複雑・ファジー小説

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花と愛と毒薬と {episode}
日時: 2015/01/28 23:50
名前: 朝倉疾風 (ID: CA3ig4y.)

 1年弱の長い執筆がようやく終わりました。
 執筆中、朝倉疾風から夜多岬に名前を変更しました。これからもし、また新しく書くときは、この名前ですので、お見かけした際はお声をかけていただけると嬉しいです。

 小説というにはあまりにも拙く、私の私的感情を爆発させるため書いているようなものですが(所謂ストレス発散)……。
 読んでいただき、ありがとうございます。
 暇な時間があれば、また、ふらっと現れます。
 どうぞその時は、「ああ、またこの人書くのか……」と、呆れながらも読んでいただけると幸いです。



(本編)
執筆開始 2014年 2月5日
執筆終了 2015年 1月25日





 ○現在、完結後の「彼女たちの物語」を書いております。本当は書くつもりはなかったのですが(ただいま実習中)、暇なときにちょこちょこやっていくつもりです。懲りずに(笑)
 ○あと、Twitterをまたまた始めました(既に4回消してる)。IDは@moto_asakuraです。ゆるゆる始めます。いろいろと。



(彼女たちの物語)
執筆開始 2015年 1月28日





    夜多 岬 (元 朝倉疾風)




Re: 花と愛と毒薬と ( No.79 )
日時: 2014/10/16 22:06
名前: 空 (ID: zbxAunUZ)

お久しぶり。
元気? えっとね、空だよ笑

朝倉のファンの空だよ笑

お久しぶり。
えっとね、なんか9月の28で止まってるやん。
すごいなぁ、朝倉は。

なんかな、朝倉の世界観は物凄い衝撃的。一度読んだら、正直二度と読みたくないって思わせるくらい。
でも、怖いもの見たさっていうのかなー。
どうなるんだろうってハラハラして、読みたくなる。
鬱なんだよ、すっごい。
ずっと眉を顰めて読んで、うわっ、グロって思うんだけど、いや、でもやっぱ読もう、みたいなかんじ。

どうなるかわからない先の展開が、例え物凄い鬱でグロいってわかってても、それでも読みたいと思う。

人間の根本的な恐怖に訴えかけるよね笑
根本的だから、読みたくなるの。
根本的じゃなかったら、読まないよ。物凄く根本的で、かつ真理だから、鬱でもグロくても読みたくなるんだよ。

がんばれ!!!

Re: 花と愛と毒薬と ( No.80 )
日時: 2014/10/13 09:08
名前: 空 (ID: zbxAunUZ)

77の最後の一文ってさ、カオリじゃね?
ほのかになってるよー!

Re: 花と愛と毒薬と ( No.81 )
日時: 2014/10/16 21:44
名前: 朝倉疾風 (ID: CA3ig4y.)


空さん>>


 コメントありがとう、お久しぶりです。

 大学が忙しかったので、なかなか来れなかったです。
 もう10月の中旬になっておりましたw


 ご指摘ありがとう!
 そのとおり、カオリですw


 ゆったりマイペースにがんばっていきます!応援よろしくお願いします!
 

Re: 花と愛と毒薬と ( No.82 )
日時: 2014/10/16 22:04
名前: 空 (ID: zbxAunUZ)

ばかやろー、このやろー。
止まってんじゃねーよー笑

だよねー笑
よかったー、指摘間違ってなくてー。
なんか、言ったのはいいけど間違ってたらどーしょーかねーと思ってたんだよー笑
もしかしたら、すんごい伏線にあとあとなるっ!? 気づいちゃったっ!?
みたいな笑 そんなわけねーよな笑

そーか、そーか、大学が忙しかったのか。
キャンパスライフしてるんだねぇ笑
てか、なに学部?
あたし、高3なんだけどさぁ専門学校なんだよねー笑
文学部に入りたかったなぁ、まぁそれはさておき。

更新待ってるぜ、朝倉。
ファンだぜ笑

ちなみに、もう進路は決まってるぜ笑
だから後は卒業するだけなんだぁbb
あと、ただいま絶賛骨折中だぜ笑 つらいぜ笑

小説、あたしも書いてるよー笑
ここには投稿しないけどね笑 もう、カキコは卒業かなぁ。てか、朝倉がまだやってるから見に来てるだけなんだけどね笑
朝倉が書いてないともうこないよ、ここには笑
朝倉の作品、もっと読みたーい、
書き続けろーのおまじない笑

ということで、応援してまーす。
あたしもねぇ、社会派系で書いてる。今。
それがさぁ、なんかめちゃくちゃ悩んでるんだよねぇ。
完結寸前なのに完結しない感じ。ほんと意味わかんない笑

まぁ、ぼちぼち頑張るわ笑

ばい笑

Re: 花と愛と毒薬と ( No.83 )
日時: 2014/10/16 22:19
名前: 朝倉疾風 (ID: CA3ig4y.)


 6月15日は全校集会があった。受験や面接に追われるぼくたち3年生は服装チェックがいつもより厳しい。後髪の長さが首が隠れるくらい伸びているぼくは、早々に生徒指導の目に止まり、軽く注意された。適当に返事をしつつ、粟島の後ろ姿を探す。あいつも髪の色をなにか言われてるんじゃないかな。自毛にしろ、あの色は目を引くから。けっきょくぼくの立ち位置からでは、粟島の派手な毛先しか見ることはできなかった。
 集会の帰り、教室の廊下でいきなり誰かに腕を引っ張られた。引っ張られるのは好きじゃない。以前、帆乃香におもちゃのように腕を引っ張られて、不自然な角度で縛られていたから、脱臼癖がついている。反射的に振り払い、庇うように左肩を撫でた。「…………痛いんだけど」低く唸ると、引っ張った張本人はすました顔でぼくを見ている。
 中澤千秋だ。
 中澤は進学するため、3年になる際のクラス替えで一緒のクラスにならなかった。クラスが違うせいか学校ではあまり見かけない。久しく顔を合わせていなかったが、どことなく雰囲気が変わったように思える。雰囲気…………と言うと曖昧だけれど、姿かたちは特に変わりないため、やっぱり彼女の纏う空気が微妙に変わったんだろう。
 真っ直ぐにぼくを見て、なにか言いたそうにしている。正直ぼくはあまり中澤と話したくはないし、花を咲かせる話題も皆無だから、早くこの場から立ち去りたい。相手の反応を伺っているせいかお互いに無言になってしまう。このまま見つめ合っていてもしょうがない。

「久しぶりだね」

 親しげに話しかけてみた。
 中澤は軽く頷くだけでなにも言わない。なんだこいつ。耳なし芳一か。

「あの、聞こえてる?もし聞こえてたら片足上げてほしいんだけれど」
「…………」

 微妙に右足が動いた気がするけれど。本当にどうしたんだ。こんな冗談が通じないキャラだったっけか。とりあえず耳は聞こえているみたいだけれど、どうしてなにも言わないんだ。用があるのはそっちじゃないのか。中澤の意図が理解できず、首を傾げる。

「ぼくに用事があるんじゃないの?なかったなら、もう行くよ」
「用事はあります」

 なんだ。喋れるじゃん。

「ただ、どう言っていいのかわからないだけです」
「それぼくに話しかける前に決めておきなよ」
「順序だてて言うと、話が長くなるんです。だから、もう結論だけ言ってしまおうかと思って」
「はあ…………なに」
「益田帆乃香を殺したから。それだけ」

 そう吐き捨てて、くるりとぼくに背を向ける。廊下を走っていく中澤の後ろ姿をぼんやりと眺めた。涙が出ているわけでもないのに、視界がぼやける。
 頭が痛い。内側から殴られているみたいだ。周りの雑音がひどく鼓膜に響く。しょっちゅう雨音が頭の中に流れているぼくにとって、周囲の音ほど五月蝿いものはない。ああ、ああ、死にたい。
 益田帆乃香について考える。
 彼女はぼくが最初に愛した人で、心を許した人で、恐ろしい存在で、悪魔で、神様だった。あくまで過去形だ。今のぼくには必要のないものだ。けれど、幼かったぼくにとって、確かに帆乃香は絶対的な存在だった。ぼくと同じものを聴いていた彼女は、もしかしたらもう一人のぼくだったのかもしれない。ぼくと一緒に死ぬことができる、唯一の人。
 でも今のぼくにはカオリがいる。彼女が自身を傷つけてまで演じてきた「普通」に憧れた。そこまでして生きたいのかと最初は呆れたりもした。だんだんカオリが生きることも死ぬこともできずに苦しんでいることを知って、ぼくが解放してあげたくなった。
 6年前の帆乃香が、ぼくにしたように。
 益田帆乃香を殺したと中澤は言った。それが本当であれ嘘であれ、ぼくの生活になにか支障はきたすだろうか。きっと今まで通りの日常がまた明日もやってくる。
 あいつが殺されたくらいで、ぼくの未来は変わらない。

「あの人は悲しむのかねぇ」

 そっと南野さんを思った。
 帆乃香が殺されたと聞いたら、あの人はどうするんだろう。復讐に燃えて中澤にありとあらゆる拷問を行いそうだ。簡単に想像ができてしまうところが恐ろしい。それか現実を受け入れられずにいるか。永遠に帆乃香を想い、焦がれて、街を徘徊するかもしれない。そうなれば病院の患者が一人増えるだけなんだろうけれど。

「塚原、ぼけーっと立ってどうしたんだい」

 後ろから声をかけられる。振り向かなくても、それが粟島ということは声でわかった。
 反応のないぼくの顔を、怪訝そうに覗き込んでくる。白い髪が日の光にあたって煌めいた。思わず目を細める。生徒指導の先生に注意されなかったのかな。

「少し考え事だよ」
「ふうん……今日も益田は来ていないのか。不登校児になっちゃったねぇ」
「今頃眠ってると思うよ」
「今ぁ?もう昼はとっくに過ぎているんだけど。てか、どうしてそんなことがわかるのさ」
「同棲しているんだ」

 粟島の目が丸くなる。微かに唇が震えたような…………気のせいか。

「同棲?へえ…………ついに腹を決めたのか、塚原」
「ぼくはずっとカオリ一筋だったよ」
「そうか…………。うん、そうだったね」

 頭痛が引いてくる。ぼやけていた視界も鮮明に見えてきた。
 ぼくが歩き出すと粟島が少し後ろからついてくる。粟島の教室は3階なのに、どうしてついてくるんだろう。さっきの西階段を上ればよかったのに。廊下ではしゃぐ男子生徒を避けながら、ぼくの教室についた。こっちの東階段から3階に行くらしく、粟島が軽くぼくに手を降ってくる。そして、

「             」

 粟島がなにか言った。
 周りの音にかき消されてよく聞こえなかったから、首を傾げる。粟島はわざわざぼくのすぐ近くまで寄ってきて、泣きそうな顔で囁いた。

「まだ、雨は降ってるのかな」


 ザアァァァーーーーーッ ザアァァァーーーーーッ
 ザアァァァーーーーーッ ザァァァァーーーーーッ

 耳を澄ましても、塞いでいても、絶えずぼくに聞こえる雨の音。
 そうか、粟島には聞こえないのか。
 それがわかって少しホッとする。
 どうして粟島が泣きそうなのかわからないけれど、きっと、こいつはぼくを心配してくれているんだ。心配されるのはあまり慣れていない。照れくさくて、むず痒い。それに粟島がぼくのことで不安になっているのは、少し嫌だ。
 チラッと窓の外を見て、ぼくは粟島に笑いかける。

「なに言ってんだよ、粟島。外は晴れてるだろう」

 精一杯の強がりと見栄だった。ぼくには聞こえるものが、粟島には聞こえていない。幻聴だなんてわかってる。おかしいのだ、ぼくは。
 帆乃香が消えた世界でも、ぼくは生きていける。


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