複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.69 )
日時: 2017/10/10 23:30
名前: 梶原明生 (ID: 0zy7n/lp)  

…翌朝芸浄隊本部では早くから氷川班が芝生のグラウンドで格闘訓練に励んでいた。「橘、倒す時は真正面に向けて足を掛けるんだ。わかるか。」「はいっ、長谷川伍長。」彼は得意げに一人前の指導をしてる。しかしその横でナイフや拳銃の格闘訓練している幕張二等兵の相手役を巡り、女性隊員が争っていた。「はいはい順番ね。じゃあ、君から。」「キャーッ。」らしからね態度でキャピキャピする女性隊員。「あいつ…」業を煮やした長谷川が歩み寄る。「こら、幕張。女性隊員の格闘訓練は別だろ。しかもお前ら、二等兵に何媚びてんだ。上等兵だろ。」気分だだ下がりの女性隊員を尻目に幕張二等兵が割り込む。「児童ポルノにうつつ抜かしてる頼りない伍長のご指導なんて誰も聞きませんよ。」「何だと幕張っ…」 「失礼いたしました長谷川伍長。今のは撤回します。ですが…果たして伍長ほどの実力はおありでしょうか。何ならお相手いたしますが。」生意気な二等兵を睨みつける長谷川。「いいだろう。かかってこい。」幕張二等兵は身長180でイケメンの、肩にギリギリかからない長髪。しかしヒョロイ感じもあり、完全に長谷川は叩きのめして根性叩き直すつもりだった。しかし…「テヤーッ。」縦拳突きを顔面ヒットのつもりがかわされる。続いて回し蹴りを放ち、後ろ蹴りを入れるも半長靴を掴まれ、足払いをされて不様に芝生に倒れる。「アハハハッ。」笑いをこらえきれない女性隊員達。「い、今のはまぐれ当たりだ。今度こそ…」言い訳しつつも、やはり翻弄されて最後は十字固めでギブアップ。「あれ、先輩。根性叩き直すんじゃなかったんですか。」「うるさいっ、痛たた…クソッ罰だ、89式持ってグラウンド10週っ。つつ…」「仰せのままに。」肩を押さえて座り込む長谷川は悔し紛れに言い放った。「ハハハハッ。さすがの伍長も形無しだな。」「ひ、氷川曹長。」「うむ。生意気だがなかなかキレる男だな。新人隊員でトップの成績を誇るだけある。おまけに女にモテるとあってはお手上げだ。だがそれが弱点にもなる。そろそろ引き締めんとな。安心しろ、私に比べたらまだまだ18のひよっこ。何とでもなる。」「は、はぁ。」氷川曹長の言葉にしばし訝しげにする長谷川伍長だった。「緊急出動発令。緊急出動発令。各芸能界浄化隊員は速やかに出動準備に入れっ。繰り返す…」警報と共にアナウンスがスピーカーから流れて赤色灯が回りだす基地内。氷川、長谷川達に久々の緊張が走る。「訓練中止っ」…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.70 )
日時: 2017/10/16 20:45
名前: 梶原明生 (ID: 70vEHkeO)  

…氷川曹長の怒号にグラウンドにいた隊員全員が心引き締まる思いで走りだした。各自装備室に入り、ピクセルグリーンの迷彩服の上にタクティカルベスト一式と肘膝パッド。タクティカルグローブに無線セット、88式鉄帽にヘッドセットを装着して次に武器庫を目指す。「ほらよ、ホロサイトにライト付89式だ。持ってけ泥棒ってな。」盗撮魔の例の武器庫係が長谷川達に手渡す。「いつもすまん。」「今度アイドルと合コンだぞ。忘れんな。」長谷川に続き梅崎も参加する。「生きて帰ったらな。」「当たり前だ。」軽いやりとりして高機動車LAVや96式装甲車のある車庫に向かった。氷川曹長が既に待機している。「詳細を下達しておく。枕営業に不正契約で芸能人を搾取していたGK傘下の事務所が再三の更生命令を無視し、最後通告を報告しに行った芸浄隊事務部の隊員を人質に取り、立てこもってる模様だ。説得は警察が行っているが、突入はSITではなく、我々芸浄隊に任された。よって今から現場に急行する。各自所定の車両に乗り込め。芸浄隊に恥じぬ氷川班であれ。以上だ。」「押忍、押忍、芸浄隊おーっ。」独特の掛け声と共に、各自車両に乗り込む隊員達。シャッターが開いてエンジン音を轟かせながらオリーブ色の車両が次々走り出した。その頃久々お休みをいただいた神原は自宅のベッドにやる気ない体を横たえていた。「何よ、あの佐藤って人。あの人さえいなければこんな鬱鬱しなくていいのにな。あんなナイスバディで大人な人と比べたら私なんてまだまだ子供だもん。輝、靡かないか心配。」呟いた矢先、スマホが鳴り出した。「あれ、河田さんからだ。」不思議に思いながら電話に出る。「やぁ、美紀ちゃん。今から出られるかな。窓から下を見て。」「えっ…」神原は言われるまま窓辺に立った。すると、専用タクシーで家の真ん前に来ていた河田がスマホ片手に手を振っている。にこやかで爽やか笑顔がより輝いて見える神原だった。「あ、その…うん、わかりました。行きます。」速攻で身支度し、鏡に自分の女らしさを確認してから玄関に向かった。「よし。なんだか、凄く気分いいな。」呟きながらドアを開ける。「お待たせしました。」「おう、美紀ちゃん。相変わらず可愛いね。今日はお泊まりデートだよ。」「えっ、…どういう意味ですか。」突然の衝撃に戸惑う彼女だった。…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.71 )
日時: 2017/10/19 16:47
名前: 梶原明生 (ID: 99wOCoyc)  

…「どういう意味かって。今日はあの佐藤っていう秘書みたいな女性について止めどない話しがあるからさ。さっ、乗って。」その言葉に神原は目つきが変わった。「わかりました。行きます。」タクシーは二人を乗せて早々と走り去った。その頃現場では既に向かいのビルの捜査本部に、氷川曹長はじめ長谷川伍長達数名が現れていた。「芸浄隊の方々か。」「いかにも。只今参上というところです。」本部長が応対した。「冗談は抜きにしてくれたまえ。ま、君達の出番はないと思うが一応待機していてくれ。君達は殺すことしか考えない連中だからな。」「どういう意味です。」長谷川伍長が食ってかかろうとしたが、氷川曹長が抑える。「待て。」「これは失礼した。今のは撤回するよ。さて君達の待機場所だが、この階のすぐ上のフロアが空いている。とにかく邪魔しないでくれないか。」はじめから警察は芸浄隊を蚊帳の外にしたいらしい。「わかりました。では何かありましたら待機場所までお願いします。」「ああ、そうしてくれたまえ。」苦汁を飲む思いで上の階に登る氷川班。「いいんですかあんなこと言われて。中に捕らわれてるのはうちの隊員ですよ。捜査本部と合同じゃ…」「堪えろ長谷川。所詮警察と芸浄隊は水と油だ。それより機材を稼働させろ。我々は我々で独自に情報収集する。かかれ。」「了解。」隊員達は速やかに行動を開始した。「犯人はどうやら逃走用のワゴン一台と、五千万円を要求している模様です。」橘二等兵が答える。氷川曹長が中指で銀縁メガネを押し上げながら言う。「妙だな。」幕張二等兵が聞く。「何がです。」「人質籠城事件で、この手の要求は大概失敗の元だ。それをGKほどの連中がやるはずはない。なのに何故。」「きっとGKの中でもズサンでバカな連中なんでしょ。考えすぎですよ。」幕張二等兵はキザに前髪を手で後ろにかきあげながら言った。「ならいいんだが。」腕組みしながら考え込む氷川班長。「それより、是非とも突入班に俺を加えてください。腕なら氷川班長もご存知でしょ。実戦投入を夢に見てたんですよ、お願いします。」「幕張、本気か。」「本気です。」「いいだろう。ただし後方担当だぞ。」思わずガッツポーズを取る幕張。「了解しました。」そうしているうちに動きがあった。「ワゴンと五千万円用意したそうですが…ワゴンの運転手と数名の警察官が撃たれたもようです。」「何。…」モニターに注目する氷川班。「今すぐ突入準備。」「了解。」…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.72 )
日時: 2017/10/19 19:05
名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)

こんばんは、マルキ・ド・サドです。
梶原明生さんの小説を読ませてもらいましたがストーリーがとにかく面白いです!
新感覚な発想、登場人物のやりとり、かっこいい銃火器の活躍。
壮絶な戦闘シーンも胸に響きました。

この先の展開が楽しみ過ぎてドキドキしています。
これからも頑張って下さい!

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.73 )
日時: 2017/10/21 17:07
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)  

マルキ・ド・サドさん、ありがとうございます。芸能界の惨憺たる現状を見た時。そして最愛のアイドルを夭折で亡くした時、失意の中「もし、これを変えるスーパーパワーがあったなら。有志の仲間がいたら…」そんな発想で閃いたのが芸能界浄化部隊です。「自分の果たせなかった志を次世代の若者に見て託す。」そんなテーマも盛り込んでいます。期待通りかはわかりませんが、これからの彼らの交わりによる化学反応がどういうストーリーを紡ぎ出すのか。考えながら話を進めたいと思います。 梶原明生より。


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