二次創作小説(紙ほか)

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暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪
日時: 2017/03/19 10:06
名前: マリア (ID: CCab1VcE)

はじめまして、マリアといいます。小説初心者ですが、頑張ります!
登場人物紹介は、原作のほうは省きます。オリキャラは、小説が進んでから、わかってきたことを追加していきます。読んでくれている人にドキドキしてもらえるように、あえてオリキャラの全貌は明かさないでおきます。

〜オリキャラ〜
名前 風見 紅葉(カザミ クレハ)
年齢 12
容姿 ダークブラウンの長髪ストレート。猫目。
性格 E組の誰にでも、常に敬語で話す。少し天然。時折冷徹な一面も見せる。
勉強 頭はかなり良い。
その他 中学1年生。殺せんせー暗殺のために、軍から派遣されたらしい。

Re: 暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪ ( No.242 )
日時: 2016/03/14 00:15
名前: ヤミ (ID: 10J78vWC)

え〜











…ダメ♪

Re: 暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪ ( No.243 )
日時: 2016/07/04 17:01
名前: マリア (ID: I69Bg0jY)

紅葉side

律「みなさん。この上がテラスです」

速水「バーフロア…問題の階ね」

律「はい。ここからVIPフロアに通じる階段は、店の奥にあります。裏口は鍵がかかっているので、室内から侵入して鍵を開けるしかありません」

速水「ここからはアドリブか…」

 なるほど。全員じゃ目立つし…数人でバーフロアに入り、裏口の鍵を開ける、ってのいうが定石だろうな。

磯貝「俺たちは目立っちまうな」

 確かに、烏間先生を支えた状態の磯貝さんが潜入するのは、絶対目立つ。

片岡「先生たちはここで隠れてて。わたしたちが店に潜入して、中から裏口を開けるから。こういうとこは女子だけのほうが、怪しまれないでしょ」

烏間「だが…女子だけでは危険だ」

 そのとき、赤羽さんがポンと手を打った。

カルマ「あ〜、だったら——」

 その場の全員が潮田さんに視線を注いだ。


不破「ほら、男でしょ。ちゃんと前に立って守らないと。渚君」

渚「無理!前に立つとか絶対無理…!」

 潮田さんの情けない声が、控えめにフロアに発せられた。

渚「どうして、僕が…」

 そう言った潮田さんは、赤いチェックのミニスカートに肩だしの黒いトップス、髪にはリボンまでつけて、はたから見れば完璧に女の子。

片岡「男手も欲しいけど、こういうところは男にチェック厳しいの」

渚「だからって…」

不破「作戦なんだから」

渚「本当に?」

律「はい、本当です!」

渚「律まで…!」

 小声でのこんなやりとりも、フロア全体に響く大音響のBGMにかき消されて、周りの人たちには聞こえない。

速水「自然過ぎて新鮮味がない…」

渚「そんな新鮮さいらないよ!」

紅葉「可愛いですよ?潮田さん。よく似合ってます」

渚「…風見さんのは、悪気はないんだよね…?」

 ?

渚「やっぱ、いい…。それより、どこにあったの、こんな服…!?」

速水「外のプールサイドに、脱ぎ捨ててあった」

不破「あ〜、ヤダヤダ。こんな不潔な場所、さっさと抜けたいわ」

渚「その割には楽しそうだね、不破さん」

 なんて会話しながらも、今のところは問題なし。

 と、思っていたけど

?「ね!」

 誰かが、潮田さんの肩を叩いた。

?「どっから来たの、君らー?そっちで俺と飲まねー?金あるからー、なんでも奢ってやんよ?」

 これは…ナンパ?

 みなさんの冷たい視線が、私の真横を通り過ぎます。痛いです。

片岡「はい、渚。相手しといて」

渚「片岡さん!」

 涙目でうったえる潮田さんの耳元に、片岡さんはなにやらささやいた。

渚「うぅ…なんでこんなことに…」

ユウジ「そっかー、渚ちゃんっていうのかー。俺、ユウジな」

 ユウジさんに連れられて、潮田さんはどこかに行ってしまった。


片岡「えっと…上への階段は…こっちで間違いないわね」

?「よお、お嬢たち。女だけ?」

?「俺らとどうよ、今夜」

 またですか…

片岡「ったくもー。次から次へキリないな」

 片岡さんはつぶやいて、

片岡「あのねー、言っときますけど!」

 追い返そうとした。その片岡さんの肩を叩いて止めたのは、矢田さん。

矢田「お兄さんたち、カッコイイから遊びたいけど…あいにく今日はパパ同伴なの、わたしたち。うちのパパ、ちょっと怖いから…やめとこ?」

 矢田さんが、ボタンのようなものを二人の前にかざした。

矢田「ねだったらくれちゃって。スクバのチャームにしようかなーって」

?「失礼しましたーーっ!」

矢田「意気地なし。借り物に決まってるのにね」

茅野「矢田さん、凄い」

 ええ、本当に凄い。

茅野「へぇー。これ、ビッチ先生に借りたんだ」

矢田「凄いよ、あの人は。ヤクザ、弁護士、馬主…仕事のとき使えるからって、あらゆるバッチ揃ってるの」

茅野「そういえば、矢田さん、一番熱心に聴いてるもんね。ビッチ先生の仕事の話」

矢田「うん。色仕掛けがしたいわけじゃないけど。殺せんせーも言ってたじゃない。第二の刃を持てってさ。接待術も交渉術も、社会に出たとき、最高の刃になりそうじゃない?」

 格好いいです。

不破「おお!矢田さんはカッコいい大人になるねぇ」

片岡「みんな、あれ。辿り着いたはいいけど、見張りがいるのよね」

不破「場合によっちゃ、男手が必要かも」

片岡「そうね。茅野さん、渚呼んできて」

 茅野さんが、フロアに残してきた潮田さんを連れ戻しに行った。

岡野「なんとかあの見張り、おびき出してその隙に通れないかな」

速水「強行突破は避けたいよね。倒したらすぐバレちゃう」

 みなさん?少し…目が怖いです…

渚「一人にしないでよ〜」

 潮田さんが戻ってきた。

片岡「ごめんごめん。作戦決まったから」

渚「よかったー。早く着替えたいよ」

ユウジ「待てって、彼女らー!」

 ん?ユウジ、さん?

ユウジ「大サービス!俺の十八番のダンス、見せてやるよ!」

?「コラ、ガキ…いい度胸だ」

 あらら…

?「百万する上着だぞ!?弁償しろや」

紅葉「上着が百万円?絶対詐欺ですよね」

渚「そうじゃない…そうじゃないよね、風見さん…」

 どうかなさいました?潮田さん

?「慰謝料込みで三百万。それ払えば、半殺しで許してやる」

岡野「すみません、ヤクザさん」

 岡野さんが、男性の顔に蹴りを入れた。

 倒れた男性を、速水さんと片岡さんが少し離れた場所に移す。

矢田「すみませーん、店の人。あの人、急に倒れたみたいで。運び出して、診てあげてよ」

店員「はい。失礼しました」

 店員さんが、男性を運んで行った。

片岡「今の内!」

矢田「さぁ、君もフロアに戻って。今のこと、内緒ね」

 みなさんが裏口に入って行く中、呆然としているユウジさんに、潮田さんが近づいた。

渚「女子の方が、あっさりカッコいいことしちゃっても、それでもめげずにカッコつけなきゃいけないから…辛いよね、男子は」

ユウジ「渚ちゃん…!」

渚「今度会ったら、またカッコつけてよ。できれば、ドラッグとダンス以外がいいな」

 笑顔でそう言って、潮田さんは裏口に向かった。 

紅葉「潮田さんは、格好つけなくて大丈夫ですよ?<可愛い>は需要ありますから」

渚「どこで覚えたの、そんなセリフ!?」

紅葉「前に、図書館の帰りに二年の方に言われました。おそらく、ナンパというヤツです」

渚「そういうのは覚えなくていいから!」


殺せんせー「危険な場所に潜入させてしまいましたね。危ない目にあいませんでしたか?」

矢田「ううん!」

片岡「ちっとも」

 そこに、もとの服に着替えた潮田さんが来た。

茅野「あれ、着替えるの早いね、渚」

渚「うん」

茅野「どうしたの?」

渚「いや…。結局今回、女子が全部やってくれたし、僕がこんな格好した意味って…」

カルマ「面白いからに決まってんじゃん」

渚「撮らないでよ、カルマ君!」

 赤羽さん、いつの間に…

茅野「そんなことないと思うよ。きっと誰かのためになってるって」

Re: 暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪ ( No.244 )
日時: 2016/03/15 14:41
名前: マリア (ID: CCab1VcE)

紅葉side

「ここからは、VIPフロアです。ホテルの者だけに警備を任せず、客が個人で雇った見張りをおけるようです」

菅谷「そんで早速上への階段の前に見張りか」

 階段前に、二人の男性が立っている。

岡野「超強そう」

矢田「わたしたちを脅してる奴らの一味なのかな。それとも、無関係の人が雇った警備?」

寺坂「どっちでもいい。倒せなきゃ通れねーのは一緒だろうが」

 寺坂さんが言った。

殺せんせー「そのとおり、寺坂君。そして倒すには、君が持っている武器などが最適ですね」

寺坂「透視能力でもあんのかテメ—は」

 寺坂さんがリュックをゴソゴソやって、二本の黒い棒状のモノを取り出した。

寺坂「おい、木村。あいつらをちょっとここまで誘い出して来い」

木村「俺が!?どうやって…」

寺坂「じゃあこう言ってみ木村」

 赤羽さん、なにをささやいているんです?

 仕方なさそうに、木村さんは男性たちの側まで歩いて行った。

?「なんだ、ボウズ?」

木村「あっれ〜、脳みそ君がいないなぁ〜?こいつらは頭の中まで筋肉だし」

 …木村さん

木村「人の形してんじゃねーよ、豚肉共が」

?「おい、まてコラ!」

 そりゃ怒りますって〜!

寺坂「よし、今だ!」

 寺坂さんと吉田さんが、木村さんを追いかけて走ってきた男性に当て身を食らわせた。

 男性の首筋に棒を当てて——スタンガンから電気が流れ出た。

寺坂「タコに電気試そうと思って買っといたのよ。こんな形でお披露目とは思わなかったけどな」

片岡「買っといた、って…高かったでしょ?」

寺坂「あ、ああ…最近ちょっと、臨時収入があったもんでよ」

 歯切れが悪い。臨時収入って…何したんでしょう?

殺せんせー「いい武器です、寺坂君。ですが、その二人の胸元を探ってください。もっといい武器が手に入るはずですよ」

 彼らの懐から出て来たのは、銃。それも、本物の。

殺せんせー「そして、千葉君、速水さん、この銃は君たちが持ちなさい。烏間先生は、まだ精密な射撃が出来るところまで回復していない。今この中でもっともそれを使えるのは、君たち二人です」

千葉「だ、だからっていきなり…」

殺せんせー「ただし!せんせーは殺すことは許しません。君たちの腕前でそれを使えば、傷つけずに倒す方法はいくらでもあるはずです」

 殺しちゃいけない、なんて、甘いと思う。向こうは殺し屋——殺す気できているんだから。

殺せんせー「さて、行きましょう。ホテルの様子を見る限り、敵が大人数で陣取っている気配はない。雇った殺し屋も、残るはせいぜい一人二人」

寺坂「おおよ!さっさと行ってぶち殺そうぜ!」

律「みなさん。これより上の階も、VIP専用の非常階段を使わなくてはなりません。そのためには、まず八階のコンサートホールを通り抜ける必要があります」

 コンサートホールに侵入した。

 赤い布張りの椅子の後ろを、腰をかがめて通る。

 !

 敵発見。しかも、銃を持っている。間違いなく殺し屋だ。

パァン!!

 突然の銃声。それに続いて、殺し屋さんの声がホールに響く。

殺し屋「言っとくが、このホールは完全防音だ。お前ら全員撃ち殺すまで、誰も助けに来ねえ。お前ら人殺しの準備なんてしてねーだろ。おとなしく降参して、ボスに頭下げ…」

ヒュン…!

 速水さんの銃から飛び出した銃弾が、殺し屋さんの銃を掠めて、後ろの照明に当たった。

 そのとき、ステージ上のライトが点灯した。

 眩しい…ステージが見えない!

バァン!

 三発目の銃声。多分、速水さんを狙ったものだ。

殺し屋「一度発砲した敵の位置は忘れねえ。俺は軍人上がりだ。幾多の経験の中で、敵の位置を把握する術や、銃の調子を味で確認する感覚を身につけた」

 味って…お腹壊しますよ?

殺し屋「さぁて…お前らの奪った銃は、あと一丁あるはずだ」

殺せんせー「速水さんはそのまま待機。今撃たなかったのは賢明です」

 先生の声だ。

殺せんせー「千葉君。君はまだ敵に位置を知られていない。せんせーが敵を見ながら指示をするので、ここぞと思うときまで待つんです」

 先生?敵を見ながらって、一体どこに?

 あ…発見。シートの上。

殺し屋「テメェ!なにかぶりつきで見てやがんだ!」

殺せんせー「ヌルフフフフ、熟練の銃士に中学生が挑むんです。このくらいの視覚ハンデはいいでしょう。…では木村君、五列左にダッシュ!」

 はい!?

殺せんせー「寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に三列!風見さん、後ろに二列!」

 全員の位置をわからなくする気か。

殺せんせー「死角が出来た。この隙に茅野さんは二列前進!カルマ君と不破さん、同時に右へ八!磯貝君左に五!」

 先生の指示に従って、それぞれシートの裏を走る。

 でも、名前呼びじゃ、すぐに憶えられちゃう…

殺せんせー「出席番号十二番!」

 えっ、出席番号!?

殺せんせー「右に一で準備しつつ、四番と六番は椅子の間からターゲットを撮影!律さんを通して、舞台上の様子を千葉君に伝達!」

 指示も複雑になってきた。

殺せんせー「ポニーテールは左前列へ前進!バイク好きも左前に二列進めます!」

 呼び方もうわけわかんない!バイク好きって誰だろ?

殺せんせー「最寄り駅から徒歩五分の豪邸にひとり暮らしの人、一番後ろの列まで進んでください!」

個人情報!!

殺せんせー「最近竹林君イチオシのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとはまりそうで怖かった人、撹乱のため大きな音を立てる!」

寺坂「うるせー!なんで行ったの知ってんだテメ—!」

殺せんせー「さて、いよいよ狙撃です、千葉君。次のせんせーの指示のあと、君のタイミングで撃ちなさい。速水さんは、状況に応じて彼のフォロー。敵の動きを封じることが目的です」

 はずしたら、お二人が危ない…。そのときは、なんとかしなきゃ。

殺せんせー「が、その前に。表情を面にだすことのない二人に、せんせーからアドバイスです。君たちは今日、せんせーへの狙撃を失敗してしまったことで、自分の腕に迷いを生じさせている。言い訳や弱音を吐かない君たちは、あいつらだったら大丈夫だろう、という勝手な信頼を押し付けられることもあったでしょう。苦悩していても誰にも気づいてもらえない。でも大丈夫。君たちはプレッシャーを一人で抱え込む必要はない。君たち二人が外はずした時は、人も銃もシャッフルして、クラス全員誰が撃つかわからない戦術に切り替えます。ここにいる皆が、訓練と失敗を経験しているから出来る戦術です。君たちの横には、同じ経験を持つ仲間がいる。安心して引き金を引きなさい」

紅葉「大丈夫です、お二人なら」

 小さくつぶやいた。

殺せんせー「では、いきますよ」

 ごくっと唾をのんだ。

殺せんせー「出席番号十二番!立って狙撃!!」

バンッ!

 殺し屋さんの銃が火を噴いて——人形の額に穴をあけた。

律「狙うならあの一点です!」

千葉「OK…」

パァン!

 舞台の上の攣り照明が、殺し屋さんを襲った。

殺し屋「クソがぁ…!」

バシュッ

 殺し屋さんが銃を取り落とした。

 速水さんだ。

 みなさんが舞台へと駆け寄って、殺し屋さんをガムテープで縛る。

 速水さんと千葉さんがはにかんだ笑顔を交わしたのを見て、私まで笑みがこぼれた。

 よかった——そう思った瞬間、急に力が抜け、私の身体はドサリとシートに倒れ込んだ。

Re: 暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪ ( No.245 )
日時: 2016/03/16 18:09
名前: マリア (ID: CCab1VcE)

 紅葉side

——レハ…

 ん…うるさいな。

クレハ…——クレハ!

 赤羽、さん——?

 うっすらと目を開けると、滲んだ赤い髪が見えた。

カルマ「クレハ!」

紅葉「赤羽さん…みなさん…」

 みなさんが私を取り囲んでいる。

紅葉「何…どうなっているの…?」

渚「風見さん、突然倒れたんだ」

紅葉「私が…?」

 ああ、そうか。私、急に身体に力が入らなくなって——

紅葉「思い出した…」

殺せんせー「なにがあったんですか?風見さん」

 あれ…?先生、ウイルスのこと、知らないの?

紅葉「ずっと、調子が悪くって。敵を倒して緊張が解けて…力が…」

 朦朧とした意識が、次第に戻ってくる。

紅葉「もう、大丈夫です。ごめんなさい…迷惑をかけてしまって…」

烏間「歩けるか?」

紅葉「大丈夫です」


烏間「だいぶ身体が動くようになった。まだ力半分ってところだがな」

木村「力半分ですでに俺らの倍強え…」

片岡「あの人一人で入ったほうがよかったんじゃ…」

 ガラス戸の奥に階段が見える。あれが最上階への道か。

殺せんせー「みなさん。この上にいるであろう黒幕について、わかったことがあります」

 敵の情報収入源と、情報を得た時期、そのときの立場…くらい?

殺せんせー「彼は殺し屋の使い方を間違えている。見張りや防衛など、殺し屋の仕事ではない。彼らの能力は、フルに発揮すれば恐るべきものです」

千葉「確かにあいつ…狙った的は1cmたりともはずさなかった」

殺せんせー「カルマ君も、日常で後ろから忍び寄られたら、あの握力に瞬殺されていたでしょう」

カルマ「そりゃあねぇ」

 そのとき、潮田さんが寺坂さんに触れた。

渚「凄い熱だよ、寺坂君。まさか、ウイルスに…」

寺坂「黙ってろ。俺は体力だけはあんだから、こんなもんほっときゃ治んだよ」

渚「そんな、無茶だよ…!」

寺坂「烏間の先公が麻痺ガス浴びちまったのは、俺が下手に前に出たからだ。それ以前に俺のせいで、クラスの奴ら殺しかけたこともある。こんなとこで脱落して、これ以上足引っ張れるわけねーだろ」

 寺坂さん…

紅葉「無理は禁物ですよ?寺坂さん」

 二人が離れたときを見計らって、寺坂さんに声をかけた。

寺坂「ああ?」

紅葉「気付いてました」

寺坂「テメ—もだろ。さっきぶっ倒れたときにピンと来た。…カルマは知ってんだな。ほかの奴らが触らねーようにしてたぜ」

 赤羽さんの気遣い、私にはちょっと痛いな。

紅葉「はい、私もです。だからこそ、止めませんでした。ウイルスに侵されていたって、みなさんの役に立ちたいですもんね」

 私だって、同じ気持ちだった。だから、私のせいで時間を使ったのが、凄く悔しい…!

寺坂「ほら、行くぞ!走ってる最中に倒れんなよ!」

紅葉「はい」

Re: 暗殺教室 オリキャラ転校生在りです♪ ( No.246 )
日時: 2016/03/16 20:31
名前: マリア (ID: CCab1VcE)

・・・・・・

 部屋の入口から中を見て、烏間先生が行けと指示した。

 ゆっくりと、音を立てないように部屋に入る。

 烏間先生が銃を構え、私たちも身構えた。そのとき、

?「痒い…」

 かゆい??

 その声を聞いた瞬間、みなさんの顔がこわばった気がした。

?「思い出すと痒くなる…。でも、そのせいかなぁ…いつも傷口が空気に触れるから、感覚が鋭敏になってるんだ…」

 その人物は、床にリモコンをばら撒いた。

?「言ったろ?元々マッハ20の怪物を殺す準備で来てるんだ。リモコンだって、超スピードで奪われないように予備も作る。うっかり俺が倒れ込んでも押すぐらいにな」

烏間「連絡がつかなくなった人物は、三人の殺し屋のほかにもうひとりいた。防衛省の機密費、暗殺の予算とともに姿を消した内部の人間…どういうつもりだ、鷹岡!」

 鷹岡さん…?みなさんの表情から、いい人じゃないことはわかる。

鷹岡「悪い子たちだ…恩師に会うのに裏口から来るとは。父ちゃんはそんな子に育てたつもりはないぞ?仕方ない、夏休みの補習をしてやろう」

渚「鷹岡…先生…」

 先生!?

鷹岡「屋上へ行こうか。愛する生徒たちに歓迎の準備をしているんだ。ついて来てくれるよなぁ?お前らのクラスは俺の慈悲で行かされているんだから」



烏間「殺し屋を雇い、生徒たちをウイルスで脅すこの凶荒…血迷ったか!?」

鷹岡「おいおいおい…俺は至極まともだぜ?これは地球が救える計画なんだ。おとなしくそこのちっこいの二人に賞金首を持ってこさせりゃ、俺の暗殺計画はスムーズに仕上がったのになぁ」

 まともだって? 

鷹岡「計画ではなぁ——茅野とか言ったっけ?女の子——そいつを使う予定だった。部屋のバスタブに対せんせー弾がたっぷり入れてある。そこに、賞金首を抱いて入ってもらう。その上からセメントで生き埋めにする…対せんせー弾に触れずに元の姿に戻るには、生徒ごと爆裂しなきゃならないって寸法だ。生徒思いの殺せんせーはそんな酷いことしないだろ?おとなしく溶かされてくれると思ってなぁ」

 悪魔だ…人を何だと思っているんだろう。

鷹岡「全員で乗り込んで来たの聞いたときは肝を冷やしたが、やることはたいしてかわらない。お前らを何人生かすかは俺の機嫌次第だからなぁ」

殺せんせー「許されると思いますか…そんなマネが…」

鷹岡「これでも人道的なほうさ。お前らが俺にした非人道的な仕打ちに比べりゃあな」

 そうか、これで人道的と言うならば、もう何も言うまい…

鷹岡「屈辱の目線と騙し討ちで突き付けられたナイフがよ、頭ン中ちらつくたんびに顔が痒くなって夜も眠れねえんだよ!」

 ナイフを突きつけた!?何したんですか!!?

鷹岡「落とした評価は結果で返す。受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。特に、潮田渚!俺の未来を汚したお前は絶対に許さん!」

千葉「背の低い生徒を要求したのは、渚を狙ってたのか」

吉田「完璧な逆恨みじゃねーか」

 潮田さんが、鷹岡さんにナイフを突きつけて…屈辱を受けて…鷹岡さんの評価が落ちて…逆恨みして…ああ、もう!わけわかんない!

カルマ「へぇ。つまり渚君は、あんたの恨みを晴らすために呼ばれたワケ。その体格差で勝って、本気で嬉しい?俺ならもっと楽しませてやれるけど?」

寺坂「いかれやがって…テメ—で作ったルールの中で渚に負けただけだろうが!言っとくけどな!あのときテメ—が勝ってようが負けてようが、俺らテメ—のこと大ッ嫌いだからよ!」

 ちょっと、お二方、あまり彼を刺激しては…

鷹岡「ジャリどもの意見なんざ聞いてねぇ!俺の指先でジャリが半分減るってこと忘れんな!」

 鷹岡さんは、ヒステリックに怒鳴り散らした。

鷹岡「ちび、お前一人で登って来い。この上のヘリポートまでな」

茅野「渚、ダメ、行ったら…!」

渚「行きたくないけど…行くよ」

 潮田さんは、そう言って先生を茅野さんに預けた。

渚「あれだけ興奮してたら何するかわからない。話を合わせて冷静にさせて、治療薬を壊さないように渡してもらうよ」

 二人はヘリポートで向かい合って立った。

烏間「鷹岡!」

 烏間先生が銃口を向けると、

鷹岡「おっと、勘違いするなよ。これは俺と潮田渚君との大切な時間を邪魔されないためだ」

ドォン…!

 爆音が轟き、私たちがいる場所とヘリポートとをつなぐ階段が爆発した。

鷹岡「これでもう誰も登って来れねぇ。俺のやりたいことはわかるよな?この前のリターンマッチだ」

 潮田さんの足元に、対人用のナイフが置いてある。

渚「待ってください、鷹岡先生。戦いに来たわけじゃないんです」

鷹岡「だろうなぁ。この前みたいな卑怯な手はもう通じない。一瞬で俺にやられるのは目に見えてる」

紅葉「彼は、一体誰なんですか?彼と貴方たちとの間に、何があったのです?」

片岡「アイツは…わたしたちの、教官だった人よ」

 教官だった?

岡野「ちょっとの間だけだよ」

紅葉「どういうことですか?」

 みなさんが簡単に説明してくれた。

 彼が、いわゆる暴力教師だったこと。潮田さんと本物のナイフで勝負したこと。その勝負に負けて、学校を出ていったこと。

紅葉「なるほど」

 私は彼をよく観察した。

 ガタイはいい。ただ、頭がまわるようには見えないな。

鷹岡「謝罪しろ。土下座だ。実力がないから卑怯な手で奇襲した。それについて、誠心誠意な」

 潮田さんが地べたに正座する。

渚「僕は…」

鷹岡「それが土下座かよ、バカガキがぁ!頭擦りつけて謝んだよ!」

渚「僕は実力がないから、卑怯な手で奇襲しました。ごめんなさい」

 土下座…薬を渡してもらうためとはいえ、すごくむかむかする。

鷹岡「そのあとで偉そうな口も叩いたよなぁ。『出ていけ』とか!ガキの分際で大人に向かって!生徒が教師に向かってだぞ!」

 鷹岡さんが、潮田さんの頭を踏みつけた。

渚「ガキのくせに、生徒のくせに…大人の人に、先生に生意気な口を叩いてしまい、すみませんでした。本当にごめんなさい」

鷹岡「よぉし、やっと本心を言ってくれたなぁ。父ちゃんは嬉しいぞ」

 ダメ、耐えられない!

紅葉「待ってください!」

鷹岡「ああ!?なんだお前!邪魔するな!」

 みなさんも、潮田さんも、驚いた顔で私を見ている。

紅葉「貴方、自分がおかしいと思わないんですか?」

殺せんせー「風見さん、何を考えているんです!?」

 先生が叫んだ。

 でも、気にしてられない。
 
紅葉「貴方が負けたのは、貴方が未熟だから。騙し討ちに合ったのは、貴方の警戒が足りなかったから。実力がない人にさえ勝てなかったのは、貴方がそれ以上に弱かったから。すべては貴方の過失、貴方のミス。それを恨むのはお門違い。ただの逆恨みじゃない!」

鷹岡「黙ってろ、ガキが!」

速水「これ以上刺激したらダメ」

紅葉「もういいです。言いたいことは言えたから。それより…今は、意識を保っているのが精一杯——」

 視界が眩んで、また、私の意識は沈んでいった。


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