コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 零fighter山鷹隊 【完結】
- 日時: 2018/12/11 03:01
- 名前: ワタル ◆O4d95KIm6. (ID: q6B8cvef)
零fighter山鷹隊(さんおうたい)……。
歴史の背景にその影ありき……。
悪あるところにその影ありき……。
事件あらばその影ありき……。
果たしてその実態は……、
正義か悪か?希望か?破滅か?……。
____プロローグ
……とある満月の晩の事。
【デス・プリズン】
耳鳴りがするほどに、静か過ぎる真夜中……。
スカルフェイス『サムライ・マスターも年貢の納めどきか〜ん?』
2つの人影が、床に這いつくばった者を、見下ろしている。
侍風の傷だらけの男『……。』
その傷だらけの男の名前は、
サムライ・マスター・ミフネ・フジオ(御舟富士雄)。
※以下ミフネ
全身の力が抜けきったようだ。完膚なき敗北感…と言ったところか。
謎の長身の男『フハハハハハハ』
《ガシャン》
鉄の"分厚い扉"が閉められる。
《ガチャ》
錠をかける音……、日常生活の中であれば何気ない音ですら、ここでは絶望の音に聞こえる。
薄暗く、冷たいコンクリートの床、ここは収容所……?
なのであろうか?
……やがて誰の気配も感じなくなった。
まぶたを閉じる……まさに闇に包まれていくような気がした……。
ミフネ(このまま安住も悪くない)
ここでの安住とは、すなわち終身刑を意味する。
よもや何者とも戦わずに済むであろう……。
____ふと、どこからか柔らかい光を感じた。
全面コンクリートの壁の部屋に、ひとつだけ小さな窓がある。そこにはお決まりの鉄格子…そこから光が差し込んでいる。
ミフネ(今宵は満月か…かぐや姫でも現れて、酌して貰えば絵にもなる…。)
ミフネはボンヤリと、生きる事を諦めたように、虚ろな表情で月を眺める。
しかし、
その僅かに開いたミフネの視界に、闇夜を飛行する3つの影が映りこんできた!
すると、
その瞬間、安堵(あんど)の気持ちに包まれていく。
今まで気を張っていたせいか、ミフネの緊張が緩み、意識が遠のき薄れてゆく。
ミフネ(やれやれ…また忙しくなりそうだ…フッ)
小さく鼻で笑うと、静かに眠りにつくミフネ。
果たして彼の眼には、希望の光が見えたとでも言うのか!?
そして!!!
夜月に浮かぶ !!!
<3つの影>!!!!
その正体とは!?
……つづく。
主題歌
[Alexandros ]Droshky
ending
[Alexandros ]Adventure
挿入歌
[BIGBANG]BANG BANG BANG
※おもに各回(話)のボスクラスの敵の登場シーンに流れますwとくにサビの部分w
戦闘シーン
[UVERworld]激動 (男キャラ用)
[UVERworld]99/100騙しの哲 (女キャラ用)
以上が誠に恐縮では御座いますが、零fighter山鷹隊のイメージBGMですw
これらをふまえてご愛読のほど、最終話まで是非、ご自愛ください。byワタル
次号予告 零fighter山鷹隊 【疾風のジライヤ】どうぞお楽しみにw
全国の女子中高生~女子大生ファンのみんなぁー!まーたみーてねー!
次週に向けて『スクランブル!Go!』
《目次》
序章 (デス・プリズン脱出編) >>1 >>2 >>3
【第1章 アタッカー・ジョー】
鉄仮面フレディー編(A・J&ジョシュ登場) >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
番外編(ミケルソン&ジェシカの話)>>11
デス・フォレスト編 (シューティング・スター&リンクス登場)>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
モスマン編Part1(ガンドラゴン登場)>>17 >>18 >>19
はぐれハーピー襲来編(リンクス大暴れ) >>20 >>21 >>22
モスマン編Part2(ゾーン登場〜ガンドラゴン旅立ち)>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28
人狼編(人狼討伐隊セブンバスターズ(仮)結成)>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
アタッカー・ジョー完 >>35
【第2章 ザ・バトルライン】
パペットマスター・ギル前編(ミフネ&リオ登場)>>36 >>37 >>38 >>39 >>40
パペットマスター・ギル後編(ヨシュア&刀剣姉妹登場) >>41 >>42 >>43 >>44 >>45
砂漠の傭兵王編(ユーイ登場)>>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54 >>55
【第3章 ナインソルジャーズ】
猫歩きの塔編 (ドンデリオン登場)>>56 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61 >>62
魔界突入編(ヴァルキリー登場)>>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70
【最終章 ファイナル・クロニクル】
死霊戦線 >>71 >>72 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
魔城 >>81 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>91
魔城:BGM追加 David Garrett / Smooth Criminal
(イメージです、実際に小説上での曲は流れません。YouTube検索)
最終決戦 >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108 >>109 >>110 >>111
新主題歌 [Alexandros ]ワタリドリ
newエンディング曲 [平井 大]Life is Beautiful
※[小説挿絵]イラスト掲示板も、ご覧下さい。
…NEXT
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- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.17 )
- 日時: 2015/06/28 12:54
- 名前: ワタル (ID: QSkxs3GM)
【失われた村の姉妹】
S・S達が帰還した時には、すでにスコットの埋葬は済まされていた…。
悔しくも、その悲報は本部へ到着する直前での無線で知る事となった。
哀しい事だが、この隊に配属された時から各位、
死とは覚悟の上…遅かれ早かれ運命(さだめ)である。
ここで、A・Jとジョシュが仲間である事が判明する。
そして賞金稼ぎである事を伏せ、職業はトレジャーハンターだと偽る。
当初、ジョシュを檻に入れるつもりのリンクスであったが、ドミニクやA・Jの話を聞き2人を一時的に仲間として迎え入れた。
夕食の支度をするドミニク。
彼はここでの料理長だ。
下ごしらえをするナックル。
なぜかジョシュも手伝わせられる。
食事をとりながら、人狼との戦いを振り返る。
まず満月の夜に現れる事から、次の満月で確実に倒す。もしくは捕獲する計画を建てる。
そして伝説から紐解いていけば、人狼は普段人と変わらぬ姿で民に紛れ込んでいる可能性が高い。
そして、リンクスは人狼の右眼に傷を負わせた事を皆に告げる。
見渡す様にして『ここには 人狼は紛れ込んでいないようね…』
と呟くリンクス。
ジョシュは息を飲んだ。
片目を不自然に眼帯をしたベイハムの事を思い出した!
ジョシュは人狼の正体を知っていると言わんばかりにベイハムの事を話始めた!
経緯を聞き、真相を確かめるべきだと判断するS・S。
ジョシュはベイハムの居場所を知っている事を告げた。
予定では、明日は村の警備に向かうはずだったが、チームを二手に分ける事にした。
人狼は変身しない限り、戦闘能力はさほどでもない事から…
ベイハム捕獲は、リンクス、バリーに決定。道案内にジョシュ。
村の警備はドミニク、ナックル、そしてA・J。
S・Sは本部にて待機。という作戦に決まった。
ベイハム捕獲は明日の早朝。
村の警備は今日は人狼被害の翌日ともあって夜間もあるらしい。
食事を済ませ小休止をとると、ドミニク達は村へ向かった。
村へは、橋を渡り徒歩で15分ほどだった。
村は入り口以外、高さ3m前後の柵で全体を囲まれている。
人狼はこの柵をも跳び越えるらしい。
恐ろしい跳躍力だ。
見張りやぐらにいた村のレンジャー部隊が、ドミニク達に気づき門を開ける。
昼間は開放されているが、夜間は獣の侵入を防ぐ為、閉ざされている。
そこにいたのは、レンジャーのトップソン、ジャン、マービンの3名だった。
この辺は皆、顔見知りらしい。
1人A・Jだけは警戒される素振りを見せられた。
空気を読んだ気さくな1番年上のマービンはA・Jを気遣い村の集会所へ案内する。
トップソンとジャンは門を閉めると、見張りやぐらに戻る。
マービンの代わりにナックルが見張りやぐらにつく。
常に2人が見張り、順番に仮眠を取るローテーションのようだ。
トップソンとジャンとナックルは年齢も近く仲が良い。
ドミニク『ところで ゾーンの姿が見えぬが?今日は休みかな?』
マービン『ああ ゾーンの事だ また女のところでも入ってるんだろ…』
レンジャー部隊の1番の腕利きのゾーン。ナックルと年齢が一緒である。
しかし、少々正確に問題あり。
とにかく行動が自由過ぎる。
今夜の夜間警備もサボりである。
だが、ここ一番で頼りになるので誰も文句を言ったりはしない。
それに何故か村の女、子供に人気がある。
集会所に着くと、人狼の話ももとより気になる事があるとマービンは切り出す。
聞けば、この村のもっと奥に"失われた村"という旧村が存在すると言う。
不気味なその村には、誰も近づかないはずなのだが、謎の黒装束の男が入っていくのを、昼間ゾーンが発見したらしい。
その事をマービンは、ゾーンからでなくゾーンの恋人のカトレアから聞かされていた。
興味深い話に食いついたのはA・Jの方だった。
実はマービンも気になっていて調査に乗り出すには人員不足と思っていたところだった。
善は急げと、装備を整えるマービン。
ドミニクは気乗りしない様子だ。
仕方なくマービンはA・Jと2人で行くことにした。
するとドミニクはナックルと持ち場を代わるからと言い、
ナックルも調査に同行する様に指示した。
ナックルはドミニクの横柄な指示に少しばかり反感を抱いていた。
客観的に見る限りナックルはドミニクに信頼は抱いてはいない様子だ。
ナックルはスコットを結果的に見殺し?にしたドミニクに対して嫌悪感を示すようになっていた。
そんなやりとりを哀れむ様に眺めながら煙草に火を付けるA・J。
悲しみや苦しみも超越したその先に、些細なイザコザなど幸せなひとときに過ぎない事を地獄の底を経験してきたA・Jは知っていた。
それでもA・Jは若いナックルに悟すような真似はしない。
何故なら…
人は皆、身に起こる経験を経て"気づき"成長していく術を身につけるべきだと考えているからだ。
A・Jの賞金稼ぎとしての嗅覚は、
ドミニクに対してただ知れぬ闇を感じ取っていた。
マービンは、文句は言いはしないが、顔や態度に出るナックルをなだめながら、いそいそと出発した。
煙草の火を消すとA・Jも後に続いた。
ドミニクが一瞬、したためた笑みを浮かべた様に思えたA・Jであった。
マービン一行は村の裏口にある通称"コヨーテ通り"から抜け道を通り、失われた村を目指した。
かなり長い距離を松明の火を頼りに進む。
この松明の寿命は約30分程だ。
ちょうど村の様な全景が見え始めたところで松明の火が消える…。
マービン『おっと 火がとぼっちまったか 予備を2本持ってきて良かった』
新しい松明に火を付けるマービン。
松明は使い捨てだ。
松明の灯りが辺りを照らすと、村に一つだけ立派な造りの教会が姿を現した。
A・J『こんな森の奥に…教会が…』
ナックル『おや?誰かいる!』
ナックルの指差す方を見ると、赤い服を着た小さな人影が教会の中へと、
小走りで入っていった!
ナックル『待て!』
ナックルはマービンから松明を奪い、小さな人影の後を追う。
A・J『おい!待て!お前が待て!』
とっさに後を追うA・J。
こんな時間にこんな場所にいる者など、
例え子供といえど普通ではないと、A・Jは直感した!
マービンは慌ててもう1本の松明に、火をつけた。
既に2人は建物の中だ。
と、次の瞬間カン高い声と共に教会の柱の上の羽根の生えた鳥の様な石像が動きだした!
というよりは、石像のフリをしてそこにいたのだ!
マービン『ハーピーだ!!』
ハーピーとは顔は人間、身体は鳥の怪物だ!
遺伝子操作の産物とも言われている。この種の生き物は極めて獰猛だ!
襲いかかるハーピーに松明の火で応戦する、マービン。
やはり火は苦手なのか有効だ!
マービンは建物の中に逃げ込んだ!
そこには、幼い双子?の姉妹がいた。
2人とも同じ赤い服だ。
先に入ったナックルとA・Jの姿がない!
外からは背筋も凍る様なカン高い鳴き声が響く!!
マービン『エーイ!ジェーイッ!!!………! ナーーーックゥゥル!!!!』
マービンの断末魔の叫び声が血塗られた教会にこだまする…………つづく
次回 零fighter山鷹隊【ガンドラゴン見参!!】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.18 )
- 日時: 2015/07/12 09:45
- 名前: ワタル (ID: nPUiXc5e)
【ガンドラゴン見参!!】
血塗られた薄暗い教会。
礼拝堂だ。
その惨劇は、今のものではなく長い年月を経た過去のものであった。
ところどころであるが、
壁に掛けられたランタンには、
ロウソクの火が灯されている。
マービン『おい!君達こんな夜中に一体何をしているんだ!』
赤い服の少女達はよく見ると、耳はトガっていて透き通る様な白い肌、
その瞳は切れ長で少しツリあがってはいるが、整った端整な顔立ちだ。
心なしか大人っぽくもあり、成人しているようにも思える。
マービンの質問をよそに、何やら意味不明な言語を呟く少女、両手を不思議な形に組みながら…。
その言語はやがて耳からではなく、脳に直接語りかける。
理解は全く出来ない、何やらお経か呪文の様だ。
マービンは眠りの呪文にかけられた。
倒れ込むマービン。
幾つも陳列された椅子の隙間にもたれかかるようにして…。
A・Jとナックルもまた、マービンと同様に眠らされていた。
床に落ちた松明の火も呪文により消された…。
赤い服の少女達は、人間に似て異なる種族…エルフだ。
彼女らは、いうに300歳を越えている。
見た目は、人間の16歳位の容姿であるが…。
レイピア(細身の剣)を腰に差した魔法剣士。姉のホークアイ。
ボウガン(弓矢)と装飾の施された魔法のダガー(短刀)を装備したアーチャー。妹のイーグルアイ。※以下イーグル
ホークアイ『まさかこの村にまだ人間がいたなんて…ところでイーグル…"聖水"は汲んできた?』
イーグル『はい お姉様 こんなにいっぱい…』
そう言うと、大量の小瓶が入った皮袋を見せる。中身は全て聖水だ。
教会の表にある壊れた水飲み場から湧き出る水は"聖なる水"と称されている。
ホークアイ『うん それだけあれば充分ね…"ロザリオ"も手に入れたわ』
と、その時、礼拝堂の屋根の上から大きな鳥が歩く音が聞こえる。
イーグル『お姉様!気をつけて!』
ホークアイ『わかってるわ ハーピーのメスが一匹いるようね…』
イーグル『違うの!あの男がいるの!』
気配を感じて、振り向くホークアイ。
その背後に黒装束の男。
襟の高い黒マントを羽織り、
黒いハットを深く被っている。
手にはクロスボウを持つ。
その腕だけが肩まで露わになっている。
そこに巻き付く様に黒竜のタトゥー。
ガンドラゴンだ!!!
ホークアイの顔が引きつる。
何故なら眠りの呪文は、ガンドラゴンには効かない。
ガンドラゴンの装備する左手のリングがそれらを無効化にするからだ。
ガンドラゴン『エルフの娘よ…聖水は幾らでも持って行くがいい… だが…その"ロザリオ"だけはおいてゆけ!』
クロスボウを構え、エルフ語で話すガンドラゴン。
ホークアイは、しばらくガンドラゴンと睨みあいになるが、大人しく首にかけた"ロザリオ"を外す…。
イーグル『お姉様…』
悲しげな声でイーグルは呟いた。
すると…
屋根に何やら無数の足音が飛来してくる。
カン高い鳴き声が群れをなしてきた!
教会には窓がたくさんある。
そこから見えたものは、30匹以上のハーピーの群れだ!
教会の屋根に次々に集まる。
森の奥にある渓谷の向こうは、
死の谷と呼ばれ、その最果てには魔界と呼ばれる区域があるという。
そこには魔物が巣くう城"デス・キャッスル"が存在する。
ハーピーの群れは、死の谷からやって来たのだ!
教会の屋根はハーピーの大群に埋め尽くされた。
ヤツらが騒ぐたびに地響きのような音たて、建物がきしみ始める。
すると
一匹だけ異彩を放つ黒い大きな翼を広げた化物が、教会の中へ入り込んできた。
奥行きの長い教会の、端から端へとゆっくり飛行する。
異様な生き物の登場に、ガンドラゴンを始めエルフの姉妹も一歩も動けず、身動きもとれずにいた。
その化物は、事もあろうか
聖母マリアの像にとまりガンドラゴンを挑発する。
イーグル『…お姉様…あれは…!』
ホークアイ『モスマン!!!』
それは"死の使い魔"《モスマン》である。
その生き物が現れると災いをもたらす。
その容姿を見たものに死をもたらす。
とも言われている…。
そして
モスマンは顔を不気味に360℃回転させると、咆哮をあげる!
次の瞬間!しびれを切らしたハーピーのメスの軍団が狂った様に襲いかかる!
カン高い鳴き声を上げながら迫り来る!
あらゆる窓から入り込み、四方八方から攻めてきた!
ハーピーの狙いはガンドラゴンの様だ!
ガンドラゴンはクロスボウを展開させると、乱れ撃ち!
シュババッ!
シュババッ!
シュババッ!
3方向に同時に飛ぶ連射式クロスボウ!
※1度の装填で3発を3回、計9本撃てる。
的確に9匹仕留めるガンドラゴン!
すぐに新しい矢の入ったカートリッジを装填する。
矢は小振りだが殺傷力は高い。
時折、逆手に拳銃を持ちハーピーを仕留める余裕を見せるガンドラゴン。
その隙をついて逃げるエルフの姉妹。
ロザリオを胸にしまうホークアイ。
2人はお互い背中合わせにローリングするようにして走る。
退路を確保しつつ降りかかるハーピーのみ、駆逐する!
ホークアイは、ハーピーをレイピアと呪文で撃退。
手のひらから、火の玉の魔法を放つ。
エルフの姉妹は祭壇の下にある、隠し扉を開け地下室へと向かう。
先に入ったホークアイ。
イーグルも後に続いて身体をかがめるが、ふとガンドラゴンの方を見ると数匹のハーピーに取り押さえられて、空中に浮いているのがみえた。
ハーピーは上空まで獲物を連れて行き、いたぶるように相手を倒す。
簡単には殺さず、寄ってたかって空中で苦しめ遊ぶのだ。
イーグルは、ガンドラゴンに絡み付く4匹のハーピーのうち3匹を得意のボウガンで仕留めた!
気の優しいイーグルは、敵であるガンドラゴンが卑劣なハーピーの餌食になる様子を放って置くことができなかった。
その優しさが時として、仇とならなければ良いのだが…。
ホークアイ『イーグル!早く来なさい!何をしているの!?』
心配になり地下から顔を覗かせるホークアイ。
イーグル『はい!お姉様!今行きます!』
地下室へ降りていくと扉がある。
部屋に入り
ホークアイは、とてつもなく大きな森の絵が描かれた絵画の前に立つと、
呪文を唱えて光の精霊を召喚した。
光の精霊はエルフの姉妹にまとわりつくようにして、光のシャワーを浴びせると絵の中へとスッと入っていく…。
エルフの姉妹も絵の中へと入っていった。
絵の中に2人のエルフの姉妹が見える。
イーグル『きゃっ』
転ぶイーグル!
背中の矢筒から数本の矢が散乱する。
慌てて矢を拾い集めるイーグル。
1本だけ拾い忘れた。
2人はその事に気づいていない。
ホークアイ『何やってるの しっかりしなさい』
転んだイーグルを抱き抱えるホークアイ。
聖水の入った皮袋とロザリオを握りしめた。
ここは人間界と妖精界を繋ぐ時空の歪み、いわば入り口である。
エルフの姉妹はすぐに森の奥へと消えていった。
大きな絵画には、新しく1本の矢が不自然に描かれていた………つづく。
次回 【ガンドラゴン危機一発!】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.19 )
- 日時: 2015/07/12 12:58
- 名前: ワタル (ID: nPUiXc5e)
【ガンドラゴン危機一発!】
襲いくるハーピー!
ガンドラゴン危機一発!
油断した途端、あわやハーピーの餌食。
しかし
イーグルが放った矢に救われるガンドラゴン。
これも彼が持つ強運の一つか?
はたまたイーグルの心を引きつけたか?
自惚れた感情はさておき…。
ガンドラゴンは背中にしがみつく残りのハーピーの眉間に、リボルバーを撃ち込む!
ガンドラゴンの身体は自由になり着地。
ストン!
ブワァ!!
ホコリまみれの教会の床に溜まった粉塵が、舞い上がり迫り来るハーピー共の眼をくらまし、攻撃の手を一瞬止めさせる。
奇声をあげるハーピー。
心臓が弱い者は、この奇声を聞いただけで死に至ると言う。
世にもおぞましい声だ。
ガンドラゴンはひるんだハーピーに対し、白兵戦を挑む!
サッとしゃがんだかと思うと、ブーツのカカトに細工したカラクリを解除する。
すると、つま先から両刃のナイフが飛び出す!
ジャキン!
仕込みブーツ。
アサシン用に造られたダガーブーツだ!
そして
マントをひるがえすと、
次の瞬間、
両腕にはカギ爪の様なタイガークロウ!
粉塵を免れ上空にいたハーピーが急降下!
低空飛行で脚をとりにきた!
動きを見切ってハーピーを宙返りでかわすと、
踏み台にして眼が眩んで動きの鈍いハーピーに、タイガークロウ!
クロス斬り!!
さらに次のハーピーに、ダガーブーツの一撃!
オーバーヘッドキック炸裂!
ピギャァ!ピギャァ!と悲鳴をあげ劣勢のハーピー軍。
次第にガンドラゴンのペースになり、タイガークロウの
クロス斬りと
逆手クロス斬りを駆使して闘う。
時々ダガーブーツの一撃。
制圧!!
ハーピーの群れを駆逐した!
ハーピー達は息絶えるとその姿は全て跡形もなく塵と化した…。
すでに聖母マリアの像であぐらをかいていたモスマンの姿も消えていた。
ガンドラゴンは辺りを見渡し鏡を見つけると石を投げつけ割った。
さらに眼に映る鏡を全て割った。
このガンドラゴンの謎の行動は、いずれ明らかになる。
ガンドラゴンは姿を消したエルフの姉妹や、眠ったままのA・J達の事など気にせず、何かを探し始めた。
そして、聖書に挟まれた1枚の地図を発見した。
その地図を手に取ると、ガンドラゴンは何事もなかったかのようにその場を1人立ち去った…。
やがて日が昇り
眼を覚ますA・J達
村を見つけて松明が消えたところまでは、思い出せるのだが…
その後の記憶が不思議と誰1人ない。
マービンにいたっては失禁していたため、慌てふためいていた。
ナックルは、まるで人が変わったようにゲッソリしていた。
マービン『我々はいったい 何をしていたんだ とにかく村へ戻ろう』
ナックル『……』
A・Jは周りの様子に少し違和感を感じていた。
なぜなら古びた教会に真新しい傷跡がチラホラ見受けられたからだ。
割れたガラスもホコリにまみれた周りのソレに対して順番が逆だ。
飛び散ったガラス片にホコリはない。
そして微かに残る薬莢の匂い…。
その事をマービンに告げるも、我々そのものが薬莢臭いではないか?と嘲笑う。
腑に落ちないまま下山するA・J。
そして
A・J達の帰還を待たずして、
朝早くベイハム討伐に出発するべく準備をするジョシュ達の姿が…………つづく
次回【ベイハム討伐】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.20 )
- 日時: 2015/07/26 21:44
- 名前: ワタル (ID: VbQtwKsC)
【ベイハム討伐】
朝もやの中、装備を整えるジョシュとバリー。
使用武器は二人共、麻酔銃だ。
バリー『こいつは大型の猪でも1発で眠らせる事ができる 麻酔銃だ!相手が人間なら昏睡状態だ !下手すりゃ死ぬな…』
ジョシュ『へーすごいなー』
銃を受け取り構えるジョシュ。
バリー『くれぐれも我々に当てるなよ』
不安げに銃の取り扱いを指導するバリー。
そこへ"バリバリバリ"と空気を割るように乾いた排気音。
バリー『おいでなすった じゃじゃ馬娘が』
振り向くジョシュ。
オリーブドラブのビンテージハーレーに跨ったリンクスだ。
後ろにS・Sが乗っている。
何故かバズーカを持っている。
ドルン!
キキーー!
土ほこりをあげてとまった。
煙たがるバリー。
むせるジョシュ。
リンクス『お待たせ!』
S・S『ハーイ バリー相変わらず早起きね』
すらっとした長い脚が伸びる。
バリー『ああ おはよう 』
ジョシュ『ゴホッ ゴホッ』
S・Sとリンクスは本部から少し離れたログハウスにプライベートエリアがある。
作戦会議がてら軽く打ち合わせをする。
どうやらバズーカの弾は捕獲用のネット弾の様だ。
そしてジョシュが大型バイクの免許を持っており、乗りたがって仕方がないのでジョシュがバイクに乗り先導する事にした。
リンクスは少々不満があったが、チームリーダーであるS・Sの指示に従う。
バズーカを後部座席に積む。四人乗りのジープだ。
リンクスは愛用銃のP90を使用。
ジョシュはバイクに跨るとハイテンションだ!
リンクス『ちょっと!壊したら蜂の巣だからね!』
晒しを巻いた爆乳娘がP90を構えて、睨みを効かし指を差す。
ジョシュ『へーい』
空返事のジョシュ。
バリー『まあまあ 穏やかに行こうじゃないか』
ゆっくりとエンジンキーを回す。
リンクスはバリーの運転するジープの助手席に乗り込んだ。
バリーはアイコンタクトと身振り手振りでジョシュに出発を促した。
細身のタバコに火を付け見送るS・S。
バリーがこちらに振り向き手をあげる。
S・S『皆 !気をつけて!!無事で帰るのよ!』
それに応える様に手を伸ばしP90を高くかざすリンクス。
S・Sはジープが見えなくなるまで見送った。
林道を軽快に走り抜けるジョシュ。
やがて目印の大岩付近までたどり着いた。
バリーとの距離は空いてしまったが、大筋のルートは説明済みだ。
スピードを落とし減速するジョシュ。
ミラー越しにバリーのジープを確認すると、ジョシュは格好付けてトラクションをかけ、ややドリフト気味にカーブしていく。
※トラクション(駆動力)とは、この場合アクセルを吹かす事を意味する。
※ドリフトとは、後輪を滑らし方向を変える走り方である。
砂ぼこりが舞う。
バリー『ほう あの坊主 なかなかの腕じゃないか』
ジョシュの走りに感心するバリー。
リンクス『ふん たいした事ないわ』
リンクスは負けず嫌いだった。
バリー『あの大岩が目印と言ってたな』
しかし道らしきものは木々にはばまれていた。
リンクス『驚いた!こんな所に道があるなんて』
バリー『ああ!まったくだ』
大岩手前で停止するバリー。
それは、小型の車一台がやっと通れる程の狭い道であった。
バリー『枝が邪魔でこれ以上は進めんぞ』
躊躇するバリーを尻目にリンクスは何かを取り出した。
リンクス『スウォードッ!!ブゥーウ メラン!!』
振りかぶり、いったん溜めて(力)鉄のブーメランを投げるリンクス。
バリー『へ!?』
シュポポポポンッ!
フォン
フォン
フォン
ガキン!
刃物の付いた諸刃のブーメランを投げ、枝を斬り落とし、鉄のガントレットでソレを受け止めるリンクス。
バリー『おい!リンクス!危ないじゃないか!やるならやると一言いったらどうなんだ!?』
寿命が縮まると吠えるバリー。
リンクス『だから かけ声かけたでしょ?ソードブーメラン!って』笑
バリー『あのな〜』
何を言っても無駄だと思い頭を抱えるバリー33歳独身。
リンクスは23歳。
ジェネレーションギャップに悩むバリーであった。
そこへ先行していたジョシュが戻って来て一言。
ジョシュ『お前たちぃ〜 何をモタモタしている!ホシを逃してもいいのか!?』
※ホシとはこの場合、ターゲット、すなわちベイハムの事である。
ジョシュは得意顔だ。
一瞬キョトン顏のバリーとリンクス。
リンクス『お前が言うな!偉そうに!蜂の巣にしてやろうか!?』
P90を構えるリンクス。
バリー『まあまあ 落ち着け 落ち着け 銃を降ろせリンクス…あの野郎はオレがやる!』
ドン!
ジョシュのすぐ脇の大木に命中。
ビビるジョシュ。
バリー『感違いするなよ坊主!お前の役割は道案内だ!急にリーダー風吹かすなよ!』
強面のバリーがドスの効いた声でジョシュを一喝!
すぐに大人しくなるジョシュであった。
そして何故だかバイクを降ろされジープに乗せられるジョシュ。
オリーブドラブのビンテージハーレーにはリンクスが跨った。
と、その瞬間
S・Sから無線が入る。
内容はこうだ。
村からひっきりなしにSOSのモールス信号が送られてくるらしい。
そしてコチラからの無線は妨害電波により、村へは届かないという。
バリー『どうする?リンクス?原因はまだわからんが ベイハムのアジトはすぐそばだ』
リンクス『SOSってトコが気になるわね…よし!ウチは戻ってS・Sと原因を突き止めてくるわ!あとヨロシク』
そういうと無線で本部に戻る事を告げる。
そしてその場を立ち去った。
人狼相手なら危険な任務だが、昼間のベイハム相手ならバリーがいれば勝てるとリンクスは確信した。
それに、
あくまで容疑がかけられているだけでベイハムが人狼とは限らない。
そうも思っていた。
そもそもリンクスはジョシュの話を全てまでは信じていなかった。
骨折り損の可能性も無いとも言えないと感じていた。
バリー『ここまで来たんだ 我々だけでも行くぞ!』
ジョシュ『はい 十分2人で勝てますよ あんなのただのオッサンだし』
オッサンとはベイハムの事である。
いないところでは無敵官軍のジョシュであった。
ジョシュ『バズーカ使ってみたかったんだよな〜』
独り言を話しながら後部座席を覗くジョシュ。
しかし、そこにあったハズのはバズーカは忽然と消えていた。
バリー『そうだそうだ バズーカならさっきリンクスが背中に背負っていったぞ』笑
ジョシュ『あれま』
驚き顔のジョシュ。
そうこうしていると目的地に到着した。
ジョシュ『よし ここだな』
バリー『ここか!?坊主 準備はいいか?一気に行くぞ!強行突破だ!』
猟銃を構え走り出す。
物陰に隠れながら建物に近づく。
小屋の手前に井戸がある。
ジョシュはそこまで行き身を潜める。
その間に別の方向から詰め寄るバリー。
そのまま、
玄関の前に辿り付き聞き耳をたてる。
が…
何も聴こえない。
頬に汗が滴る。
しばらくして、
バリーはジョシュに首を傾げ"来い"と合図を送る。
井戸にいたジョシュも窓ガラスから見えないように、かがみながら近づく。
2人揃ったところで、一気に突入!!
ドアを蹴破る!
バン!
何かに反応して発砲するジョシュ。
壁にかけられた熊の毛皮だった。
バリー『警告なしにいきなり撃つな…』
ジョシュに目を配りながら、会話を続ける。
バリー『我々は森林警備隊だ!いるなら出て来い!』
ジョシュは実戦慣れしていない為、焦り興奮していた。
しかし
そこにはベイハムの姿はなかった。
ジョシュはある事を思い出した。
そして釣り竿を探す。
ない。
いやある。
ジョシュの釣り竿は置いてあるが、ベイハムの釣り道具がない。
ジョシュ『川だ!川に釣りに行ったに違いない!』
バリーはジョシュの話を聞き、川へは行かず近くで身を隠し帰宅を待つことにした。
言わば張込みだ。
ジープを小屋から離れた場所に隠した。
そして茂みに身を潜めた。
バリーとジョシュは、監視しながら小屋で見つけたパンをかじり、瓶に入ったミルクを飲む。
これから静かな持久戦が始まる……………………つづく。
次回 【大乱戦】どうぞお楽しみにw
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.21 )
- 日時: 2015/08/07 17:43
- 名前: ワタル (ID: wIAOO7NO)
【大乱戦】
ジョシュとバリーが張り込みする中、一方村では…森から帰還するA・J達。
ナックルは歩き疲れ倒れこむ。
倒れた物音に振り返り、駆け寄るマービン。
最後尾を歩くA・Jも慌てて、手を差し伸べ異変に気づく、何か粉の様な物が手についた。
A・J『これは…鱗粉!?』
それは、まるで蛾が羽ばたく時に舞う鱗粉のようだった。
マービンはナックルを背負い歩く。
まもなくして、村に辿り着く。
しかし
村からは、悲鳴と怒号。
身の毛もよだつ、カン高い奇声!!
先頭を歩くマービンの眼に、その甲高い声の主が映る!
マービン『ハーピーだ!!』
マービンはまるで、デジャブ体験をした気分だった。
以前にも経験したかのような恐怖を覚えた。
そこには
メスのハーピーが2匹。
モスマンのハーレムからはぐれた、はぐれハーピーとも言うべきか?
少なくともここにいる者達には、教会の出来事など知る由も無い。
2匹のハーピーは、上空で村人を1人捉え、何やら弄んでいる…。
村のレンジャー部隊も応戦するが、ハーピーの動きが読めず当たらない。
悲鳴をあげていた村人達は家に閉じこもり、鍵をかける。
マービンはナックルを背負ったまま、ハンドガンを発砲した。
A・J『ムダだ!距離が有り過ぎる!』
マービン『そんな事はわかってる!クッソー!化物め!』
既に、マービンは冷静さを失なっていた。
と、その時、
渇いた空気を割るような排気音。
バリバリバリ!!
鉄の馬を駆る爆乳娘!リンクスだ!
その背後にシューティング・スター!!※以下S・S
ハーピーに捕まった、村人を撃つ。
パシュッ!
哀れハーピーに捕らわれた男は、上空でグッタリとなる。
A・J『何を!!正気か!?』
するとすかさず口を挟むリンクス。
リンクス『どのみち あの男は助からない! これ以上 苦しまなくて済むでしょ!?…辛い事だけど…』
男は空中で放り出され小屋にワンバウンドして、地面に落ちた。
A・Jは舌打ちをすると、落ちた男の方へ走る。
ハーピー共は、愉しみを奪われたせいで、怒り狂って奇声をあげる!
プギイィィィィィ!!
プシィヤァァァア!!
2匹のハーピーはキリモミ飛行で急降下、標的をS・S達に切り変える。
リンクス『来た来た来たー!いっくよー! 掴まって!スター!!』
※スターとは、シューティング・スターの呼び名である。
S・S『オッケー!リンクス!』
見事なハンドルさばきと、アクセルワークでバイクは小回りに急旋回、前輪を浮かして一度ウィリーすると爆走!村の奥へと走る!
2匹のハーピーがジグザグに飛行しながら追ってくる!!
マービンはナックルを地面に降ろすと、すかさず落ちた男の側へ駆け寄る
マービン『トップソォーン! ジャァーンン!担架だぁ!』
トップソンとジャンは息を切らせながら駆けつけた。
先程までハーピーと応戦し村を守っていた。
A・Jは墜落した男に駆け寄ったが、施す術はなかった。
ハーピーに弄ばれたのだろうか?靴下以外の衣類は何一つ身につけていない。
身体に無数の引っ掻き傷や、擦り傷、噛まれた跡もある。
足には途中で切れた麻縄が縛り付けてある。
背中には引きずり廻されたような跡…惨忍さを物語る。
マービン『こりゃー助からんな…おや?こいつは サムじゃねーか!?』
話によると女に対して見境のない酒屋の"ハン・サム"という名前の男らしい。
昼夜問わず、四六時中酒を煽るアル中だ。
夢の中で生きている様な、哀れだが陽気な男だった。
マービン『こいつは気の毒だ スターの元カレだ!と言っても3年も前の話しだがな…しかしクセェなぁ 尿まみれじゃねぇか…』
(あんたもだろ?)心の中で呟くA・Jであった。
A・J『彼女は サムとわかって撃ったのだろうか?』
マービン『さあな…深く詮索しないこったな…… 誰しも踏み入れて欲しくない心の領域ってもんがあるだろう?』
A・J『わかってますよ …そのくらい…』
マービン『おいおい 怒るなよ (汗)ところで ドミニクはどこへ行った?』
ジャン『えーと…自分は仮眠をとっていたので…』
トップソン『あ! そういえば! 化物の第一発見者のくせに 一目散に逃げ出しましたよ!』
マービン『また逃げたか (笑)』
あいつは子供の頃から逃げ足だけは早いと、罵った。
そして、ゲッソリしたナックルにジャンとトップソンは心配した。
一行は、ハーピーの始末は森林警備隊"最強コンビ"のスターとリンクスに委ねる事にした。
そして
村の医者である、女医のカトレアの家に向かった。
カトレアの家を尋ねると、急いで手当てを施す。
カトレアは風呂上がりのせいか、白衣をまとわず短パンにノースリーブ姿、髪も濡れていた。
診察してはみたが、いまいち原因がわからずにいた。
ベッドに寝かされるナックル。
マービンはズボンがずぶ濡れだった。
そう彼は失禁した後、教会の湧き水でズボンを洗っていたのだ。
カトレアはそれを指摘して、自分の家のシャワーを使うよう促した。
意外な提案に、少しばかりドギマギし興奮するマービンであった。
カトレアの容姿は、流線的でスタイルが良い。
長い髪を束ねた顔立ちも色気の中に品がある。
カトレアの年齢は24歳。
大人びた雰囲気の為、実年齢より5~6歳上に見られる。
しかし肌は、白く透き通り魅力的な女性だ。
トップソンとジャンはカトレアの家の裏手にある、墓地にハン・サムを埋葬しにゆく…。
話によると、
ハン・サムはカトレアの事も何度か口説いた事もあるそうだ。
無論、
カトレアには見向きもされず、相手にもされていない。
ハン・サムは口先だけで中身の共わない男だった。
さらに働かず、ひ弱で、怠け者でもあった。
ただ、どことなく母性をくすぐる性質があった。
また、人に媚びる事に長けていた。
だが、困ったことに、極度の虚言癖があった。
ちょうど村の人間に誰からも相手にされず、むしろやっかい者であった為、
この惨事にあっても今は、特に悲しむ者もいない…。
シャワー室に入ると、マービンは石鹸の匂いが微かに残り使用感のある粗めの浴室タオルを、恍惚の表情で頬ずりしては嗅ぐ、を繰り返す…。
※注意:このシーンから見た人には、まるで変質者扱いだ(笑)
A・Jはカトレアと2人きり、眠るナックルの隣で、蒸し暑い部屋でとくに会話もなく時が経つ。無言の気まずい空気に耐え兼ねていた。
A・J『あの…カトレアさん ちょっと外で煙草吸ってきます…』
カトレア『あら お構いせずに ごめんなさい…でも…喫煙は良くありませんよ…えーと…あなたは…お名前は?』
水の入った桶にタオルを湿らせて、額に滴る汗を手の甲で拭きながら受け答えるカトレア。身体は汗ばんでいる。綺麗な脇の下が露わになり、大きく開いたノースリーブの脇から白い下着が一瞬見えた。
A・J『え?あ…あの A・Jです!そう呼ばれてます!』
カトレアは自分の露わになった脇の下に視線を感じて、
慌てて隠す様に腕を下ろし、立ち上がると白衣をまとう。
カトレアと目が合うと、気まずそうに目を横にそらしてから、上を向くA・J。
A・J『失礼します!』
A・Jは、顔を赤らめ足早に部屋をでた。
その様子に、カトレアは首を傾げクスッと笑う。
カトレア『ふふふ 面白い人…昔のアイツみたい…』
A・Jが部屋を出た後、嬉しそうに小声で呟く。
カトレアはA・Jの事を出会った頃の、ゾーンに似てると思い微笑ましく感じた。
___外へ出て、背伸びをするA・J。
日陰に入ると心地よい風が吹く。
しゃがみこみ、それから煙草に火を付ける。
シュボッ
火の付いた煙草を深く吸うと、ソレに合わせタバコの葉を包む紙も多く燃える。
ゆっくりと吸い、ゆっくりとふかした。
煙が空に登っていく…。
死にゆく者を弔うように…。目を瞑るA・J。
A・J『ふーッ………』
腕を伸ばし煙草の灰を、フィルター部分を指で弾いて落とす。
と、その煙草の先に怪しい人影が見えた。
よく見ると覗きだ!覆面をしている!
カトレアの家の脱衣場を覗いている!!
そのマヌケは、シャワーを浴びているのがマービン41歳。と言う事に気づいてないらしい。
A・J『貴様!そこでいったい何をしている!!』
覆面の男は、A・Jに気づき一目散に墓地の方へと逃げた!
追うA・J!!
逃げた男は仕事を終えたジャンとトップソンに、ぶつかり揉み合いになる。
捕まえろ!と叫ぶA・Jに2人は即座に反応した!
その男は、柔道が使えるらしく意外に強い!投げ飛ばされるトップソン!
そこにA・Jも加わり大乱戦だ!!……………つづく。
次回 【廃屋エリアは激戦区】どうぞお楽しみにw
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