複雑・ファジー小説
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- DARK GAME=邪悪なゲーム=
- 日時: 2012/09/14 21:51
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: 3TttADoD)
えーと同じくファジーで能力もの書いてる(打ってる)狒牙です。
今回は結構暗そうなものをしたいなということで・・・
まあ、言ってしまうと時折(多分頻度は少ない)グロイかな?
基本的には普通ですので・・・
アドバイスとか変なところ(誤字脱字)があったら言ってください
よろしくお願いします
下手に内容を説明するとネタバレみたいになるんで
一気に一話目打ちます。
そしてこの作品では文章の形式を変えてみたいと思います。
一話目 招待状
「暗いなぁ・・・」
夜道を、一人の男子高校生が帰っていた。もちろん一人でだ。
等間隔に設置されている街灯の光を頼りにいつも通りまっすぐ家に帰っていた。
高校に行き始めてもう三カ月程度経っている。二回目の定期テストが終わり、その手ごたえを塾に伝えに行った帰りだ。
辺りはもうすっかり暗くなっているが、今日はたまたま曇っているだけでまだ八時にもなっていない。普段ならもう少し明るめだろう。今は月の光すらほとんど届いていないのだから。
家にたどり着く寸前の急な坂道に青年は差し掛かった。ここだけは何年暮らしていても全く慣れることはできない。角度がそれなりに急な上、それがダラダラと百メートルも続いているのだから疲れている時にはお手上げだ。疲れる意外にここを説明することばはパッとは思い付かない。漢字で表すなら『苦』だ。しかし、苦あれば楽ありということわざもある。
息を荒くして切らしながらその坂を登りきった彼は汗で少し濡れた顔を上げた。そこには、いつも通りの自分の家の景色があった。隣にある家も普段と何一つ変わらない。
その家の門の前を通った時にチラッとその中の様子を見た。そこには、住人の一人であるまだ制服を着たままの女子高生がいた。
「あっ、先輩こんばんは」
「おー、楓じゃん。塾?」
それは紛れもなく自分の部活の先輩だった。楓と呼ばれた彼の本名は楓秀也(かえで しゅうや)。二人とも同じ高校の陸上部員だ。
といっても、楓は長距離、先輩の方は短距離だった。この時間がまさに『楽』の時間だ。
楓は先輩のことを尊敬している。なぜなら、目の前にいるこの人間は去年インターハイで優勝したからだ。距離が何であろうと関係なく、速い者にはすぐにあこがれる性格だから家がすぐ近く、というより隣の家にその人が住んでいるのは光栄だった。
ここで一つだけ勘違いしてはいけないのが、別に恋愛対象として見ているのではなく、好きは好きでもスポーツ選手のファンのような感覚だ。思慕の念よりも崇拝と言う方が近い。それほどまでにこの先輩を慕っている。
ついでに言っておくならこの人の名前は竹永叶(たけなが かな)という。
「普通科は大変だね」
重い教科書を何冊も詰め込んだ大きなリュックサックを背負って地獄と読んでもいい坂を登り終えた楓に笑いながらそう言った。
彼らが通っている高校は、体育科と普通科に分かれている。竹永の方は体育科で、楓は普通科だ。しかもこの学校は体育科の連中はスポーツに強く、普通科の連中は勉学ができるというものだ。だから地元でもかなり有名な行きたい高校ナンバー1に選ばれ続けている。
「そうですね、でもテストが一段落したんでしばらくは楽な生活ですね」
そう言うと、今度は先輩があからさまに疲れたような顔つきになった。その理由は簡単だ。夏休みは腐るほど大会がある。一年にしてインハイで優勝したのだから大会に出されまくっているのだ。相当にだるそうな顔をしている。
もうすぐ鬼の合宿と呼ばれるイベントが近づいているからだろうか?
「たまにさ、裏側の世界があったら言ってみたいと思うよ」
このポツリと特に重要な意味を持たない言葉が発せられたのを聞いたとき、ふとある噂を思い出した。いや、都市伝説というべきかな。内容はこんなものだ。
真夜中は気を付けないといけない。特に招待状を受け取ったなら。
招待状は突然現れる。血のように紅い封筒にどこまでも続く深い闇のように冷たい黒い紙に『You are invited』と白く描かれた紙が入っている。
それが招待状だ。そこでは夜な夜な残酷なゲームが行われているという。
まあ、この話はまだそこまで出回っていないので、元からそういうのに興味の無い先輩が知るはずもないからただの愚痴だと思ってスルーしようとした。でも、自体は思っている以上に深刻だった。
「なんかさっきポストを見たら真っ赤な封筒が入ってたんだ」
これを聞いた瞬間にはまだただの世間話だと思って普通に接していた。
だが、その一秒後にまたしても噂を思い出した楓は硬直した。それでも、先輩はその封筒がどういうものなのか説明しているからこっちの違和感に気付いていないが、楓の胸の中では胸騒ぎがしていた。
先輩は、その中からどす黒いハガキを取りだした。そこには、やはり文字が書いてあった。
『You are invited』
これが視界に入った瞬間、瞳孔は一瞬にして開いた。そこには、幽霊を連想させるように白い字でそう書かれていた。
かく汗の中に冷や汗が混じる。これではまるで噂と同じだ。
「後ろにも変なことが書いてあるのよね」
そう言って今度は紙をひっくり返した。そこには、今受けた衝撃よりもさらに強いショックを与える文が書いてあった。
『おめでとうございます。あなたはご当選いたしました。裏の、闇の世界へのペアチケットです。あなたと、もう一人誰かをお誘いください。何、迷うことはありません。隣家の後輩で結構です。[げえむ]は今晩の八時から、次の日の午後八時まで行われます。それまでにもう一人の方とご一緒しておいてください。』
背筋に悪寒が走った。この内容を見る限りこれの差出人は明らかに先輩を狙っている。隣家の後輩とはまず俺で間違いない。
怪しい雲がさらに月の光を隠すようにもうもうと寄ってくる。ふと時計を見るともうすでに時刻は七時五十九分を示し、秒針はもう・・・
十二の文字にかかろうとする瞬間だった。
秒針が五十九秒から六十に動いて行く。その動きがとてつもなくスローに感じられる。体は、ピクリとも動かなかった。
刹那、手紙から迸った漆黒の闇は叫び声を上げさせる暇なく一瞬で楓と竹永を包み込んだ。グチュグチュと妙な音を立てて闇の繭を作り、ゆっくりと地面に溶けていくように小さく下から萎んでいった。
続きます
第一章 鬼ごっこ編
>>1>>2>>3>>4>>5>>6>>7>>9>>10>>11>>13>>14>>17>>18>>19>>20>>21>>22>>26>>27>>29>>30>>33>>36>>37>>40>>41
>>42>>48>>49>>50>>51>>52>>55>>56>>57 総集編>>60
第二章 日常—————編 募集キャラ>>70
>>61>>64>>65>>66>>67>>68>>69>>72>>73>>76>>79 総集編>>80
第三章 楓秀也編 プロローグ>>81
>>83>>85>>89>>91>>94>>95>>96>>97>>99>>100>>103>>104>>105>>106>>110>>111総集編>>112
第四章 氷室冷河編
>>113>>114>>115>>116>>117>>118>>119>>122>>123>>124
コメントしてくれた人です(一度でもしてくれたら嫌でも載ります。すいません・・・)
ryukaさん「小説カイコ」「菌糸の教室」「壁部屋」の作者さん
千愛さん 総合掲示板の方でお仕事なさってます
赤時計さん「花屑と狂夜月」「他人の不幸は毒の味」の作者さん
ゆヵさん 「SNEAK GAME」「めいろ」の作者さん
- Re: DARK GAME=邪悪なゲーム= 第三十五話更新 ( No.56 )
- 日時: 2011/10/31 22:23
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: ORsSFBrg)
第三十六話 登場、ヴァルハラの使者
手元にある一つの木塊を見つめる。表示されているのは、もちろんのごとく『OUT』の三文字。次に、ジェンガから一本引き抜いて、名指しされた人間が死ぬこととなる。
ゆっくりと、そこに手を伸ばしていく。だが、まるで遥か彼方にあるように、そのジェンガには手が届かない。倒したらだめだと自分を律して、カタカタと振るえるその右手を抑えつける。
目には涙がうっすらと浮かび、もう少しで声を上げて泣き出してしまいそうなほどだ。落ち着かせようとしても落ちつく訳が無い。大切な仲間が、横にいる者が自分のせいで死ぬかもしれないという恐怖は、一概の女子高生には重すぎるプレッシャーだった。
これまでどれほど大きな大会でも、生まれる緊張は全て打ち消して臨んできた。だが、今回のこれはどうだ?いつになっても収まるような気配が無い。頭を抱えて躊躇し続ける以外に何かを起こす活力なんて無かった。
「怖い・・・」
敵であろうと味方であろうと誰かの命を奪ってしまう、その重圧が小さい一人の人間に重くのしかかる。生にすがる一筋の光は次第に、他人の命を奪うというおぞましい恐怖にかき消されそうになる。
いっそ、自分の名前でも引きたい気分だった——。
「竹永・・・」
そんな空に閉じこもった状態に陥った竹永に楠城はできるだけ優しく声をかけた。ここで最も恐れている事は、ジェンガの倒壊による竹永の敗北。それは、誰とも知れぬ被害者よりも標的が確定されている死。
それを防ぐために楠城は声をかけたのだが、あまり耳に入っていないようだった。強い感情は彼女の五感をことごとく奪っていた。目の前の景色が見えていながらも意識として頭に入っていないような感覚。
「聞いているのか?」
もう一度、少し声を大きくして話しかけてみるが応答しようとする気配はまるで無い。駄々をこねる子供のように他人の言葉は伝わっていない。
これ以上似たような声で竹永に呼び掛けるのは無理と察した斎藤は強硬策に出た。
「聞いているのって訊いているでしょ!」
お互いの間合いを、歩み寄って詰め寄らせ、すぐそこの場所から大声を張り上げる。普通の人間なら軽く驚くところだが、錯乱している彼女にはほんの少し何か聞こえた程度にしか響かなかった。
「くよくよせずに早く引きなさいよ!何を怯えているの!絶対にイクスの名前を引いてやると思うのよ!まさか・・・ここにきて殺してしまうのが怖いとか思ってないでしょうね?良い?こいつらはもうすでにその禁忌を侵しているのよ。それへの制裁だと思いなさい!」
激を入れるために斎藤は腹から力を絞り出し、激励の怒号を上げる。間近で聞いている竹永は、ポカンとした顔つきになる。だらしなく口は開き、目は丸くなっている。
単純なショック療法だが、それだけで彼女は吹っ切れたようだ。氷室と向かいあっている時のように凛とした強い顔色、それを見た斎藤は満面の笑みを浮かべて背中を押した。
「さあ、やってみなさいって」
今度はしっかりと、パーソンジェンガに向かって立つ。どれを選ぶかは、これから考える。
—————考えろ、考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ—————
「こういう時に、楓ならどうするっけ?」
こういう時は楓はできるだけ良い方向に考える。どのようにみんなを死なせずに、みんなの名前を引かずに済むかではなく、どうしたらイクスの名前を引き当てるかを考えるはずだ。
だが、どうやって引き当てる?その方法が出てきそうで出てこない。後少し、もう少しのところまで出かかっているのに、最後の一歩が踏み出せない。何か自分で言ったような気がしないでもない。
『いっそ、自分の名前でも引きたい気分だった』
「それだ!」
自分の取るべき札がようやく分かった。真っ直ぐ、竹永は自分の腕を伸ばす。生に向けて、現実に帰るために。淀み無く、歪み無く、震えることなく真っ直ぐに。その姿には、イクスも何だか考え込んでしまった。とある事に。
「私が取るのは・・・十一段目の真ん中の一本」
今積み上がっている高さは十二段、位置で言うと十一段目は相当に上の方だ。そもそも最初にあったのは、十階層。最初の位置よりも高いことになる。
「そういうことか・・・竹永も考えたな」
楠城もようやく彼女のしようとすることを悟る。唯一悟ることのできていない斎藤は表情に疑問符を浮かべる。よって、楠城が解説を入れた。
「最初にあったのはたった十段、つまりそれよりも上にあるあのブロックは一度引いている。二回目に引いたのはお前だ。覚えているだろう?あの時名指しされたのが誰かを」
斎藤が目を見開いた。確かにそれなら、確実に被害者を狙っていける。これは確かに最良の策。その抜かれた木に刻まれる名は、間違いようの無くイクスという片仮名三文字。
「・・・・・やっぱり」
緊張の糸が切れたように竹永がその場に座り込む。顔からは生気が抜けたように真っ青だ。駆け寄った斎藤が支えとなり、姉のように優しく包み込んでいる。
「あ〜あ、イクスも死んじゃうのか〜。どう気分は?」
「清々しいな、こんな時なのに。アダム様・・・あなたは生きて下さい」
「もっちろん」
その浮かれた雰囲気に迎合するようにアダムの冷やかしのような文句が入る。だがそれに対して冷静にイクスは返した。あなたは生きてくれと。
当然のことのようにアダムは了解する。その次の瞬間、楠城が黒の天井に向かって問うた。
「で、俺たちは生きて帰れるのか?」
「その説明は私がしよう」
アダムに答える暇すら与えずに、間髪を入れずに一人の青年のような者が現れた。すぐ傍に楓と氷室を連れているが、その二人も何が起きたか理解していないのか、驚愕の表情を浮かべている。
「まずは自己紹介だ。私のことはヴァルハラの使者と覚えてくれたら結構だよ。楓秀也、竹永叶、楠城怜司、斎藤麗美、氷室冷河」
続きます
_______________________________________________
ついに、あいつが登場。正体明かす気無いね、これじゃ。
さて、冗談抜きでもうすぐ一章完結・・・っていつの間にか参照500だ・・・
人によっては少なく見えても俺にとっては多いんです!
やべ・・・字数が・・・じゃ、次回に続きます。
- Re: DARK GAME=邪悪なゲーム= 第三十六話更新 ( No.57 )
- 日時: 2011/11/01 20:27
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: ORsSFBrg)
第三十七話 Return to the daily life
「ヴァルハラの・・・使者?誰だ?」
至極当然の疑問を楠城が口にする。竹永もそれを一拍遅れてそれを訊こうとしていたが、先を越されたので口をつぐむ。斎藤を含むその三人が比較的落ち着いていたのに対し、楓と氷室は呆気に取られていた。
なぜか、その理由は当然。竹永達は知らないだろうが、二人は市街地でぼうっと突っ立っていたらいきなりこんな所に飛ばされたのだから。それも、合った事の無い男に連れられて。
「私の名前?どうでも良いことだろう。一つ言うとしたら私はお前たちの味方だ」
ヴァルハラの使者と名乗る彼は、古めかしい言葉を流暢に使いこなす。いつの時代の人間だろうかと思うほどだ。
しかしそこには嘘を吐いているような堅苦しさが含まれてはいなかった。このげえむのおかげでそのような能力は育ったらしい。
「味方?あまり信用できないのだけれど?」
少しずつ落ち着きを取り戻してきた氷室も、舌戦に参加する。いきなり現れた上に、敵側ではないとも断言できない。その点を追及していこうと楠城達に持ちかけるように、侵入者に吐き捨てる。
「ふむ・・・では仕方ないな。では、私が知りえる情報ならば一人一つずつ、好きなものを教えてやろう」
信用を得ようとしているのか、彼は申し出る。一人ずつ、知りたいことは何でも教えてやると。だが、だからと言ってどうなるのかが分からない。今何か訊いてそれに答えることが敵対しない表明になるとは到底思えない。
最初に、その提案を受け入れたのは他ならぬ楓だった。不信感という刺々しい感情が立ち込める中、彼一人が信用したかどうかまでは分からないが、毒味感覚で訊いた。
「俺たちは、一体何に巻き込まれたのか」
必要最低限、知りたいことだけを簡潔に述べてその他の言葉の一切を排除して淡々と、単調に言う。やはり少しは不信の念があるようだ。
だがそうだとしても、彼は眉ひとつ動かさずに質問に答える。
「お前たちは、人類と神々、それらの生き残りを賭けた戦争に巻き込まれた」
その瞬間、その空間に微妙な雰囲気が浮き彫りになる。神々?このオヤジいい年して何言っているの?と、憐れむような色が目に浮かぶ。
その中でも冷静に事をそのまま理解しようとしているのは、質問者たる楓だった。そんなことを彼が納得しているのはそういう風に突飛な説明でも付けない限り、こんなげえむなんてできる訳がないのだから。
「では・・・敵の名前は何だと言うんだ?さっきのアダムとかいう奴か?」
それに便乗して問いただし始めたのは楠城。少しでも信用するための条件を得るには、もし相手が向こうの一味だったとすると、仲間の情報を明け渡さないだろうというもので、答えたのならば信じられる。先刻申し上げた通り、自分たちには多少の嘘を見抜く力はついている。
「敵は聖騎士団。ボス一人とアダムの使者総勢26人が配下としてついて・・・今は24人だったか。合計で25人だ」
やはり、嘘を吐いているようには見えない。ひとまずこの瞬間だけは信用しておくことにした。
次に質問したのは竹永であり、もうその頃には彼女も半分以上彼は信用するに足る者だと思っていた。
「げえむって何なの?」
「げえむはだな・・・人間の中でも有力な者どもを強くするという大義名分の下その実大量殺戮するための方法だ」
根本的な、今まで行われていた邪悪な遊戯のことについての質問だった。そして発覚する、一番最初にアダムが言った、強くするという言葉は偽りであり、危険因子を片付けるだけだと。
「そろそろ時間が無くなってきているぞ・・・訊きたいことが無いのなら、くだらないことでも良いぞ」
それを耳にした氷室はふと思いつく、ずっと、心の端に引っ掛かっていた何かを外したいと。だが、そんなプライベートなことを知っているかあやしいが、口にしてみた。
「楓が昔・・・小学校の頃あんなことをしたとは思えない。その、訳を教えて欲しい」
どうせ知らないだろうと半分諦めつつ訊いてみたが、思いの外彼は知っていた。なぜそんなことを知っているのか考えると少し気味が悪いが、とりあえず教えてもらうことにする。
「全員の前で言うのとお前一人に伝えるの、どちらが良い?」
即答する、もしも自分が信じられたら胸の中にしまっておきたいと。そうでない時は、全員に意見を求めたいと。
パキンと、乾いた音が彼女の脳裏に響いた気がした。その時、楓の当時の記憶が、起きたことが次々と蘇る。何も言わないことから察するに、納得ということなのだろうか。
斎藤が、やはりあまり気にしていないことを口にした。ほとんど好奇心のようなもので訊こうとしたのだが、答えようとした瞬間に、あの感覚がする。
「ねえ、あなたのほんみょ・・」
その瞬間、あの空間転送が始まった。時間が来たと、男は呟く。そして、斎藤と楠城の姿が消えた。
「安心しろ、現実に帰っただけだ」
何か問いただされる前に男が先に口を開く。残された三人にも、転送が始まりかけている。最後に口を開いたのは、氷室だった。
「二人とも、また明日にでも・・・会えたらいいな・・・」
ギリギリでそれを耳に入れたすぐ後に、視界が真っ白な光に包まれた——。
ふと、背中に柔らかなものが当たっている感覚がする。それも、いつも感じているような。瞼は重く、疲労感もかなりのものだ。うっすらと、ゆっくりと目を開けると見慣れた天井という景色が飛びこんできた。
「ここは・・・俺の部屋?」
帰ってきたのは一日ぶりの我が家。すぐ傍に置いてある時計に目をやる。げえむの始まった翌日の朝らしい。
ここまでやって夢オチとかは勘弁だよと、身支度を始めた。半分、夢だったことを期待して。そんなことがある訳が無いのに。
再び非日常に向けて加速しているが、彼の日常は再び、掌の中に舞い込んできた。
もう一度時計に目をやると、指していた時刻はいつも自分の起きるよりも三十分早い時刻。カーテンを開いた彼は朝日を体いっぱいに浴びた。
また今日も、いつも通りで、全く同じものの存在しない日々が続いていくのだと、平和と安全、安堵をその心の中で噛みしめた。
第一章鬼ごっこ編完結、第二章に続きます
____________________________________________________
ついに来ました、第一章完結。
詳しい振り返りや後書きは次回の総集編にて。
その後はまたしても更新ペースががくりと落ちちゃいます。
言うても週一か週二で更新しますけどね。
では、次回に続きます。
- Re: DARK GAME=邪悪なゲーム= 第一章鬼ごっこ編完結 ( No.58 )
- 日時: 2011/11/03 20:05
- 名前: 赤時計 (ID: u5ppepCU)
第一章お疲れ様です!
総勢25人だったのですか・・・使者が多い多い(笑)
というより最後に出てきたヴァルハラの使者さんかっこいいですねぇ・・・げえむって怖い
夢オチだったとしても、楓君・・・でしょうか?どっちでしょう。彼が感じたことは本当のことですよね・・・
第二章では、一体どのような戦いが起こるのでしょう?あまり多い時間にPCにいられなくなりましたが、楽しみにしております!
- Re: DARK GAME=邪悪なゲーム= 第一章鬼ごっこ編完結 ( No.59 )
- 日時: 2011/11/04 18:46
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: 86O5cclD)
そうです、使者が多いんです。
幹部以外は考えてませんでしたからね。
いや・・・幹部も2か所穴が開いている・・・
ヴァルハラの使者は名前が気に入ってますね、俺は。
本名はまだ言えませんので伏せておきます。
げえむはできるだけ『死』に直結する内容に一章は仕上げました。
二章は死に関わらないということになっております。
夢オチかどうかは二章ではっきりします。
二章は一章と比べて出来がどうなるか自分でも分かりませんが頑張ります。
その前に今から総集編だということで、書いてまいります。
おそらく今日中に出来ます。
- Re: DARK GAME=邪悪なゲーム= 第一章鬼ごっこ編完結 ( No.60 )
- 日時: 2011/11/05 19:16
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: 1Nlxg6y3)
- 参照: 第一章の総集編でございます。
さてと、まずは形式を紹介しておきます。
あれです、ライトの方でたくさんの人がやっている台本書きのあれです。
ていうかシリアスの方で一回してみたからあんまり抵抗は無いので始めましょう。
ここから先は楓と竹永に任せます。
楓:という訳でいきなり始めます。三十話超えてて字数足りるか分かりませんので。
竹永:途中はしょってもどうなることやら・・・
楓:じゃあ、一話目から参りましょうか。この回は俺と先輩の初登場の話ですね。
一話だから当たり前なんですけど。そこで、都市伝説などの説明も入りました。
竹永:その都市伝説知らなかったから周りの誰かが撃たれるまで何かのイベントだと思ってたのよね、私。
二話でいきなり出てきたアダムが、お決まりのおふざけ口調第一回目のルール説明が入りました。
楓:この時楠城さんも同じく初登場です。一個細く入れると最初のアダムはちょっと硬い話し方でした。
竹永:そしてげえむが始まって、いきなり楠城さんも撃たれちゃって、楓の提案で空港に行ったのよね。
そこで骨が消滅する生々しい惨状を見せられて・・・あれは正直ゾッとしたわね。
二度と出たくないとも思った瞬間でもあったわ。でもその次の瞬間に
楓:俺が外に出るって言ったんですね。でもって鬼をもう少し減らしたと。
竹永:そんなこんなで氷室初登場。ところであんた氷室と何があったの?
楓:えーと、そのうち二章か三章か終わったらやるんじゃないですか?
竹永:なるほどね。じゃあ次ね、コイントス編が始まったわ。この辺りは全く知らないから楓に頼むわ。
楓:コイントスでは斎藤さんが初登場です。最初は本当にOLとかだと思ってました。
今にして考えるとあれが一番酷いげえむだったのかも。運任せにしてる奴に生還の可能性は無い。
しかも、一人目は状況把握ができないのだから生き残ったら奇跡。
最終的に一回当たりを引き当てたおっさんは死んだと思われます。
竹永:で、帰ってきた時に二人になっててこっちはびっくりしたわ。
そして、才能が配られたわ。はっきり言って楓と氷室ぐらいしか関係無かったけど。
そしてその辺の話でヴァルハラの使者が初登場ね。物語の核心に迫るところがてんこ盛りよ。
楓:そうして、VSアダムの使者みたいな話が始まりました。
最初に出てきたのはジール。熱い性格で短気で考えなしに突っ込む。
このげえむには出ない方が良かったかと思われます。
そして最後は喚くようにして絶望を感じるように死んでいきました。
竹永:次に出てきたのはイクスね。イクスはジールが死んだ瞬間にはち切れて、
人が良かった(らしい)のにいきなり暴走を始めたわ。
周囲のものを根こそぎ破壊して回り、挙句の果てに全ての弾薬を使いきったわ。
その前に楓の方からイグザムの説明を入れようかしら。
楓:イグザムは本当に子供だかよく分からないような奴でした。
無邪気にケラケラ笑った次の瞬間に冷酷な表情を見せるその姿には狂気のようなものがありましたよ。
実際にそのせいで結構翻弄されてかなりヤバいところまでいっちゃったんですけどね。
この時だけは氷室がいなかったらどうなったことか・・・
竹永:ん?氷室嫌いか?
楓:いや・・・ちょっと苦手で・・・怖いんですよね。
竹永:まあ、仕方ないか。あのバカ・・・
楓:ん?何か言いました?バカとか
竹永:楓じゃないから安心して
次の話題はイクスだったわね、こいつが最後のジェンガを無理やり始めたのよ
VSアダムの使者編が始まってからこっちは調子崩されっぱなしだったからね。
楓も私も冷静さを欠いて焦ってばっかで・・・
周りの人の焚きつけがあってようやく何とかなったって感じね。
楓:やっぱり仲間は大切ってことですか?
竹永:そうね、リレーもメンバーを信頼しないとバトンパスなんてできないし。
楓:なるほど、ミドル(中距離ランナー)の自分には関係無いですが。
そしてついにあの、ヴァルハラの使者降臨です。
こいつの正体はもう大体決まってますが、伏せときます。
竹永:うちの作者物語に大いに絡むネタバレは嫌いだからね。
楓:そして俺は日常に帰ってきた・・・と。
二章が始まるのももうすぐといったところです。
二章では一章以上に新しいキャラが出てきますよ。
少なくとも七人は居ますからね。
竹永:じゃ、プロフィールいっとくか
楓 秀也(kaede syuya) mail 15歳
BIRTHDAY:8/15
blood type:A型
height:165センチ
weight:53キログラム
policy:恋愛よりも友情優先
extra:色々と悲しげな過去があるんです。氷室事件もその一つ。
竹永 叶(takenaga kana) femail 16歳
BIRTHDAY:10/23
blood type:B型
height:161センチ
weight:49キログラム
policy:勉強よりも部活優先
extra:高校の中では絶大な(男女、異性としてもそうでなくても)人気を誇る。
また追加するかも
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