ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ただそこに
日時: 2010/08/23 16:47
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)

どうも。神無月です。

文才が果てしなくないため、意味のわからないものになると思いますが・・・(汗

生温かい目で見守って下さい!

《お客様》
    アキラ様 ユエ様 白蝶様 Nekopanchi様
    
    @遮犬@様 月兎様 白兎様 故草@。様

    スサノオ様


《イメージソング》

日比野陸 >>140
日比野沙羅 >>141
郡上巽 >>142
東雲晃孝 >>143

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Re: ただそこに ( No.84 )
日時: 2010/07/22 23:11
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)




「・・・・・連れてけ」

「・・・・・え?」


無意識のうちに、俺は沙羅に言っていた。


「お前の兄貴のとこに、俺を連れてってくれないか?」

「・・・おにいちゃんのとこに?」

「あぁ」

「・・・・でも・・・・」


不安そうに揺れる瞳が、計らずとも俺に伝えてきた。


“これ以上踏み込んできてはいけない”


・・・と。

それでも俺は、その無言の忠告を首を振ることによって拒絶した。



「大丈夫だから」



全てを、その一言に込めて。そんな俺を沙羅は少しだけ驚いたように見て、ゆっくりと微笑んだ。

今にも泣き出しそうな、そんな顔で。




「・・・ありがとう」



少女の口からこぼれた、感謝の言葉に胸がずきりと痛んだ。それと同時に、救わなければならないと感じた。


 泣いていた少女。笑った少女。

 囁かれた言葉。泣きそうに笑った顔。

 
俺は何もしていない。まだ何もしてはいない。

 それなのに、

 「ありがとう」と言った少女。


俺は一人頷く。固く、固く決意して。



_ 救ってみせるから    必ず _




 哀れな善人は走る 小さな 罪人の手を握りしめて


 向かう先は 無機質な城


 そこに眠るは 天使か 悪魔か





   咲いたのは きっと・・・・・





Re: ただそこに ( No.85 )
日時: 2010/07/23 07:26
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

陸をどうか助けて欲しいです。
どうなるかはまだ、分かりませんが……。

Re: ただそこに ( No.86 )
日時: 2010/07/23 11:59
名前: 白兎 (ID: dlZE4w6M)

すごーい……(・0・)

あ、えっと。
コメントありがとうございます^^

始めの文が、神無月sの小説を見て一番思ったことです。
いきなり&ボキャブラリー少なくてごめんなさい;

文才、ありまくりじゃないですかっ!
文章かっこいいし……
すごい面白いです。

消えない暗い過去……気になります。
続き頑張ってください☆

Re: ただそこに ( No.87 )
日時: 2010/07/23 14:00
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


アキラさん

そうですね。陸を助けに行きますが・・・向かう先にいたのが・・・(あれ、微ネタばれ!?

白兎さん

コメありがとうございます。すごいだなんて・・・・・嬉しすぎるじゃありませんか!!!

文才は白兎さんに遠く及びません><
只今文才鍛え中です☆←進歩なし

続き頑張りたいと思います。・・・いや思ってるんですよ?るんですけど色々あってあれがこうしてるというか!?だか(黙

Re: ただそこに ( No.88 )
日時: 2010/07/24 11:09
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)



息が、きれる。


久しぶりにこんなに走ったと思う。隣に立つ少女はけろりとしていたが。どんだけ体力あるんだよ、と心の中で突っ込んだ。


「・・・・ここか?」

「・・うん」


沙羅の手をひいて走り出したものの、場所が分からず結局は沙羅についていく形でここまでたどり着いた。



たどり着いた先にあったのは、白い建物だった。一見普通のビル、というか工場のように見えなくもないが、俺は建物を見たときぞっと悪寒がした。

何の変哲もないそれは、逆に何も“なさすぎて”違和感を感じた。

白すぎる建物が内側に秘めた真っ黒な何かを覆い隠しているようだったのだ。


_ ここは、異質だ



「・・・本当にここなんだな?」

俺はしつこく沙羅に確認する。


本当にこんな恐ろしいところにいるのか・・・?


そんな疑問が頭の中を支配する。

「・・・うん。おにいちゃんは、ここにいるよ」

だがそんな疑問も、沙羅の顔を見たとき吹き飛んだ。

何かを堪える様な、泣きそうな顔をしているくせに。なのに・・・


その瞳は、静かな憎悪をたたえていた。


ここに来たときから震えていた彼女の体が、恐怖で震えていると思っていた。

でも、きっとこれは。


あまりにも強い憎しみによる震え


あんなに綺麗に笑うこの子をそこまでにさせる何かがあるのか、と俺は再び建物を仰ぎ見た。


異質なその城は、まるで俺たちを嘲笑うかのように建っていた・・・。






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