屈そうに今にも弾けそうだ。
その中は、ほぼ全裸といっても過言ではない…。
更にジャケットの丈が膝上20㎝くらいの為に、かなり際どい格好である。
ジャケットはところどころ破けていて、健康的で弾力のありそうな、程よく筋肉質な褐色の肌が見え隠れする。
緊急事態であるが故に、
二台のバイクはひとまず放置だ。
そして、リンクスが重傷であるが為に、急ぎながらも慎重に運転するゾーン。
と…そこにジャンからの無線が入る。
内容はこうだ。
要約すると3点。
一つ目は、火炎放射器を装備したマービンとトップソンのチーム
"ファイヤーバード"が応援の為、戦地(廃屋エリア)に向かった事。
二つ目は、ナックルの首の後ろに僅か5ミリくらいの毒針が刺さっていた事。
カトレアの父いわく、それは"毒蛾"などが持つ毒針毛(どくしんもう)ではなかろうか?という話だ。
3つ目はベイハム討伐中のバリーとジョシュが、ベイハムの家に地下トンネルを見つけ、そのまま調査を進めるらしい。因みに未だベイハムの姿は確認できていない。
との事であった…。
A・J『ジョシュの奴 大丈夫なのか…?』無線のやり取りを終えると呟くA・J
と、その時、後方から迫るモスマンの姿がバックミラーに移る!
ゾーン『まずい!奴だ!』
ゾーンはジープを走らせながら、A・Jと運転を代わる。
その間に失速するジープ。
モスマンに追いつかれた!
助手席に移動したゾーンは、窓から身を乗り出すと、
並行して飛ぶモスマンにソードオフ・ショットガンの銃口を向ける!
ドッゴォォン!
モスマンの堅い片目を見事、至近距離から撃ち抜いた!
ドロドロと溶岩の様な液体が破れたモスマンの眼から溢れ落ち地面を焦がす!
飛び散る液体が熱気と熱風をまといジープの幌に付着して焦がす!
唸り声をあげながら失速するモスマン!
ゾーン『やったぞ!』
窓から身を出したまま、次の一撃を見舞う為、弾を込める。
A・J『よし!』
A・Jとゾーンはアイコンタクトで勝機を確信した!
再び旋回し正面から迫るモスマン!
ゾーン『A・J!奴は体当たりしか能が無い!次で決める!弱点は恐らく!あの…燃える様な眼だ!!』
A・J『オッケー!ゾーン!だが!油断するな!』
ハンドルを両手にシッカリと持ち、肩に力が入るA・J。
進路を確保し、ゾーンが狙いやすいように軌道を取る。
再び窓から身を乗り出すと、銃口を向け構えるゾーン!
迫るモスマン!
タイミングは揃った!
A・J『いまだ!撃てゾーン!』
しかし、ゾーンが引き金を引くことはなかった。
信じられない事にモスマンの身体からまるでマシンガンのように、無数の針が飛ばされる!!
フロントガラスにバチバチと、アラレのように降り注ぐ!!
視界が遮られる程に!!
まさにブラックアウトだ!!
※ブラックアウトとは、突然目の前が真っ暗になり、何も見えない現象である。
S・S『嘘でしょ!!ゾーン!!!!!』
後部座席でリンクスの身体を包む様に抱きしめていたS・Sが、
悲鳴にも似た叫び声あげる!
A・Jは、悲鳴の意味がすぐに理解できた。
1人身を乗り出していたゾーンが、銃を握りしめたままグッタリしている。
上半身無数の毒針で埋めつくされたゾーン!
視界が悪く、ハンドル操作を誤り、ぬかるみにタイヤを取られ蛇行するジープは岩にぶつかり止まる。
そして煙をあげる。
フロントガラスに頭を打ち、額から血を流し気絶するA・J。
S・Sとリンクスも身体を打ち付け、気を失っている。
岩にぶつかった衝撃で、地面に放り出されるゾーン!
気高き執念か!?
ゾーンの右手にはソードオフ・ショットガンが、強く!頑なに!握りしめられたままでいた…。
不気味に笑う片目のモスマン…。
優雅に飛び回ると、勝ち誇る態度でジープが衝突した岩の上で羽根を休める…。
そしてまた…首を不気味に反時計回りにクルクルと廻す…。
この不気味な行為はモスマンの"癖"なのであろうか?…。
皮肉にもこのタイミングで無線が入る…。
《フラッシュ応答せよ!こちらファイヤーバード!もうすぐ到着する!オーバー》
無線は、マービンの声だった。
《こちらファイヤーバード!フラッシュ応答せよ!オーバー!?》
無論、応答など無い…。
《フラッシュ!!応答せよ!!オーバー!?》
渇いた無線の音だけが、荒野と化した廃屋エリアに虚しく…こだまする……………つづく。
次回 【進撃せよ!!ガンドラゴン見参!!】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.26 )
- 日時: 2015/09/04 12:27
- 名前: ワタル (ID: jd737JEz)
【進撃せよ!!ガンドラゴン見参!!】
廃屋エリア目指し、進軍するファイヤーバード!
マービンは無線の応答が無いことに、焦り…苛立っていた。
実際マービンは、護衛や警備が主な役目である。
実質、前線に出向くのは初めての経験であった。
マービン『くっそ 応答がない! 一体何が起きているって!いうんだヨゥ!』
無線機を叩きつけるようにして、定位置に荒々しく戻す。
物事を順に追って把握しないと、気がすまない細かしい性格のマービン。
トップソン『先輩!(マービンの事)そんなにビビらずに落ち着いてください!こっちまで焦るじゃないっすか!』
マービン『誰がビビってるんだヨゥ!ハァン!?』
廃屋エリアが近づくにつれ、ソワソワと"貧乏ゆすり"ばかりしているマービン。
トップソン『声 裏返ってるし…』ボソ
マービン『トップソン!てめ!頭チリチリにすっぞ!!』
トップソン『勘弁してくださいよ!チリチリになったらアダ名がヤキソバになるじゃないっすか!?』
マービン『ハァ!?そんな生易しいアダ名にするかヨゥ!チ◯毛ソンだ!』
※◯にはピー音が入りますw
もしくは"アンダーヘアーソン"と、罵るマービンを相手にしないトップソン。
と!その時!!
木々を飛び跳ね移動する黒い影が!
そのスピードまるでムササビ!
トップソン『先輩!アレなんすか!?』
指を指すトップソン。
マービン『なんだ!?どした!?……あれは!!』
それは、両手にワイヤーガン(フックショット)を装備して器用に木々を、俊足で移動する姿!
トップソン『人だ!動物じゃない!全身黒ずくめの人間だ!』
黒いマントを羽撃かせ、俊足で移動する。
黒装束の男!!
頬には口を開けた黒竜の頭を連想させるタトゥー…。
マービン『なんだアイツは!?まさか!?ゾーンの探し回ってるアイツなのか!ホントに現れやがった!!』
そう、マービンは謎の黒装束の男の存在をゾーンの恋人であり、女医であるカトレアから常々、聞かされていた…。
トップソン『奴はどこへ行くんだ!』
マービン『どうやら目的は我々と一緒のようだ…みろトップソン…廃屋エリアが見えてきた…まさかと思うが…あのデカブツは何なんだ!!!』
トップソン『う…嘘だろ…ゾーン……』
廃屋エリアに到着した彼等は我が目を疑った。
家屋はまるで竜巻被害にでもあったかの様に荒され…。
なおかつ、森林警備隊"最強"の精鋭達の無惨な姿がみえた…。
その中に1人地面に投げ出されたままのゾーン。
そして
おぞましい怪物の姿…。翼の生えたソレは…アフリカゾウくらいのデカさであろうか?
その胴体から2本の腕の様な太く短い脚。
そして毛むくじゃらの身体に収納されるように、折りたたまれ隠されていた4本の細い昆虫の様な腕があり、それは今まさに獲物を掴んでいた!
マービン『なんてこった!?あの怪物!何かを喰らおうとしてやがる!!』
それは意識を失い衣服がボロボロになり、グッタリとしたリンクスだった。
元気な"じゃじゃ馬娘"は今となっては見る影もない…。
モスマンの口が裂けて伸び、リンクスを呑み込もうと捕食する。
涎が滴り、破けた衣服を更に溶かす!
トップソン『くっそ〜!させるか〜!!!』
怒り狂うトップソン!アクセル全開!
何を隠そうトップソンはリンクスに惚れていた。
レンジャー部隊に志願したのもリンクスに近づく為だった。
振り落とされまいとジープのドアの内張りに、必死にしがみつくマービン。
それよりも早くその脇を2本のワイヤーのついた槍のような閃光が飛交い通過する!
その閃光はモスマンめがけ飛ぶ!
まるで!
"雲間を突き抜ける矢"の如く!!
モスマンの背中を捕らえた!
深々と食い込むように刺さると、抜けない為にカギ爪のような返しが開く!
※レバー操作で返し(カギ爪)は元に戻ります。
次の瞬間!ワイヤーガンを巧みに操る黒装束の男が釣られて飛交う!
トリガー操作で、撃つ、巻く、を自在にして空間を瞬時に移動する!!
進撃のガンドラゴン見参!!!
モスマンの背中に飛び乗ると自身のベルトにフックをかけ、自分の身体とモスマンの身体とを固定する!
モスマンは激痛にうめき声をあげながらリンクスを離す…。
そして
背中に乗ったガンドラゴンを振り払おうと、上空へと羽ばたく!
咆哮をあげながら…。
翼を広げると体長15M以上にもなるモスマン!
恐ろしい…。
マービン『とまれ!トップソン!…野郎…何者か知らんが!いいとこばかり持って行きやがる!…遅れをとっちまったが!こちとら主役の座は渡せねー!てねぃ!』
マービンは射程距離内に近づくとジープを停めさせ、攻撃態勢に入る!!
ドタドタと鈍足でモスマンに近づき火炎放射器を向ける!
マービン『うぉーーーーーーー!!』
雄叫びを上げて自分自身を振るい立たせるマービン。
恐怖で膝が笑っている。
発射!
シュボボゥーーーー!!
スローモーションのように熱風を纏い火柱が業火となり広がり唸る!
しかし、上昇し始めるモスマンには僅かに届かず!!
マービン『クッソぅ!逃したかッッ!!撃ぅてェェーーーー!!トォォーーップ!ソォォーーーーン!!』
マービンの叫び声よりも早いか同時くらいに、固定式マシンガンで追撃するトップソン!!
ズダダダダダ!
バスバスバス!
ヒット!!
トップソン『よっしゃーぁぁ!!』
マービン『やったか!?…なぜ落ちない!?効いてないとでも!いうのか!?』
マシンガンの銃弾だけでは、タフなモスマンを仕留めるまでには至らない。
そのまま上昇するモスマン。
マービンとトップソンの射程距離外に退避する。
すると、
ガンドラゴンの目深に被っていた黒いハットが、まるで意思を持つかの様にゾーンの胸に舞い降りる。
ソレを目で追い、駆け寄るマービン。
ゾーンの身体中には、無数のトゲ(毒針)が刺さっていた。
マービン『こりゃ 酷い!これは毒針毛じゃねぇか!?』
黒いハットの顎紐には、抗生剤と見られる"ポイズンリムーバー"が結び付けられていた。
使用方法は解りやすく説明書きのような絵が描かれたラベルが貼ってある。
マービンはソレを握り締め、上空のガンドラゴンの乗るモスマンを見上げると、少し考え…1人で頷き…迷わず注射。治療を施した。
トップソンは怒りに身を任せマシンガンを発砲するが既に射程距離外だ!
マービン『やめろ!トップソン!弾を無駄にするな!』
トップソンの砲撃をやめさせ、手合図する。(カモン)
マービンは状況を整理する。
負傷者を運び出したいが連れて行けるのは2人乗りのジープでは1名のみだ…。
後部座席は固定式マシンガンに小さな補助席がついている…。
無理をすれば2名運べる。
マービンは少し考え…助かる見込みのある2人を選んだ。
見た目、軽傷だが意識のないS・Sを助手席に寝かせ…
傷だらけだが微かに意識のあるリンクスを補助席に縛りつける。
リンクスはとても苦しそだ。
そして
『後は任せろ』と、勇ましいマービン。
トップソンは後ろ髪を引かれる思いで、戦場を後にする……………つづく。
____この最後のやりとりには、
若いトップソンが「自分も闘って死ぬ」とわめき、
それに対し、男泣きしながらトップソンを殴り!殴られ!転がり。
どうにか、解らせ説得するマービン!
最後はハグして分かち合う。
と、いうシーンがあるのですが………。
双方のルックスが絵面的にイマイチで、芝居も臭く、これといったファンも見当たらないので、泣く泣くではありますが、仕方なく割愛させて頂きますw
※割愛とはこの場合、シーンのカットです。
次回 【大暴れ!ファイヤーマービン!】どうぞお楽しみにw
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