ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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日常+@ 完結しました
日時: 2010/12/23 10:11
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=l1Ryaz_fK6c

.


題名の読みは 「にちじょう ぷらす あるふぁ」 です。
そのままですね。


重たくて暗い内容になると思いますが、ご了承ください。


登場人物 >>2


イメソンは参照にあります。

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Re: 日常+@ ( No.106 )
日時: 2010/12/15 15:00
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

答えるには、時間がかかる。
質問することには全然いいけれど、答える側というのは慣れていないから。

「会った事ないよ」
「でも、似てる気がする。 私ね、あまり昔を覚えてないわけね。 友達、いたような気もするし、一人ぼっちだったかもしれない」

江波戸は言って、笑う。

「死にたいけど、死ねなかったと思うんだよね。 ゴチャゴチャで覚えてないけど、死ねなかった。 私は、死ねなかったんだよ」

何度も何度も、言い聞かせるように。

「痛いの、嫌。 だからあっさり死にたい。 蟻みたいに、お腹を潰してもジタバタ生きるのは、ちょっと嫌い」
「ダンプカーにでも撥ねられれば? 電車のホームに飛び降りれば?」

死の提案をすると、江波戸は顔をしかめた。

「汚く死ぬのも、嫌かな」
「我がまますぎるよ。 それじゃあ死ねないのも当然だ」
「うん。 羨ましいよ。 だからね、私、捜してるの」

焦りと、高揚感が漂う。
あ、もう日が沈みかけてる。

「私を殺してくれる人を、捜してるの」

ああ、あれはそうだ。学校だ。学校の屋上、対峙する生徒たち。うん、あれは私だよ。私と誰だっけ。あの時の私はまだ青二才だったからさ死ぬのなんて良くないよみたいな正義論を次々と並べてでも本当は人が死ぬのをもう見たくなかったからで間違ってズドンで痛さはなくてだけど冷たくてさあ、

「あんたは、私を殺してくれる?」

そういうのはさ、

「千影くんに頼め、ばか」

思った事が口から出て、茫然とする。
帰ろう。
もう、なんでもいい。 本当は色々と話を少ししたかったけれど、この子といると飲みこまれそう。

さぁ、早く。 走れよ。 走れ、走れ、走れ──




           



Re: 日常+@ ( No.107 )
日時: 2010/12/15 15:53
名前: yuri ◆F3yWwB7rk6 (ID: DOGZrvXb)
参照: Σ( `@А@´)<何だって!? 参照200!!?(それがどうした

おお!
いつの間にか更新されている!!!
いやー良かったよか……


ったわけねええええだろうがああああああああああああああああああああアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
水色いつの間にか死んでんじゃああねえかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




っとそんなわけでヤンデレに堕ちるか堕ちないかの瀬戸際にいる今日この頃。
しかし江波戸さん…。死にたがりとは中々奇特な事をお考えで‥‥‥。

しかし気になるのはやっぱり水色。
殺した奴ちょっと表へ出ろって感じです。はい。

Re: 日常+@ ( No.108 )
日時: 2010/12/15 18:23
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)

アキラ様、私の小説読んでくれて有り難う御座います。
もう本当嬉しすぎて目から水が出てきちゃいましたよ(←何故涙と認めない)。
また来て欲しいなんて思ってないんだからね!!←ハイ嘘です。時間があったら来て欲しいなー、なんて…。勿論こなくても……さ、寂しいわけじゃないですからね……?




そして最後に。
アキラ様の御作りになるキャラさんはどれも大好きです。

Re: 日常+@ ( No.109 )
日時: 2010/12/16 16:22
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

水色、バラバラ死体になりました。
いやはや、最初誰が死ぬかで迷いましたが、水色ちゃんになりました………ね!
なんか惜しい事しました。 もっと書きたかった水色ちゃん。
>yuriさん



にゃふん! ありがとうございます\(^o^)/
いきますぞ、小説! そんなマイナス思考で物事を考えないでくださいっ
>ポアロンさん

Re: 日常+@ ( No.110 )
日時: 2010/12/16 17:17
名前: アキラ (ID: STEmBwbT)

夕暮れの中、走る。
なんだあいつ。 気持ち悪い。 同じ人間である事が嫌になるほどの、嫌悪感。 関わりたくない人間ナンバーワン。 だけど。
わたしがそれでもあいつに会いに行ったのは、

「何走ってんの」 「っ」

腕を後ろからぐいっと引っ張られ、思わず呼吸が止まる。 一瞬、殺人犯かと思ったから。

「女の子一人でおったら危ないで。 今も、オレじゃなくて殺人犯やったらどうするつもりなん?」
「………………」

トーマさん、だった。
そういえば千影くんの家にいなかったなと、思い出す。

「どこ行っとったんよ。 そんな息きらして」
「そっちこそ、どこ行ってたのかなぁ」
「オレ? オレは家に帰ってたんよ」

早く、腕を離して欲しいんだけどなぁ。

「カノジョさん、やったよね。 夜音くんの」
「そうなのだよ。 大好き運命共同体ラブラブ同盟カップル♪」
「ラブラブなんや。 見せてくれるね」

やっと手を離してくれた。 男の人に身体を触れられるのは別に嫌悪感はないけれど、この人の手、少し冷たいんだ 「カノジョさんて、東高校やろ?」 

………何で知ってるんだろう。

「やけど、中退したんやて?」
「だから制服着てんの。 青春を今謳歌してるんだよ。 彼氏もいるし」
「なんでなん?」

質問をされるのは、苦手だ。

「なんで、中退したん?」
「そんなの、あんたに何で教えないとダメなのかな」
「いや、嫌やったら別にええんやで。 ええんやけど……」

視線が、泳ぐ。
泳いで、泳いで、泳いで、最終的には。
わたしの目に、いきついた。 目と目が合う。

「まあ、特別な子やったけんなぁ」
「…………………は?」

短いわたしの声は届かなかったのか、トーマがわたしとすれ違う。 

「はよ帰ろう。 物騒やし」
「…………うん」

例えば。
この世界には何十億人もの人が住んでて、この小さな田舎町にも、精々数千人は住んでいるはずだ。
その中で、わたしと千影くん、宵島さん、水色ちゃん、お兄さん、キキさん、トーマが出会った確率は、奇跡に等しいと思う。

そして、江波戸 真澄。

あの子とわたしが出会ったのも、奇跡であって。
あの高校に行ったから出会えたわけで。 
そしてそれは、今すぐ過去に行って消去したいものでもある。

わたしが、高校生のとき自殺未遂した理由。

それは、江波戸 真澄を助けるためだった。


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