コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.12 )
日時: 2017/04/27 22:56
名前: ワタル (ID: Fbf8udBF)

【デス・フォレスト】


その森のさきには、断崖絶壁にそびえ立つ刑務所がある。
収容される者はすべて、終身刑…。
そこへ向かう道はただ一つ。
この森を通り抜けねばならない。

死へと続くこの森は、いつしか"デス・フォレスト"と呼ばれるようになった…。

そんな森に迷い込んだA・J達は…。

A・J『さて 俺はもうクタクタだ 先に寝るが 焚き火の準備を頼む …狼の餌になるのはゴメンだ…』

A・Jは手際良く、身近な大木からロープを縛りタープを張った。
※タープ=簡易テント

そして寝袋に入った。

ジョシュは十分睡眠を取ったせいか目が冴えていた。

焚き木を集め暖をとろうとするが、なかなか火がつかない。

そうこうしてるうちに夜が明け始めた。
汗だくのジョシュ…。

ジョシュ『なんだよ!こんなモン!』
ジョシュは焚き木を蹴飛ばし、火打石と着火剤を寝ているA・Jの側に投げつけた。
ぶつかる!
一瞬ひやっとなったがA・Jは爆睡していた。

胸をなでおろすジョシュ。

すると遠くの方に歩く人影の姿が見えた。

双眼鏡を手に覗くジョシュ。
どうやら木こり風の男が釣竿を担いで歩いている。
背中にバックパックを背負っている。

ジョシュ『何?何?どこか魚釣れるとこあんの?』

独り言を喋りながら、ジョシュは釣り道具を探す。
すぐさま支度を整え、男の後を追った。
何を隠そうジョシュは釣りと山菜採りが趣味であった。それとキノコ狩り。笑

見失わぬ様に、必死で男の後を追う。

ようやく声の届く距離まで追いついた。
ジョシュ『スミマセ〜ン おじさ〜ん これから何を釣りにいくんですか?』

木こり風の男は、驚いた顔をする。
そして、一見旅人のような格好したジョシュを見ると、
安心したように話し始めた。

彼の名前は"ベイハム"川釣りに行く途中らしい。

これから向かう場所は、上流の方の禁漁区で"サーモントラウト(マス)"が良く釣れるらしい。
この森の五分の一くらいを1本の太い川が分断しており、川を隔てた向こう側には小さな村があるという。
その村に入るには一箇所だけ橋があり、その手前には関所のようにして建てられた、砦があるという。
そこには、森林警備隊なる者達が、常駐しているらしい。

『彼らと関わるのは厄介だ』とベイハムはいう。
ベイハムは、村とは別の場所でひっそりと一人暮らしをしているらしい。

ジョシュは、少しばかり気がかりに思うことがあった。
それは、ベイハムがずっと喋りっぱなしで、
こちらの質問するタイミングをそらすかのようにソワソワして落ち着きがないように思えたからだ。
といってもジョシュの思い込みではあるが…。

ジョシュはベイハムに"二つ"質問をした。

ジョシュ『あの ベイハムさん これって密漁ですか?……それとその右眼の真新しい眼帯は、もしかして誰かと争ってできた傷ですか?』

ベイハムは眼帯をしていた。
身なりの汚れに比べ、ソコだけ真新しい。

ベイハム『アッハッハ 、参ったな〜。これはモノモライで今朝取り替えたんだよ 。密漁なんてとんでもない!網を使わず釣って食べる分にはOKだよ!アッハッハ』

指を差され、豪快に笑い飛ばされるジョシュ。
しかし、
馬鹿にされた気分から、存分に釣りが楽しめるという気持ちになった。

ようやく川の音が聞こえ始める。
足早になるジョシュ。

すると、せせらぎと共に見事な渓流が姿を現した。

ベイハムは嬉しそうに、荷物を降ろし胴付きに履き替える。
※胴付き(胸まである長靴。雨具を足した様な物。完全防水)

ジョシュもポイントを探すと鼻歌まじりで釣りをたのしむ…。

晴天だ!!



____その頃…眠りについたA・Jは夢を見ていた。

いつも見る夢だった

誰かはわからないがとにかく追う夢だ。

逃げ足が速く追いつけない。

姿を見ようとすると角を曲がり…

その角を曲がればまた次の角…見失い。

また見つけては人混みにまみれ見失う…。

気がつくと今度は自分が追われている。

必死に逃げるA・J。

小屋に逃げ込むと火を放たれた!

燃え盛る炎……………。

まてよ…いつもと展開が違う。

熱い!熱すぎる!なんだこれは!?

夢から目覚めたA・J異変に気づいた!

A・J『な!燃えてる!』
そう寝袋がくすぶり燃えていた!
慌てて転がり火を消す!
A・J『アチチ!アチ!アチ!ジョシュー!!』
A・Jの怒れる叫び声がこだまする。

ジョシュ『ん?空耳?』………………………つづく



次回 零fighter山鷹隊 【超セクシー!女森林警備隊!】どうぞお楽しみに

A・J「全国の女子高生ファンの皆!また見てくれよな!!」(アイキャッチ)
A・J&ジョシュ「「次週に向かって!スクランブルGO!‥ゴォゥ!」」
合わせろよ……汗(A・J小声)


Re: 零fighter山鷹隊 ( No.13 )
日時: 2017/04/27 23:15
名前: ワタル (ID: Fbf8udBF)

【超セクシー!女森林警備隊!】


各地で起こった満月の夜の激しい戦いから一夜明け…。

ここデス・フォレストに
朝早く森を抜けだすべく走りぬける、1台の馬車があった。

馬車を操るのは、可笑しなお面をつけたメタボ体型の忍者。
馬車の中には、侍と女忍者がいた。

上空には1台のハンググライダー。

そして、それらよりも速く先行する1台のバイクを駆る女の姿。


森林警備隊が異変を感じ、デス・プリズンに到着したころには、すでに何者の姿もなかった。

セクシー過ぎるコスチュームの女2人。
森林警備隊の狙撃手シューティング・スターと、
索敵担当のリンクスだ!

長身で脚の長いボンテージ姿のシューティング・スター ※以下S・S
小柄だが爆乳のリンクス。
あえてサラシを巻いているが、その胸の大きさは隠しきれてない。

2人乗りのジープで登場。
後部座席はなく、固定式のマシンガンが備え付けられている。

S・S『それにしても派手にやってくれたものね…零fighter山鷹隊(さんおうたい)…』


彼女等はデリンジャー将軍の通達を受け、現場に急行していた。

リンクス『それに、ここに長年収容されていた 一番厄介な殺し屋デストロの姿がみあたらないわ…』

S・S『ハァ…昨晩の村が襲われた事件といい、こりゃ始末書だわ』

リンクス『ええ…あの人狼取り逃がしちゃったし…』

昨晩の事。
満月の夜に村が狼男に襲われたのである。
以前は家畜だけの被害だったが、
最近では人を襲うようになった。
決まって満月の夜に現れる為、
警戒していたのだが、とり逃がしてしまった。

この地域には世間からモンスターと称される輩が幾つか存在していた。
森林警備隊は環境保護及び、それらを駆逐する義務があるのだ。

そして、この日は今朝から 人食いグリズリーが目撃されるはで大変であった。

S・S『ところで 人食いグリズリーが出たとか言うけど 現場に急行したスコット達は大丈夫かしら…』

リンクス『全滅してたりして…』

S・S『ちょ あんた 相変わらず怖いこと言うわね?』

リンクス『えへ ないない (笑)そしたらそれこそ、死の森だわ ウチらだって無事でいられないでしょ…そんなことより…』

S・S『そんなことより?何?』

リンクス『なんでもない なんでもない』焦

リンクスは昨晩、人狼との戦いの中、現れた全身黒づくめの男の事を誰にも話さずにいた。
なぜなら、人一倍負けず嫌いで男勝りのリンクスは、
命を救われた事と、負けを認めたくなかった。
皆が駆けつけた頃に、その男の姿もなく…。
リンクスは人狼を取り逃がしはしたが、賞賛を得ていたからだ。


__それから2人は完全に鎮火した事を確認し、デス・プリズンを封鎖した。



そのころジョシュはと言うと…釣りに夢中。

A・Jは飛び起きてすぐに、荷台から釣り竿がなく、ジョシュがいないことに気づく。

A・J『ジョシュのヤツ、また単独行動か……。ん?釣り竿が見当たらないな……。今日の夕飯は焼き魚かな……楽しみだ。』
荷台の積荷を整理しながら、そう呟くと、
寝ぼけまなこを擦り、辺りを見回した。
そして周囲の安全を確保すると、
少し焦げ臭い寝袋に、再び潜り二度寝するA・J。

今度は、安眠できそうだ……。

……。


……。

そして……、


和やかな場面から一転。
緊迫した雰囲気が漂う……。

そこには、人食いグリズリーと対峙する、決死のハンター4名の姿があった。
というよりは3名……。

なぜなら……、
そのうちの一人はすでに鼓動は止まり……、生存していないからだ……つづく。



次回 零fighter山鷹隊 【恐怖 再び】どうぞお楽しみに。







Re: 零fighter山鷹隊 ( No.14 )
日時: 2015/05/30 07:50
名前: ワタル (ID: Pk4hF4gE)

【恐怖 再び】


突然の戦闘突入から、こう着状態……………。

転がる遺体の首には、ドッグタグ。
名前が刻まれている!


スコット・ランバーグ!


スコット隊!隊長だ!


頭を失ったチームは、統率がとれず取り乱していた。

中でも一番若いヘビーナックルはガタガタ震えている。以下ナックル。

無理もない。なぜなら…

グリズリーは突如、現れた!

スコット隊に襲いかかり一番ヒヨッコのナックルを狙ってきたのだ!

ナックルをかばい、老兵スコットはその輝かしい生涯に幕を閉じた。


グリズリーの奇襲にただ一人、臆せず反撃を浴びせたバリー。

気弱なドミニクは、ヘッピリ腰だ。自分だけ助かろうと木に登る。
唯一の特技は木登りだった。

ガサガサ!

ナックル『チクショー!どこだ!どこいきやがった!クマ野郎!』

ダダダダダダ!

むやみに発砲するナックル。

バリー『落ち着け!ナックル!』

ドミニク『いたー!後ろだ!バリー!!後ろに来ている!そっちじゃない!六時の方向だー!あー!バリー!もう駄目だー!!』
一人木の上から震えて見ているドミニク。
バリーはあらぬ方向に銃を構える。

バリー『どっちだ!どっちから来る!………!!うわーーーーーーーーー!』

バシュウン……!木々に反響する。空(くう)を撃つ。


___銃声に目を覚ます、A・J

寝ぼけまなこが、一瞬で切り変わる。ショットガンを手に取り走った!

場所は近かった。
A・Jの目に映ったのは、あきらかに遺体が一つ。
生死は確認できないが倒れた人員2名。
そして大木を叩き揺さぶる、グリズリーの姿。
その木に、必死でしがみつく半ベソの男。

グリズリーの体長は3M。

A・Jは以前6M超えのグリズリー"レッドヘル"を仕留めた事がある。

目の前のテディベアは敵ではない。

ジャコン!
ドン!


一度威嚇の射撃を空に撃つと、注意を向けさせるA・J。

グリズリーはコチラを向き、猛突進!

ジャコン!

ギリギリまで引きつけ、眉間に見舞う!

ドゴォン!

まるでスローモーションのように、のけぞり倒れるグリズリー。

ドシン!

そしてトドメを3発も見舞った。
過去に苦い経験をしていた為、用心深くなっているA・Jであった。

ドミニクは、礼を言うと経緯を話し、その射撃の腕と度胸に惚れ、
A・Jに協力を願ってきた。
聞けば、
川向こうの村が今、絶滅の危機に晒されていると言う。

満月の夜に決まって、この世のモノとは思えない獣が襲ってくるらしい。
A・Jは報酬次第で引き受ける事にした。



この森の文化は、時代遅れで。外界から遮断されていた。
勿論、情報なんかも。
A・Jが特Aランクの賞金稼ぎと言う事さえ、誰も知らない。
たとえ、罪人であろうとも、この森のルールさえ守れば平等に扱われる。
この森の住人は、"流れ者には過去を聞かない"という風習がある。



一路
森林警備隊の本部に向かう、一行であった。

スコットは、気の毒だったが。
さいわいにも、バリーとナックルは無事であった………………つづく


次回 零fighter山鷹隊 【ジョシュ 行方不明】どうぞお楽しみにw



Re: 零fighter山鷹隊 ( No.15 )
日時: 2015/06/07 12:59
名前: ワタル (ID: 0otapX/G)

【ジョシュ 行方不明】


朝方から釣りに夢中の、ジョシュとベイハム。

なぜか、ナマズばかり釣れるジョシュ。
たまにカジカのおまけ付き。

それでも鼻歌まじりで上機嫌だ。

ベイハムはと言うと、鮎を5匹。カワマスを1匹。得意顔である。

ちょうど小腹が空いてきたところで、食事をとる。
朝飯には遅すぎて、昼飯には早すぎる微妙な時間だった。

ベイハムは素早く火を起こして、持ってきた鉄串に鮎の塩焼きを3本準備した。

ジョシュ『ベイハムさん 流石ですね 僕の釣ったナマズと交換して頂けませんか?』

ベイハムは一瞬、キョトンとして豪快に笑い出す。

ベイハム『アッハッハ! ワシは1匹食べれば沢山だよ あとの2匹はお前さんの分だ…あーと君は…』

ジョシュ『ジョシュです!ありがとうございます!とても嬉しいです!』

ベイハムはジョシュの大袈裟なお礼の言葉に、少しウザいと思ったが気を悪くさせるのも可哀そうに思い笑顔で答える。

ベイハム『それならば ジョシュ君 そのカジカを少しわけてくれないか?』

ジョシュ『え?いいですよ こんなの食べれるんですか?』

ベイハムはうなづくと、持ってきた水筒を取り出し、
鉄製の取っ手付きの大きなコップに半分ほど注ぐと、
生きたカジカを1匹その中に投げいれた。
親指ほどの小さなカジカはピチピチと跳ねたかと思うと、
しばらくしてうごかなくなった。
ああ…哀しき食物連鎖である…。

中身はウォッカだった。

そのまま火にかける。

カジカの熱燗酒である。

クセが強すぎて、とても一般受けする代物ではないが、ベイハムには至福の味であった。

ジョシュは珍しがって、カジカ酒を一口もらうと、『オエ~』と、嗚咽した。

アッハッハと高笑いするベイハム。


ベイハムは、人と関わる事が苦手でひっそり山小屋で暮らしていると言う。

鮎の塩焼きをガッツきながら話しに聞き入るジョシュ。
ベイハムは少量づつほぐしながら酒の肴に愉しむ。
手掴みに食べる。
顔中髭面のせいか、なんともワイルドだ。


酒が進むにつれ話が盛り上がると、ジョシュを気に入り。
ベイハムは旅の支度が整うまで、ウチに泊まればいいと勧めてくれた。
勿論、相棒のA・Jも一緒にだ。

ジョシュは話が決まると大はしゃぎで、ベイハムの荷物を僕が運びますと言わんばかりに片付け始める。

荷物をまとめると、ベイハムの家に向かう。

しばらく歩くと、林道が姿を現した。
この森のメイン道らしい。
川を背に歩いてきた2人、東に行けば丘に向かう。
その先に何があるかは知らないが、近づかない方がいいとベイハムは言う。
西を辿ると森を抜けるらしい。
ベイハムの家は西の方にある。

それからまた、
しばらく歩くと大きな岩が道の脇に現れた。
その岩に隠れるように細いケモノ道がある。
ここだここだと、ベイハムは進んでいく。
後に続くジョシュ。

ケモノ道を抜けると、煙突のついた、小さな小屋が現れた。
とても住みたいとは思えない造りではあるが…。
もともとあった小屋をベイハムが補強して改築したらしい。
井戸も完備されていて、生活するには申し分ない。

荷物を届けると、A・Jを迎えに行く事を告げるジョシュ。
するとベイハムは、薫製チーズと薫製ソーセージをジョシュに持たせた。
ジョシュは礼を言うと、日没までに戻ると告げ、釣り竿を預かって貰うことにした。

ベイハムは念を押すように、森林警備隊には関わるな!
とジョシュに聞かせる。
奴らの指導者は悪魔だ!と
奴らもまた悪魔の申し子だ!と続ける。

ジョシュは気をつけます!とうなづきベイハムの教えに従った。

ジョシュはA・Jの待つ拠点に向かった。
林道を西に向かったところにある。
森の入り口から森の中程まで進んだところに広場を見つけ、
野宿をしていたのだ。

林道を歩いていると前方から車の音が聞こえてきた。
慌てて茂みに隠れ、身を潜めるジョシュ。

オープンタイプの四人乗りのジープが走り去っていく。

兵士のような風貌の四人。
次の瞬間、ジョシュはハッとした!
ジープの助手席には、A・Jの姿が見えた!
後部座席には銃を持ち武装した兵士。

ジョシュ『A・J!!』
思わず声をあげるが、すぐに慌てて自分の口を塞ぐジョシュ。

A・Jが捕まった!

ジョシュの脳裏にネガティヴな思考がよぎる。

すぐに脂汗をかくジョシュ。

ジョシュはジープをやり過ごすと、すぐさま拠点を目指して走る!

案外近くにあった!
タープをたたむと、寝袋やら道具を積み込む!

サニトラのエンジンをかけると、後先考えず走り出す!

林道は一本道だが行けども行けども、追いつかない。
気がつけばベイハムの家に続く目印の大岩も通り過ぎ、
森の奥深くまできていた。
ベイハムの話では森の中央部に森林警備隊の本部があるはず。
すでに道を迷っていた…。

キョロキョロしながら、失速し始めるジョシュ。
不安になるジョシュの目に墜落したグライダーが入り込む!

ジョシュ『今何か見えたぞ!』

急ブレーキを踏み振り返るジョシュ。
双眼鏡を手に取り覗くと、黒塗りの翼の折れたグライダーを発見した!

ジョシュ『なんだ?なんだ?カッコイイグライダーがあるぞ!』

興奮気味のジョシュ。
昨晩の謎の飛行物体の正体をつきとめた気がした …。

サニトラをバックさせ確認すると、グライダーの先にパラシュートの残骸などが散乱しているのが見えた!

ジョシュは念のため、愛用銃のスコーピオンを手に取り現場に向かった。

ジョシュ『うわーすごいなー やはり見間違いなんかじゃなかった…ん?なんだ?ヘルメットがあるぞ』

ジョシュは黒塗りのヘルメットを手に取った。
額部分に金色の鷹の紋章。
後頭部には白字で"零"の文字
コメカミ部分にボタンがある。
何気無くボタンを押すジョシュ、するとシェードがかかった半透明のシールドが装備者の顔を保護するように飛び出す。

ジョシュ『うわ!何コレ?超いいよこれ!カッコイイーなー!』

ジョシュはもう一度ボタンを押すと、シールドはシュッと音を立て収納される。

ジョシュ『こいつはいいぞー』

ジョシュはメットを被り、上機嫌だ。
あたりを物色するが、めぼしい物は見当たらない。
その場を後にした。

そのままサニトラに、戻り東へと車を走らせる。

ジョシュ『おかしいな?どこにも脇道はなかったのになー A・J無事だろうか?…このまま東に行くと なんだかヤバイきがするんだよなー』

ジョシュはベイハムの言葉を思い出していた…。
「東へ続く道には、近づくな!」と…。
一抹の不安を抱えながらも、車を走らせるジョシュであった…………つづく






次回 【爆裂娘リンクスvs零fighterジョシュ!?】どうぞお楽しみにw

Re: 零fighter山鷹隊 ( No.16 )
日時: 2015/06/14 18:21
名前: ワタル (ID: 0otapX/G)

【爆裂娘リンクスvs零fighterジョシュ!?】

東に続く道は、行き止まりの終着点。
デス・プリズンがある。

一通り、雑務を終え帰路に向かう、女森林警備隊2名。

そこへ不審なサニトラがやってきた!

S・S『さて スコットの状況が気になるから戻るよ!リンクス』
ジープに乗り込み、エンジンをかけるS・Sには見えていないようだ。

リンクス『ちょっと 待って なんか来た』

リンクスの指差す方に、怪しげな人物。

S・S『何?』

リンクス『あれは…!?零fighter!!』

双眼鏡にハッキリと鷹の紋章!
黒塗りのヘルメットに、後頭部には零の文字!零fighter山鷹隊である!

リンクス『たった一人で現れるとは!ウチも舐められたものね!』
※リンクスは自分の事を"ウチ"というらしい。

リンクスはバズーカ砲をぶっぱなす!!
ドゴォン!
宣戦布告である!

助手席でシートベルトしたまま横向きで、撃った為。
ジープの片輪が少し浮き上がる!

S・Sのパーマのかかったロングヘアが風圧をまともに受ける。
S・Sは耳がキーンと鳴り、顔はスス(炭)まみれだ。

リンクスは用意周到だ。
ちゃっかりヘッドホン(ヘッドギア)を装備している。
※因みにバズーカは、故:看守長アギレラの物である…。


砲弾はサニトラのタイヤに直撃!

ジョシュは何が何だか解らず、飛び出して逃げ去る!武器を忘れて丸腰だ!

リンクス『逃がすかって!』

リンクスの通常使用武器は、P90だ。人間工学に基づいて作られた極めて取り回しの良い短機関銃だ。

しかしリンクスは、
P90を今回使用せず、得意の鎖鎌と狩り用のブーメランを手に取り後を追った!

S・Sはバズーカの衝撃で軽くピヨってる。
目の辺りで星がチカチカしていた。

森に逃げようと走るジョシュ。
追うリンクス。

ジョシュ『一体なんなんだよ!?』

幼い頃から狩りが得意のリンクスは身体能力が、ズバ抜けていた。
小柄な身体に似合わず脚が猛烈に速い!
すぐに追いつくリンクス!
ジョシュはリンクスの射程距離に入った!

リンクス『ロックオン!ダブル!ブーメラン!!』

掛け声と共に、2本のサイズの異なるブーメランをジョシュめがけ放つ!

ジョシュは走りながら足元に飛んできた小さなブーメランをジャンプして避けた!
ジョシュ『よっと 』
うまくかわす。小さなブーメランは回転が速い。
大きなブーメランはゆっくり回転しながら、ジョシュの頭を狙って飛んできた。
ジョシュはクビを傾げてコレもかわした!

ジョシュ『へへん!』得意顔だ!

と思ったのも束の間。

足元めがけ飛んだ小さなブーメランは、垂直に縦方向にコンパクトな弧を描き、下から空間をえぐるようにジョシュのボディにヒットした!

ジョシュ『ぶべっ!ら!』
不意を突かれ悶絶

そして大きなブーメランもまた、大きな弧を描いたかと思うと、
突然スピードを上げて戻ってくる!
まるで意思をもっているかのように!ターゲットをとらえる!

脳天直下!直撃!!


ジョシュ『あべし!』
まるで"北◯の拳"のようなリアクションである。
ボディのダメージは大きいが、頭への衝撃は意外にも少ない。
ヘルメットの性能の良さを物語る。

ジョシュ『く、くそ~ 悪魔め 負けてたまるか…ハァハァ……ブー◯ー教を崇拝する…く…(痛い)……悪魔…教団め…ベイハムさんの言う通り…東は…悪魔の巣窟だ…ハァハァ…』
※注:ジョシュのいつもの妄想である。

リンクス『何をブツブツいってんの!?大人しくお縄を頂戴しな!』

リンクスは鎖鎌の分銅を振り回す!

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!

ジョシュ『へ ………そんな時代遅れの武器で………笑わせる!』
ジョシュはすかさず、腰のホルスターに手を伸ばしスコーピオンを撃ちまくる!
はずだった…。
ジョシュ『はへ!?ない?…忘れた!?』汗





ジョシュはそのままリンクスの手にかかり、御用となる。
S・Sも合流する。

いつも失敗を悔み屁理屈を言うジョシュ。
この時もスコーピオンがあれば、勝っていたと抜かすジョシュに、
負けず嫌いのリンクスは、
『あんたが銃を所持していたら、ウチかてとっくに、その息の根止めていた!』
と一喝する。


しょげ込み呟く。
ジョシュ『トホホ…』


ヘルメットを剥ぎ取られ、尋問を受けるジョシュ。
S・Sはすぐに零fighterの一員でないことに気付く。

なぜなら、S・Sはこの森林警備隊に配属される前に、
別のチームに属していて、零fighterとも戦った経験もあるからだ。
その時のチームの生き残りはS・Sただ一人だった。

S・Sは森育ちのリンクスと違い語学力もあり、教養もある。
ただ戦闘能力は、圧倒的にリンクスの方が上である。
キレたら敵わない事も知っている。
ただし、
狙撃の腕に感しては最強の呼び声の高いS・Sであった。


仮に
戦闘態勢の零fighterの一員と対峙していたら、
S・Sもリンクスもただでは済まないであろう。
中でも1番殺傷能力の低いとされる、"カムイ・リオ"でさえ、
ここにいるリンクスとほぼ同じ位の身体能力を持っている。

いや、
敏捷度で言えば、カムイの方が遥かに上である。

事実、

今ここでリンクスとカムイがやり合っていたら?

双方無事ではいられない。

その事をS・Sは知っていた……。

S・S達は『言いたいことなら ゆっくりと署で聴く…』と、
ジョシュを手錠に掛け連行する。

トホホ顔のジョシュ。

夕焼け空。
辺りは日が暮れはじめていた。


___余談だが、
デス・プリズンと森林警備隊の懇親会の席で、
看守長アギレラとリンクスが酔っ払って喧嘩をしたさいに、
リンクスがキレて、アギレラをボコボコにした事件がある。
※注:キレたら怖いリンクスなのです。

それ以来、交流はなく。
久々の再会はアギレラの屍である。

森林警備隊と看守員達は、お互い目的や思想が異なる為、
同じ組織にいながらも、互いの理解や歩み寄りなどもなかった。




また…
最高指導者のデリンジャー将軍も3つの顔をもつ。

1つ目は平和の主張。環境保全などを訴える…表の顔。

2つ目は真相は定かでは無いが、黒い噂のある…裏の顔。

そして…
誰も知らない…知る事もない…3つ目の顔…。


S・Sは長い間、疑問に思う節があった。

何故?

デリンジャー将軍は零fighterを捕らえようとするのか?
もしくは、零fighterが将軍の首を狙っているのか?
そして、夜にしか姿を現さない謎の側近スカルフェイス。

過去の零fighterとの戦いにも腑に落ちない点が幾つかある。

将軍の言う人斬りミフネにS・Sは斬られた時は、峰打ちであり気を失った程度ですんだ。
仲間の受けた銃弾なんかも、急所をハズしてあった。
決定的な致死原因となる傷は獣のような深い爪痕だった。
仲間の誰もが皆、
その爪の様なもので心臓をえぐり出されトドメを刺されていた。

零fighter=怪物と教え込まれてきた。

しかし…

今回の零fighterのプリズン襲撃及び、ミフネ脱走事件の殺しの仕方が、
怪物的というよりは人間的というか…明らかに別ものだった…。
様々な想いが交錯する…。


逃げないように手錠を掛けられ、後部座席に梱包して運ばれるジョシュ。
リンクスはP90を抱きながら助手席でスヤスヤと眠る。


サングラスをかけたS・Sはハンドルを片手に、
本部へ帰還するべくジープを、やや急ぎ気味に走らせる。

スコットから無線が入らない事と、
プリズン封鎖に思いのほか時間がかかった事に少し苛立ち、
それと同時に胸騒ぎを感じていた。

モヤモヤした想いで頭を掻くように髪をかきあげる。

風になびくブロンドの長い髪が夕焼け色に染まる…………つづく



次回 零fighter山鷹隊 【失われた村の姉妹】どうぞお楽しみに












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