複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.119 )
日時: 2023/12/02 22:20
名前: 梶原明生 (ID: u3utN8CQ)

・・・「原因は何ですか。」「わからん。遺族の話では学校でのイジメもなかったそうだ。突然の自殺に御両親と薔薇さんも困惑しているそうだ。聞いてるか藤高。」「ああ。ところで高倉、彼女の様子はどうだ。お前は鼻が効くんだよな。彼女になんの匂いを感じる。」彼女の息遣い、汗の臭いを嗅ぐ高倉。「斥候隊が流鏑馬競技する感じですかね。」キョトンとなる彼女。勿論暗号で、「怯えているが、何かを決心して仇をとろうとしている雰囲気。」と言いたかったのだ。「やっぱり。俺の推理が正しければ、彼女が新幹線を選んだ理由は、この新幹線に菜奈実さんを死に追いやった仇がいるからだ。」「何ですって。」「女の子一人で出来るはずがない。と言う事は・・・」倉持が察する。「遺族が乗っているのか。多分父親。」「ああ、間違いない。父親が仇を取った後、東京駅で俺たちに身分を明かして彼女を保護してもらおうと言う手筈だろう。」高倉が彼女を見やる。「あなたの名前まだ聞いてなかったよね。」「杉咲杏梨です。」「そう、杏梨ちゃんて言うんだ。私は高倉早紀。藤高曹長と倉持大尉はこの人。覚えてね。」スマホの写真を見せた。「はい、わかりました。」「とにかくあなたを今から保護します。いいね。」「はい。」迷う顔になる杏梨。藤高から提案が。「高倉の場所はエントランスに近いな。今から移動してエントランスで落ち合おう。」「了解。さぁ、行こう。ここは危険だから。」杏梨を先に行かせてエントランスに入った。知らぬフリで藤高、倉持も移動する。「君が杉咲杏梨さん。」「はい。ご迷惑おかけしました。」「ま、その話は後だ。先ずは米原駅に着く前に。」「わかってる藤高。あの阿佐ヶ谷姉妹だろ。」「そう言うこと言うな。後は頼んだ。」藤高がナイフ片手におばさんを脅して座ってる先の殺し屋のところに来た。「菜奈実を見つけた。」動画を見せる藤高。「いいだろう。さすが芸浄隊員だ。京都駅を出てようやく見つけたか。」「その人と交換だ。一緒に来てもらう。」「いいだろう。」続いて二人の2席開けて座っていた若い男も連なっってきた。「なるほど、合わせて三人か。」心でつぶやく藤高。昇降口付近で仕掛ける。「あれ警察官だな。」「何・・・」言って後ろを向いた隙にいきなり横鉄槌をこめかみにヒットさせた藤高。脳震盪で倒れた隙におばさんを引っ張って保護。「テメー何・・」他二人の殺し屋がナイフを取り出すと、すかさず、肩掛けのバッグで刃物を叩き落とし、そのバッグを刺させておいて、斧蹴り。そして縦拳突きを放った。急いでエントランスへおばさんを連れて逃げ走る藤高。「ハァハァ、あ、ありがとうございます。何とお礼を言ったらいいか。」「いやいやどういたしまして。」「警察の方ですか。」藤高が隊員証を翳す。「芸能界浄化部隊の者です。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.120 )
日時: 2023/12/03 19:36
名前: 梶原明生 (ID: .tpzY.mD)

・・・「そうだったんですか。すると、河合薔薇さんの件で。」「そうです。ですがもうご安心ください。」「ありがとうございます。でも薔薇さん、屋上から飛び降りされたんでしょ。可哀想に。」「ええまぁ。・・・」「あの、私、東京で薬剤師しています早稲田杏子と申します。お手伝いできることがありましたら言ってください。」「わかりました。ですが東京までは彼女とここにいてください。それから。」何やら話し込む藤高。時を置かずして、五人ほどの輩がエントランスに入り込んできた。アイコンタクトをする倉持と藤高。ただの乗客のフリして通過しようとすると、隠し持っていた拳銃で杏梨を撃とうとするが、次々撃たれたのは殺し屋の方だった。腕を組んでジャケットの下に拳銃を持ち、そのまま横目線だけで照準して撃ったのだ。「あーあ、折角の一張羅が。」倉持が悪態つく。「やむおえんだろ。俺だって。」「ばか、俺のスーツはブランドもんだぞ。」「会計課に衣料費請求だな。」軽口たたくも、杏梨と杏子は怯える。「し、死んでる・・・」「気にしないで。悪いのはこいつら。正当防衛だよ。おっと、財布にSUBUSAカンパニーのカードが。やはり。・・・来たな。後三人生きてたの忘れてた。」先程倒した三人が酷い形相で追いかけてくる。「大丈夫だ倉持。あいつらだけは拳銃を持ってない。」「じゃあ古風に。」「ああ、古風に。」勢いこんで襲ってくる殺し屋を真正面から薙ぎ倒す藤高達。大乱闘の末、回転後ろ蹴りでドアに倒す藤高。「お前らには生きて語ってもらう。」そこへ車掌さんが血相変えて入り込む。「な、な、何事ですかこれは。」隊員証を見せる三人。「芸能界浄化部隊の者です。直ぐに滋賀県警に連絡してください。それから、直ぐに滋賀県警に死体と犯人を回収させますんで、新幹線は予定通り発車してください。芸能浄化法の範疇です。」「わ、分かりました。」車掌は直ぐ様滋賀県警鉄道警察を出動させた。米原駅では既に騒ぎになっている。「撮らないで、撮らないで。なんでもないから。」藤高達が必死に牽制するが、野次馬は引かない。「お掃除用具は滋賀県警から借りた。お掃除お掃除。」血のついた床や壁面を綺麗にする。「さてと、このまま東京駅まで無事行ければいいんだが。」発車した車内で一抹の不安を抱える藤高。新幹線は岐阜羽鳥駅を抜けて名古屋へと向かっていた。その名古屋駅では、ピンク髪にパンクロックファッションの女二人が、新幹線をホームで待っていた。「ちゃ、ちゅ、ちゃ、姉貴ん、いつから姉貴、姉貴穴子、いや殺し。」「いも、いも、いいいいいいもてよ、いやいもとよ、え、井本、いや妹、菜奈実殺せってよ。」奇怪な会話をする奇妙な姉妹から遠ざかる客。「何見てんだコラっぶっぶっぶっ殺されるかあんっ」妹の態度に殴る姉。「しずかちゃんにしろや、妹。ばれんだろが。」そうこうしてる内に新幹線が入り込む。「いったーい姉ちゃん、遺体の死体になんだろが、な、な、何、ら」「行くよ。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.121 )
日時: 2023/12/05 12:49
名前: 梶原明生 (ID: aOtFj/Nx)

・・・そこだけまともになる姉。藤高が倉持達に耳打ちする。「見たか、あのピンクねーちゃん。」「ああ。今度はえらく目立つ格好で来てくれたな。しかも女かよ。」「ああ。随分後方から乗ったから俺たちのいる場所まで時間かか・・」「来ちゃったよ。」先程のピンク髪姉妹が既に近づいていたのだ。しかもアイスピック型の剣と同時に。「いつの間に。」第一撃を躱す藤高。「あーあー、避けちゃダメでしょ男の癖に。」「どうしてすぐにここだとわかった。」「あたし達、勘が鋭いの。ひゅーーーっ」奇声と共に両手のアイスピック剣を振り翳す。すぐさまバッグに刺させると、特殊警棒を抜く藤高達。「へー、銃使わないんだ。随分フェミニストなこと。」執拗に髪留めにして持ち込んでいたアイスピック剣で刺しにくる。「ハハハっ男の癖に強いやつ嫌い。」そう叫んで姉妹は客席側に逃げた。「このまま逃げ走ると思うか藤高。」「俺は思わんな。」「ならあいつらまた来るぞ。」そう話している内に、新幹線は三河安城駅についた。何事もなく発車するが、直ぐ様平穏は狂気と変わる。「来たぞ。」今度は髪留めに隠すことなく、30センチはするアイスピック剣を持って走る姉。「ん、妹はどうした。まさか。」そのまさかだ。後方から妹が来て、まさに挟み撃ちである。高倉が初めて参戦することに。「高倉っ」「私は大丈夫です。早くそいつを。」「わかった。」特殊警棒対アイスピックの応戦である。華奢な割にかなり力も強いピンク髪。藤高が姉の手首を粉砕し、もう片方のアイスピックを手摺りに引っ掛けて落とした。倉持の足刀蹴りの豪刀が決まり、内臓破裂して倒れ込む姉。高倉もまた、関節技で妹の手首を折って悲鳴を轟かせた。「ギャーーーッ」インシュロックで拘束する藤高と高倉。息を切らす三人。浜松駅で静岡県警に引き渡した。エントランスでつい座り込む三人。「全く、疲れるぜ。藤高、これで危険手当いくらだ。」「たしか1日に付き690円。」「定食一食分の命かよ。」息を切らしながら笑い合う三人。「倉持、それはそうと、次の掛川駅静岡駅までに探し出さないか。」「ああ、殺し屋相手に忘れてた。そんじゃ聞きますか。」おもむろに立ち上がる三人。「杉咲さん、あんたに聞きたいことがある。もしかして、この新幹線に河合薔薇さんの遺族が乗ってるか。」「何の事ですか。」「右肩をすくめたね。それは真実を突かれたから不安が増した証拠。今のうち全部話した方がいい。河合薔薇さんのお父さんだね。」瞳孔が動かないのを見透かして、藤高が路線変更してみる。「好きな人か。」「えっ・・・」「瞳孔が動いた。君、素直でいい子だな。」「どう言うことだ藤高。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.122 )
日時: 2023/12/05 01:16
名前: 梶原明生 (ID: gYh1ADSg)

・・・「俺たちは重大な勘違いをしていた。確かに父親なら、殺してやりたいだろう。だが、菜奈実さんを愛していた若者なら、尚更そのバイタリティは旺盛だ。菜奈実さんの恋人だね。しかも君とも親しい。そう、言うなれば同じ高校のクラスメイトとか。」急に泣き出す杏梨。「すみません嘘ついて。こうするしかなかったんです。菜奈ちゃんは、巣房社長の孫、巣房岳彦にレイプされた挙句、写真をばら撒かれたんです。それが元で自殺を。蒼太先輩は救えなかった自分に責任を感じてました。たまたま偶然蒼太先輩に匿ってもらい、今日の計画を知りました。それならと、仇が一致した私達は、先輩が東京に逃げる岳彦を追って殺した後、私が芸能界浄化部隊に保護してもらう計画を立てました。」溜め息を吐く藤高。「またもや若者が犠牲に。・・・わかった。君達の気持ちは俺達が引き受けた。後は芸能界浄化部隊に任せるんだ。君達まで犯罪者になってはいけない。奴らにはキツい罰を俺達が下す。いいね。」「はい。」「彼の名は。」「並川蒼太です。私の通う高校の二年生です。」スマホの写真を見せる杏梨。直ぐ様藤高が動いた。車両の乗客を見るが、殺し屋はいないようだ。やがてグリーン車に潜入し、ボディガードらしい四人の男に囲まれて不自然に座る大学生らしき男がいた。今風の若者で、横着な座り方している。そしてその後ろに窓外は見ているが、明らかに殺気満々の高校生らしき青年が座っていた。藤高はいきなり彼の隣に座る。「新幹線から見える景色も悪くないな。しかしこの景色の中にも、魑魅魍魎は潜んでいるから厄介だ。」「あの、どなたですか。」「俺か。杉咲杏梨ちゃんのお友達だ。」悟った蒼太は、直ぐ動き出すものの、藤高の左手で自分の左腕を捕まれて抑えられ、身動きできない。「しーっ、俺は味方だ。」隊員証を見せる。「げ、芸浄隊。」「そうだ。河合薔薇さんのことで動いてたんだが、その事で君達の件にも遭遇してね。菜奈実さんのこと、辛かったよな。」泣き出す蒼太。「わかった。わかったからこの車両を出よう。」彼の肩を支えて後ろの扉まで連れて行く藤高。「何だ、変なやつら。」岳彦は鳴き声に反応したが、気にも留めずスマホゲームに戻る。「おおっと、二体ゲット。」出口付近で泣き崩れる蒼太。「何でだっ何であんたら邪魔するんだ。菜奈実も薔薇さんも助けられなかったくせに。菜奈実は・・・菜奈実は俺の全てだった。なのにあいつはのうのうと生きてる。ぶっ殺さなきゃいけないんだ。」「それでも・・・」藤高はかつての実優さんのことを思い出していた。また悲しい物語を紡がなければならないのかと、悔しさ、悲しみ、そして怒りの涙を流した。蒼太は改造拳銃を取り出していたが、辛辣な藤高の涙に驚愕する。「あ、あんたは・・・」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.123 )
日時: 2023/12/05 01:46
名前: 梶原明生 (ID: k5z4h8lv)

・・・「いいだろう。おれもかつて愛する人を芸能界に奪われた。君の代わりに俺が仇を取る。」改造拳銃を握って取り、懐に入れる。「この拳銃は俺が持ってたんだ。君はたまたま東京に傷心旅行に出た。そうだな。エントランスに行け。杏梨さんが待ってる。」驚愕した蒼太はもう何も言えなかった。再びグリーン車に入った藤高は形相修羅のごとく岳彦のもとに歩いていく。・・・その頃静岡駅では、給仕とスタッフを三人従えたブランドスーツに身を包んだ男が、即席の小テーブル前に座りながら即席の外出用紅茶セットで、茶を啜っていた。手には白い手袋。まさにイギリス紳士を地で行くような姿だ。ブランドメガネを中指で上げながら、高級懐中時計を取り出す。「うん、そろそろだね。」「はい、白金様。巣房様からのご依頼ですから。」「わかっているよ草宮。あの下品な小娘共は失敗したんだろ。あんな下衆な輩を雇う巣房様も巣房様だ。初めから私を呼べば丸く収まったものを。あんな品のない輩と比べて欲しくないものだ。私なら品のある気品高い仕事を仕上げると言うのに。」「確かにその通りでございます。白金様はプロ中のプロ。しかも頭がキレると言うもの。必ずや荒くれ者等片付けるのは容易いかと。」「草宮、よく言った。ハハハッ」未だ東京の旅路は長いと見える。「後悔」終わり。次回・・・「知略と死闘」に続く。


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