コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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零fighter山鷹隊 【完結】
日時: 2018/12/11 03:01
名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)

零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。

歴史の背景にその影ありき……。

悪あるところにその影ありき……。

事件あらばその影ありき……。

果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。




____プロローグ

……とある満月の晩の事。

【デス・プリズン】

耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。

スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』

2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。

侍風の傷だらけの男『……。』

その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ

全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。


謎の長身の男『フハハハハハハ』

《ガシャン》

鉄の"分厚い扉"が閉められる。

《ガチャ》

錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?

……やがて誰の気配も感じなくなった。

まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。

ミフネ(このまま安住も悪くない)

ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。

____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。

全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。

ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)

ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。

しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!

すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。

今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。

ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)

小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?

そして!!!

夜月に浮かぶ !!!

<3つの影>!!!!

その正体とは!?

……つづく。


主題歌
[Alexandros ]Droshky

ending
[Alexandros ]Adventure


挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w

戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)

以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル

次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw

全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』

《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3

【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11

デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16

モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19

はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22

モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

アタッカー・ジョー完 >>35

【第2章 ザ・バトルライン】

パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40

パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45

砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55

【第3章 ナインソルジャーズ】

猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62

魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70

【最終章 ファイナル・クロニクル】

死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80

魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91

魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)

最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111


新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ

newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful

※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。

…NEXT

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Re: 零fighter山鷹隊[参照1700超大感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.82 )
日時: 2016/07/18 18:21
名前: ワタル (ID: IxtPF2j4)


【モンスターパニック!!it's show time!】

ここは魔城。



空は闇に閉ざされ……、
雷(いかづち)が鳴り止むことはない……。



空気は淀み、

時折見受けられる水路からは、ドス黒い液体が流れる。

異臭が漂い、腐敗しきった世界だ……。




行動をバラバラに引き裂かれた、9人の戦鬼とその仲間達……。

果たして魔城攻略は、可能なのであろうか……?




地獄の底から地上へと続く、回廊を歩くヴァルキリー。

その様子を見守る悪魔が二人。

丸いバレーボール位の水晶に映し出された、女将校ヴァルキリーを覗き込む。

ゴーストマンモス「……ギルめ……しくじりおったか……口程にもない奴め……」

ボンバーサイズ「左様でございますな、女王様……。
しかもギルの死は、昨晩の占星術にも、印されておりました……」

ゴーストマンモス「ハハハ…そうか……。
その占星術とやらは、私の死をも予言しているのではなかろうか……」

ボンバーサイズ「……………ご安心下さい、女王様。
……ヴァルキリーの向かう先などに、我々の居場所なんぞは存在しませぬ……、
あるのは……、
出口のない〈死滅の宮殿〉。
……ベルゼブブの餌場にございます……。」

ゴーストマンモス「……アーハッハ!それは愉快だ!
流石(さすが)の女将校も、
蠅王(はえおう)ベルゼブブには敵(かな)うまい……アーハッハッ!」

と、その時、

ガタッ

物音がした。


と、次の瞬間。

大きな鏡が割られた!

パリン!

ボンバーサイズ「!!??」


割れた鏡に気をとられたボンバーサイズ、再びゴーストマンモスの方を向き直ると、その左胸から突き出す両刃の剣!

ジャマダハル!!

別名!ブンディ・ダガー!!

背後から忍び寄る暗殺者(アサシン)!

忍者マスター・ヨシュア見参!!


ヨシュア「チェックメイトだ!氷の女王!ゴーストマンモス!」


しかし……

様子がおかしい……。


あまりに手ごたえが無さ過ぎる……。


ボンバーサイズ「……飛んで火にいる夏の虫……」

言い放ち、不敵な笑みを浮かべ、水晶を抱きながら後ずさり、姿を消す。
巨漢の悪魔(雌)、ボンバーサイズ。

次の瞬間!


部屋は一瞬にして〈絶対零度〉の冷凍庫と化した!

瞬時に氷の彫刻の様に、生き墓標へと姿を変えるヨシュア!
それは、
まるで生き物の様に、
迫る氷が侵食して、もがくヨシュアの身体を包み込む!
得意の忍術で脱出を試みるが時既に遅し、といったところか……。

ヨシュア「……しまった!(ミフネ!ユーイ!!)」

ヨシュアの仲間の名前を呼ぶ最期の叫び声は、言葉にはならなかった……。


忍術マスター・ヨシュア、魔城にて永眠か?……。


不遇な事に、
ヨシュアの捕えたゴーストマンモスは、実はダミー人形。
それは魔界の〈名将パペット・マスター・ギル〉からの〈最初で最後の贈り物〉であった……。


一方、
地上に取り残された、スネーク隊。
巨大な穴付近を警戒しながら、深い穴に飛び込んだパワーストームの帰りを待つ。

スネーク「……これじゃあ、どうする事も出来やしないな…」

プロットマン「……深すぎて何も見えねぇ、一体この中はどうなっているんでい(いるんだい)!?」

すると、リンクスの怪我の治療を施していたスネーク隊所属の衛生兵達の悲鳴が外の方から上がる!


しかし、
悲鳴に振り返るプロットマンも、悲鳴をあげた!

プロットマン「う!ウワァ!なんだこいつら!天井にもビッシリいやがる!」

スネーク「何事だ!な!?なんじゃコリャ!!」

気がつけば既に巨大なナメクジのような生物に囲まれていた!

「ギャーーーーーー」

巨大生物に捕食されかけるスネーク隊の風雲児。怪力無双のヨコタ隊員。

緊張が走る!

その時!

二本の閃光が走る!

ドス!ドス!

巨大な生物を仕留めた!

スネークと、プロットマンは、
直後それが二本のワイヤーガンである事に気づかされた!

その放たれたワイヤーガンの主は……黒装束のあの男、

ギルに敗れたと思われていた……、

不滅のソルジャーガンドラゴン!

デビルズハンティングに進化を遂げて復活!
※以前まではモンスターハンター(クラスとでも言おうか)。
(落雷に撃たれ身体に竜のタトゥーが出現)

その瞳は、片目がブルー、片目がゴールドのオッドアイだ!

ガンドラゴン「この大量発生した巨大生物は、ジャイアントアメフラシだ!
吐き出す紫色の毒霧に注意しろ!眼に喰らえば失明するぞ!」

そう言うと、ガンドラゴンは、リンクス救出の為、神殿の外に向かった!

スネーク「アメフラシなんかに喰われてたまるかっての!」

バンバンバン!

天井のアメフラシを撃ち落とすスネーク!

優秀だ。



更に、腰を抜かしたヨコタ隊員に襲いかかるアメフラシの群れを、一瞬にして駆逐するプロットマン!
強い!
身体にフィットした、ネイビーブルーのタイトなコスチュームだ。

プロットマン「大丈夫ですか!?ヨコタ隊員!」

ヨコタ隊員「ああ…すまない……助かったよ」

20歳以上年の離れた若いプロットマンに、命を救われた中年のヨコタ隊員は、その実力に嫉妬しながらも感謝の言葉を述べた。

スネーク「プロットマン!こいつら数は多いが、戦闘力は大した事ない!一気に片付けるぞ!」

バンバンバン!

プロットマン「了解!!」

バババババババ!

スネーク「フンッ!ランブルフィッシュとの戦闘訓練に比べれば、こんな奴ら朝飯前だぜ!!」

バババババババ!

そして、有利に思われていた戦況は一転する……。

大きく空いた穴から、迫り来る〈脅威〉に一同は驚愕する事となるのであった………つづく。



次回 【恐怖!蠅王ベルゼブブ!!】どうぞお楽しみに






Re: 零fighter山鷹隊[参照1700超大感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.83 )
日時: 2016/08/16 00:20
名前: ワタル (ID: z.RkMVmt)


【恐怖!蠅王ベルゼブブ!!】

ここは、魔城。

その、とある一室は、氷点下の氷の世界……。

まるでダビデ像の様に美しく、
鍛えあげられた無駄のない肉体美の生き墓標。

それは、
しなやかなシルエットの氷の彫刻と化した、
ニンジャマスターヨシュア(♂)の姿である。

それを水晶から眺め、
優越感に浸る2匹の悪魔の姿。

氷の女王ゴーストマンモス(♀)である。
歓喜の高笑いが響き渡った。
さらに、
意地悪そうに微笑む占星術師ボンバーサイズ(♀)……。


その高笑いは、冷たい氷の部屋に木霊した……。


その頃、
時、同じくして、
蒸し暑い螺旋状の回廊を、ひたすら歩くヴァルキリー(♀)とミフネ(♂)。

2人が他愛のない会話をしながら突き進むと、

突然!

ミフネの右脚の草履の鼻緒が切れた!

立ち止まるミフネとヴァルキリー。

ミフネの脳裏に嫌なイメージが浮かぶ……。
妙な胸騒ぎがした……。
ミフネは、普段から〈願掛け〉や、〈ルーティーン〉を信じていた……。

右の鼻緒が切れれば、不吉な知らせ。
左の鼻緒ならば、吉報だと……。

そして、
今、切れたのは……右の鼻緒。


顔色の優れないミフネの草履を取り上げると、
ヴァルキリーは器用な手付きで、
切れた鼻緒を結び直して修復した。



しばし、足止めを食らう2人だったが、
これが後に好転する事となる……。

だが、
スネーク隊及び、ガンドラゴンの身に危険が生じる事となる。
何故ならば、
ミフネ達の向かう宮殿に、構えし怪物は、
先の戦いの騒動に永い眠りから目を覚ましていた!
そして!
今、まさに、
その強靭な手脚で横穴を掘り進み、
あの、大きく開けた縦穴に到達する勢いであったのだ!


そんな大惨事な出来事が、
起こり得るなど、
ミフネとヴァルキリーの2人は、まだ知る由も無い。
事の重大さに気づくのは、もうしばらくしてからの事であった。

2人は、蒸し暑い螺旋状の回廊を、うだる汗を拭いながら進んだ……。



……。


……。



一方、
ようやくジャイアントアメフラシの鎮圧に成功した、スネーク隊。

ここで、
ひとまず、生き残っているスネーク隊の人員を確認していこう。

スネーク隊は4名。

リーダーのスネーク隊長(♂)。
ヨコタ隊員(♂)。
タンク隊員(♂)。
クンカ隊員(♂)。

そして、レンジャー(遊撃士)のプロットマン(♂)。
他、衛生兵2名。
医師ギタレレ(♂)と、看護師ウクレレ(♀)だ。

それと、
ガンドラゴン(♂)とリンクス(♀)。


幸いにも、誰一人として、アメフラシの毒霧を受けた者はいない。


勝利に歓喜して、トリガーハッピーになるヨコタ隊員とタンク隊員とクンカ隊員の3名。


※トリガーハッピーとは、銃を乱射する事で幸せを感じる人という意味。


その銃声は、遠く離れたドンデリオンとゾーンの耳にも届いた。

ドンデリオン(♂爺)「むむむ? まだこの奥に生存者がいるかもしれん!」

ゾーン(♂少年)「そのようですね!行きましょう!」

あまりに酷い戦場の有り様に、
一度は退路をも考えたドンデリオン達ではあったが、
遥か彼方に聞こえる自軍とおぼしき銃声に、僅かな希望を見出していた。

ドンデリオン「さあ行くぞ!ゾーン!掴まれ!振り落とされるなよ!
……(ドス)サァーーーー!」

掛け声と同時に、チョコボックルのジョーを蹴りあげるドンデリオン。
チョコボックルのジョーは、一度大きく仰け反ったかと思うと、


一目散に爆走した!
振り落とされまいと、必死にしがみつくゾーン!
ドンデリオン達は、スネーク隊のいる神殿を目指した。






それから……、



場面は、切り替わり……、





修羅場!!!!


絶望の声と悲鳴が交差する!!


目にも止まらぬ猛スピードで殺戮を繰り返す怪物!


蠅王!ベルゼブブ!!降臨!!


大きな穴から飛び出して来た最悪の生物!


スネーク隊が最初に眼にしたのは、身体を真っ二つにされた上半身のみのパワーストーム(♂半ロボ)であった!

まるで抵抗も出来ず、一方的にやられた様な姿、
そのまま地面に叩きつけられた!

しかし、その胸には、瀕死のランブルフィッシュ(♀)が守られる様にして抱き抱えられていた!
パワーストームは、ランブルフィッシュをかばう様に顔面から着地し、息を引き取った……その輝かしい生涯に幕を閉じた……。

壮絶!!

トリガーハッピーの3名のうち、タンク隊員の首は既にベルゼブブの後ろ脚で狩り取られ、胴体だけがその場に残され銃を乱射した!
あろうことか、その放たれた弾丸は、近くにいたヨコタ隊員とクンカ隊員に被弾した!

ヨコタ隊員の頬をかすめ、右肩を打ち抜き回転するヨコタ隊員!
スローモーション!!


クンカ隊員は無残そのものだった……。

その乱射された銃弾は、まるで真夏のビーチのスイカ割りの如く、クンカ隊員の頭を撃ち抜いた!


発狂するプロットマン!恐怖の余り、現状から逃れようと、叫びながら我を忘れた!大きく空いた穴の中へ自ら飛び込んだ!

プロットマン「ああああああああああああぁああああああ!」

スネーク隊長は、アメフラシの死骸の中に身を潜める事で精一杯であった!

耳をつんざく蟲の羽音が理性を破壊する!

そのスピードは、巨体にも関わらず素早い!

まるで瞬間移動!

時折ホバリングして見せる!


リンクスは神殿の外で、ギタレレとウクレレに手当てを受けている。
彼らは、まだベルゼブブの存在に気付いていない……。


しかし、
そんな最悪な怪物を見据える者がいた……。

その視界から見える景色はブルー色のかかったゴールド色の世界……。

ベルゼブブの瞬間移動がコマ送りのスローになって、ほとんど止まって見える……。


そう……、

その瞳こそは、オッドアイ。

その名も……、

ガンドラゴン・オブ・デビルズハンティング!!!!

奇跡の進化を遂げ今、激突の時!!


その……、

燃ゆる瞳は、死にゆく戦士の怒りを纏い煌めく!!!

静………、

から……、

動!!!!

回転しながら解き放つ2本のワイヤーガン!!

眩い閃光がクロスして絡み合い一筋の矢となりて、
ベルゼブブの羽音凄まじい背中を捉えた!!

「プギャアアアアアアアアア!!」

断末魔の叫び声をあげるベルゼブブ!!


ガンドラゴン「思い知るがいい!!悪魔の申し子達よ!正義の鉄槌を受けて見よ!!!!」

……つづく

次回 【死して尚、恐ろしい……ベルゼブブの最期!】どうぞお楽しみに

Re: 零fighter山鷹隊[参照1800感謝(嬉泣)挿絵もご覧下さい] ( No.84 )
日時: 2016/09/13 00:25
名前: ワタル (ID: uWCnjyP1)


【死して尚、恐ろしい……ベルゼブブの最期!】


蠅王ベルゼブブは、ガンドラゴンの攻撃に耐えかねて、神殿の外へと逃げ出した!

しかし、
ワイヤーガンを離さないガンドラゴン。


まるでパラグライダーの様に、暗雲立ち込める空へと、ベルゼブブ諸共飛び出した!

そこへ、ようやく辿り着いたドンデリオン等を乗せたチョコボックルのジョー。

ドンデリオンとゾーンは、その光景を目撃した。

ドンデリオン「ありゃなんじゃ!?」

そこには、巨大な蠅を連想させる怪物の姿!
その背中付近からは、紐状の帯の様なモノが伸び、何か人影らしき姿がぶら下がる。

ゾーン「なんなんだ?あの巨体な化物は!?……まるで……以前、死闘を繰り広げた、モスマンの様に不気味な生き物だ!!」

ドンデリオン「何!?モスマンじゃと?少年よ、あの恐ろしい怪物〈モスマン〉を知っているのか?」

ゾーン「知ってるも何も、戦った事がある……今、思い出しただけでゾッとする……あの時、俺は、モスマンの毒針で高熱にうなされ生死を彷徨った……ある男に救われたんだ……、黒装束の男に……」


ドンデリオン「なんと……その黒装束の男とやらは、あそこであの怪物にしがみついている者ではないのか?」

双眼鏡を覗きながら呟くドンデリオン。

それを聞いて慌ててゾーンも、自分の所持するお気に入りの、伸縮式小型望遠鏡を覗きこんだ。

息を呑むゾーン。
何かを確信した。

ゾーン「か、彼だ!我々の村を救ってくれた、ガンドラゴンだ!!!!」

走るチョコボックルに乗ったドンデリオンとゾーンの目の前に、巨大な神殿が立ちはだかる!

ドンデリオン「飛べ!!ジョー!!飛ぶのだ!!!……プェーーーン!!」

ドンデリオンが鳥の鳴き声を真似ると、大きな翼を羽ばたかせ、飛び上がるチョコボックルのジョー。

バサバサバサ!!!!

あっという間に遥か上空!

黒い怪物(ベルゼブブ)とガンドラゴンを下に見下ろした!

ゾーン「ふぁ!?飛べんの!?ちょ!飛べんの!?……コイツ飛ぶんかぁーーーーーい!!!!………ガク……」

意識を失うゾーン。高所恐怖症であった……。

ジョニー「……俺登場!!……やっと眠ってくれたか?小僧……」

ドンデリオン「……む?その声色は?ジョニーか?……ホッホッホ……心強い」

ゾーンの身体に憑依した、ジョニーは自分の意志ではゾーンを操る事は出来ない。
ジョニーの魂が解放されるのは、ゾーンが眠っている時や気を失った時だけである。


空飛ぶチョコボックルは、ガンドラゴンを追い、曲がりくねった一本道を進み魔城へと辿り着いた。

蠅王ベルゼブブは、もがきながらもガンドラゴンを、何処かへ引き釣り込もうと試みていた。

ベルゼブブは繋がったガンドラゴンを、ワイヤーガンを振り子にして、魔城のとある一室に投げ入れた!

窓ガラスを突き破った!

放り投げられる様に魔城の一室に転がり込むガンドラゴン。

ブオン!!

ガシャン!!


ゴロゴロ……ドサ!


ガンドラゴン「ぐは!」

そこは、冷たい氷の世界。

目の前には、大きな鏡が割られたガラスの破片が飛び散っている。

打ち付けた頭の痛みを堪えつつ辺りを見渡すと、見事な氷の彫刻が視界に入る。

ガンドラゴンは氷の床にうずくまり、直ぐにそれが何か理解した!


それは!

あろうことか!?


ニンジャマスター・ヨシュア!

その変わり果てた姿を、目の当たりにしたのであった!

ガンドラゴン「ここは?……さ、寒い!身体が凍てつく!……あれは!?まさか!?ヨシュア殿!…なのか!?……う、頭が…ジンジンする、早くここから脱出せねば……しまった!身体が!!」


そう……時、既に遅し……、

ガンドラゴンの身体は、ウネリながら迫り来る、氷の氷河に呑まれた!!



立ち上がる様な姿勢で氷の彫刻と化したガンドラゴン。

一瞬で勝負が着いた。

姿を現した2匹の悪魔。
恐るべし氷の女王ゴーストマンモス。

側近のボンバーサイズは、嬉しそうにガンドラゴンの所持していたマジックウィップを取り上げた。


そして、
破られたガラス窓は分厚い氷で閉ざされた。


外側では、怒り狂ったベルゼブブと、鏡のジョニーが憑依したゾーンと、ドンデリオンが戦っいる。

ゴーストマンモス「また五月蝿い(うるさい)のが来おって……」

ボンバーサイズ「ご安心下され、女王様……。Dr.メフィストめが、新たにモンスターの開発に成功した模様……」

ボンバーサイズの両手に抱き抱えられた、バレーボール位の大きな水晶に、5体の怪物が写し出された……。

ゴーストマンモス「ほう……そうか?……アーハッハッ!!面白い!!やっておしまい!!アーハッハッ!!」


魔城に、高笑いが木霊する……。


やがて、
ベルゼブブはゾーン(ジョニー)の弾丸の前に絶命した。

流石は魔界の四騎士と恐れられた鏡のジョニー。

生き絶える蠅王ベルゼブブ。

ジョニー「フン!蠅王の宮殿には近ずくな、と聞かされていたが……他愛もない……。さて……ドンデリオン、ここなら邪魔者はいない……決闘(デュエル)と行こうぜ」


ドンデリオン「ぬぬぬ、ジョニー、やはり悪魔に寝返ったか……お主は利用されているだけじゃと言うのに……」


ジョニー「なんだ?命乞いか?」


ドンデリオン「我々は、お前をこの闇から……この暗黒の世界から救うべくしてこの地に足を踏み入れたと言っても過言ではない……」

ジョニー「フン!綺麗事か!?説得なら通用せんぞ!」

ジャキッ!

リボルバー銃を、二挺水平に構えるジョニー(姿はゾーン)目つきが悪い。

ドンデリオン「甘ったれるのも、いい加減にしろよ!!
いいか!
我々は今、脅威に脅かされている!
ここで歪みあっていてどうする!
今にも悪魔共の嘲笑いが聞こえて来そうだ!ああ!聞こえているぞ!
今こそ!持てる力を一つにして、闘おうじゃないか?
そんなに怖いか??氷の女王とはそんなに怖いのか!?
ワシは例え一人でも闘うぞ!
ジョニー!目を覚ませ!我々なら勝てる!お前を救える!
さあ!氷の女王の弱点はなんだ?
隠し通路だってあるはずだ!寝首をかいてやろうじゃないか!
そうか!?
毒だ!毒を盛ろう!
ジョニーお前が行って毒を盛れ!!」


ドンデリオンが熱弁していると、物凄いスピードで何かが動いた!

シュッ!
バシュ!!

ドンデリオン「!?」

ジョニー「あ、あががが!?デス・マンティス……!?」

ムシャムシャ……

バリボリ……

ドンデリオン「………………」


それは、ベルゼブブの屍より生まれし悪魔〈ジャイアント・デス・マンティス〉

ジョニー「……ゴク……コイツは、お手上げだぜ……サーーーー!!」

ジョニーは見よう見まねで、チョコボックルのジョーを操りその場から離脱した!


ドンデリオンを頭から貪り食す、オオカマキリの怪物。

ワイン好きのグルメなドンデリオンは、雑食の怪物の餌食となった……。

死して尚、恐ろしい……、蠅王ベルゼブブ……デス・マンティスへと姿を変えた。

つづく。

次回 【地獄の悪魔戦士】乞うご期待

Re: 零fighter山鷹隊【参照1900超感謝】 ( No.85 )
日時: 2016/11/06 05:15
名前: ワタル (ID: /YdTLzNI)


【地獄の悪魔戦士】


かくして、砂漠の守り人、カーキ色の悪魔と恐れられていたドンデリオン。

魔界最恐の怪物に、不意打ちとはいえ、その俊敏な攻撃の前では、なす術が無かった……。






______Dr.メフィストの間。


魔法陣の描かれた、薄暗い石造りの間。

翼を生やした悪魔の石像が無数に並び、鬼火が発光してユラユラと漂い照らす。


そこに、Dr.メフィストはいた。

目の前に五体の戦士。

中央の戦士以外は、皆、目深なフードに身を包んでいる。

その、中央の戦士は、

身体が人型、顔はホオジロザメだ。

メフィスト「さあ!行くがいい!地獄の悪魔戦士達よ!シャーク将軍!指揮をとり侵入者を迎え撃てーーーーーー!!」

シャーク将軍「グォオオオオオオオ!」(承知したの意)

メフィスト「私は、やる事があるのでこの辺で、おいとましますよ……イシ!イシ!イシシシシシシ!!」

シャーク将軍の咆哮と、Dr.メフィストの笑い声が、石造りの間に、響き渡った……。

※石(医師)造りの間。(Dr.メフィストは医師である。語呂合わせ。笑い方もしかり……。イシシシシシシ)





時は、少しだけさかのぼる……。


そこは、

灼熱の回廊。


ようやく開けた空洞の広場へと辿り着いた。

天井は、高さ20Mはあろうか?、無数の穴が開き空が見える、
とはいえ暗黒の世界。

時折、雷が光る。


見上げる限り、その無数の穴の向こうは巣穴を連想させた、
と言うよりは、むしろ巣穴とは此方側の事なのかも知れない……。


そして、

辺り一面、水晶の柱に囲まれ、それぞれが怪しく光沢した、幻想的な世界。

思わず息を飲み、そこが何処なのかも、わからなくなる程の不思議な世界。

さらに、

広大な広場に大きな池が広がり、水芭蕉?に似たソレが埋め尽くす、
その、中央付近に鳥の巣を連想させる巨大なオブジェ。

このオブジェと思わしき物は、蠅王ベルゼブブの寝床である。

しかし、今はそこにいるはずの主は居ない……。

代わりに何か昆虫か何かが掘り進んだ様な横穴が、粘土質の壁に穴を開けていた。

だが、昆虫というには、その穴は大きい。

ジープが楽々、進行出来そうなトンネルだ。

しかしながら、そのトンネルは直ぐに崩落しており、あまりに無造作。
かつ、雑に掘られている為、通路なのかも疑わしい。


そんな風に、出口を探す為、懸命に探索をしているヴァルキリーを他所に、ミフネは池で行水をしていた。


ミフネ「プハーァ!超気持ちいい!何も言えねー!!」

※ミフネは某有名水泳選手メダリストのモノマネをしています。

水深は浅く、70㎝程である。

ミフネの開放的な姿と、幻想的な空間に女将校ヴァルキリーも重い甲冑を脱ぎ捨てる。

ヴァルキリーは、着衣を全て脱ぎ捨てると、ミフネとは反対側の草木の茂る池のほとりで、疲れを癒した。
日焼けした肌に冷たい水が心地よい、女将校の火照った身体を鎮めた……。


ミフネは、紅いフンドシ一丁の姿。
刀だけは、タスキがけに下緒を縛り身につけている。

ミフネの視界に、一瞬、全裸のヴァルキリーが遠目に見えた。
この距離からでも、わかるくらいに、見事なプロポーション。

その姿、まるで別人。

水際のエンジェル。

なまめかしい妖艶な肢体。

ミフネのフンドシは、ほぼほぼ、捲れあがり、
まるで、
のれんを掻き分けて、閉店間際の女将を訪ねる常連さん。の様に、
〈御免なすって!〉していた……。



そんな、ミフネの動きを察してか?
揶揄う(からかう)様にして、ヴァルキリーが言葉を発した。


ヴァルキリー「………………ミフネ……ここは良いな……身体の毒素が吸われていく様だ……う……ホントに何かに吸われている様だ……ミフネ……首に何かが引っかかってるみたいだ……取り除いてくれ……」

そう言いながら快楽で、気が遠くなる女将校ヴァルキリー。



ミフネ(え?なんて大胆な?逆ナン的な行為が流行ってるのか?)「ラ、ラジャー!」


足早に向かうミフネ。

バシャバシャ(御免なすって!)

バシャバシャ(御免なすって!)

ムギュッと、(御免なす……?)


何かを踏みつけた。


シャアアアアアアアアアアア!!

突如、水面から飛び出したワーム!

ミフネ「ゲッ!!」

口を開けたワームは、歯が無い。

鯉の口の様にパクパクと威嚇してきた!

殺傷力は皆無に等しいその生き物ではあるが、危害を加えられる可能性はないとも限らない。
ミフネは一瞬驚き怯みはしたが、そのワーム事、ジャイアントバーミン(巨大な害虫)を一刀両断のもと、水平斬りに薙ぎ払う!!


ミフネ「フー!あぶねぇ!……脅かせやがる!外道が!……ペッ」

ミフネは口にかかった返り血に違和感を覚え唾を吐いた。

そして、ヴァルキリーに駆け寄るミフネ。

驚愕!!

ミフネ「うわっ!!」(なんてこった!?)

あまりに酷い光景に固まるミフネ。


※警告!!コレより先は、良い子はみちゃダメ。リターンすべし。(トラウマ)








ガタガタ……、
ブルブル……。







そこには、
身体中にジャイアントバーミンが、至る所に吸い付き脈打ち、
がんじがらめに、ウネウネと、身動きが取れない女将校ヴァルキリー。
その瞳は、
気高い女将校の面影も無く虚ろ、半開きの口から意外にも長過ぎる舌をデロンと出しながら、おびただしい程の涎と、鼻水を垂れ流しては、噴水の様に失禁した……。
やがて、ビクン!ビクン!と痙攣を繰り返し、仰け反り海老反りになり、アーチ状にブリッジして硬直していく卑猥な姿が目に映った!!

ミフネ「やっべーぞ……コレ……、離れろ!害虫共め!」


ミフネは、ヴァルキリーの肌を傷付けない様に、慎重にジャイアントバーミン(体長1M前後)だけを斬り、介抱した!

普段の気丈なヴァルキリーからは、想像出来ない、か弱い姿。
ミフネは、背中を摩り安心させた。
ガクガク震えながら腕にしがみつき、アウアウと、言葉にならない言葉を発するヴァルキリー……。

ミフネは、無言でヴァルキリーの、顔についた涎を掌で拭い、頭を撫で、手早く着衣を着せた。
そして、己の身体を毛布に見立てて、包み込むように抱きしめた……。


しばらく、震えていたヴァルキリーであったが、やがて、呼吸も落ち着き正気を取り戻していた……。




ヴァルキリー(♀)「……ミフネ、
……その、
………あの、
……………見たの?……か?」


___沈黙。


息を吸った。


ミフネ「……暗くて、
何も見えて無い……
大丈夫……、
何も起きてない……
何も、
……悪い夢でも見たんだろう………、
もう大丈夫だから。」



抱きしめるミフネ。
女将校ヴァルキリーは、恥ずかしさと惨めさに涙を滲ませた。
ヨシヨシするミフネ。
背中をポンポンと優しく叩く。

※ヨシヨシとは、頭ナデナデでR(あーる)


しかし、
そんな二人に、更なる悲劇が襲う!!

何処からか?

嫌な羽音が鳴り響く……。

ブンブン!ブンブン!

まるで暴走族。

その音響は……大群を予感させた!!……つづく。


次回 【駆けつけろ!疾風見参!忍者侍四人衆!!】乞うご期待!

Re: 零fighter山鷹隊【参照1900超感謝】 ( No.86 )
日時: 2016/11/06 05:28
名前: ワタル (ID: /YdTLzNI)


【駆けつけろ!疾風見参!忍者侍四人衆!!】


ざわめく無数の羽音!戦慄が走る!

ここは、巣穴!!

天井より、狩りから帰還したドラゴンフライの大群が、火山灰の如く舞い混んできた!!

その数!数千!!

ブブブブン!×永久連続!

まさに耳鳴り!

嫌な羽音は、洞窟内を反響して、大爆音!!

その巨大な昆虫共は、はるか頭上をグルグルと、旋回して威嚇行動を取る!
頭上に巨大な黒い渦が廻る!!

そして!

第一陣が迫り来る!


ミフネ「くそ!……ハアアアアア!」

(臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前)
※りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・ちん・れつ・ざい・ぜん

ミフネの覇気がオーラを燃やし、光の文字盤が周囲に1文字づつ現れる……。

全ての文字が出揃い、完成した時!!

チン!
※刀を抜刀する音

ミフネ「喰らえ!百歩神剣(ひゃっぽしんけん)!神通乱武地獄門(じんつうらんぶじごくもん)!!」

シャ!シャ!シャッ!
シュババン!
ザン!ザン!ザン!ザン!×108回

ミフネの振る刀の剣先から無数の斬撃が、カマイタチの様に飛び出す!!
刀を1度振る毎に、斬撃は二倍、三倍、無数に増える!!

本来、雑魚を蹴散らす要因であるミフネ!

まるで、戦闘機の様に編成をなして、迫り来るドラゴンフライの第一陣を、全て撃ち落とした!
200匹は、堕としただろうか……?

しかし、これだけでは、まだ、敵の数は衰える事を知らない……。



ミフネ「くそ!……キリがねぇ……」


ミフネは、眠るヴァルキリーを、負んぶして退路を急いだ!来た道を戻る!


ミフネ「くそ!……せめて袴を着ておくべきだったぜ……」

草履にフンドシ一丁のミフネ、重い甲冑を装備したヴァルキリーを負ぶってでは、そう長くは走れない。
とはいえ、ヴァルキリーは、ライトアーマー(部分鎧、左胸と肩当て、のみ)で、重騎士スタイルではない。

※左胸(心臓を守る)


やがて、息を切らし失速して倒れ込むミフネ。
背後からは、ドラゴンフライの第二陣が迫り来る!


ミフネは、立ち上がり振りかえると、刀を構えた。
一瞬、迷いが生じた……。

(ヴァルキリーを囮にすれば、逃げ切れるか……?)

ミフネ「なんて……血迷うかよ!……武士道とは!潔く闘い!死ぬ事と見つけたり!!」

走るミフネ!覚悟を決めた!
ドラゴンフライは通路が狭いためか、一列で連なり迫り来る!

その光景、まさに地獄列車の特急便!後戻り不能の片道切符だ!

ミフネ「奥義!!閃光眼光(せんこうがんこう)!竜成剣(りゅうせいけん)!!」

ミフネの覇気が、天竜(ティエンルン)と化した!
迫り来る!地獄列車ドラゴンフライ!!

二つの力が衝突する!!押し合うパワー!!
ミフネの天竜は、ドラゴンフライを突き破り進む!!

しかし、地獄列車は、予想を遥かに超え長い!!


連なる車両(ドラゴンフライの列)を撃破!
だが、あと一歩、最終車両に返り討ちに合う!!

強靭なドラゴンフライの下顎がミフネを捕らえた!

そのまま壁に激突!

強運にも、カニ鋏に開かれたドラゴンフライの、クワガタの様な下顎は、閉じられる前に壁にめり込み、ミフネの身体をロックした!!

ドラゴンフライの最終車両は、脱線した一匹を除いて、ヴァルキリーの方へと残りの数匹が突進していく!!

ミフネは、目の前にいる、ドラゴンフライの脳天めがけ、刀を突き刺した!
ドラゴンフライの息の根を止めた!

ドラゴンフライの身体は、下顎こそカブト虫の背中並みに硬いが、他の部位は柔らかく、トンボの様に脆い。

ミフネは、刀を抜き地面に着地。
攻撃を受けた際に片方だけ脱げた右足の草履を足で拾い、履き直す。

ヴァルキリーのもとへと走り出した!

取り囲む、三匹のドラゴンフライ!
ヴァルキリーの身体を突つき、手足を引っ張る!
まるで獲物で遊ぶ様に……。
ヴァルキリーは、人形の様に動かない……。

ミフネ「くそ!離れろ!」

バシュ!

シュピン!

ズバ!


ボト、ボト、ボトッ!


ドラゴンフライ第二陣を駆逐した。

だが、安心するのも束の間。
直後、
間髪入れず、ドラゴンフライの第三陣の羽音が通路の奥に反響して聞こえる!


ミフネ「……」

呆然と振り返る……。

ヴァルキリーを、通路の窪んだ影に隠し、迎え討つべく刀を構えるミフネ。

ゆっくりと歩き出した。
既に、
フラフラだった、

気持ちはあるが、疲れきった身体が言う事を利かず……、
普段であればなんて事の無い、窪んだ石につまづき転倒……。

数々の奥義を、立て続けに放った為に、既に体力を奪われ限界に達していた。
心身共にそのダメージは計り知れない……。


ミフネは大の字になり、灼熱の回廊に寝転ぶ。

直ぐに、ドラゴンフライの羽音が近く……。

ミフネは、刀を両手で頭の上で持ち、死んだフリをした。
ドラゴンフライに最期の反撃を試みる……。


すると、
ドラゴンフライの迫り来る方向とは、逆の方からムササビの様な黒い影が上を通過した!

直後、懐かしい声が聞こえた!

「隊長ぉ!何寝てんの?フンドシ一丁で?」

ドシューン!

ミフネ「あれは?影走り……」

一瞬、残像が止まり、言葉を発したその娘は、先のムササビと共に消えた。

上体を起こし胡座をかくミフネ。

ミフネ「……幻か?」

続いてボン!ボン!と火薬の様な音が、幻の進んだ方から聞こえる……。

ミフネが、ボーっとしていると、背後に気配を感じた。

「……幻なんかじゃ、おまへんて……」

また、何処かで聞いた風な台詞と声に振り返るミフネ。

そこにいたのは、金髪色白、ナイスバディー。
大典太夫光世(おおてんだゆうみつよ)である!

光世「ミフネはん?なんで、そないな格好してますのん?」

小夜「お頭ぁ!こんな所で、
何してやがる!
もしかして、あたしら、お邪魔かねぇ?」


フンドシ一丁のミフネと、
壁にもたれかかり恍惚の表情で眠りながら、
うなされている女将校ヴァルキリーを交互に見入る、
マセガキの褐色娘の小夜(確か16、7歳)。


しかし、二人ともいつもと、様子が違う。
違和感を感じたのは、二人の持つアサルトビームライフルだ!

※スターとA・Jの武器を拝借。銃の取り扱いは、A・Jがクイック指導。
「おっとりしてはいるが呑み込みの早い、流石は刀剣姉妹長女、光世に対して、せっかちで男勝りの小夜に説明するのに手を焼きました。」(A・J談)
追伸、「フル充電チャージしてから返して下さい。」との事でR(あーる)


そう、
2人のクラスは、光世がミフネと同じく〈侍〉、小夜は〈クノイチ〉である。

しかし!
小夜は、忍術の修行を一切せず剣術だけを学んでいた為、
侍寄りのクノイチである。

故に!
運動能力、及びスキルは、クノイチではあるが、忍術は使えない。
侍特有の対デカブツ攻撃も持ち合わせていない……。


光世「ミフネはん……状況は把握しております。
それに、
わてらも此処へ幽閉される前に、この先の巣穴を見てるんよ……、
ドラゴンフライは、わてら2人とジライヤはんとリオはんに任せて、
ここで大人しゅうしてて下さい。
後で迎えに来るさかい………ほな!ウフフ(笑)」


ミフネ「……かたじけねぇ……(照)」


小夜「お頭……眠ってるべっぴんさんに、オイタしたらアカンよ!
弁慶さん出さんといてな!」

ミフネの股間付近に屈み、顔を近づけ、実は自分が一番異性に興味と妄想を抱く年頃の少女であった。
ソレを誤魔化す様にミフネの一物を凝視してから、毒ずくマセガキの小夜。

ミフネ「……小夜、俺の服(袴)回収よろ(笑)」

小夜「やだよ!」

小夜は、嬉しそうに舌をだした。

小夜は、天邪鬼(あまのじゃく)。
小夜の舌出し「やだよ」は「了解です」の意味である事をミフネは知っていた。


ミフネ「フッ……」

鼻で笑うミフネ。

気がつけば、
既にあの忌まわしい羽音は止み、
夏の終わりを告げる花火の様に、
ちょうど心地良い音量の爆発音が、洞窟内に重低音となり鳴り響いていた……。


恐らく、
ジライヤとリオの忍術であろう………。

ボン!

ボボン!


ボン!

ボ!ボ!ボ!ボ!ボ!ボ!ボン!


たーまやーーー……つづく。


次回 【恐怖!!……主(あるじ)の帰還】乞うご期待!


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