複雑・ファジー小説

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芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生 (ID: DU.Bh3c8)  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.129 )
日時: 2023/12/21 02:49
名前: 梶原明生 (ID: lEZDMB7y)

「曇天の霹靂」・・・・・・・・・倉持が無線で聞く。「どうした、藤高答えろ。」「すまん、無線は切っていた。俺たちの動向を知らせていた裏切り者は高倉じゃないかと思ってな。問い詰めたんだ。」「お、お前気は確かか。諜報部のこの俺が身辺調査したんだぞ。高倉に限ってありえない。お前俺に不備があったとでも言いたいのか。」「そんなつもりはないが、あまりにも筒抜けすぎる。お前なはずはないが、高倉は新人みたいなものだ。何らかの形で巣房に寝返ってもおかしくないだろ。」高倉が半泣きになって訴える。「酷いです。わたしをそんな風に思ってたなんて。」駆け出して早稲田のところに行く高倉。「ああ、高倉さん気を沈めて。私はあなたを見てたわ。そんな素振りは微塵もなかった。」エントランスデッキに戻る藤高。「ならスマホを見せろ。濡れ衣なら発信履歴は白なはずだろ。」「そ、それは・・・」出し渋る高倉。「わかった。だが、疑いは晴れないからそのつもりでいろ。」「はい。」早稲田は彼女を擁護する。「私達を守ってくれた高倉さんに限ってないわ。だから気をしっかりと。」「ありがとうございます。」そんな時、デッキのドアを叩きながら入ってくる巨漢がいた。驚いて振り返ると、サングラスにオールバック髪に黒コートと言った出立ちだ。余裕かましてガム噛みながらデッキの両壁を、腕を上げて掴む。「お前らか、俺の下っ端を可愛がってくれたのは。チビのくせに。」倉持は180センチの身長だが、彼ですら見上げるほどのデカさだ。「俺はチマチマしたやり方はしない。」運悪く車掌が通りかかる。「あの、何か。」「フフフ、丁度いいカモが来やがった。」何と車掌の首を掴んで盾にする。「その女子高生とUSBを差し出す前にペナルティ与えてやる。この俺を倒しに来たやつがいればこの車掌の命は助けてやる。嫌ならこの罪のないJRの車掌が死ぬだけだ。お前らは腰抜けの羊か、それとも狼か。どっちかな。」苦渋の決断を迫られる。「俺が行こう。」「バカ、相手は2メートルあるぞ。体格差があまりに大きい。いくらお前でも無茶だ。」倉持は彼の肩を掴んで叫んだ。「だが、ここに高倉一人残すのは危ないだろ。「し、しかし。それなら俺が。」「お前は諜報部だ。俺よりは対処能力は上だろ。ここを離れてもらっては困る。大丈夫だ心配するな。」藤高は笑顔でデッキを出る。「おっと忘れてた。芸能界浄化部隊支給の拳銃があるだろ。デッキに戻せ。」車掌を人質に取る巨漢がまた要求してくる。シグ拳銃を抜いてデッキに戻す藤高。床に置いたら即靴裏でスライドさせて後ろに蹴りやる。倉持がキャッチする。・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.130 )
日時: 2023/12/26 10:18
名前: 梶原明生 (ID: hr/PPTT1)

・・・アイコンタクトだけして扉は閉まった。巨漢に向き直り、座席に寄りかかって脚を組んでる奴に立ち向かう。が、強烈な前蹴りを食らってデッキ前まで吹っ飛ばされる藤高。奥でビビってる乗客が固唾を飲んで呟いた。「す、凄い。芸浄隊員をあんなに蹴っ飛ばすなんて。」チラリと後ろを見やるが完全無視を決め込む巨漢。彼は不満足な表情だ。「野郎、俺の蹴りの威力をわざと自ら吹っ飛んで減殺しやがった。」素人目には殴ったり蹴ったりで大きく吹き飛ぶと「威力あり」と誤解するが、本当のパンチ力キック力は人を吹き飛ばさない。相手をくの字に曲げてその場に倒すのが本当のパンチ力キック力だ。所謂、慣性の法則だ。徐に立ち上がる藤高。拳を上げて構えつつ、片手を開いて掌を上にし「カモン、来いよ。」と合図して挑発する。「ふ、おもしれー。」巨漢がデッキ側に迫る。パンチを喰らう振りして、藤高は横に飛び、座席のクッション性を利用して三角飛びみたいに飛びあがってパンチを食らわした。一瞬怯む巨漢。「ち、チビが。ちょこまかと動きやがって。」その後も体格差を埋めるが如く、まるでサーカスみたいに座席を飛び移りつづけて巨漢を惑わせた。「ガキかテメーっ。」「お前は立ち向かう奴には強い。だが逃げまわる奴に弱い。」「何だと。」言われるまま翻弄される巨漢。「そろそろいいか。」藤高は通路に戻り、マシンガンの如く連打と蹴りをはなった。「何、き、効かない。」ほぼ平気な巨漢は彼の首を掴み、渾身のパンチを喰らわせる。「藤高っ」倉持は思わず叫んでしまった。「ふ、終わりだな。」倒れた藤高を踏みつけようとしたのだが。「藤高さん、藤高さん。」「み、実優さん・・・」意識が遠のく中、上原実優さんが起こしてくれたのを感じた。「利行さん起きて。」今度は麻里の声も。・・・「これで終わりだー」巨漢が足を振り下ろすも、パッと目を覚まし中段外受けで足を払いのける。同時に股間目掛けて蹴りを突き上げた。「グハーッき、て、テメー。」「実優さんや、無念で芸能界から虐げられた人々の思いが、この俺に力を貸してくれてる。」言いながら座席シートを二つ剥ぎ取る。「うるせー、いい年して青臭いセリフ吐くな、人権無しのクソチビが。」またもやパンチを繰り出すと、藤高は座席シートでカバーし、座席シートで反撃した。何故かパンチ力が増し、巨漢が怯みはじめる。最後に片方のシートを投げつける。「拳銃はダメなんだよな。なら特殊警棒は反則じゃないな。」警棒を取り出し、座席シートを盾にしたらさながらガンダムみたいな様相になった。「ふざけんな。」足元に隠したナイフを取り出すも、警棒で叩き落とされる。後は連打の応酬である。満身創痍になりながら、根性だけで立つ巨漢。「何なんだお前、チビのくせに。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.131 )
日時: 2023/12/23 12:50
名前: 梶原明生 (ID: u3utN8CQ)

・・・「愛を知らないお前には分かるまい。」「はあぁ、何だそりゃ。」最後にかけ蹴りで倒した。不謹慎と思いながらも、つい「やった。」と歓喜して腕を振る杏梨と蒼太に高倉。倉持はスマホ片手に熱海の警察署に連絡入れる。またもや先程と同じく、警察官に引き渡す藤高達。もはや誰一人として殺し屋は新幹線に乗り込まなかった。大阪からの人物以外は。・・・「熱海をでてから何もない。このまま東京駅に無事着いてくれれば一安心だな藤高。」「勝って兜の緒を締めよ。まだ油断ならないぞ。」「ああ、わかってる。」「キャーッ」「動くな。」何ごとかと振り向くと、何と高倉が杏梨を人質に拳銃をこめかみに当てているではないか。「動くんじゃない皆。さぁ、杏梨ちゃん、USBを渡してもらおうか。」「え、そ、そんな。高倉さんはそんな人じゃ・・」「買い被りすぎだよ。金には変えられないからね。さぁ、出しな。」「そんな。」早稲田が説得する。「やめなさい高倉さん。あなたそんな人じゃないでしょ。私には三人の子供がいるから分かるわ。あなたは真っ直ぐな方よ。」「うるさい黙れ。毎日毎日こんな危険な仕事させられて、給料は雀の涙ほど。やってられない。あんただって三人も子供いたらわかるだろ。で、その子達の名前は。」「あ、そうね、小太郎、星矢、優子よ。」「生年月日は。」「え、ああ、その、小太郎は平成20年1月30日、星矢は平成な21年6月25日、優子は平成24年5月23日。」「じゃあ今度は下から順番に言ってみて。」「え、ああ、え、と、確か・・・て何、一体これは何なの。」藤高が割り込む。「あれ、おかしいですね。あなた薬剤師ですよね。ご自分のお子さんの生年月日もうる覚えなんですか。」「いや、そんなわけ。」「ありますよね。先程マカロンの話であなた四人子供がいると言っていた。なのにさっきは三人に減った。10人大家族ですら人数を忘れないと言うのに、何故減ったんだ。」「う、く、・・・」「最後に疑いを晴らすチャンスをやろう。スマホを倉持に渡してみな。履歴がなければあんたは白だ。しかし、果たして渡せるかな。」言った矢先、いきなりた高笑いし始める杏子。「ハハハハハッ」蚊帳の外の倉持が問いかける。「おいおい待て待て、お前ら最初から・・・そう言うことか。」「そう言うこと。」藤高が答えると高笑いが無駄になった杏子が叫ぶ。「コラーッ人が正体現したのに何無視してる。」「おっとこれは失礼。忘れてたラスボスママ。」「ふ、ママね。私子供は大嫌いなのよ。でもね、この顔のおかげで随分と人を騙し討ちにしてきた。」彼女の一人語りが始まる。「そう、あれは何年前かしら。親切で気弱な叔母さんを演じて資産家のヘルパーとして働き、その資産家家族を皆殺しにしてやったわ。あれはまさに殺し屋の芸術作品ね。私を蔑んだやつはみーんなあの世に送ってやったわ。まさに神から与えられた才能よ。人を油断させ、信じ込ませるためのね。・・・て、聞いてんのかコラーッ。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.132 )
日時: 2023/12/26 11:02
名前: 梶原明生 (ID: 9ffIlNB/)

・・・「ああごめん、東京駅での段取り話してたから聞いてなかった。で、卑劣な根性ひん曲がったババアがどうしたって。」藤高の挑発に益々エスカレートする杏子。「聞いてんじゃねーかっいい加減にしろ。全く私も焼きが回ったのか、早くに騙して盗み取り、その小娘を殺すはずが、思いの他その高倉の姉ちゃんがガードが硬くて実行できずにいた。おまけに私の無能な部下のせいで私まで正体がバレるとは。」「あんたは最初から怪しかったよ。しかし確証がなかったからしばらく泳がせてたら、大魚が釣れたわけだ。」言いつつ杏梨と蒼太を後ろに回す藤高達。「もうすぐ新横浜駅ね。ならその大魚に最後喰われなさい。フフフッ」「高倉、二人を一両隔てた向こうに。」「了解。」彼女に任せて、藤高倉持が立ち塞がる。が、しかし。「何だこの女。」取り押さえようとしたら逆にねじ伏せられる二人。「ごめんね。私の才能は見た目だけじゃないのよ。もう一つの才能はバカ力があるってこと。」男二人の首を楽々握って引き上げる怪力。まさに「痩せの大力」である。「なら、ば・・・」打撃に出る二人だったが。「言ったでしょ。怪力があるってことは筋肉の密度も高いから打たれ強いのよね。」意識が遠のく中、かつて鍼灸師をしながら北斗神拳の研究もしている武道家講師の話を思い出していた。「あくまで漫画作品ではありますが、実際の経穴に通ずる所もある。たとえば腕の力瘤の裏。ここにも経穴がある。」カッと見開いた藤高は力瘤内側の秘孔を中高一本拳で突いてみた。「何すんのーっ」一気に首から手を離す杏子。「いくら筋肉の密度が高くても、経絡秘孔までカバーできない。そして・・・」藤高は杏子の目をニ指拳で突いた。勿論失命までさせたら「過剰防衛」扱いになるから、一時視力を失う程度だ。だが漏斗状の水晶体は、軽いフィンガージャブだけでも耐え難い苦痛を与える。「戦いの鉄則。敵は目が見えねば戦えぬ。」言った矢先、ラストスパートの連打が始まる。縦拳、鈎突き、揚げ拳、前蹴り、逆裏拳、落とし突き。そして。「これが芸浄隊の底力だっ。」倉持とシンクロして互いにダブル足刀蹴りを極める二人。「うう、」倒れ込む杏子。ついに全ての殺し屋達を掃討した。またもやインシュロックで後ろ手に拘束する二人。「芸能界浄化法違反、並びに杉咲杏梨さんに対する殺人未遂、殺人教唆、そして、資産家家族殺害容疑や河合薔薇さんに対する殺人の罪で逮捕する。」「ふん、警察でもない、自衛隊ごっこのモドキ野郎に逮捕権はないだろ。」「残念。それがあるんだな。自衛隊の警務隊に逮捕権があるように芸能浄化部隊員にも逮捕権はある。」・・・続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.133 )
日時: 2023/12/27 12:49
名前: 梶原明生 (ID: rTNrXcQ7)

・・・「チッ。」舌打ちだけしか出来ずにいる彼女は引き上げられた。しばらくすると、新幹線は品川駅に到着。警視庁の刑事が乗ってきて杏子の身柄引き渡しを請け負う。「ま、容疑者逮捕には感謝するがね。君達の相変わらずの暴挙には呆れるよ。一体どれだけ無法者をやれば気が済むのかね。」老練の刑事が食ってかかるも若手刑事が制する。「ガンさん。また揉めたらどうするんです。」藤高が割り込む。「無法は無茶で叩き潰す。かつてそんな言葉を聞きました。私も無法者が蔓延る芸能界を浄化するためには、多少の無茶が必要と考えます。ですがあなた方警察が、巣房達の計画を阻止できましたか。我々芸能界浄化部隊がいなければ、とっくの昔に彼女達まで殺されていた。これをどう説明する。」睨む藤高に物も言えず、そそくさと退散する刑事達。「ナイスフォロー藤高。なかなかの名演説だったぜ。」「やめろよ倉持。持ち上げても何も出ないぞ。」「もんじゃとKIRINビール。」「お前・・わかったよ。奢りゃいいんだろ。」高倉も割り込む「ごちそうさまです曹長。」「また大阪駅の繰り返しかよ。」緊張がほぐれ、笑い合う三人。藤高は杏梨と蒼太に向き直る。「お二人共、お疲れ様。ありがとう。君達の勇気と英断には感謝するよ。しかし。・・・辛いことだよな。俺からは何を言ったらいいのかわからないくらい、何て言うか、上手く言えないんだが。君達には、どうか明日を生きて欲しい。それは故人を忘れるためじゃない。むしろ、愛した人々に報いるためだ。どうか、幸せになって欲しい。そう願うよ。」「ありがとうございます。」涙ながらに頭を下げる二人。「いいんだ。俺たちは芸能界浄化部隊。これが任務だったから。」最高の笑顔を送って席に着く藤高。最後に高倉が締めくくる。「私から一言。どういたしまして。」彼女もニッコリ笑った。やがて新幹線は念願の東京駅に着き、出迎えの芸能界浄化部隊員と合流した。藤岡中佐もいた。「ご苦労だったな。」「いえ、無事にお二人を東京にお連れしました。」「うむ。後は我々が引き継ぐ。お前たちはゆっくり休め。」「いえ、お言葉ですが藤岡中佐。彼らに最後まで付き添いたいと思います。」「そうか。わかった。では一緒に芸能界浄化睦軍基地まで帰ろう。」「了解致しました。」三人共に敬礼する。lav高機動車に乗り込む面々。倉持が窓外を見て呟いた。「そうか、世間はもうクリスマスか。すっかり忘れてたよ。」「俺もだ。俺達芸能界を浄化するためにいつの間にか浮世離れしていたな。」「だな。お前んとこは子供に何買うんだよ。」恥じらいながら藤高は微笑む。「まだサンタも理解できない幼な子だぞ。ま、何か赤ちゃん用のオモチャでも買うさ。高倉はこの後どうするんだ。彼氏と過ごすのか。」「やめてくださいよ恥ずかしい。それにそんな事聞くのもセクハラですよ。」「おっと、俺としたことが。訴えるかい。」「しませんよ。でも・・・」高倉は心に決めた隊員を思い浮かべていた。「ケーキくらいは食べますかね。あ、その前にもんじゃ。クリスマスバージョンで行きましょうよ。」「おいおい、もんじゃにクリスマスも何もあるかよ。」「ハハハハハッ」三人共に笑い合う。・・・次回「安寧」に続く。


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