複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.84 )
日時: 2017/11/27 07:49
名前: 梶原明生 (ID: ztXTCvg/)  

…「り、り、り、凛々ちゃんっ。」梅崎のテンションはマックスになった。それもそのはず。梅崎が大ファンになったAKM48の16歳JKアイドルだからだ。「美紀ちゃんから噂は聞いてました。大変だったんですね。でも私のファンだなんて光栄です。合コンは残念ながらできなかったけど、こうしてお見舞いに。これ、サイン色紙です。」嬉し涙に溢れる梅崎。「いやーっ感激だな。凛々ちゃんに来てもらうだなんて…」神原が気を効かす。「それじゃ私たち、藤高曹長のお見舞いに…二人ごゆっくり〜。」「そんな、なんだか悪いな。…」包帯した手で頭をかく梅崎。そそくさと病室を出た二人は、藤高曹長の病室を覗くのだが。…一瞬二人縦に頭を並べて、口を手で塞いだ。あの堅物剛健たる藤高曹長が、グリーンのベレー帽した女性と熱い抱擁に熱いキスをしているではないか。「キャッ。」「何だお前ら、ノックもなしに。」気づいた藤高と辛島麻里は急いで整える。「あ、いや、その、お久しぶりです藤高曹長。お見舞いに参上したまでで。」「すみません。いきなりお二人ラブラブなところを…」「ら、ら、ラブラブ…」神原の言葉に赤面が絶えない藤高と麻里。「春が速達されてて皆さん幸せで何より。うんうん。」一人悦に浸る神原。「いよいよ明後日退院ですね。おめでとうございます。」「ああ、ありがとう。原隊復帰といきたいとこだが、藤岡少佐が無理するな、事務部の手伝いから始めろだとさ。すまんな、氷川にばかり任せて。」「いえ、おかげでかなり絞られましたが。…」「こいつ。ハハハハッ」互いに笑いがこぼれる雰囲気。「それはそうと、入院中に暇があったから、あることを俺独自に調べてた。」「何をです。」「うむ、GKと株の値動き。そして、芸浄活動場所についてだ。妙なことに気づいたんだ。武力行使で破壊された建物。これらの工事費と修繕費がやけに馬鹿高い。しかもそれに伴ってある建設会社と危機管理会社の株が上がってる。」「偶然…じゃないですか。」「偶然が何十回と重なるか。しかもその二つの大企業とある政党が関わり合いが深い。その政党、何か分かるか。」「ま、まさか。」「自皆党から独立した魁党。つまり俺達芸浄陸軍のスポンサーさ。幹事長は石神大佐と懇意の西島潤一郎。まさに俺達は彼にとって漁父の利というわけだ。」「でも、あくまで仮説でしょ。まさかそんな。」「俺もそんなと言いたいよ。だが諜報部の情報と照らし合わせるとビンゴなんだよ。」…続く。



Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.85 )
日時: 2017/11/27 12:14
名前: 梶原明生 (ID: sdLb5.Z4)  

…「では上に報告を。」「うむ、もう少し詰めをやってからな。まだ仮説の域を出てないから。と、忘れてた。紹介しよう、事務部上等兵の辛島麻里だ。見られて隠すのも何だから。実は彼女とは結婚を前提にお付き合いしているんだ。」長谷川が敬礼する。「これは失礼いたしました。曹長夫人となられるお方でしたか。」「そんな、曹長夫人だなんて、私。…」赤面する麻里。「こら、嫌みみたいだぞ。長谷川二等…いや伍長。」「すみません。」終始和やかにお見舞いは済んだ。すると長谷川伍長のスマホに緊急電話が入る。「はい、今すぐ作戦会議室に。了解しました。」「輝さんどうしたの。」「うん、氷川曹長からだよ。全機動チーム集合だって。美紀ちゃんは特待室で待ってて。」「うん、わかった。」私用車を走らせて急遽芸浄陸軍本部に戻る長谷川伍長。既に氷川曹長が登壇し、パネルを使って作戦説明が行われていた。「集まってもらったのは他でもない。諜報部の尽力で、河田、桜等への尋問によりGKすなわち芸能の牙団の本拠地が判明した。埼玉県K地区にある大富豪別邸だ。」写真にはGoogleearthの衛星写真をアップ。広い敷地に頑丈なコンクリートの館に広い庭。別邸と言うよりまるで施設だ。「問題はその大富豪だが、彼は元俳優にして元芸能プロダクション社長だった苅田博嗣だ。」「バカな…」一同がざわついた。無理もない。彼は最初の芸浄隊発足時に逮捕されて服役中のはずだからだ。「どうりでGKボスの正体が掴めないはずだ。」氷川曹長が語気を強める。「明後日10:15より、浄化作戦行動を開始する。」全隊員に武者奮いの志気が高まる。作戦の詳細について下達が始まった。盗聴していた佐藤は、早速女子トイレ前まで行き、スマホを取り出すのだが。「あの子が殺されたら…」呟きながら止まってしまった。倉持少尉が物陰から出て数人で確保するはずだったのだが。「何ためらってるんだ。」「はっ、幕張君。」「やっぱりな。予感はあったんだよ。あんたがGKのモグラだってこと。上から聞かされてないけど俺には分かるんだ、何となく。情報漏らされたくないけど、漏らさなくてやつらに消されて欲しくもない。渡米して行きずりのガールフレンドと関係持っても何一つ満たされなかった俺が、唯一空っぽの愛を埋めてくれたのは君だった。正直に言う。君が好きだ、誰よりも君を愛してる。」後ろから抱きしめる幕張。佐藤ともあろうことか、スマホを床に落とす。…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.86 )
日時: 2017/11/27 20:37
名前: 梶原明生 (ID: 7yy7LYdx)  

…「バカね。裏切り者を愛してどうするの。」「どうだっていい。現に君は躊躇してたじゃないか。」「上官命令よ。私にキスしなさい。」「喜んで…」佐藤の肩を回して振り向かせた。「梓…」そのルージュのかかった柔らかな唇に吸い寄せられる幕張。前へ出る部下を倉持は腕を上げて無言で制した。しかし佐藤が気がつく。「く、倉持少尉。それに警務隊。」「えっ」「佐藤上等兵。諜報部の私が何故警務隊と直々に来たかわかるな。君はあるまじき重大な罪を犯した。それはわかっているな。」「はい。」警務隊員が手錠を出すと幕張が立ちはだかった。「待ってください。彼女は…」「いいの。」「は…何言ってんだよ。…倉持少尉、まだ逮捕は待ってください。今見てたんでしょ、彼女連絡しなかった。」佐藤は遮る。「いいって言ったらいいの。ありがとう。あなたのことは忘れない。倉持少尉、手錠を。」「そんな…」幕張を無視するように警務隊員は彼女に手錠をかけて連行した。膝が折れる幕張の姿を通りかかった長谷川、橘、木下、氷川達が見かける。「幕張。」長谷川は彼の肩を掴んでいたわった。そして翌日。傷心覚めやらぬ中、突入作戦の準備と訓練に明け暮れはじめる。氷川曹長が激を飛ばす。「わかっていると思うが、今回はGK本部に突入作戦を敢行する。芸浄隊始まって以来初めての大規模な戦闘になるだろう。不足の事態に備えねばならん。従って各自訓練と準備を徹底しておくように。」「了解。」一斉に取りかかる氷川班と全班。96式装甲車、LAV高機動車、UH−60ヘリなどが勇壮と並び、訓練場では完全武装の芸浄隊員が89式小銃、MP−7機関拳銃、シグP226E2拳銃、M24狙撃銃などを装備し、整備点検そして訓練に明け暮れた。ついにいよいよこの時が来たのだ。小脇大尉、倉持少尉、藤岡少佐に石神大佐までが直々労いに姿を現す。「うむ、頼もしい。これぞ誇らしい我が芸能界浄化陸軍だ。君達こそが主人公。共に私も戦うぞ。」「おうっ」石神大佐の訓示に全班一斉に掛け声をかける。…次回「最終決戦(反撃)」に続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.87 )
日時: 2017/12/01 19:54
名前: 梶原明生 (ID: ztXTCvg/)  

「最終決戦(反撃」 前夜…今日は早く上がった。しばし各班に自由時間を与える藤岡少佐。(ただし制限付で。)情報統制は完璧にしなければならない。恐らくGKはまだ佐藤梓の拘束を知らないだろう。刑務所に苅田博嗣の確認をしたいが、下手に動けば感づかれれる。全ては明日の勝負だ。とは言え、それぞれの隊員が思い思いに過ごしてる。PX横で談笑する者、スマホで家族や恋人と電話する者、様々だ。氷川曹長は別居中の妻子を訪ねていた。「安心しろ。離婚届を持ってきただけだ。」玄関前で帰ろうとしたのだが…「菜々にも私にも、あなたは必要よ。」「パパっ。」氷川に抱きつく娘。するといきなり離婚届を破きはじめた。「お前何故…」「もう一度。もう一度だけチャンスをあげる。」「京香…」親子三人思わず抱き合った。その頃長谷川は久々大津市膳所に住む母に電話していた。「あれ、おばあちゃん。母さんは。」「あれ、輝かい。まぁ久しぶりやね。お母さん、ちょっと待って。」祖母が母に代わる。「もしもし、輝。あんたなに、電話もせーへんで、どないしとったん。ちゃんと食べてる。」「うん、ごめん母さん。忙しくてな。元気してる。」「してるけど、あんたえらい様子おかしくない。」母とは怖いものだ。我が子には直感が働く。「実は…」小声で母にだけは打ち明ける長谷川。「というわけで明日、苅田博嗣っていう悪い奴を捕まえに行くんだ。」「えっ…」受話器を落とす母。「母さんどないしたん。」「いや、ごめんね。つい」「苅田博嗣って名前出したら何で落とすん。」「いや、その、…輝、あんた行ったらあかん。」「何で、母さんらしくないやんか。何で…まさか。」母に父のことを聞かされなかった記憶と今が重なった。「そんな嘘やろ。」暫く頭が真っ白になる長谷川だった。その頃藤高曹長を見舞いに石神大佐が訪れていた。「明日退院だな。おめでとう藤高曹長。」「ありがとうございます。おかげさまで…しかし、お話ししておきたいことがあります。」「どうした、改まって。」「西島潤一郎のことです。」藤高曹長は覚悟して話した。「バカなっ。」日頃冷静な石神大佐も、思わず病室の壁を殴ってしまった。「心中お察しします。ですがこれが真実です。」「わかった。藤高曹長。明日私と共に国会に乗り込んでくれるか。」「昔を思い出しますな。芸浄隊発足時を。喜んでお供します。」彼等もまた、違う戦いを芸浄隊員と共に覚悟した。…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.88 )
日時: 2017/12/02 00:47
名前: 梶原明生 (ID: MqiTTCa3)  

「ブレイクタイム」…ここで登場人物の身長比を示したいと思います。

長谷川輝…180センチ。
神原美紀…151センチ。
藤高利行…165センチ。
石神奈留人…179センチ。
氷川貞春…184センチ。
藤岡健…185センチ。


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