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——怪盗R・B—— なんやこんやで復活
日時: 2010/04/22 11:04
名前: 空雲 海 ◆EcQhESR1RM (ID: 9qYqZOsB)

どうも、こんにちは。
作者の空雲 海です。
えっと、第一作目がそろそろ完結するんで、二作目、連載したいと思います。
パクリとか言わんといてぇー!
それでは、どうぞお楽しみください。

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Re: ——怪盗R・B—— ( No.70 )
日時: 2010/03/16 19:31
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

 R・Bの口から、短い言葉が漏れる。
 R・Bは、渾身の力で木の幹を登っていた。
 肩で息をする。口から洩れる吐息。短い苦痛の言葉。
 R・Bは、次の枝に足を掛け、ボロボロの体で登る。
 そして、とうとう枝の天辺まで登りつめると、腰を下ろした。
 安堵の息が漏れる。それと共に、脂汗が、満月の光で輝く。
「情報屋」

 R・Bが奥歯に潜む超小型発信機で言った。
「大丈夫ですか? そんなボロボロで」
 機械音声の何も感情の入っていない声。
「大丈夫なわけねぇーだろ。それより、シーニュは今どこに居る?」
「シーニュは、今ゆっくりと上空を滞空していますね。超音波で動かしましょうか?」

「ああ。そうしてくれ」
「了解」
 数分経った頃、シーニュが正確にR・Bの元へやって来た。
「礼を言うぞ、情報屋」
「……素直に『ありがとう』と言ってほしいものですね」
「やだね」
 素っ気なく、吐き捨てるように言うR・B。
 情報屋は、さぞかし不愉快な顔をしているだろう。

 R・Bは、シーニュのハッチを開けた。
 人間が乗る裏に、小さなハッチがあり、そのハッチにはR・Bの新しい服に、包帯、消毒液などの治療用の道具もあった。
 R・Bは、傷口を包帯できつく巻く。体、背中、足——。
 斬りつけられたところは、すべて消毒した。
「情報屋、他の特殊探偵や、ムーンサルトのボスはどうなっている?」
 R・Bが聞く。
「……死亡者、一名、その他諸々。生存者、四名。不明、一名となっています」

 情報屋の返信が遅れた。
 そんなことには、気にしないR・Bが、話を続ける。
「死亡者一名だって? 誰だ?」
「ムーンサルトのボス、ムーンです」
「……そうか」
 冷めた声で言う、R・B。
「あれ? あまり驚かないんですね」
「アイツは、たぶんこの戦いで朽ちるだろうとは思っていた。あいつは、はっきり言って論理外だ」
「…………」

 通信の間で、沈黙が流れる。
 もし、R・Bと情報屋が直接話し合っていたら、情報屋は一歩後退していただろう。
「不明というのは、誰だ?」
「不明者は、特殊探偵のズィヴァーンです」
「生存者四名とは、特殊探偵の四名だな?」
「はい、そういう事になります」
「わかった」

 返事と同時に、立ち上がるR・B。そして、怪我をしているとは、思えないほどの身のこなしで、シーニュに乗る。
シーニュの胴体に取り付けてある扇形のポールを掴むと、中腰のような状態になる。
「つまり、今屋敷に行ったとなると、屋敷は蛻の殻ということになるな?」
「しかし、特殊探偵が待ち構えているかもしれませんよ」
「そん時は——そん時だ」
 足にあるエンジンスイッチを押し、青い炎がかかると、シーニュは浮上した。

Re: ——怪盗R・B—— ( No.71 )
日時: 2010/03/17 21:16
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

 R・Bが、適当な窓から降り立つ。
「情報屋、この屋敷内に人は?」
「居ません」
 R・Bは、満足そうに頷くと一歩一歩慎重に歩いた。
 床に転がっているマフィアの死体を、何も表情を見せずに、またぐ。
「自分が殺したマフィアをまたぐって、どんな気持ちなんですか?」
「私はこんなに殺した覚えなんてない。少なくとも、上の方の階はな。だから、たぶん秀英もやったんだと思うよ。アイツだってお相子だろ?」

 R・Bが言うと、黙る情報屋。
 それは、呆れてものを言えないのか、ただ単に言い返せないだけなのか、それは定かではない。
「さぁ、着いたぞ」
 R・Bは、最上階の廊下に立った。
「情報屋、ゴールデン・クラウンは、どこにあるのか——画像データを送ってくれ」
「了解」
 R・Bの片眼鏡から、画像が送られてくる。

 それは、ここの屋敷の見取り図だった。
「ゴールデンクラウンが保管されているのは、最上階。壁のどこかです」
「壁のどこか? どういうことだ?」
「今、解析中です。もう少々お待ちを」
 R・Bは、情報屋の解析結果を待たずに、廊下を歩む。
 そして、一番奥の扉のドアノブに手を掛けた。

「待たないんですか?」
「そん時は、何とかするさ」
 R・Bが、思い切ってドアノブを回し、部屋に入った。
 しかし、そこには床に倒れている男、三人しかいなかった。
 R・Bは、顔を覗き込む。その一瞬の間、顔が歪んだ。
 三人は、ずっとムーンが慕っていたマフィア二人と、田辺だった。

「秀英の最初の餌食になったか……」
 R・Bが言った。
 その時、
「出ました」
 情報屋の声が聞こえた。
 R・Bは、片眼鏡の画面に注意する。

「この部屋の南の方角、つまり、あなたが向いている方角の壁を、あなたの目線で叩いてみてください」
「壁を叩くだって?」
 R・Bの顔が怪訝になる。
「はい。そこからゴールデンクラウンの金属反応、そして、別の金属反応があります」
「別の金属反応って……どういうことだ?」
「やってみないとわかりませんよ」
 情報屋が、もったいぶって言った。
 R・Bの態度に、感が障るものの、壁に歩み寄り叩いてみた。

Re: ——怪盗R・B—— ( No.72 )
日時: 2010/03/18 18:03
名前: スペシャル ◆XHKDIsPEFA (ID: 3L0NyJ0C)

次が楽しみ〜
どうなんだろ?

Re: ——怪盗R・B—— ( No.73 )
日時: 2010/03/18 18:41
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

スペシャルさん・・・!
ありがとうございます!
楽しみにしていてください!

Re: ——怪盗R・B—— ( No.74 )
日時: 2010/03/26 17:27
名前: スペシャル ◆XHKDIsPEFA (ID: 3L0NyJ0C)

いつ更新するんだろ
最近更新してないなぁ
更新がんばってください!!


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