ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ただそこに
- 日時: 2010/08/23 16:47
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
どうも。神無月です。
文才が果てしなくないため、意味のわからないものになると思いますが・・・(汗
生温かい目で見守って下さい!
《お客様》
アキラ様 ユエ様 白蝶様 Nekopanchi様
@遮犬@様 月兎様 白兎様 故草@。様
スサノオ様
《イメージソング》
日比野陸 >>140
日比野沙羅 >>141
郡上巽 >>142
東雲晃孝 >>143
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
- Re: ただそこに ( No.39 )
- 日時: 2010/06/12 00:13
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
「・・・へぇ。『親愛の証』、ね」
絶対零度、と表するのが最も適切であろう。微笑んでいるはずなのに目が笑っていない陸は、虫を見て、にっこりと口元をつりあげた。_もはやにやり、としか見えない。
「じゃあ、俺も何かお返しをしなくちゃいけないな」
その言葉に、虫はガタガタと震えだした。両手と顔を勢いよく左右に振って、虫は必死に声を絞り出した。
「いいいいいい、いいです!!お返しだなんてそんなの、・・・・ほんとにいいですって!!!
・・・え、ちょっ、まっっっっ!!!
ぬぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉおおぉぉぉぉおお!!!」
“お返し”をもらった虫は、断末魔の叫びをあげてふっとんだ。それはもう、綺麗な弧をえがいて。
「そうか、喜びのあまり叫んでしまうほど嬉しかったのか。そうか、そうか」
それを満足げに眺めた陸は、口元に笑みをたたえたまま、やわらかい声音でそう言った。
その言葉は、壁にぶつかりぴくぴくとしていた虫には届かなかったが。
未だぴくぴくとしたままのそれをしばらく眺めていた陸は、ふぅ、とため息をついて壁際へと歩き出した。
そして、思いっきり虫を蹴り飛ばした。
「ぐふあっっっっっっっっ!!!」
虫が潰れるときはこういう声をあげているのだろうか、と陸はぼーっとしながら考えた。すると先ほどの蹴りによって復活した虫が、勢いよく顔を上げて講義の声をあげた。
「おい!陸!! いくらなんでもこれはヒドイだろ!? お前には友達を想う優しい心はないのか!!」
「ない」
即答された虫は、ショックを受けたような顔をして固まった。
しかし陸は、そんな虫を全く気にするふうもない。
_いつものことだからだ。
彼らはほぼ毎日、これと同じようなことをしている。だからクラスメイトたちも、二人のやりとりを面白そうに眺めはしても止めはしない。
つまり、この二人はものすごく仲が良いのだ。
「ひ・・・ヒドイわ!!陸ちゃん!!ママにそんなことを言うなんて・・・!!
このひとでなし!鬼!悪魔!冷血漢!薄情者!
・・・えーと、根性なし!?」
最後のは何か違うと思う。突然始まったママ設定に、陸がのる・・・・・はずがなく。
「うっせえ、黙れぼけ」
口からでたのはまたもや冷たい言葉だった。_でも、それでいてどこか優しげな。
それが分かっているのだろう。虫はにっと笑った。
そんな虫を見て、陸もゆるりと笑った。
「・・・ったく、ほら、武、立て」
苦笑しながら手を差し伸べた陸に、虫_もとい、近藤武(こんどう たける)は嬉しそうに笑ってその手をとった。
「陸がやさしーー。わーーーい♪」
満面の笑みでつかんだ手をぶんぶんと振る武を、陸は
かすかに目を細めて見た。
とても、まぶしそうに。
なんだよそれ、と笑った陸は、気づいてはいなかった。
_ゆっくりと忍びよる闇に。
いつまでも、平和が続くはずはない。それを、陸は身をもって感じさせられることとなる。
_《呪われた子》に罰を。
それは、永遠の苦しみに開く、一輪の・・・・
_生まれてきたことが、罪なんだ_
- Re: ただそこに ( No.40 )
- 日時: 2010/06/12 09:54
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
明るい性格のキャラですね(^^ゞ
虫くん♪
生まれてきたことが罪とは、どういうことでしょ??
- Re: ただそこに ( No.41 )
- 日時: 2010/06/12 13:40
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
アキラさん はい、虫はアホキャラですので^^
というか、彼にはちゃんと武という
名前が・・・!!
虫虫言いすぎて、名前が分からなく・・・(汗
生まれてきたこと・・・については、
また後々でてき・・・たらいいな☆
- Re: ただそこに ( No.42 )
- 日時: 2010/06/12 13:42
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
おおおおおお、ついに
100突破しました!!(キラキラ
これからも頑張っていきますよー・・・。
- Re: ただそこに ( No.43 )
- 日時: 2010/06/13 23:06
- 名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)
キーンコーンカーンコーン・・・
朝と同じようにチャイムが鳴る。ただ一つ違うのは、今度は切羽詰まった状況でもなければ鬼の影も見えない、終業のチャイムだということだろうか。
チャイムと同時にかけられたため、日直の「さようなら」の声はかき消されてしまったが、周りはそんなこと気にするふうもなくカバンを持って帰り始めた。
その様子をぼーっと眺めていた陸も、しばらくするとゆっくりと立ち上がりカバンを肩にかけた。
「陸ーー」
声に視線を向ければ、目に入ったのは満面の笑みを浮かべて手を振る武だった。
「帰ろうぜ!」
早く来い、といいながら飛び跳ねている武に分かった、と返事を返しながら陸は歩き始めた。
二人は、廊下をA組のほうへ歩いていた。沙羅を迎えに行くためだ。沙羅と陸は、たとえどれほど仲の良い友達がいたとしてもその子とは帰らない。
どんな時でも、必ず一緒に帰るのだ。
それは、《あの日》決めたこと。
もう、離れ離れにならない為の約束。
ただ、帰るのは二人ではない。そこに、武も加わって三人で帰るのだ。そのため、沙羅も武とは面識がある。
だからA組の教室に着いたとき、沙羅を呼ぶのはいつも武だ。
沙羅の席は陸と同じ窓際の一番後ろで、下校時でざわめく教室や廊下の喧騒のせいでちょっとの大きい声じゃ届かない。
日頃からあまり大きな声を出さないし、何より注目を集めるのが嫌いな(だが、いやおうなしに注目を集めてしまう)陸では呼ぶことができないのだ。
入口近くにいる人に呼んでもらうという手もあるのだが、陸は親しくない人とは話さない。
そのため、沙羅を呼ぶのは武の役目となったのだ。
「おーい、沙羅ちゃーん」
武が入口から声をかければ、自分の席で友達と喋っていた沙羅はこちらに目を向け、友達にばいばいと手を振ってから駆け寄って来た。
「よし、じゃ、かえろっか」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
この掲示板は過去ログ化されています。