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- ——怪盗R・B—— なんやこんやで復活
- 日時: 2010/04/22 11:04
- 名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: 9qYqZOsB)
どうも、こんにちは。
作者の空雲 海です。
えっと、第一作目がそろそろ完結するんで、二作目、連載したいと思います。
パクリとか言わんといてぇー!
それでは、どうぞお楽しみください。
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- Re: 怪盗R・B 読者、お待ちしております! ( No.30 )
- 日時: 2010/03/03 18:35
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)
「どういう事やねん」
秀有が腕を組んで、怪訝そうに聞く。
「あなたはまだ自分の能力に気付いてないようですね。でも大丈夫」
ホワイトが優しい口調で続ける。
「あなたは自分の能力に、嫌でも気付かされることになる。私の手によって——」
そして、目と口が三日月形のように、笑う。
それは、悪魔に似た笑いだった。
そんな笑いを見て、背筋の毛が逆立つ秀有。
それは、一度も見たことのないような笑いだった。
まるで、自分の中に悪魔でも住まわせているのではないかという雰囲気。
その笑顔だけで、空気や人体までもが凍りつく。
ホワイトが言った。
「それでは、まずは新入部員が来たという事で、最初にいっときますか」
ホワイトが言うと、ガッツポーズをとるヴァン。
「なぁ、ホワイト様! この制度は絶対に新入部員が入ってからじゃないと、ダメなのか?」
「ダメです。そうなってしまったら、ここは血の海になってしまうでしょ」
何も分かっていない秀有は、流れるように言ったホワイトの言葉に、恐怖感を覚える。
「ホワイト様、さっそく秀有様に、服を」
ソノリテが、ホワイトに言った。
「はい、そうですね」
その時、アルジャンが抱えて運んで来たものはダンボールだった。
「この特殊探偵には、制服というものがありません。だから、任務時も、こうやって作戦会議時も、何を着てきても構わないという決まりになっていますが、任務時の時には、必ず着なければならない服というものが、特殊探偵の最高幹部から送られてきます。それが——」
ホワイトが、丁寧にダンボールをはがし、開ける。
ホワイトが、取り出したものは、服だった。
「防弾チョッキなんです」
黒で統一された、とてもシンプルなものだ。
「あなたのサイズに合わせて作られました。以後、買い替えや、返品は出来ませんので、あしからず」
ホワイトが秀有に渡した。
「防弾チョッキて……。そない、危険な任務なんか?」
「言っただろ」
ヴァンが、秀有の問いに答える。
「俺らの仕事は、ただモンじゃねぇー仕事なんだ。銃にびびってるくらいじゃ、この世界やっていけねーな」
ヴァンが、真顔で言った。
ごくりとつばを飲み込む秀有。
自分は大変な世界に踏み込んでしまったのではないか——秀有の心に、こんな思いが渦巻く。
今なら、まだ戻れるかもしれない——。
「無理ですよ」
ホワイトが秀有に言う。
ホワイトの目には、すべてを見透かすような、冷めた色をしていた。
それは、心の中を覗き込んで楽しそうにしている内なる悪魔を、見ているかのようでもあった。
「あなたは、最高幹部から選ばれた優秀な人材なんです。決して元の世界に戻りたいなどという雑念はおはらい下さい。あなたは、この特殊探偵という存在を知ってしまった以上、ここに居て貰うことになります」
「もし、逆らったら——?」
秀有の声が微妙に震える。
「……地の果てまで追いかけますよ、私達は」
その言葉は、とても冷たく、一瞬で心の芯まで凍らせてしまうような言葉だった。
他、三人の瞳にも、冷たいものが映っている。
「なるほどな。この四人さんは、この世界に入った覚悟はしてきたっちゅーことや……」
秀有がつぶやく。
その声は、どこか楽しそうでもあった。
「それでは、次の服に移りたいと思います。次は、これです」
ホワイトが、次にダンボール箱から取り出したものは、白いマントだった。
それも、頭から下のほとんどの全身を、三百六十度かぶってしまうようなマントだった。
「それは、最高幹部と上層部が造り上げた特殊機能マントです。中の襟にはトランシーバーが内蔵されていて、仲間のトランシーバーの認証カードをスキャンすると、相手と通信することができます」
ホワイトが、秀有にマントを手渡す。
「それは、便利な機能も付いていますが、階級も表しているんです」
「階級?」
「ええ、そうです。階級は、『最高幹部』『上層部』『行動部』に分けられていますが、一番何色にも染まっておらず、知識がないということから行動部の白。その中間が灰色で上層部。真っ黒に染まり、知識も豊富なことから最高幹部という形になっています」
ホワイトの長い説明を聞いた後、かぶってみる秀有。
「軽いなー! なんも感じへんぞ!」
秀有が飛び跳ねていると、ヴァンは軽蔑するような目で言った。
「あったりめぇーだ。それは、特殊素材で出来たマントなんだ。体全体を包み込むようにして守ってくれる優れものだぜ。お前、何飛び跳ねてんだよ、子供」
「子供に子供言われたないわい!」
「Ms秀有、ヴァン」
ホワイトが二人を止める。
静かになる二人。
ようやく治まると、ホワイトは静かに言いだした。
「それでは本題です。Ms秀有」
「ん?」
「その防弾チョッキと、マントをかぶって挑んでください。我々、特殊探偵は、新入部員が入ってくるとある祭りをするんです。そう——血祭りのね」
「な!? 血祭り!?」
秀有が怪訝な顔をする。
「まぁ、これはチーム内の能力、力などを認識する為の戦闘ですよ。軽いね。大丈夫です、殺したりなどは絶対にしませんから」
- Re: 怪盗R・B 読者、お待ちしております! ( No.31 )
- 日時: 2010/03/04 20:10
- 名前: 牙 ◆CJat/Z2hH6 (ID: NWU2GU14)
毎日来てごめんなさい…<(_ _)>
おもしろくて、つい…
すごいです!
自分は空sの作品がすごすぎて、これしか言えないです…
- Re: 怪盗R・B 読者、お待ちしております! ( No.32 )
- 日時: 2010/03/05 19:04
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)
ありがとうございます!
更新します!
いえいえ、じゃんじゃんうちの小説、見に来てください。昨日はごめんなさい、全然更新できなくて。
ちょっと野暮用で・・・。
ふんじゃぁ、三つ連続更新でいこうか!
- Re: 怪盗R・B 読者、お待ちしております! ( No.33 )
- 日時: 2010/03/13 18:07
- 名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)
荒い呼吸。血溜まりになっている床。散乱しているドラム缶。
それは、激しい戦いがあったという事を物語っていた。
秀有、ヴァン、ソノリテ、アルジャン、ホワイトのうち、四人は床に倒れ、うち一人は勝者の様に立っている。
「うちが……勝ったんか……?」
秀有が言った。
……誰も答えない。
いや、答えられるどころではなかった。
四人は、息もだえ苦しみ、出血多量で周りは血の海。
「殺したんか……? うちが、殺してしまったんか!?」
秀有は、目の前に広がっている光景が信じられないでいた。
目の前に、人が倒れている。しかし、自分は倒れていない。
こうなれば、自分が殺してしまったのと、同じではないか——秀有は、そんな考えが脳裏によぎると、頭を抱えた。
「なんでや……! なんで、こうなったんや!?」
秀有は、頭の中の記憶を、必死にかきまわす。
しかし——。
「何にも、覚えてへん……」
秀有は、床に崩れ込むと、同時に不安が襲いかかる。
そんな所を、歯を食いしばってドラム缶の支えにより、立ち上がった。
「さすがは、Ms秀有……とでも、言っておきましょうか。あなたの能力は、本当に素晴らしい……」
ホワイトが、途切れ途切れ言う。
ホワイトの背広は、元は白かったのに対し、今は血の色に染められている。
「アンタ……。アンタ、生きとったんか!」
「『アンタ』などは、止してください。ここでは、『ホワイト』と呼ぶように」
秀有には、もうホワイトの声など聞こえてなかった。
「うちの『能力』て何なんや!? なんでこんなことになったんや!?」
「今はお静かに。傷口が広がってしまうでしょう。大丈夫です。あなたの能力は私の渾身の力で押さえましたから。あともう少しは出てこないでしょう」
ホワイトが、秀有の動揺とは裏腹に、冷静に答えた。
「うちの能力は……」
秀有の言葉がそこで切れた。
ホワイトは、ため息をつくとしゃべりだした。
「今は教えられません。あなたは自分の事を知らなさすぎる。なお且つ、まだ制御も出来ていない。だから、こんな事態を引き起こしてしまったんです」
「うちの所為……」
「はっきり言うと、Ms秀有、あなたの所為です」
ホワイトの言葉が、秀有の胸に槍のように突き刺さる。
「今は、三人の安泰を確かめるべきです」
ホワイトは三人——アルジャン、ソノリテ、ヴァンに歩み寄り、脈拍と息を調べると、
「大丈夫、まだ生きています」
ホワイトが、何も感情のない声で言った。
「よかった……」
秀有が、息をつく。
殺人者に、ならなくてよかったと思う心が、秀有を脱力に襲わせた。
「さて——……。私は、私の作業を」
ホワイトが、内ポケットを探ると、携帯電話機を出してきた。
「特殊探偵行動部、第十班のホワイトです。至急、救護班を要請します。直ちに来てください」
ホワイトが、電源を切った。
「……場所、言わんでええんか?」
秀有が言うと、
「大丈夫。上層部は、常に行動部を監視下に置いているため、我々の位置は手に取るように分かります」
ホワイトが言った。
それはつまり、いつでも手の中にあるうち等を、消せるっちゅーことやんな——秀有は、考えて背筋が凍りついた。
「Ms秀有」
ホワイトが秀有を呼ぶ。
「ちょっと、みんなを起こすのを手伝ってください」
ホワイトが言うと、秀有は、ソノリテの体を起こし始めた。
その時に、深くえぐられるような傷を見る。
ソノリテは、意識を失って、まるで死人のような顔をしていた。
みんなの黒い背広は、血が固まって、赤黒くなっている。
「これでは、出血多量で死んでしまう。なんとか応急処置を——」
ホワイトの言葉を、秀有が遮る。
「なぁ、ホワイト。うちは、一体何をしたんや?」
秀有が、不安そうな弱々しい、まるで子猫の鳴き声のような口調で言った。
「ホワイトは、今『能力』ゆーたな? うちの能力ってなんや?」
ホワイトの瞳には、不安の色が広がっている。
「さっきも言ったように、まだ教えられません。今教えてしまったら、あなたの頭が混乱してしまいます」
ホワイトは、同情もせず淡々と言い放った。
自分のマントを引きちぎり、傷を止めるためにきつく縛る。
「これは、ちゃんとした目的があるのです。あなたの能力を部員に知らせる為でもありますが、私達の能力もあなたに知らせる必要があった——」
ホワイトは、一旦、手を止めると秀有を真っ直ぐ捉えた。
「この傷、この戦いが無意味などとは、決して思わないで下さい」
一言だけ大きい声で言うと、ホワイトはまたマントを引きちぎった。
- Re: 怪盗R・B 読者、お待ちしております! ( No.34 )
- 日時: 2010/03/05 19:54
- 名前: 牙 ◆CJat/Z2hH6 (ID: NWU2GU14)
こんばんわ!
また来ちゃいました…
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