複雑・ファジー小説
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- 芸能界浄化睦軍
- 日時: 2015/12/29 01:57
- 名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)
芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。
一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。
一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。
一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。
一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。
芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.59 )
- 日時: 2017/08/11 01:42
- 名前: 梶原明生 (ID: W4UXi0G0)
…「な、なんでもないよ。こんなの今時洒落で100円ショップでも売ってるし、ネット通販でも出回ってるよ。ちょっとしたジョークで買ったまでだから勘違いしないでよね。」「ああ、そうなんだゴメン。」「とにかく帰るよ。」佐藤は麻理に辛く当たった。しかしその後麻理の切願により、上司もやむなく翌日には石神大佐より正式に許可を貰った。佐藤が横槍を入れる。「あんた、やっぱり藤高曹長のこと…」「な、なに言ってるの。私はあくまで事務部を代表して功績を労い、身の回りのお世話にと…」「嘘ばっかり、顔赤いわよ。あの朝入院したと聞いたあなたのそわそわぶり、どう見たって藤高曹長に恋する乙女って感じだったわよ。」「そ、そんな。私…」「もうバレバレだって。行ってきなよ麻理。」「ご、ゴメンねあずちん。」佐藤に促された麻理は、赤面して病院に向かった。その頃神原は忙しい日課をこなし、来月公演の舞台挨拶をしていた。当然のごとくマスコミが詰めかけ、質問合戦が繰り広げられる。「ねぇねぇ美紀ちゃん、今日は総選挙だけど、ファンに謝罪しないの。不味いよね、芸浄隊員と付き合ってて芸浄隊本部で逢い引きしてたってね。」あの週刊朝企の内野が馴れ馴れしい質問をしてくる。「え〜、公演に関係ない発言は控えてください。皆さんも同じです。」マネージャーが内野を引き止める。神原は終始作り笑いを装いながらも眉間にしわ寄せていた。やがて舞台挨拶は予定より早く打ち切られ、早々と車でAKM48総選挙会場へ神原達は向かった。中継は全国ネットで流れてる中、下位争いに泣くアイドル達のドラマが沢山展開されていた。なかなか呼ばれない神原美紀の名前。緊張感漂う会場内。「続きまして、第10位の発表です。第10位は…」甲高いドラムの音に高鳴る鼓動。「神原美紀っ。」一斉にスポットライトが当てられ、音楽が流れた。思わず両手で口を抑える神原。拍手が鳴る中、司会の徳島アナからマイクを向けられる。「どうですか、最年少で10位内に入った気持ちは…」マイクを向けられた時、彼女はとんでもない発言をする。「身に余る光栄です。うれしいんですが、ここで私から重大発表があります。」「ほ、ほう、それは何ですか。」半分嫌な予感で冷や汗かく徳島アナ。「本当にファンの皆さんごめんなさい。私には、結婚を誓った婚約者がいます。」「はーーーーーーーーーーーーーーっ。」顎が抜けるとはまさにこれだろうか。13才の誕生日の出来事だった。…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.60 )
- 日時: 2017/08/16 01:43
- 名前: 梶原明生 (ID: 0zy7n/lp)
…「あ、あんた何言ってるかわかってんの。」柏木美紀は開口一番に叫んだ。「ごめんなさい。本当にごめんなさい。でも出会ってしまったんです、運命の人に…安心してください。何も条件なしで告白したわけではありません。今から8年間、二十歳の結婚式まで逐一彼との交際ビデオを公表します。決して不純異性交友ではないと証明いたします。」まだまだ唖然とした雰囲気は続いていたが、山本彩美というメンバーが控え室から会場に戻ってきた。「はぁ、あんたガキのくせしていい加減にせぇや。」大混乱を免れないと悟った徳島アナは何とか修復しようと必死だ。「まぁまぁ山本さん、ここは抑えて。まぁ、ご本人も真剣ですし、何か詳細あっての決断でしょう。ここはひとまず抑えて抑えて。」尚更冷や汗かく徳島アナ。これからの大波乱を目の前にして、前代未聞の試みは動き始めていた。一方そのフィアンセとも言える長谷川は氷川スペシャルなる強化教練を課せられ、ヒーヒー言っていた。「ハァハァ、こんなの、人間のプログラムじゃね〜。ハァハァ、お、鬼じゃない。あ、悪魔だ、サタンだ…」「何だ長谷川。まだごちゃごちゃ小言が言える元気があるか。なら腕立て後50回追加だ。お前ら全員もだ。」梅崎があたる。「バカやろう。お前のせいで余計な…クソ。」藤高班のメンバーはヘロヘロになるまでやらされた。「よーし、いいだろう今日はここまでだ。ただし、気を抜くなよ。」「はいっ。」全員解放されてようやく喫食と風呂にありつける。しかし宿舎に戻るなり長谷川はベッドに手紙が置かれていることに気がついた。「藤高曹長の事で取り急ぎ知らせたいことがあります。今すぐ事務部用務室まで来るように。佐藤梓 事務部上等兵より。」と書いてある。「いけねー。」長谷川は一目散に事務部まで急ぐが誰もいない。「ああそうか今日は定時デーか。でも来いってあるしな…」仕方なく初めて事務部オフィスに足を踏み入れた。すると奥の用務室は確かに光が漏れている。「は、長谷川一等兵です。」「入って。」「失礼しま…ええーーーーっ。」何と、佐藤は際どい下着姿で長谷川を待っていた。「何よ。上官に向かって失礼な態度ね。早くドア閉めなさい。」「は、はいって、いえ、その、何と言うか、ま、不味いでしょこれ。」長谷川は手で目を塞ぎながらちゃっかり指の隙間から佐藤を見る。着痩せするのか、たわわな乳房は推定Eカップはあった。「何が。私ね、前々から年下のあなたが好きだったの。」…続く
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.61 )
- 日時: 2017/08/19 00:46
- 名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)
…「そ、そんなことを言われましても、じ、自分には、心に決めた子が…」「知ってる。神原美紀でしょ。ここに連れ込んでたでしょ。いけない一等兵だ。」「え…」佐藤の口振りに驚く長谷川。「でもね。神原美紀と健全にやれるまで何年かける気。相手は未成年よ、児童福祉法違反は免れないわね。」「や、やれるって何ですか。」「あら、とぼけないでいいのよ。今から私とあなたが、す・る・こ・と。たまってるでしょ性欲が。いいわ、私が処理係りになってあげる。」佐藤は大胆にも長谷川に抱きついた。「くぅーーーっ、い、いけませんこんなの、お、俺は…」「あら、言うわりにアソコは元気みたいよ。」「くぅーーーっ…」歯を食いしばるものの、男の性には勝てない長谷川。固唾を飲み干したところでその甘い誘惑の時間は終わった。「ここで何してる。」何と、氷川曹長だった。「いえ、これはその、あの、誤解です。」「キャーッいきなり長谷川君が無理やり私を」「えーっ」佐藤の態度が豹変。長谷川の顎は外れる寸前だ。「嘘をつくな佐藤上等兵。私が今来たばかりと思うのか。話は聞いてたよ。このことは追って上に報告する。服を着ろ。…長谷川、宿舎に戻れ。」銀縁の最新デザインの眼鏡を上げながら命令する氷川曹長。「は、はい。」敬礼して立ち去る長谷川。帰り際に佐藤は毒を吐く。「別に首にされても構いません。ですが私の魅力にアノコが落ちませんかね。フフン、楽しみですわ氷川曹長。」振り返らずに事務部を後にした氷川。翌日。芸能界に震撼が走った。おかげで神原は家からも出られない有り様。スマホに河田亮介から電話がかかる。「美紀ちゃん、大変だね。僕だけは君の味方だよ。そうだ、総選挙で言ってたあの交際動画。僕の番組モニターズ1で流せば。ついでにレギュラー化すればいい。どう。」「ありがとうございます。河田さんだけです、私を助けてくれるのは。…」「何言ってんの。僕と君の仲じゃないか。」河田は笑いながら、全く別の目的を目論んでいた。一方藤高曹長の元にあの氷川曹長が見舞いにきていた。「そうか。その佐藤怪しいな。」「ああ、小脇大尉の目算通りなら、あの日手引きしたのは佐藤の可能性が高い。長谷川に近づいてるのも、神原美紀との仲を裂く狙いがある。」「引き続き俺の代わりに班の連中を頼んだぞ。」「お前には借りがあるからな。…それはそうと辛島との仲はどうなんだ。」「どうって言われてもな…」はぐらかす藤高だったが、噂の麻里が…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.62 )
- 日時: 2017/08/26 01:59
- 名前: 梶原明生 (ID: 70vEHkeO)
…病室のドアを開けてきた。「あ、氷川曹長。お見舞いですか。」氷川は藤高に目配せしながら答える。「勿論そうだ。君はたしか辛島上等兵だったな。何の関係もないはずの事務部の君が、また何で藤高曹長のお世話を買って出たのかね。」「そ、それは、その、私は…」言ったところで藤高が助け船を出す。「おい、氷川。いい加減にしろよ。」「これはこれは失礼。少々部屋が熱くてのぼせそうだ。それでは藤高曹長。くれぐれもお大事に。あ〜熱い熱い。」当て付けるかのようにその場を去る氷川曹長。「気にするな。それよりいつもありがとう。」「いえ、当たり前のことをしているだけです。洗濯物です。それでは今日はこれで。」「待ってくれ。」藤高は初めて麻里の腕を掴んだ。「え、…」「ああ、すまない。つい。その、何だ。せっかく来てくれたんだし、少し話していかないか。紅茶奢るよ。」「は、はい。喜んで。」麻里はこの上ない喜びを感じていた。その頃神原はスマホで長谷川に電話しているところだった。「んもう、早く出て。メールの返信もないし電話しかない。早く早く。」呟くように言う神原。しかし出るわけもなく、氷川スペシャルが災いしていた。「美紀。」いきなり部屋に入ってきた女性に彼女は平手打ちを食らった。「鹿児島から帰ってきたらこれよ。どうしてくれるの。あなたの夢は、芸能界は、…アイドルまっしぐらだから東京に来たんでしょ。それなのにお母さん達裏切って。」神原の母親だった。「ごめんなさいお母さん。でもわかって。私達真剣なの。遊び心なんかじゃない。」「何甘ったるいこと言ってんの。あなたまだ13才よ。あなたなんかに愛だとかわかるわけが…」「わかるもん。輝は私が結婚すべき人だと。」「あんたって子はあんたって子は…」平手打ちで二人は叫びながら揉み合いとなる。「お母さん、止めてください。僕です、河田亮介です。」「あらやだ、あのモニターズ1の…」まさかの乱入者に驚きを隠せない母親。「そうです。さっき家の方に許しを得てここへ。美紀ちゃん、大丈夫…。」涙に濡れる神原の顎をそっと上げた。「河田さん…」長谷川は来てくれないのに、河田はすぐ来てくれた。その優しさに神原の心は揺れ動く。「お母さん…ですね。実は折り入ってお話が。」巧みな話術で計画を話しはじめた。…続く。
- Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.63 )
- 日時: 2017/09/01 07:48
- 名前: 梶原明生 (ID: Xc48IOdp)
…「もう仕方ないと思います。まずはお母さんやお父さん方が一度その芸浄隊員と会われたほうがいい。その上でうちのモニターズ1に出演させればいいんです。ファンは半減しますが、また新たなファンが付くようになります。うちの視聴率はご存知ですよね。純粋な交際を演出する。そうすれば低迷なテレビ業界に新風が巻き起こりますよ。」「まぁ、河田さん何てお礼を言えばいいか。いっそ河田さんが結婚してくださればよろしいのに。」母の言葉に憤る神原。「もう、お母さんやめてよ。」「いや、これは何とも。ハハハッ。」和やかに事は進みはじめた。その頃、長谷川は石神大佐のオフィスに呼ばれていた。彼にとってあの時以来であり、滅多に呼ばれないはずのオフィス。緊張に緊張が走る。「やっぱりお叱りかな。ハァ…」落胆しつつもノックした。「入りたまえ。」「は、はい。は、長谷川一等兵入ります。」「うむ御苦労。君に来てもらったのは他でもない。今日付けで君を、芸能浄化陸軍、広報宣伝大使付、専任伍長に任命する。」「はっ、…はぁ伍長…ご、伍長っ。」驚く長谷川をよそに藤岡少佐から辞令書が手渡しされる。「確か先月で19だったな。異例の出世だ長谷川、喜べ。よって新しく入った新人隊員を二人部下に付ける。先輩としてしっかり面倒を見ろよ。もうお前は新人ではないんだからな。」「は、はい。」頑なに敬礼する長谷川。「そこでだ長谷川伍長。もう名前からして何が目的かわかるはずだ。芸浄隊員を代表して、神原美紀とタレント活動しろという意味だよ。」「ほ、本当ですか。やった…」「こら。喜ぶのは早い。広報だからって訓練や芸浄活動を免除するわけではないぞ。あくまでその傍らとしての活動だ。勘違いしては困る。」「げっ、そうなのか…」「こら、石神大佐の前で何だその言い草は。」武骨な藤岡少佐に喝を入れられビビる長谷川。「し、失礼いたしました。」「まぁいいだろう。それでは新人の紹介だ。幕張蒼太二等兵と橘勇気二等兵だ。「ふん、よろしくお願いします先輩。」「じ、自分は、橘二等兵であります。」長谷川は幕張二等兵に小生意気な匂いを感じた。「よし、それでは早速だが今週末、17:30よりデート撮影を河田亮介主催のモニターズ1撮影班が行う。」「か、河田っ」長谷川は眉間にしわ寄せ、今後の展開に暗雲立ち込める気分だった。「分かっている。長谷川、河田亮介にいい感情がないんだろ。」「どうしてそれを。では何故。」石神大佐は語りは始める。…続く。
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