ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ただそこに
- 日時: 2010/08/23 16:47
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
どうも。神無月です。
文才が果てしなくないため、意味のわからないものになると思いますが・・・(汗
生温かい目で見守って下さい!
《お客様》
アキラ様 ユエ様 白蝶様 Nekopanchi様
@遮犬@様 月兎様 白兎様 故草@。様
スサノオ様
《イメージソング》
日比野陸 >>140
日比野沙羅 >>141
郡上巽 >>142
東雲晃孝 >>143
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- Re: ただそこに ( No.99 )
- 日時: 2010/07/28 13:31
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
>>白兎さん
みなさん急展開と思われるようで・・・良かったぁ・・・。ちょっと展開読めすぎてないかと心配で心配で・・・。
続きものったりいきますよー。
- Re: ただそこに ( No.100 )
- 日時: 2010/07/28 15:56
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
「どうして巽がここに・・・・」
いきなり表れた実の弟に、俺は動揺を隠せずにいた。相変わらず怖いほどに綺麗な顔に笑みを浮かべて、巽は口を開いた。
「それはね、私が「・・・にいさん?」
巽の言葉を遮ったのは、今までの彼女からは想像できないほどの低い声を出した沙羅だった。
「にいさん・・・・?
こいつとあきたかおにいちゃんは・・・・
きょうだいなの・・・・・?」
微かに震える声で、俯きながら沙羅は俺に尋ねた。
その震えの理由が分からなくて、少しだけ困ったような顔をして頷いた。
「あぁ。でもそれがどうかし「・・・・・・つき」
「え?」
俺の言葉を遮った呟きに、思わず訊き返す。すると沙羅はバッと勢いよく顔をあげて叫んだ。
「うそつき!!!!!!!」
「・・・・・え、」
「うそつきうそつきうそつきうそつき!!!
たすけてくれるっていったのに!!だいじょうぶだっていったのに!!
どうしてどうしてどうしてどうして!!!!」
狂ったように叫ぶ沙羅に、どうしていいか分からなくて、でもとりあえず止めようと頭を振り回す彼女に手を伸ばした。
「沙羅、とりあえず落ち着・・・・
「触るな!!!!!!」
伸ばした手を勢いよく払われる。そのときに爪が掠ったみたいで、皮膚が軽く裂けた。
「・・・・・・っ!!」
流れる血に顔を顰める。
すると、今まで髪を振り乱しながら叫んでいた沙羅が、ぴたりと動きを止めた。
訝しく思い沙羅を見れば、彼女は流れ落ちる俺の血を凝視していた。
「・・・・沙羅?」
声をかけても、まるで時が止まったかのようにぴくりとも動かなかった。
「・・・・・・沙羅」
もう一度声をかければ、今度はびくっと肩が揺れて、沙羅はゆっくりと俺の顔を見た。
その顔は、今にも泣き出してしまいそうだった。
「・・・・・・・・・あきたかおにいちゃん」
「・・・・ん?」
「・・・おにいちゃんは・・・・・
わたし“たち”を、ころさない・・・?」
呆然、というのが正しいだろうか。俺は、沙羅の言葉に驚きが隠せなかった。
・・・殺さない? そんなのは、
「当たり前だろ?」
未だ呆然としたまま、ぽつりと答える。その言葉に、沙羅は嬉しそうに笑った。
「そっか・・・・そうだよね!!
だっておにいちゃんは、おにいちゃんなんだから」
あまり意味は分からなかったけど、沙羅が落ち着いたというのは分かった。
ほっとして、自然と力の入っていた肩から力を抜く。
と、
パン、パン、パン
広い空間に響いた乾いた音に驚いて音のするほうを見やれば、そこには拍手をする巽の姿があった。
「・・・・なんだ?」
問いかければ、心底楽しそうな声音で返事が返ってきた。
- Re: ただそこに ( No.101 )
- 日時: 2010/07/29 07:39
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
どうしたんだ沙羅!
兄弟だから、味方だと思ったのかな?
- Re: ただそこに ( No.102 )
- 日時: 2010/07/29 14:01
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
>>アキラさん
ホントにどうしたんでしょう。ちょっぴり情緒不安定ですね(汗
「おにいちゃん」という言葉は温かくて・・・本当はそう呼んだ時点で信頼していたのかもしれません。
- Re: ただそこに ( No.103 )
- 日時: 2010/07/30 00:21
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
「さすが兄さん!!初めは驚きましたが・・・やはりこれこそが運命でしょうね」
嬉しそうに微笑む。こいつの口から“運命”なんていう言葉が出るとは思わなかった。
「兄さんは優しくて、どこまでも真っすぐなんだから。でもね、兄さん。いくら優しくっても・・・
拾うものは、考えなきゃダメだよ?」
小さく首を傾げて囁くように言う巽。
・・・拾う?
一体何のことを言っているのだろうか。
そんな俺の疑問が伝わったのか、巽はより一層楽しそうに声音を弾ませた。
「あぁ、何のことを言ってるか分からないって顔をしてるね。教えてあげるよ、兄さん。今兄さんの傍で、まるで自分が弱者であるかのように振舞っているその子は、本当は弱い者なんかじゃないんだ・・・」
そこまで言って、一度話を止める。
そして、まるでとびっきりの秘密を話すみたいに、秘かに、けれど楽しそうな声で、巽は囁いた。
「だってその子は、自分の父親を殺したんだから」
・・・・・・・・・は?
理解が出来ないとかそういうのではなくて、ただ単に何言ってるんだこいつ、くらいの感想しか抱かなかった。
それは出会ってからの短い時間で、俺が沙羅を信じるようになっていたし、守らなければならないと思っていたからだ。
心のどこかで、守らなければならないような存在がそんなことを出来るはずがないと決めつけていたんだろう。
—だから俺は、巽の言葉に沙羅が大きく肩を揺らしたことになんて気がつかなかった。
そして、その時に沙羅の瞳に浮かんだ・・・恐ろしいまでの“憎悪”と_“歓喜”に、気づくことが出来なかったんだ。
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