複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.124 )
日時: 2023/12/08 11:51
名前: 梶原明生 (ID: 2DtFjIhe)

「知略と死闘」・・・・・・・・無言で睨み散らす藤高は、岳彦を無言の威圧で制する。「な、何だよこいつ。何してる、こいつを始末しろよ。」「おい、あんた、坊っちゃんに何の用だ。」肩掴んだ手を握りしめて逆間接に取り、激痛を走らせた。「ギャー、何なんだこいつ。」肘鉄打つと同時に顔面に裏拳打ちを喰らわす。一斉にボディガードが動くが、藤高の敵ではなかった。「芸能界浄化法の宣言第四節。芸能界は、正当な浄化執行に逆らってはならない。お前らは俺に盾ついた。従って武力を持って浄化執行する権限を有するっ。」語尾で岳彦の腕を叩き折る。「ギャーッ、な、何だよ、こんなのこじつけじゃないか。訴えてやる。お前なんかお爺様が・・」「ご心配ご無用。お前は訴えられない。今から死ぬからな。」先程の蒼太が持っていた改造拳銃を取り出し、岳彦の胸を靴底で抑えつけて額に銃口を付ける。「やめろ、やめてくれ、金か、金なら欲しいだけやる。だから助けて。」「河合菜奈実さんの時も助けたか。お前を助ける理由なんてない。」バンッと銃声が響くと、岳彦は白目剥いて失神する。貫かれたのは座席シートのみ。顔を引っ叩いて岳彦を現実に戻す。「はい笑って。ニッコリ。ほらチーズ、パシャってか。」「な、な、な、何なんだよ一体。」怯えきった岳彦が必死に聞く。「ん、お前散々女の子で弄んで悪さをしてきたろ。ならお前も弄ばれるべきだ。お前の悪行と今たっぷり小便垂らしてる姿をSNS、X、TikTok、YouTubeに流してやった。訴える前にお前は社会から抹殺だ。」「やめろーーーっ。」発狂する岳彦。藤高の敵ではない。扉の方を見ると、蒼太が涙ながらに立ち尽くしていた。「仇は取ったぞ。」彼の肩を軽く掴む藤高。同時に名古屋駅に入る。愛知県警警察官が乗り込んでくる。「先程お知らせした通りです。後はよろしくお願いします。」「わかりました。ご苦労様です。」彼等は岳彦達を連行していった。一件落着、となればいいのだが、厄介者がまた舞い込んできた。白金である。逆方向からグリーン車に入ってきた。何と手を叩きながら。「いやいや、素晴らしい。あれだけのボディガードをたった一人で料理し、岳彦と言うデザートまで仕上げるとは。いやはや素晴らしい。しかも、レイプ犯を警察に突き出すとは。まさに芸能界浄化睦軍の鑑だ。」「貴様誰だ。」「あ、これはこれはもうし遅れました。私、巣房社長のフリーランススイーパーでして。」銀の名刺ケースから一枚差し出すものの、受け取るはずない藤高。蒼太を守ろうとする。「おやおや、受け取ってはもらえませんか。それは残念。私はスイーパーです。あんな下品な殺し屋とは違います。私が必要なのはそちらの菜奈実さんらしき方が持っているUSBが必要なのです。どうぞエントランスデッキにお戻りください。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.125 )
日時: 2023/12/16 17:58
名前: 梶原明生 (ID: pgLDnHgI)

・・・制圧しようかと迷ったが、話しているだけで、何も襲撃して来ない相手を手にかけるわけにもいかない上、後ろには保護すべき民間人もいる。シグP226E2拳銃に手をやりながら、急いで後ろに後退していく藤高。エントランスデッキにて倉持達と合流した。「藤高、話の一部始終は聞いた。どうする。」「今までのは襲撃はあった。制圧するには問題ないが、あいつ何一つ手出ししてこない。厄介なやつだ。」「相手の出方を待つか。」「ああ。それしか手はない。今のこの状況も、芸能界浄化法違反スレスレだからな。」そう話しているうちに、泣きながら抱き合う蒼太と杏梨。「何としても彼女等を守らないとな。」「ああ、そのつもりだ。」固く誓う藤高と倉持。高倉もそれは同じだ。「しかし、待てよ。さっきのピンク姉ちゃんからはスマホや端末を没収したよな。何故あいつ俺たちがエントランスデッキに籠城してると分かった。」「そりゃあ、あれだろ。ピンク姉ちゃんが連絡したんだろ。」「そうかな。そんな履歴はなかったが。」「勘が鋭いとかかんとか言ってたろ。多分新幹線に乗る前に別の端末で知らせて捨てた可能性だってある。考えすぎだ。」倉持に言われたものの、腑に落ちない藤高。高倉を睨む。そんな矢先、堂々真正面から給仕を従えた白金がやってくる。「これはこれは、誇り高き芸能界浄化睦軍戦士の皆さん。お初にお目にかかります。私、フリーランスのスイーパーをしております白金と申します。この者は執事の草宮。今日は折り入って皆様にお話ししたいことがございます。まぁまぁそんな目クジラを立てずに。あちらの席は手前四席以上空いてございます。紅茶でも飲みながらお話ししませんか。」睨む藤高が答える。「断ると言ったら。」「それは非常に残念な結果になります。この先の車両のどこかに爆弾を仕掛けてあります。もしかしたらそれが爆発するかも。」「貴様、何考えてる。そんなことしたらお前らも・・・」「ご心配なく。そのような浅ましいことをこの私がするわけありません。一人死ぬくらいの小さな爆弾です。多分新幹線の音で掻き消され、回りも何事かと勘繰る程度。しかし。,・・・その一人も犠牲にできますかね。正義の芸浄隊の方々が。」一番来てほしくないシナリオだったが、どうすることもできない。「いいだろう。ただし、席指定は俺たちが決める。」「ええ、お好きなように。」紳士的に案内する白金。藤高が指定する。「あんたはそこに座れ。・・・杉咲さんと並川君と早稲田さんはそちらに。倉持、高倉、お前らは前後で。」「了解。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.126 )
日時: 2023/12/19 20:28
名前: 梶原明生 (ID: z5NfRYAW)

・・・それぞれの席に着くと、早速給仕が手際良く紅茶の準備を始める。どれも英国製の高級茶器だ。「私はどんな時もね、ティータイムを楽しむことを欠かさない主義でしてね。マカロンなんかいかがです。」給仕から差し出されるが、無視する藤高。高倉もまた、食べずに三人にも手を出さないよう指示する。早稲田は郷愁の目でマカロンを見る。「美味しそうなお菓子ね。私四人の子供がいるの。一番下が、まだ12歳の女の子でね。食べさせてあげたいな。」高倉は悲しい顔になる。「もうすぐ会えますよ。私達が守ります。」「ありがとう、高倉さん。」そんなやり取りを聞きながらも藤高は白金の話を聞いていた。「大丈夫ですよ。なんなら給仕に毒味させましょうか。」「是非頼みたいね。」給仕は手際良く毒味用マイカップを取り出して紅茶を少量移して飲んだ。「んー、中々の味ですよ。高級茶葉を使用してますから。」「ほら、彼等が保証したよ。次は君達だ。あ、おかわりいいかね。」余裕かます白金。「実を言うと私もね、芸能界にはうんざりしていたんだよ。正直君達と同じ考えさ。不浄芸能界を一掃する。うーん、なんて素晴らしい理想なのかと感動したくらいだ。だから君達のファンなんだよ。だから私もスペシャルボーナスを用意した。芸能界三悪人のうち、滝島、茶川の不正の証拠を差し上げよう。」白い手袋の指先にUSBケースを摘んで掲げた。「それが本物と言う証拠は。」「では。」パチンと指を鳴らし、草宮にパソコンを引き出させる。「確かめていただこう。」倉持がアイコンタクトして、パソコン画面を睨む。「これは・・・」「どうした、倉持。」「俺達が喉から手が出るほど欲しかった奴らの不正の動かぬ証拠。間違いない。」白金が割り込んでくる。「でしょ。私は嘘はつきません。ではそちらの証拠を・・・」「待った。」藤高が遮る。「確かあんた俺達のファンとか言ったな。ならこちらのUSB含めれば不正芸能界の三悪人を葬れるんだ。渡してもらおうか。」「それは贅沢が過ぎると言うもの。交渉に応じないなら・・・」スマホを翳して親指を唸らせる。「待った。」藤高が引き止める。「杉咲さん、渡してくれ。」「嫌で・・・」ウインクする藤高。「ありがとう。嫌だけど渡してくれて。」ポケットにあった全く関係ない私物のUSBを、さも杏梨から貰ったような仕草を見せる。再びアイコンタクトを倉持に向ける藤高。「これがそうだ。」「そう来なくては。」渡そうとした瞬間、倉持と共に両手を掴んだ。「何の真似です?」「あんたみたいな奴が二重三重の保険を持たないはずはない。茶器を持つのに何で時計を見た。」焦った顔になる白金だったが時遅し。肘掛けに叩きつけられて叩き割られ、スマホも手早く取り上げた。と同時に毒味の給仕の腹を足刀蹴りする藤高。・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.127 )
日時: 2023/12/19 21:34
名前: 梶原明生 (ID: yZSu8Yxd)

・・・席を立って彼の右ポケットから起爆用のスマホを取り出した。「毒味させたのは安全か確かめるだけじゃない。それが本物と言う証拠はとお前らを一人一人見ながらさっき言ったろ。あれはお前等の反応を見たんだ。その時右ポケットに微かに反応を示した給仕はお前だけだ。毒味用のマイカップを他のやつは右ポケットに入れてたのにお前だけ左ポケットから出した。しかも左ききでもないのに。そりゃそうだよな。右ポケットには大事な起爆スマホが入ってたからな。そして・・・」悔しがる給仕と白金。しかし。「よくも私の注射針を叩き落としたな。」何と、襲ってきたのは草宮だった。「この五人は素人だとわかってた。本命の真のスイーパー、いや、知略の殺し屋はあんたの方だってな。でなけりゃ白金にまだ抵抗されてたはずだ。」「当たり前だ。その子は私の大事な実の息子だ。」「パパ、痛いよ助けてよ」「情け無い声出すなみっともない。こうなったら力ずくだ。」手を交差させ、何本も持った注射針を蟹足みたいに構えて投げる。特殊警棒で薙ぎ払い。シグ拳銃で構える。「撃てよ脳なし。撃てば他の乗客に当たるぞ。」「ご心配なくパパ。」と言った藤高倉持は下加減に撃って脛横の脹脛を撃つ。「グアーっき、貴様らーっよくもっグ、グハー。」断末魔の叫びで痛がる。「バカな公務執行妨害するからだろ。正当防衛だ。」インシュロックで後ろ手に藤高が拘束しつつ、倉持が駆血して救急包帯を巻く。時刻は既に「静岡駅」手前に来ていた。白金達は怯えきって高倉の拳銃を前に大人しく手を上げている。倉持が声をかける。「高倉、ナイスチームワーク。」「いえ、とんでもないです。ありがとうございます。」静岡駅に着いた。事前に連絡を受けた静岡県警の刑事や警察官が入ってくる。草宮達を逮捕するものの、静岡県警の刑事は訝しげにする。「まぁ、逮捕はするがね。あんたら警察官でもないくせにこんな真似事して、ただで済むと思うなよ。こんなことは警察の仕事だ。後は我々に任せればいいだろ。」「その警察が芸能界の不正を暴き、河合薔薇さんを救えたか。」「おい、藤高、やめろ。」倉持が藤高の腕を掴む。「わかってる。」刑事は舌打ちしながら退散。「ちっ、ど素人のくせに。」彼等と行き違いで、周囲からは一目置かれる巨人が入ってきた。ざっと見て身長195センチは下らない。2メートルの大男である。バスケの選手かと思われているようだが違う。れっきとした殺し屋だ。「ラスボスたる俺まで駆り出されるとは。とんだ失態だ。今に見てろ。俺がミンチにしてやる。」拳を鳴らす巨人。一方、一安心の藤高達はエントランスでくつろいでいたが、高倉を呼ぶ。「倉持、すまんが五分ほど一人で警護いいか。」「ああ。だが何だ。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.128 )
日時: 2023/12/20 18:04
名前: 梶原明生 (ID: nj0cflBm)

・・・「ちょっとな。」そう言って出口付近に彼女を誘う。「何でしょうか。」しばらく話し込む二人。「酷い、あんまりです。私が情報流すわけないじゃないですか。」・・・次回「曇天の霹靂」に続く。


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