ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 日常+@ 完結しました
- 日時: 2010/12/23 10:11
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=l1Ryaz_fK6c
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題名の読みは 「にちじょう ぷらす あるふぁ」 です。
そのままですね。
重たくて暗い内容になると思いますが、ご了承ください。
登場人物 >>2
イメソンは参照にあります。
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- Re: 日常+@ ( No.141 )
- 日時: 2010/12/19 17:43
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
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『えばと エトセトラ』
昔から。
私の頬から顎にかけてのこの痣が、目ざわりで仕方なかった。
どす黒くて、肌が白いせいで余計に目立つ。
このせいで、苛められもしたけれど、どうでもよかった。
たった一人、この痣全部を含めて私を人間だと認めてくれた人がいたから。
「なんや、今日もしょげてるんかいな」
「明日から高校生なんだよ。 絶対にこの痣のせいでまた苛められるに決まってる」
高校の入学式を明日に備えた前日。
いつもの空き家の更地の前にいると、そいつはフラリと現れた。
「そうなん? 気にせんでええんとちゃう?」
「うざいんだよ、いろいろと」
疎外感と、孤独感。
痣。
私は一生、これらに苛まれて生きていくのかと思ったら、吐き気がした。
ああ、楽になりたい。 死にたい。 虫のように体液をまき散らして死ぬのだけは、嫌だけど。
「まあ、オレが真澄ちゃんなら、そいつら殺してるけどな」
「冗談やめてよ」
「せやけど、ほんまアレやな」
キレイに、死にたいんやな。
そう言って、そいつは笑う。 いつも笑ってる。
私が御子柴 南里と出会う、一日前。
- Re: 日常+@ ( No.142 )
- 日時: 2010/12/19 20:25
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 気軽に呼びタメOKよ←
うあぁぁ、トーマさん好きだったのに…!!いや、今も好きですけど!
トーマさんと江波戸さんの関係が気になる!!ふんもっふ!←夜のテンションです、お気になさらず。。。
- Re: 日常+@ ( No.143 )
- 日時: 2010/12/20 15:47
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
トーマさんずっと好きでいてあげてください(>_<)
お願いしますから!
>ポアロンさん
- Re: 日常+@ ( No.144 )
- 日時: 2010/12/20 16:41
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
この痣を持って生まれた事を、後悔はしてなかった。
悔やんだところで、何が変わるって事もないから。
ただ、この痣を見て気味悪がる奴らを、憎むという気持ちが皆無だったわけじゃない。
高校の入学式が終わって一カ月。
ジロジロとわたしの痣を見る好奇の目は、変わってなかった。 酷い時には他の学年から見に来る人もいる。
「迷惑だよね、そういうの。 面倒くさいね」
私と同じで、いつも一人でいる南里が私に言ってきた。
同情なら止めろと言いたいけれど、不思議と南里にはそういう感情は抱かなかった。 それは、いやでも聞く彼女の過去にあったからかもしれない。
ずっと養護施設にいたらしく、高校の入学をきに独り暮らしをしていると聞いた事がある。
「言いたい奴には言わせておけばいいと思うんだよね」
「ふうん。 まあ、わたしは痣なんてどうでもいいのですがな」
南里とは、少し話す程度の仲になった。 友達ではなく、クラスメイト。
少なくとも、私の死にたがり理論を話す程度の。
「へえ、キレイに死にたいんだ」
「痣でバカにされたから、死ぬ時くらいは皆が驚いて息を呑むほどのキレイさで死にたい」
痣など目にも触れないような。 キレイな、死体。
「老いて死ぬのも、吐血して死ぬのも、病気で身体がボロボロになって死ぬのも嫌」
「死ぬの、難しいねー」
私の話を聞いて、南里は軽い口調で答えた。
「だから、私は私をキレイに殺してくれる人を捜してる」
「その人がいなかったらどうすんの?」
「見つけるよ」
キッパリと言う。 捜さなきゃいけない。 私をキレイに殺してくれる人を。
「自殺は? 毒で死ぬとか」 「体中ボロボロじゃん」 「どういうふうに死にたいの?」 「キレイに。 眠ってるみたいに」
眠り姫のように。
「メルヘンだね」
夢心地だね、と。
南里は笑って言い返す。
ああ、もしかしたらさ。 この人なら、私をキレイに殺してくれるかも知れない。
だって、被害者と加害者の子どもだし。
「南里、お願いがあるんだけど」
私を、キレイに殺してくれない?
・
雨が、降っていた。
いつもの空き家の更地で居たら、あいつが来た。
「傘、さしや」
自分のビニール傘をさしてきたので、丁重に断った。
「どしたん。 ちょいしょげてるな」
「キレイに殺してって頼んだら、嫌だって言われた」
「そりゃそうやろ。 でも、真澄ちゃんがそう頼むって事は、よっぽど良い人なん?」
頷くと、興味ありそうにへえと言ってきた。
「その子に、殺してほしいんや」
「…………………うん」
「それさ単にその子じゃないといけんけんやない?」
そうかもしれない。
私が思っていた以上に、彼女を気に入っていたからかもしれない。
この人になら、どんなにぐしゃぐしゃにされても、死にたいと。 そう、思ったからかもしれない。
「 」
その時、そいつに何て言ったかは忘れた。
明日、雨が止んでいたら。
学校の屋上から、飛び降りよう。
南里の目の前で。
- Re: 日常+@ ( No.145 )
- 日時: 2010/12/20 16:54
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 熱っぽい…←
これは、江波戸さんと南里ちゃんの過去っぽい話ですね!!めっちゃ続きが気になって熱っぽいのも吹き飛びそうだze!!←寝ろよ
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