コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.37 )
日時: 2015/12/05 07:13
名前: ワタル (ID: L0JcGsyJ)

【恐怖の人形館】


殺気?

妖気?

只ならぬ迫力!

これが先程までの忍者姿の少女であろうか?


リオ『………滅!』

ブゥシャァァァァ!!
ブゥシャァァァァ!!

悲鳴とも取れる叫びにも似た、空気の抜ける様な音。


空中で、身動きを封じられた人形達は、リオの発した言葉と同時に粉砕!

砕け散る…。
辺りに散乱した。

と、次の瞬間、張り巡らせられていた"蜘蛛糸"は…。

シュッ!
シュルッシュルッ!と音をたて、
リオの鉄甲に収納された…。

素材はピアノ線によく似た代物だ。

すると
邪悪な敵の気配は消え…。
川の"せせらぎ"が聞こえる…。

鬼神の姿も消え…いつもの無邪気なリオである。

ミフネ『…これは…何かの呪いか?妖術か?』

頬に傷を負ったまま、滴る血を拭きもせず両手に朽ちた人形を拾い持つミフネ。

リオはキョロキョロと何かを探し始めた。

ミフネ『…りお…どうした?』

リオ『ちょ… 人形が喋ったの…アレ?…どこかいっちゃった?』

ミフネ『…ほう…面白い…喋る人形…そういえば?ジライヤの姿も無い…』

すると、2人同時に異変に気づく!

それは!

空間にできた時空の歪み!

此処とは別の場所を写し出している!

見えるのは、古びた洋館。

そこに向かい二体の人形を引きづりながら、ゆらゆら歩く謎の生き物の姿。
一つは少女の人形。
もう一つは隠れてよく解らない。

黒いローブに包まれ、大きな鎌を持つ…。
よく見れば…その者の身体は宙に浮いており、脚は無い。


おもむろに、引きづられた人形が傾きコチラに向くと、見覚えのある可笑しなお面。

ジライヤだ!

勘の良いミフネとリオは即座に状況を把握した。

リオ『隊長ぉ!見てアレ!』

ミフネ『ああ!わかってる!』

リオ『あきらか罠でしょ?あの動き!あの速度!誘ってる!でもなんで?ジライヤ!人形にされてんじゃん!?』

ミフネ『ああ!十中八九!罠だとしても行くしかない!ジライヤを見棄てる訳にはいかない!さっき襲って来た人形といい…何かある!』

言いながら走り飛び込むミフネ!

リオ『ちょ!隊長ぉ!』

躊躇するリオ。

死神を連想させるソレはふわふわと上昇して二階の窓から館の中に入り込む。

後を追い、館へと走るミフネ。

すると時空の歪みが少しづつ閉じ始める。

リオ『え?これ!?閉じちゃうの!?で!?どうなるの!?』

みるみるうちに小さくなる時空の歪み!

やがてクィーンサイズのベッド程あった時空の歪みもマンホール程に小さくなる!!

リオ『ちょちょ!待って!隊長ぉ!』

急かされるように飛び込んだ!

リオが"飛び込み前転"で中へ入ると、同時に時空の歪みは小さくなり"パチン"と弾ける。
かと思うと、小さな球体に姿を替える。

そしてリオの背後めがけ飛んできた!

リオ『!?』

宙返りで見事かわす!

お見事!

交わしつつも小太刀でソレを斬る!

着地!

リオ『何!?今の!?』

リオには確かに感じた気配と、斬った感触だけが残されていた…。

すると

前方で既に無数の人形に囲まれ斬り合うミフネの姿。

人形はリオが倒した物と同じく小鬼の形相だ!
手には様々な形と大きさのナイフを装備している!

その数!

10!

20!

30!

40!

50!

60!

70!

まだまだ増える!
ミフネ1人に対し総攻撃だ!

次々襲い来る人形達をものともせず斬り払う!

乱舞演武!

一騎当千!

リオも襲い来る数体の人形を斬りながら駆けつける。

時折、
現れる弓を放つ小鬼の人形!
手裏剣で仕留める!

やがてリオも加わり、息の合ったコンビネーション!
気がつけば、周りに100体程の死体の山…もとい!人形の山。

最後に死んだふりして油断させ起き上がり飛びかかる人形も、真っ向から斬り落とす…。

ミフネ『ふーぅ ………』

チン!
納刀するミフネ。

その時、ミフネは奇妙な事に気づく…。
辺りはまるで朝靄(あさもや)がかかり、放射冷却により霜(しも)がおりる。
まるで夜明けの早朝の様だ…。
何故なら、この異空間に入る直前は正午近い時刻のはずであった…。

可愛いらしくも奇怪な小鳥が囀(さえず)る…。
不思議な世界だ…。

リオ『隊長ぉwカッコイイw途中で出した技なに?一気に倒したヤツ?』

ミフネ『…ああ…あれか?"燕返し"と"百歩神剣"のコンボ技だ…因みに…』

因みにコンボ中は無敵状態だ、とウンチクを語るミフネをよそに、リオはクナイを取り出し古びた洋館の二階から侵入すべく外壁に打ち込んでいく。

ミフネ『…話の途中何ですけど…』
見上げるミフネ。
洋館は二階建てだ。

薔薇の茎が密集して絡み、
建物の大半を覆っている。
まるでオバケ屋敷だ。

リオはクナイを等間隔で打ち込むと登り始めた。

リオ『隊長ぉ 登れる?』

ミフネ『ああ 登ってる』

リオが振り向くと、言わずとも行動に移すミフネ。

危なげなく巧みに登る!
二人は二階の窓から侵入した!

すると

書斎の様な部屋。
大きな鳥籠がぶら下がる。

そこには何かが座っていた。
背後に大きな鎌が掛けられている。
すると、
先程の"死神の様な者"が呟く…。
重厚なテーブルを挟んだ、装飾椅子に腰掛け睨みを効かせながら…。

『…人の屋敷に勝手に入るとは…無作法な連中よのぉう…』

フードを被り顔は見えない…。
男か?
女か?
気味の悪い声のトーンだ。

すると

鳥籠に見覚えのある人形が…

可笑しなお面のジライヤだ!

ミフネ『貴様!ジライヤに何をした!何故!オレ達を狙う!』

『コレはコレは 自意識過剰な上に 無礼な客人が訪ねてきたものだ…オホホ』

ミフネ『なにィ!?』

『あの馬車は お前達の物ではなかろう…最初からお前達などに用は無い…オホホホ』

ミフネ『どういう事だ!』

『オホホホホ…私の狙いは…ガン…』

リオ『問答無用!』

まどろこしい2人のやり取りに、痺れをきらせたリオ。
小太刀を抜き斬りかかる!

ミフネ『待て!リオ!お前にはアレが見えてないのか!!』

ミフネの静止を聞かずして、飛びかかるリオは死神を覆う結界に弾かれミフネの方へと飛ばされる!!

ビビビビビビ!

リオ『キャッ!!』

感電するリオ。

ミフネ『大丈夫か!?』

リオ『た 隊長ぉ…えへ』

飛ばされたリオを受け止め、かがみ抱きかかえるミフネ。
リオには青白く光る結界が見えてはいないらしい。

不敵に笑う死神のような者。

『…素直に私のコレクションになって入れば 痛い思いをせずに済んだものを…』


ミフネ『クソッ…舐めやがって…』

結界に護られてさえいなければ…一刀両断に、と思うミフネであった。

『二人とも今一度 出直すがいい 二階から侵入するとは大胆不敵にも程がある…』

カチッ

死神の様な者はテーブルの下にあるボタンを押すと、床に穴が開く!

ピットだ!

※ピットとは落とし穴の事である。

ミフネ『うわ!!』


ドサッ

ミフネ達は一階に落とされた。


すると声が聞こえる。

『私の名はパペットマスター・ギル…ようこそ我が人形館へ…順路に従いお進み下さい…オホホホホ!』



ギィー
バタン!

頭上に開いた穴が閉じる。


そこは薄暗く狭い通路。

背後は壁。

進むしかない。

目の前に垂れ幕が下がり視界を遮っている。

ミフネ『なんだここは…これじゃまるで!"季節外れのオバケ屋敷"じゃねぇか!?』

リオ『隊長ぉ ここどこ?…てか小太刀がない…』

ミフネ『小太刀は二階だ…オレが取り返してやる…ここはさしずめ…地獄のラビリンスってとこだ…』

リオ『…なにそれ?ファンタジー?…妄想??』

ミフネ『…いいから歩け…警戒しろ…五感を研ぎ澄ませ…もっと小声で話せ…』

リオ(かしこまりw)

小声で囁くリオ。
頷くミフネ。


ミフネは抜刀の構えを取りつつ順路に従い"摺り足"で進む。

リオもまたクナイを2本、それぞれ両手に持ち"忍び足"で、お互いの背中を合わせ進む。

視野を全方向に向け、背後を敵に狙わせない為である。


垂れ幕を潜ると、通路の両脇に幾つもの人形が飾られていた。

どれもみな…

哀しそうな表情だ。

戦闘凡用の小鬼タイプと違い、精巧な造りの美しい球体関節人形である。

ギルのコレクションだろうか?

今にも動き出しそうだ…。

リオ『…これって?…』

ミフネ『…かもな…』

お互い考えは、一致した…。

元は皆…
人間だったに違い無い…それもかなりの美少女達だ………つづく


次回 【迫りくる刺客!】どうぞお楽しみに







Re: 零fighter山鷹隊 ( No.38 )
日時: 2015/11/09 15:00
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)

【迫りくる刺客!】

そこは…

さしずめ…ミュージアム…。
この空間だけは異質で、周りをベールに包まれていて、
きらびやかに間接照明が施されていた。

そこに、几帳面に陳列される美しい球体関節人形達…。


しかし、

どれもみな…哀しげな表情を浮かべている…。

この部屋には敵はいない様だ…。
殺気も微塵に感じられない。

ふと、
何処からともなく、聴こえてくる…宮廷楽団の調べ…。

ミフネ『…この曲は?聴き覚えがあるな…』

リオ『…んーと…これって…"G線上のアリア"…?じゃない?』

※J・Sバッハ:G線上のアリア 管弦楽組曲 第3番 ニ長調。

ミフネ『…ほう…それにしても この感じ…ここが敵地だとは思えんな…』

小さく、独り言を呟くミフネ。

リオ『隊長ぉ この子の服 可愛いw』

ミフネ『ん?…ああ…良い趣味してる…』

リオ『てか 隊長ぉ 今のうちに"SOS"送った方がいいかなぁ?』

ミフネ『ああ…頼む この先に強敵が潜んでいる気がしてならないからな…』

リオ『スマホ壊れちゃったから コレ渡されたのwいいでしょw』

そういうと、ニヤニヤしながら腕にはめた通信機を見せるリオ。

ミフネは『何だ?腕時計か?』と興味薄だ。
リオは『ちがうもん!』と膨れっ面だ。
オコだ。
激おこプンプン丸だ。

ポチッ

リオのSOS通信により24時間以内に緊急ヘリの助けが来る。

裏を返せばそれまでにジライヤを助け出さねばならない!

ミフネ『さて あそこに見える重そうな扉以外進む道はなさそうだ…行くぞ』

リオ『かしこまりw』

先を行くミフネに、おいて行かれまいと小走りで進むリオ。

ギィイイイ

分厚い扉を開けると、そこは…
先程までとは、うって変わって湿気の漂う不気味なレンガ造りの回廊…。

薄暗く…
ここだけ何故か、チープな裸電球が連なる…。

ミフネ『…地獄の入り口ってとこか…』
リオ『…こわ…隊長ぉ お先にどうぞ…w』

ミフネとリオは、警戒しながら回廊に歩み入る…。


_G線上のアリア…その音色は二階の食堂から流されていた…。

そこには、

優雅に食事を愉しむ一人の姿。
いや…二人とも言うべきか…。


縦に長いテーブルの端と端に向かい合わせに、座るギル。
対面に座るのはメアリー。
と言っても座らされているだけの人形ではあるが…。

パペットマスター・ギル『メアリーさん スープはお気に召しませんか?冷めてしまいますよ オホホホ』

ひときわ美しい、球体関節人形メアリー。

その頬に一雫の涙が溢れ、床に落ちる…。


ポチャン

リオ『ひゃん!』

ミフネ『どうした!?』

リオ『あはw 水滴w』

ミフネ『おどかせやがってw…しかしこの手の場合 上を見上げるとクリーチャーてきなヤツがいて襲いかかってくるパターンだよな?』

冗談を交えながら進むミフネ。

リオは頭上が気になって上を見ながら歩く。

回廊の先にまたも分厚い扉がある。
その手前に道を遮る様に木箱が置かれていた。
ミフネはソレを避けながら扉を開け部屋に入る。

リオは足元に木箱があるのがわからずぶつかる。

ドカッ

リオ『きゃっ』

ミフネが部屋に入るとドアノブが勝手に動き、扉が閉まる!

ガチャン!


そこは薄暗く…
何かの実験室か!?
はたまた霊安室か!?

無数のテーブルには、人の様な者が寝かされシーツが掛けられている…。

ミフネ『なんだ!ここは!?』

すると
その寝ていた者達が、次々とゆっくり動き始めた!
その動き!
まるでゾンビ!

朽ちた人形を張り合わせて造られた。パペットゾンビだ!

今までの小さい小鬼型の戦闘凡用タイプと違い大きい!ヒューマンサイズだ!

ミフネは扉を背にして戦闘態勢に入る!

瞬時に敵の数を把握するミフネ!

その数!8体!!


回廊に残されたリオは、ドアノブを廻す!

ガチャ
ガチャ

開かない!鍵がかけられている!

リオ『隊長ぉ!開かない!大丈夫なの!?』

扉の向こうからミフネの声が聞こえる。

(コッチはヤバイ状況だ!まるでホラー映画だ!)

リオ『隊長ぉ!』

ダン!ダン!ダン!

分厚い扉を叩くリオ。

リオ『他に通路はないの!?』

回廊を戻るリオ。

しかし、入って来たミュージアムに続く扉の方も開かない!
鍵が掛けられていた!

と、その時!

邪魔くさく置かれていた木箱に、異変が起こる!


バリバリ!
ブィィイイイイン!!

木箱の天板を突き破りチェーンソーが飛び出す!

リオ『なに!?なんなの!?』

ブイイイン!
ブリィリィン!
ブリィリィリン!

木箱の天板を四角にくり抜くと、現れる不気味な人形の姿!

甲高い笑い声!

『キャハハハハハ!』

リオ『何者!?』

『アナタ…アタシより可愛いわね?少し切り刻んで醜くしてあげようかしら…』

リオ『はぁ?馬鹿じゃないの!?そんな事させないし!てか!名を名乗れ!』

『キャハハハハ!!!…冥土の土産に教えてやろうか?アタシはギル様のお気に入りパペットの1人……"解体人形マミコムX"よ!』

得意げに見下す様な喋り方だ!

パペットマスター・ギルの第1の刺客!

"解体人形マミコムX"登場!!

リオに襲いかかる!

ブィィィイイン!

ギャギャギャ!

ギュイン!

チェーンソーを振り回し、壁を斬りつける!

火花を散らし襲い来る!

攻撃をかわすリオ!

執拗に襲い来るマミコム!

マミコム『キャハハハ!フン!フン!フン!』

パリン!
パリン!
パリン!

裸電球が立て続けに割られた!

マミコム『キャハハハ!!! アナタ暗闇はお好き!?フン!』

ブイイイイイン!
パリン!

避けるリオ!
最後の電球も割られ回廊は真っ暗だ!

リオ『わたし!暗いの大っ嫌い!』

ボン!!

リオが何かを投げつけると少量の火薬と共に弾ける!
辺り一面に光が輝く!

リオ『…忍法! 光苔!』

マミコム『ぐぎぎぎぃー!前が見えない!前が見えない!』

狂ったようにチェーンソーを振り回す!

ガリガリガリ!
ガシュ!
ギュジジジジ……

チェーンソーのブレード(刃)部分がレンガの目地に挟まりロックする!
マミコムXは飛散した光苔が顔にかかり、視界を塞がれ前が見えない!

リオ『こんな狭いところで そんなん振り回したら!…危ないでしょ!!』

リオは垂れ下がる裸電球のケーブルに飛び付きぶら下がる!

リオ『ハッ!』
パシ!

さらに!

振り子のように反動をつけると…回転!

グイン!!

視界を塞がれ、受け身の取れない無防備のマミコムXの胴体めがけ、勢いよく両脚蹴りを見舞う!!

リオ『でぇーいッ!!成敗ッ!!』

ドドドス!!
クリティカルヒット!!!

マミコムX『グヘェ!!』

マミコムXは、宙を舞い放物線を描き、木箱にホールインワン!

リオ『ナイスショットw』

ケーブルにぶら下がり勝利を確信するリオ。

着地して"解体人形マミコムX"の様子を伺う…。


__その頃ミフネは…

既にパペットゾンビを半数駆逐していた!
残るは4体!

迫り来る攻撃の手を切り落とすと、突く!

さらに突進!
後方のゾンビ諸共!二体を突く!!壁に追いやる!

ソレを足蹴に刀を抜くと連続して首をはねる!

崩れ落ちるゾンビ!

残るは二体!

ミフネ『よし!…一気に行くぞ!』

一度抜いていた刀を鞘に納刀すると、かがみ込み抜刀の構え!
気を溜める!
すると!ミフネの身体周辺にに青白い気迫が漂う!


そこへ…ヨロヨロと迫り来るゾンビ!

間合いに入るまで待つ!
ミフネはまだ動かない!

二体のゾンビはヨタヨタとミフネに近づき攻撃態勢に移る!
急に素早い動きのゾンビ!
ミフネの間合いに入った!

今だ!!!

ミフネ『奥義!羅生門!!』

キュピィィィン!

シュバ!シュバババババババ!

ザンッ!

ザンッ!

ザンッ!

ザンッ!

一瞬"カマイタチ"の様に風が吹いたかと思うと、刃が飛び交う!
そして、獲物を斬り刻む!
ミフネの身体は宙に舞い、テーブルの上に回転しながら着座する!
回転が止まると同時に納刀される"紅刃の竹虎"。

チン!

ドサ!

ドサ!

ミフネ『…やったか?』

すると、

奥の方にもう一人の敵の姿がある事に気づく!

その姿!

まるで司令官!

恐るべし!一切の気配を消していた!

と、同時に倒したはずのパペットゾンビ達が蘇り動き始めた!

さらに!

背後からはチェーンソーの音が鳴り響く!

ブィィィイイイイン!

そして!

バリバリ!
ブリィン!ブリュイン!

分厚い扉をチェーンソーが突き破り!その刃を覗かせる!……つづく


次回 【第2の刺客!パペットゾンビ司令官β!登場!】どうぞお楽しみにw



Re: 零fighter山鷹隊 ( No.39 )
日時: 2015/11/21 03:47
名前: ワタル (ID: vyWtoaEp)

【第2の刺客!パペットゾンビ司令官β!登場!】

蘇るパペットゾンビ!

操るのは、パペットゾンビ司令官β(ベータ)!

奴を倒さない限り、永遠に蘇りを繰り返す!

背後からは、新手か!?チェーンソーの音が鳴り響く!

司令官β『クーックックw私は第2の刺客!パペットゾンビ司令官βである!!者共!復活せよ!!………やってしまえば!?』

※優柔不断のパペットゾンビ司令官βは大概の会話は疑問系である。命令する時もシカリであるw

ギシギシと不気味な音を立てて蘇るゾンビ達!
板貼りの床が、軋む音があちらこちらで鳴り始める!

『オオオオオオ…』

『オオオオオ…』

不気味な呻き声をあげ襲い来る!

ミフネ『…まさか!?リオが!?殺られた!?そんな馬鹿な!』

(やはり愛用の小太刀、妖刀"九字切刀"(クジギリトウ)無しでは、鬼神の異名を持つリオの中に潜む裏人格の神威(カムイ)を引き出す事はできなかったか!?)

と、瞬時に心の中でミフネは思った!

リオの小太刀はギルの書斎だ!
結界に弾かれ飛ばされた際に、小太刀は天井に刺さった!
恐らくまだ刺さったままであろうか?

ギルが刀に興味がない事を祈るミフネであった…。

リオは自身に予期せぬ危険が迫る時…妖刀の力により、別人格の"神威"がリオの意思とは関係なく現れる。
脅威が去れば"神威"も去る…。
しかし、
永久に脅威が去らない様な強敵に遭遇した時、その身体に"神威"はそのまま存在する…。
ある一定時間過ぎても戻らない場合は"神威"に支配され、その身体は乗っ取られてしまう事であろう…。


ミフネは司令官βを攻撃したくとも、飛道具はない。
斬撃の衝撃波を百歩先の敵に飛ばす技"百歩神剣"さえも、分厚い強化硝子の中に居る奴にはノーダメージだ!
そこへ入る為の出入り口は、ここからでは見当たらない!

さらに!
既にパペットゾンビ達に通路を阻まれ、司令官βの元には容易には近づけない!

しかし!
司令官βのいる硝子張りの中の後方に、階段が見えた!

ミフネとパペットゾンビの居るこちら側にも、2階に続く階段が見受けられた!
司令官βのいる場所と此処は2階を通じて、行き来が出来るのかもしれない!

ミフネは、すぐさま退き、脇に見える階段を駆け上がる!

階段を登り始めると…
執拗に!
袴に纏わり付くパペットゾンビ達!
その追撃をかわし!
斬りつけながら!!駆け上がる!

すると

パペットゾンビ司令官βは、ミフネが居なくなった事を確認すると、ほくそ笑みを浮かべながら隠し扉を開けて、硝子張りの部屋から出てきた!

司令官β『おやおやぁ??あのサムライボーイ?…まんまと騙されましたかぁ?……コレはトリックアート?…です!…よねぇ?クークックw』

そう!
ミフネが見た階段は壁に描かれた立体絵画!

トリックアート!だ!!


司令官β『…あんなに?そんなに?恐ろしく強い?サムライボーイは?この上にいる?"ゼット"が?相手すれば?…いーいじゃなぁーい?…クーックックw』

すると

分厚い扉を切り抜くチェーンソーの刃。

ブリリン!
ブゥリィン!
ブゥリュリイン!

司令官β『おやおやぁー?…マミコム?マミコム?コムマミ?マミコム?…扉をいつもより広く切り壊して?…またまた?たまたま?ギル様の?"お仕置き部屋"?……行きでぇすよー!!…今度は?次回は?次回は?今度は?木箱ではなく?鉄の箱に?大人しく?頑丈に?入れないと行けま…』

ドゴォ!!

『へぶ!!』

ズシン!!

リオ『隊長ぉぉぉ!!……おお!?誰かなんか言った?』

司令官βは分厚い扉の下敷きになり息絶えた…。

と同時に…

主(あるじ)を失ったパペットゾンビ達…。

バタバタ

バタバタ

次々と倒れる。

シーンと静まりかえる。

リオ『……しーん …てか誰もいない…w』

ボボボボ…
チェーンソーのエンジン音だけ鳴り響く。
リオはチェーンソーのエンジンをOFFにして、床に置く…。

無音空間。

リオ『…めっちゃ静かなんですけど………………隊長ぉ?』

あまりの静けさに耳鳴りが聞こえる…。

キーン…。

キーン…。

カキィーン!
キィイーン!

リオ『え?カキン?え?え?』

ソレは!

"刀"と"刀"が!!

激しくぶつかり合う音!!!!

上からだ!!

ミフネが何者かと戦っている!!

リオ『隊長ぉ?』

すかさず音のする方へ歩み寄るリオ!

階段に差し掛かり中段まで登ると…先程OFFにしたはずのチェーンソーが音を立て回り始める!

リオ『!?』

ブリュイン!
ブリン!
ブリンブリン!

ボボボボ…

ビビビビビビィィィィ!

アクセル全開だ!!!!

リオ『…嫌な予感』

立ち止まるリオ…。

リオの嫌な予感は的中した!

振り返ると…そこにいたのは!

顔中、"光苔"まみれの少女の人形…。

そう!
リオの"忍法!裸電球反転蹴り"のクリティカルヒットを喰らいグロッキーだったはずの"解体人形マミコムX"だ!


マミコムX『…ゼェ…ハァ…ゼェ…ハァ…オネェチャン…アソンデヨ…キャハハハハハ!!!』


リオ『…ウゼェ』ボソッと呟いた。

ビイイイイイイイイン!

マミコムX『キャハハハハハ!フン!』

ガキィン!

火花が散る!

宙返りでかわすリオ!

リオ『ハッ!』

階段から空中を1回転して飛び降りる!

シュシュで斜め上にひとつ髷げした、長い髪をなびかせ着地!
遅れて髪が揺れ動きまとまる!

その揺れ動く長い髪が余韻を残し完全に止まりきる前に、
その背中を狙いチェーンソーを大振りに叩き落とすマミコムX!

が!
そのまま反転!かわすリオ!

まるで闇夜に飛び交うシマリスの長いシッポの様にしなやかに…なびく長い髪。
鮮やか!

バク転を2度3度繰り返し距離をとる!

リオにとってマミコムXは敵ではないようだ…。
爪先をトントンと、うなじに手を当て首をコキコキ鳴らし、両手を組み掌を伸ばし準備運動…腰を左右に捻り挑発…軽くあしらってみせる。

リオの身のこなしに翻弄され逆上するマミコム!
それどころか!
今の攻撃でまたしてもチェーンソーのブレードが板貼りの床に喰い込み抜けない状況!
意固地なマミコムXは否が応でも抜こうとしている…。

リオ『‥呆れた…』

そう言うとシュシュを外し、乱れた髪を掻き上げ、再び結び直すリオ…。

マミコム『ギニニ…ギニニ…』

ゴニョゴニョと呟き諦めの悪いマミコムX。

リオ『…できればこの技は使いたくないんだけど…』

そう言うとリオは懐から小瓶を取り出し口に含む…。

そして

おもむろにマミコムXに駆け寄ると親指を突き出した!

ボッ

親指の先端に"焔"(ほむら)が揺らぐ!

マミコムX『…ギニ?』


そこに"口づけ"する様に顔を近づけ息を吹きかけるリオ!

口に含んだ液体を勢いよく噴射した!

ボォォォォゥゥ!!!!

一瞬で火の塊となり走る!

解体人形マミコムXの全身は激しい炎に包まれた!

リオ『…忍法!火焔息吹!(カエンイブキ)』

燃え盛る炎…。

リオはシュシュを外し、左手にはめ、長い髪をしなやかに掻き上げると…
火ダルマのマミコムXを背にブーイングサインを示す…。

パペットマスター・ギルの第1の刺客!

解体人形マミコムX!撃破!

そして…

分厚い扉の下敷きになった脇に、はみでた…βのロゴが刻まれた司令官帽子…


おもむろに…

拾い上げ…

斜めに被り…階段を登るリオ…。

何故かモンローウォークを意識した歩き方w
背後には横倒しになった分厚い扉…。
リオは鼻歌を唄う…。

パペットマスター・ギルの第2の刺客!

パペットゾンビ司令官β!撃破!

テレッテー!!

リオのレベルが10上がった!!


…いや…そんな気がしただけである…。


階段を上がり終えるとリオが見たものは、二つのシルエット。

両者一歩も譲らず互角の激しい鍔迫り合い!

ミフネが戦っている!
しかし!
よく見れば既にミフネは傷だらけであった!

リオ『隊長ぉ!』

そこにはミフネの倍はあろうか!?

全身黒尽くめの巨体!!

鬼の面を被った鎧武者が猛威を奮う!!…………つづく

次回 【最後の刺客!強敵!鬼鎧絡繰武者Z!】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.40 )
日時: 2015/11/11 23:08
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)

【最後の刺客!強敵!鬼鎧絡繰武者Z!】

リオの目に映る鎧武者!

兜の飾りにアルファベットの"Z"の文字!

リオ『隊長ぉ!!』

手甲の矛先を鎧武者に向ける!

リオ『忍法!蜘蛛…い…と…!ん!?』

足元に違和感を感じ、下を向くリオ…。

そこには!
黒焦げになったマミコムX!!リオの片脚にしがみつく!!

リオ『げっ!?何コイツ!?しつこ!』

と!

その時!

鍔迫り合いに決着が着いた!

ガキィィーン!


フォン!

フォン!

ザクッ!


一本の刀が弾き飛ばされリオの目の前の床に刺さる!

リオ『隊長ぉ!!』

焦りミフネの方を見るリオ!

リオが見たものは…
両手で天高く斬り上げ、掲げられた"紅刃の竹虎"!

そう…
弾き飛ばされた刀はミフネの拵えではなく…。

鎧武者の刀であった!

敵はミフネの2倍のサイズのデカブツ。
とはいえ、三下(さんした)相手に負ける命(たま)ではない!

ミフネは返す刀で、鎧武者の利き腕を切り落とし退避!

しかし鎧武者は痛みを感じない様だ。
何事もなかったように、床をバタン!と踏むと絡繰の床が反転して槍が飛び出す!
左手でソレを掴むとミフネを連続した激しい突きで攻撃!

ミフネは素早い"刀さばき"でかわす!

リオ『隊長ぉ…強い!』
感心したのも束の間…

不意に足元を見る…マミコムXの存在を忘れていたw

すると!

マミコムXの焦げた瞳が、何やらカウントを始めているではないか!!

既にカウントは2秒前!

リオ『何カウントしてんの!?コイツ………!!』

…1

…0


ボォン!!

一瞬の出来事であった!!

木っ端微塵…。
細々と紫色の忍者服が散る…。

まるで桜吹雪…。


爆発に動きが止まる鎧武者!すかさず槍を斬り叩くミフネ!
そのまま、しゃがみ込み鎧武者の足首を斬りつける!

流れるように刀を納刀して、半分に折れた槍を拾うと渾身の体当たりで土手っ腹に突きを入れる!

貫通!!

鎧武者はくるぶしの関節部分が故障したため、踏ん張りが効かない!

そのまま壁に押し付け串刺しにした!!

ミフネ『リオ!』

ミフネは散らばった忍者服を見つめる…。

ストッ

着地。

下を向いたミフネの視界に誰かが近づいてきた…。

リオ『…忍法 空蝉(うつせみ)の術』

そこには"鎖かたびら"姿のリオ。
全身タイツならぬ全身"鎖かたびら"だ!

※空蝉の術…空蝉(うつせみ)とは、蝉(セミ)の脱け殻を指す。転じてすなわち脱皮の如く難を逃れる忍術である。

うつむくミフネを覗き込むリオ。

リオ『…あれ?隊長ぉ?泣いてないの?』

ミフネ『…泣かねぇよw…お前の気配は感じていた…』

言いながら歩き、部屋の壁を触るミフネ…。

ミフネ『この壁の向こうが…書斎か?』

ミフネは妖刀から発せられる殺気を感じとっていた…。

恐らくリオの小太刀は天井に刺さったまま鞘に納めておらず、そのままの状態なのであろう…。

しかしこの部屋の四隅は壁…扉など無い。

奥に点検口の様な天窓が有り、猿梯子があるだけだ…。

※猿梯子(さるばしご)とは、いわゆる屋外の壁などに取り付けられているハシゴの事である。

すると…

鎧武者が再び動き出す!!

ミフネ『まずい!奴が動き出したぞ!』

リオ『今度は任せて!』

リオはまた、手甲の矛先をターゲットに向ける!

リオ『忍法!蜘蛛糸殺陣!(くもいとさつじん)』

シュバ!!

ザン!!

一瞬煌めく!次の瞬間!

鎧武者は縦じまの如く切り刻まれる!

(もしかしたら1番強いのはリオじゃねぇか?)心の中で呟くミフネであった…。


パペットマスター・ギルの最後の刺客!
鬼鎧絡繰武者Z(おによろいカラクリむしゃゼット)撃破!


ミフネとリオは猿梯子を登り天張りを開ける。

バタン!

そこは屋外であった。というよりは屋上。
通常の屋根はなく。陸屋根だ…。

※陸屋根(ロクヤネ)とは、ビルの屋上などに用いられる構造である。

ミフネ『なんだ?屋上か?』

霧の様な靄(モヤ)がかかり視界が悪い…。
続いてリオも上がってくる。

リオ『なにここ?』

数メートル先の視界も見えないくらい湯気が立ち込める…。

リオ『温泉?』

リオが何かを発見した。

後を追うミフネ。

リオの行く手に不気味な程に馬鹿デカイ、上半身だけの大きな観音像が現れた。
その腕に包まれるようにして、大浴場の様な物がある。

そこに、湯船に浸かる人影…。

ミフネ『なんだここ?風呂か?』

ミフネの目に裸体を露わに後ろ姿で立ち上がる女が見えた!
斜め背後からでもわかる程の大きな乳房。
腰はくびれ安産型の大きな尻…。

リオ『ちょ!隊長ぉ!見ちゃダメ!』

興味津々のミフネの目を、慌てたように飛びつき両手で塞ぐリオ。

その女は、こちらに気付き向き直ると黒いローブを羽織る…。

揺れる乳房と…股間にぶら下がる異常に太く長い黒い物体。
リオはその体を見て驚愕する…。

そして…
その者は大きな鎌を手に取る…。パペットマスター・ギルだ!
凍る様な視線ではあるが、顔は整い黄金比。紛れもなく美しい女性だ。


ミフネ『おい!りお!攻撃されたらどうする!?』
リオはヘナヘナと尻餅をつく。

放心状態だ。

ガタガタブルブル

小刻みに震えるリオ…。

リオ『…ゴーヤや……実り過ぎたゴーヤが生えちょる…』

ショックでヘラヘラし始めるリオ。
高熱を出したように息遣いが荒い…。

(一体リオの目に何が映ったと言うんだ!
何かの術をかけられたのか?
オレはリオに眼を塞がれて術を免れたのか?)
自問自答を繰り返すミフネ。

※注意、ミフネはギルの後ろ姿しか見ていませんw

すると
ギルは感心した様に話し始める。

ギル『私の可愛いパペット達を倒して此処まで辿り着けるとは…敵ながら褒めて差し上げましょう…オホホ』

ミフネ『ギル!いや…ギル嬢!ジライヤを返して貰うぞ!』

刀を抜くミフネ。

ギル『どうぞ ご自由に…貴方のお友達なら…あちらの階段を降りた正面の部屋の書斎におりますよ…無事に帰れるといいですね……ちょうどこの屋敷にも飽きてきたところです…それでは私はこの辺で…失礼遊ばせ…オホホホホ…』

そう言うと

ギルはパチンと姿を消す。

テレポーテーションだ!

ギルの姿が消えると共に、館にある美しい少女の球体関節人形も、全て忽然と消えさる…。
無論、メアリーも。

此処とは違う空間にテレポートされた。

只、ジライヤの入った鳥籠だけを残して…。

ミフネ『待て!…クソッ!消えた!テレポーテーションってやつか!?』

リオ『…ゴォーヤァーチャンプルゥ…ゴォゥ…イヤ』

ミフネ『おい!リオ!しっかりしろ!』

ボキボキ!

ミフネはリオの背後に周り骨接ぎをする。

リオ『れ?隊長ぉ』

正気に戻るリオ。

周りを覆っていた霧の様な靄は晴れ、大きな影が二人を包む。

リオ『たたたた隊長ぉ…後ろ…後ろ…』

あわわ

ミフネ『ん?今度はなんだ?大怪獣ゴ◯ラでも現れたか?…』

振り返り青ざめるミフネ。

ミフネ『…って…嘘だろ?なんだ!コイツは!?』

『ブゥオォオオオオオオオオー!』

ソレは…
馬鹿デカイ上半身だけの観音像!
魂が宿り動き始める…。

その姿!

三面六臂(サンメンロッピ)の阿修羅像!!

馬鹿デカイ!

ソノ巨体は始めて人間を目にするかの様に、興味深そうにミフネに顔を近づけてくる!

その距離!僅か一分五厘(イチブゴリン)

※因みに一分とはメモリの事で3ミリ程だ。五厘は一分の半分。

ミフネ『…リオ 向こうに見える階段を降りた先にギルの書斎がある!"九字切刀"はそこにある!早く行け!ここはひとまずオレに任せろ!』

リオ『か…かしこまり!隊長ぉ!死なないでよ!』

階段に向かい走るリオ!

ミフネ『…奥義!』

ジリジリと摺り足で大股に屈み込むと、抜刀の構え…。
朱い竜の鱗の鞘が天を向く…。
周囲の空気が止まり…"紅刃の竹虎"に気が集まる………つづく。


次回 【救出のヨシュア!刀剣四姉妹!見参!】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.41 )
日時: 2015/11/15 23:10
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)

【救出のヨシュア!刀剣四姉妹!見参!】


_____霧の中を飛行する…黒塗りの大きめの軍用ヘリコプター。

零fighter山鷹隊(さんおうたい)だ!

ヨシュア『たくっ…リオの奴!何している!?このまま行けば操縦不能エリア"魔界"に突入するじゃねぇか?』

そう

リオのSOS信号は魔界の入り口と呼ばれる渓谷"デスバレー"周辺から発信されていた!

ヨシュアのヘリは濃霧に包まれる!

ヨシュア『くそ!何も見えない!コレより自動操縦に切り替える!』

操縦席を離れ、他の乗組員のいるゲートに向かうヨシュア。

ウィーン

ガチャ

そこには4人の剣士風の女達の姿。

長女:大典太夫 光世(おおてんだゆう みつよ)
出立ち:カウボーイハットにビキニアーマー(赤)。ネイティヴアメリカン風ポンチョ。腰に二刀流。色白巨乳。金髪。大胆不敵。身長153㎝。※厚底ブーツ着用の為170㎝。

次女:切丸蔵 袮々(きりまるくら ねね)
出立ち:アメスク(アメリカンハイスクール風制服:白×緑)に刃渡り2Mの長剣(日本刀)※正確には刃渡り216.7cm。身長178㎝。ボーイッシュ。酒豪で豪快。

三女:右京左文字 小夜(うきょうさもんじ さや)
出立ち:セーラー服:紺(超ミニ)※紺の短パン着用。手甲。脛当て(すねあて)。背中に小太刀二刀流。褐色娘。165㎝。

四女:古代一振 苺果(こだいひとふり いちか)
出立ち:巫女風袴(クリーム色)抜刀流。常に刀を抱いている。内股。前髪パッツン。消極的。154㎝。緊張すると苺の飴を頬張る。

注意:四姉妹とはいえ、血は繋がっていない…。
しかし親の血を引く兄妹よりも固い絆で結ばれた姉妹である!

ヨシュア『各位!準備はいいか!?向かうべきポイントはデスバレーだ!…正確に言えばその先だが…この辺りはすでに魔界で地図も出ない!しかし確実にミフネやリオはここにいる!…どうやって入ったかは皆目検討もつかないがな!』

光世『はぁ〜ん?ミフネはんは魔界でありんすか?…わての事 覚えっちょりまっしゃろか?…はよう会いたいどすなぁ〜…』クスっと笑う。

ヨシュア『…さあな』
と、冷たくクールなヨシュア。

袮々『ミフネのアニキまた酒持って来てくんねぇかな〜w…ヒックw』

ヨシュア『お前!任務中に酒なんか飲んでるのか!?…没収だ!』

小夜『…すぱー…ふぅー』

ヨシュア『これも没収!…未成年者の喫煙はイケナイ事だと教わらなかったか…?』


タバコを取り上げるヨシュア。

小夜『…あ…ちょ……ちっ!』舌打ちをする。

それらを見て、
緊張して怯える苺果…。

何かを頬張る。

その仕草を見逃さず、睨みを効かすヨシュア。

ヨシュア『苺果!何を口に放った?…まさか!?ドラッグじゃねぇだろうな!』


ドキっとして首を激しく左右に揺さぶる苺果。

ヨシュア『苺果…食べた物を吐き出せ!』

驚き涙目になり、口に含んだ飴を吐き出そうとする苺果…。
中身はイチゴ味の飴であるが…。

すると
その苺果の行動を制し、
背中に挿した二刀流を抜き、ヨシュアに詰め寄る小夜!

小夜『苺果はアタイらと違って真面目な良い子なんだよ…疑うのやめてもらっていいっすか?』

その緊迫したやり取りに慌てて仲裁に入る"長剣使い"袮々。

袮々『ば〜か!ヒックw…小夜!ミフネのアニキのマブダチに手ェあげんじゃねぇよ!…どーもとぅいまてんw(スミマセン)』

酒くさい。

袮々が慌てて仲裁に入ったのには理由がある…。

何故なら小夜に詰め寄られた時、既にヨシュアは小夜の急所に短刀を"寸止め"していたからだ!

袮々は見逃さなかった…。

今の状況下でヨシュアなら、やり兼ねないと思ったからだ!

無理もない。

魔界の恐ろしさはサイバーポリスのトップ機関と繋がりのあるヨシュアのみが知る。

そこへ、この世間知らずの山育ちの田舎者達と一緒に、紛れ混んでしまったのだから…。

ヨシュアの心理状態は緊迫してピリピリと張り詰めていた!

ヨシュア率いる零fighter山鷹隊の本来の任務はデリンジャー将軍の確保!
魔界に潜入する事ではない!

だが

いつもミフネやリオ、ユーイなどが問題を起こす…。

能力が有り腕はいいが、曲者共であるメンバー達。
彼、彼女らを束ねるヨシュアは頭を悩ませていた。
物事を完璧にこなす事こそ美徳。
それがニンジャマスター・ヨシュア。

と!

その時!

警告音がなる!

リオのいるポイントに到達した!

ヨシュア『各位!パラトルーパー出撃準備!』

言いながらコクピットに向かうヨシュア!

光世『あんたらモタモタせんと…はよう支度おしや〜!』

既に出撃体制の四姉妹長女!大典太夫 光世!

苺果『はい!姉上!』

袮々『おうよ!…ヒックw』

小夜『わーてるよ!(わかってるよ)』

…光世は察していた。

袮々は強敵と戦う前に酒を煽り自身を奮い立たせる事。

小夜が普段吸わないタバコを吸う時は、生命の危険に直面している時、不安を取り除く為の行為である事。

苺果に関しては言うまでもない…。
常に苺飴のストックを大量に持ち歩いている。

やがて

霧が晴れ…

操縦するヨシュアの目の前に化け物が姿を現せた!

三面六臂の阿修羅観音!

顔は三面共に怒りの形相!

そこにミフネやジライヤの姿はない!

応戦するのは!

鬼神と化した!

神威(カムイ)・リオ!!

巨体と互角に攻防を繰り広げる!

ヨシュア『ミフネはどうした!?ジライヤは!?』

一度旋回するヨシュア!

いた!

山積みになった、死体?の上に寝転がるミフネ。

ジライヤの姿はない。

次の瞬間ヨシュアに不安がよぎる。

リオは、神威になってから何分たった!?

まずい!

このままではリオが神威に支配されてしまう!

30分以内にあの阿修羅観音を倒さねば!

逆算して見積もったとして残りは10分あるかないか!?

ヨシュア『刀剣姉妹!リオが危険な状態だ!10分以内にあのデカブツを倒せるか!?』

ハッチバックを開け降下を促すヨシュア!

小夜『…へん!あたいら刀剣姉妹を舐めんなよ!…8分で決着(ケリ)つけてやるよ!』

袮々『ノンノンwまとめてかかれば5分で殺れんじゃない?ヒックw』

光世『……ほな…3分どす…』

バッ

勢いよく最初に飛び出したのは!

刀剣姉妹が長女!

大典太夫 光世!!

腰に挿した二刀流を抜く!!!!……………つづく


次回【サムライトルーパー】どうぞお楽しみにw


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